中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

防止策義務化7割賛成

2019年02月28日 | 情報

大手EAPのメールマガジンに登録する企業が対象ですから、
現在の企業全体を正確に反映しているとは言えませんが、
意識の高い企業では、以下のような状況にあることは理解します。

企業パワハラ対策 8割「既に」 防止策義務化7割賛成
毎日新聞 2019年1月25日

国が企業に義務付ける方針を示している従業員のパワーハラスメント対策について、
既に約8割の企業が何らかの取り組みをしているものの、その4割近くは不十分だと感じているとのアンケート結果を、
メンタルヘルス事業大手の「アドバンテッジリスクマネジメント」がまとめた。法制化には約7割の企業が賛成した。
昨年12月、同社のメールマガジンに登録する企業の人事担当者らにインターネット調査し、約260社から回答を得た。
企業規模は従業員1000人未満が63%、1000人以上が37%。
パワハラ対策に既に取り組んでいるとした企業は80%だったが、従業員50人未満の企業では33%にとどまった。
実施中の企業で対策が十分と感じているのは40%、不十分としたのは38%。
製造業では不十分の割合が5割近くに上がった。
具体的な対策は、相談窓口の設置や社内規定での明文化、管理職研修などが多く、
課題としては7割弱が「指導」と「パワハラ」の線引きの難しさを挙げた。
政府が通常国会で法案提出を目指しているパワハラ防止措置の義務化には
69%が賛成し、反対の4%を大きく上回った。
「共通の指針があれば浸透しやすい」「法律が後ろ盾になる」という期待が高い一方、
社内の風通しが悪化するとの懸念や法で画一的に規制することへの違和感もあった。
実効性を高めるため国に望む対策(選択肢から複数回答)は、51%が「悪質な事業者の公表や行政処分」を挙げた。
中小企業では「研修への財政支援」、大企業では「優良企業への保険料負担軽減などの優遇」を求める割合も高かった。
同社の鳥越慎二社長は「企業が対策のよりどころとして共通の指針を求めていることがうかがえる。
上司はパワハラを恐れてコミュニケーション不全に陥ってはならず、
部下も正しい知識と解決のための受け止め方を身につけることが必要だ」と指摘する。

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解決金1千万円

2019年02月27日 | 情報

和解できたのは、何よりのことと考えます。
しかし、原告勝訴で、「解決金1千万円を支払う」ですか?
30代半ばの働き盛りの男性が亡くなったのですから、逸失利益はそんなものではないでしょう。
一方で、被告側のうどんチェーンですが、小職が想像するに、
何も分からないのですから当該企業には失礼かもしれませんが、支払い能力には限界があったのでしょうね。
かつて16,800万円を支払った支払い能力のある大企業、支払い能力には限界がある中小規模の企業、
金額の多寡が全てではないのでしょうが、結果としてのこの格差、無常を感じます。

長時間労働自殺が和解、大阪高裁 うどん店、解決金1千万円
2/8 共同通信

大阪市内で店舗を展開するうどんチェーン「小雀弥」の店長だった男性=当時(34)=が2009年に自殺したのは、
長時間労働によるうつ病が原因だとして、遺族が店側に約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は8日までに、
大阪高裁(三井教匡裁判官)で和解が成立した。店側が解決金1千万円を支払うとの内容。1月17日付。
和解条項には、店側が遺族に哀悼の意を表すると盛り込まれた。
昨年3月の一審大阪地裁判決は約6960万円の賠償を命令。
一審は82日間連続で勤務し、月100時間以上の時間外労働があったと認定したが、
店側が「一審が認めた勤務時間には誤りがある」と控訴した。

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(参考)“中小企業にしわ寄せ”

2019年02月26日 | 情報

(参考)大企業の働き方改革“中小企業にしわ寄せ”
2/8(金) 日テレ

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。
今回の話題は「大企業の働き方改革、中小企業にしわ寄せ」。日本テレビ経済部・安藤佐和子解説委員に聞いた。
中小企業庁は今月、長時間労働の要因についての緊急調査結果を公表した。
その結果、6割の中小企業が、大企業から短期間での納入を迫られ、長時間労働につながっていることがわかった。
また、中小企業からは、「取引先の大企業が残業を減らすために、
下請けの納期が厳しくなっている」などの声が寄せられた。

