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アコースティックギターが寒々しい冷風のようなカルテット

2014-05-01 11:17:21 | 音盤ノート
Ralph Towner "Solstice" ECM, 1975.

  ジャズ。12弦のアコースティックギターを弾くラルフ・タウナーをリーダーとして、Jan Garbarek (saxes, flute), Eberhard Weber (bass), Jon Christensen (drums)というカルテット編成。8曲目がヴェーバー作である以外、他はタウナーのオリジナルである。涼風を通り越して寒風というべきタウナーの冷たいアコギ音が、アルバム全体を通じて聴き手の頬をなでる。適度な緊張感もあり、眉間にしわを寄せて聴くような音楽となっている。

  1曲目は速い演奏の上でゆったりとテナーサックスが奏でられるというもの。背後でチェロの持続音も加えられている。2曲目はおどろおどろしい小品。3曲目はスローバラードで、タウナーはピアノとギターを弾いているが、おそらくオーバーダブされている。4曲目も1曲目と同様速い展開で、ガルバレクも大胆にソロを展開している(ユニゾン部ではフルートを弾いており、これもオーバーダブだろう)。5曲目はタウナーとガルバレクのデュオ。6曲目はファンキーなリズムの上でタウナーがソロを長々と披露する。ガルバレクは参加していない。7曲目はつなぎ用の小品。8曲目はミドルテンポの中、オーバーダブされたチェロ(ヴェーバー)が作るドローンの上にカルテット演奏がのる。

  というわけで、録音に何日かかったかは不明だが、それなりに作りこまれた作品である。70年代のタウナー作品はけっこうオーバーダブが使われていた。近作ではスタジオで音をいじったりしなくなったが、初期作品における厚い音にもけっこう捨てがたい魅力がある。
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