中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

上司の暴行で

2019年12月09日 | 情報

労災認定は、「2017年8月1日付」。どの企業も「労災があった」と積極的に公表することはないですよね。

楽天社員が上司の暴行で首に後遺症、うつ病に 労災認定
2019年12月5日 朝日

楽天の40代の男性社員が首にけがをしたりうつ病を患ったりしたのは、
上司から受けた暴行が原因だったとして、渋谷労働基準監督署(東京)が労災を認定していたことがわかった。
2017年8月1日付。

代理人の川人博弁護士らが5日、記者会見して明らかにした。
川人弁護士らによると、男性は15年5月に楽天に入社し、広告会社などに対する提案や営業活動をしていた。
16年6月14日に社内であった会議で、男性は出席していた部下に業務上の指示を出した。
この指示について同席していた男性の上司が意見を言ったところ、2人の間で口論に発展。
上司が激高し、男性の首元をつかんだという。

渋谷労基署は、男性はこの暴行が原因で頸髄(けいずい)不全損傷とうつ病を発症したと認めた。
また、渋谷労基署は今年6月20日付で、「せきずい症状のために労務に服することができない」などと
後遺症が残ったとする障害認定もした。男性は16年7月に同社を退職し、現在も療養中という。

川人弁護士によると、楽天側の代理人は「従業員間のけんかに過ぎない」との見解を示し、
自社の責任を否定しているという。このため、会社の責任を明確にするための調停を近く申し立てる方針。
不調ならば提訴に踏み切るとしている。

男性は5日、「会議中の暴行で怪我(けが)を負い、困って社内のパワハラ相談の部署に相談したにもかかわらず、
十分な調査もせず、相談を否定され、配転希望にも対応してもらえず、退職せざるを得なかった。
また、周囲にも連絡を取るなと指示をしたり、会社の対応には本当に驚いた。
会社として、責任を認めて謝罪してほしい」とするコメントを発表した。

楽天側は男性が労災を申請する際、申請書に必要な事業主の押印を拒んだといい、
労災認定後も自社の責任を認めていない。
川人弁護士は「会社側は当初から一貫して本人に冷淡な態度をとっており、信じられない対応だ。
(楽天会長兼社長の)三木谷浩史氏は責任者として職場の改善に取り組むべきだ
」と批判した。
男性側は会社の責任を明確にするため、近く東京簡裁に調停を申し立てる方針。
不調に終われば提訴に踏み切るとしている。
楽天の広報担当者は「社内規定にのっとり、適切に対応している」として、対応に問題はなかったとしている。
男性側の主張については「調停の申し立てが行われるとのことなので、当社からの回答を控える」とし、
詳細について説明しなかった。

職場でのパワハラをめぐっては今年9月、トヨタ自動車の男性社員(当時28)が17年に自殺したのは
上司によるパワハラが原因だったとして、豊田労基署(愛知県豊田市)が労災を認定している。

パワハラ対策を求める声の広がりを踏まえ、
政府は今年5月に成立した改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)で、企業にパワハラ防止策を義務づけた。
20年6月から大企業に適用される見通しだ。
厚生労働省は何がパワハラに当たるかの指針を近く決め、11年につくった精神障害の労災認定基準も見直す方針だ。

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