――フリップをお願いします。
『共倒れ回避、他人の庭先も掃こう』と書きました。共倒れというのは大企業と中小企業なんですが、
日本の企業のうち99%が中小企業ですよね。
大企業は働き方改革で、労働時間を短縮したりすることで、“自分の庭先を掃いている”わけですが、
気づいてみたら中小企業のほうに、掃いたものが行ってしまったというのが今の現象ではと思います。
大企業が労働時間を短縮しようとするときに何が起きるかというと、
「業務を外部に発注」すると下請けは「業務は増加して、納期は同じ」となると、
その場合、下請けは残業したり休日出勤したりしなければならなくなると。そういう声が実際に寄せられています。
また、大企業が「残業させない」となると、朝早く来て仕事をすることになりがちです。
その際、朝から仕事したいということで、必要なものを「先に納品しておく(朝いちの納品)」ということが発生して、
下請け企業の社員に負担がきているというのも出てきています。
4月から労働時間に関する法律がより大企業にとっては厳しくなりますので、
そのしわ寄せが中小企業にきてしまっているという状況です。

――どうすればいいんでしょう。
 実は大企業にできることはあるんです。
本来、中小企業にとって注文が増えることには、利益面から見るとうれしいことなんですね。
でも、大企業は長いデフレの間に、中小企業に対して、支払いを値切ってきたりしてきました。
それを今、円安もあって、大企業は過去最高益をあげているのに、
その分をまだアップしていないというのがとても問題になっています。
だから短納期にするなら、その分プラスアルファしますとかで適正な価格を払う、
そうすれば、中小企業が利益を得て、そのお金で人を増やすとかできるので、
今のような長時間労働も防げるというのがひとつです。
もうひとつは、中小企業もサクサク仕事ができるように、
ITとかロボットなどを導入できるように大企業が支援してあげる――
これはボランティアじゃなくて、取引先の企業が倒れたりすると、結局は大企業に跳ね返ってくることなので、
そのためにも『他人の庭先も掃こう』ということですね。

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「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」

2019年02月25日 | 情報

厚生労働省から、「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について、
資料が公表されました。

平成31年2月19日(火)
職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課
「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について

本日、厚生労働省の労働政策審議会(会長:樋口美雄(独)労働政策研究・研修機構理事長)に対して
諮問した「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱(別添1)」について、
同審議会障害者雇用分科会(分科会長:阿部正浩中央大学経済学部教授)において審議が行われた結果、
同審議会から根本匠厚生労働大臣に答申(別添2)が行われました。

法律案要綱は、障害者の雇用を一層促進するため、
事業主に対する短時間労働以外の労働が困難な状況にある障害者の雇入れ及び継続雇用の支援
国及び地方公共団体における障害者の雇用状況についての
的確な把握等に関する措置を講ずることを内容としています。
厚生労働省としては、この答申を踏まえ、本通常国会への改正法案を提出する予定です。

別添1 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案要綱

file:///C:/Users/s-has/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/XWSFMUWO/000480749.pdf

別添2 労働政策審議会の答申

file:///C:/Users/s-has/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/AMLXMSDP/000480810.pdf

 

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非開示相次ぐ

2019年02月22日 | 情報

精神科病院調査、非開示相次ぐ 自治体、閉鎖性助長の懸念
2/19(火) 共同

全国の精神科の医療機関を対象に患者の身体拘束の状況や入院期間などを調べている国の調査を巡り、
従来は情報公開請求に対して病院ごとの調査結果を開示していた自治体が
一転して非開示や一部のみ開示とする例が相次いでいることが分かった。
厚生労働省が自治体に出した通知や、開示に反対する病院団体の意向が影響したとみられる。
患者団体からは「実態が見えなくなり精神科病院の閉鎖性が進みかねない」との懸念が出ている。
この調査は毎年6月末の状況を調べるため、厚労省が都道府県と政令指定都市を通じて実施。
各地の市民団体が情報公開制度を使って病院ごとの調査結果の開示を受けていた。

18年度調査、非開示相次ぐ 精神科病院を知る基礎資料
2019年2月13日 朝日

入院の形態や患者数、期間など精神科病院の状況を知る基礎資料となる
「精神保健福祉資料(630調査)」の情報が全国の自治体で相次いで非開示になっているとして、
これまで通りの情報開示を求める集会が12日、参院議員会館で開かれた。
630調査は厚生労働省が毎年6月30日時点の精神科病院の状況を調べているもの。
これまで各地の市民団体が都道府県などに情報開示請求し、それらの情報をもとに冊子などを作り、
患者や家族が病院を選ぶときの参考にしてきた。
ところが、集会参加者によると、2018年度調査について、
東京都や神奈川県など少なくとも20自治体でこれまで開示されていた情報が非開示になっているという。
「個人情報の保護」や「公にしないことを条件に任意に調査したため」などが理由とされているという。
630調査をめぐって厚労省は昨年7月、都道府県への協力依頼文書に「個々の調査票の内容の公表は予定しておらず、
その集計結果のみを公表する予定」「(精神科医療機関に対して)その旨を明示した上で協力を求めること」などの
文言を入れた。

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