中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

伊藤忠商事のCM

2016年10月30日 | 情報

当ブログで積極的に取り上げている、朝方勤務。
これを率先して実施している民間企業のひとつが、伊藤忠商事です。
小生が就活(当時は、このような言葉はありませんでしたが)活動している頃から、
当社は、三井物産や三菱商事等の後塵を拝していて、いつも取扱高は3~5位だったと記憶していますが、
現在では、トップだそうですね。何か勢いというものを感じますね。

そして、伊藤忠商事は、企業広告にとても注力している企業のひとつです。
いま、「ひとりの商人、無数の使命」のシリーズ広告で、「朝型勤務編」を放映しています。
そこでは、朝型勤務の効用を強調しています。みなさんも一度は視聴しているのではないでしょうか。

伊藤忠商事のHPから、視聴できます。
http://www.itochu.co.jp/ja/

伊藤忠健康憲章

伊藤忠商事は、かけがえのない経営資源である社員が、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無等の多様性を
もっていることを認識し、ひとりの商人が担う無数の使命と、永続的な企業価値向上を実現すべく、
以下の通り、健康憲章を定めます。

1.健康への責任
伊藤忠商事は、社員の健康を、本人やその家族、お客様や社会全体の幸福の礎と 考え、
健全で永続的な会社の発展を実現します。
2.健康による社会貢献
伊藤忠商事は、社員の健康を、本人やその家族、お客様や社会全体の幸福の礎と 考え、
健全で永続的な会社の発展を実現します。
3.未来への継承
伊藤忠商事は、心身共に満たされた健康な社員が卓越した「個の力」を発揮する 企業として、
その「無数の使命」を全うし、未来に亘って「豊かさを担う責任」を 果たして行きます。
2016年6月

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ストレスチェック制度Q&A③

2016年10月28日 | 情報

Q:ストレスチェックの受検者が、受検対象者の40%に止まってしまいました。
労基署からの指導や、何らかの処分はあるのでしょうか?
どのように報告したらよいでしょうか?

A:結論です。様式第6号の2(第52条の21関係)を使用して、全て事実を記入の上、提出してください。
定期健康診断の報告と同じ要領で、対応してください。
なお、異なるのは、報告日です。

(検査及び面接指導結果の報告)
第52条の21 常時五十人以上の労働者を使用する事業者は、一年以内ごとに一回定期に、
心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第六号の二)を
所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
(健康診断結果報告)
第52条  常時五十人以上の労働者を使用する事業者は、
第四十四条、第四十五条又は第四十八条の健康診断(定期のものに限る。)を行なつたときは、遅滞なく
定期健康診断結果報告書(様式第六号)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

偽った事実を報告すると、私文書偽造等罪(159条)に該当しかねません。可能性は殆どありませんが。
むしろ、御社は、労基署に対して誤った認識、イメージをお持ちではありませんか。
労基署は、法令違反を取り締まる機関ではなく、労働安全衛生法等に則り、企業・事業場の
労働安全衛生体制を支援する機関と、理解されるのが妥当でしょう。
労基署は、企業やそこで働く労働者の生命、安全、健康を支援する行政機関なのです。
もちろん、先の労働者自死事件のような場合は、厳正に対処しますが、
通常は、企業・事業場にとっての「良き、相談先」と考えてください。

ですから、「検査を受けた労働者数」が在籍労働者数に対して著しく少なくても、何ら問題ありません。
むしろ、「検査を受けた労働者数」が在籍労働者数に対して著しく少ないという事実が、
行政機関に対する問題提起になるのです。
周りを見回してください。未だにストレスチェックを実施できていない企業・事業場がたくさんあります。
それに比べて、御社は法令に則りストレスチェックを実施した、「優良」企業・事業場です。

参考Q&A
(Q19-6)ストレスチェックを実施しなかった場合も、労働基準監督署に報告を行う必要はあるのでしょうか。
報告しなかった場合は、罰則の対象となるのでしょうか。

