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現代音楽というけれどもプログレ+Sonic Youth

2009-07-03 20:03:36 | 音盤ノート
Glenn Branca "The Ascension" 99 Records, 1981.

  エレクトリックギターのための交響曲で知られる作曲家Glenn Brancaの、"Lesson No.1"(99 Records/1980)に続く二作目の録音。2003にAcute RecordsからCD化されている。

  交響曲作品を連発する以前、Brancaはロックバンド"Theoretical Girls"と"The Static"に参加している。前者はNew York1970年代後半の"No Wave"シーンに属したバンドとして再評価されている。現在聴ける音源を聞く限りでは、Brian Enoがなぜ名コンピレーション"No New York"(Antilles/1978)からこのバンドを外したのがよくわかる。ノイジーで性急なのだが、どこか整理されたところがあり、破綻というか爆発力が無く、小さくまとまった感がある。"No New York"に収録された4バンドの八方破れの凄さに及ぶべくもないという印象だ。

  作曲家としてのキャリアを追求し始めた頃の作品ということになるこの"The Ascension"は、ドラムとベースと4台のギターによる5曲を収録している。いずれも分厚く重ねられたギターの音をプログレ的な曲展開で力強くうねらせるものだ。ギターも変則チューニングのため気色悪い音色でかき鳴らされている。

  バンド時代より圧倒的にこちらのほうが面白い。きちんと構成された長尺曲を志向するBrancaは、そもそも3分程度の短い曲に滅茶苦茶さを詰め込もうとするNo Wave系のミュージシャンと異なっている。この録音でのアンサンブルはロックバンド的な要素を残しているが、パンク的ではなくプログレ的である。Allmusic Guideで"Classical"にカテゴライズにされてしまうのもさもありなんと言えるだろう。
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