ストレスチェックを実施しなかった場合も、労働安全衛生法第100条及び労働安全衛生規則第52条の21の規定に基づき、
「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(様式第6号の2)」を
所轄の労働基準監督署長に提出する義務があります。
また、提出しなかった場合は、労働安全衛生法第120条第5項の規定に基づき、罰則の対象となります。

 

 

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31日、1日,2日は休載します

2016年10月28日 | 情報

31日、1日、2日は出張のため休載します。よろしくお願いします。
再開は、3日の文化の日からです。

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「精神疾患退社」に備え

2016年10月27日 | 情報

東京海上日動の広報記事になってしまいました。
これまでは、労災保険に上乗せして保障する民間保険が多数、販売されてきましたが、
いよいよ精神疾患にも対応した保険が登場しました。

参考までに、精神疾患に関連する裁判では、有名な電通事件の賠償額、16,800万円があります。
支払い能力がある電通ですから対応できましたが、体力の弱い中小・零細な企業では、当然に支払い能力はありません。
もちろん司法も、被告企業の支払い能力に配慮(情状酌量?)した判決を出しますが、
労働者側にとっては、自分の今後の生活保障を求めますので、被告側企業の支払い能力を忖度することはありません。

東京海上、「精神疾患退社」に備え 中小向け保険 
2016/9/18 日本経済新聞

東京海上日動火災保険は10月から中小企業の従業員が精神疾患で退社した場合などに対応する保険を販売する。
退職金に100万円を上乗せする商品や、会社が訴訟に備えて弁護士などに相談する費用を補償する。
いずれも訴訟前に発生する費用を保険で賄う点が特徴だ。最近はメンタルヘルスに関係する訴訟が増加しており、
需要が見込めると判断した。
精神疾患などで退社する従業員への退職金上乗せを補償するのは損害保険業界で初めての取り組み。
転職費用などを賄えるため、未然に訴訟を防ぐ効果も見込める。
企業向けの法律相談費用補償は上限が10万円。顧問弁護士がいない中小企業の利用を見込む。
労働災害事故を補償する企業向け業務災害保険に精神疾患での費用負担補償を新たに加えた。

 

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ストレスチェック制度Q&A④

2016年10月26日 | 情報

ストレスチェック制度Q&A③の原稿を失ってしまいました。復旧は無理のようなので、④を先行します。

Q:東芝うつ病事件に学ぶことは、何ですか?ストレスチェック制度と関係があるように思います。

A:よく気づかれましたね。東芝うつ病事件(最二小判平26.3.24)は、うつ病による休職後、
解雇となったが、うつ病発症は業務に起因するとして解雇無効を争った事案で、原告側がほぼ完全勝訴した事案です。
この裁判で注目しなければならないのは、
「自らの精神的健康に関する情報は、労働者のプライバシー情報であり、通常は秘匿して就労し続けようとすることが
想定される性質の情報である」として、
「使用者は、必ずしも労働者からの申告がなくとも、その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき
安全配慮義務を負っているところ・・・労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には、
上記のような情報については労働者本人からの積極的な申告が期待し難いことを前提とした上で、
必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の心身の健康への配慮に努める必要があるものというべきである。」としました。
即ち、会社側は、労働者の申告を期待してはならず、会社側は、日常の就労状況から労働者の心身にわたる健康を
把握しなければならないことになりました。
会社側の安全配慮義務のレベルが、また一段高まったとも云えます。

従って、Q&A②でも述べたように、企業は、長時間労働や長時間残業の削減、有給休暇の取得促進、
メンタルヘルスやハラスメントに関する従業員教育の実施、事業場内の安全衛生環境の確保、定期健康診断等に実施、
労働安全衛生体制(安全衛生委員会、衛生管理者、安全管理者、産業医、健康管理スタッフ)の整備等を行って、
安全配慮義務を遂行するとともに、年1回のストレスチェックを必ず実施し、労働者の精神面の
健康チェックを行わなければならないということになります。

 

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