中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

30.31日は休載します

2015年07月29日 | 情報
30.31日は、出張しますので、当ブログを休載します。
再開は、8月3日(月)です。よろしくお願いします。
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職場意識改善助成金

2015年07月29日 | 情報
ストレスチェック制度の実施により、職場環境改善に関心が高まっています。
その具体化のために、中小規模の事業主を対象にした助成金制度があります。
助成金は、手続き面倒だったり、資格要件が厳しかったりして、
社労士等のアドバイスが必要な場合が多いのですが、今回の助成金は、
企業の意識ひとつで、相対的には容易に認定されますので、検討されることをお勧めします。

これまでの経緯
「労働安全衛生法等の一部を改正する法律」が第163回国会で成立し、
平成17年11月2日に公布されました(平成17年法律第108号)。
この法律において、「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」が
「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」に改正され、
平成18年4月1日から施行されています。

また、同法第4条第1項の規定に基づき、事業主及びその団体が、
労働時間等の設定の改善について適切に対処するために必要な事項について定める
「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」を策定し、
同日より適用しましたが、平成19年12月に
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び
「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されたことを踏まえ、
その趣旨を盛り込むべく、同ガイドラインを改正し、平成20年4月1日から適用しています。

職場意識改善助成金とは
この制度は、中小企業における労働時間等の設定の改善を通じた職場意識の改善を促進するため、
職場意識改善に係る計画を作成し、この計画に基づく措置を効果的に実施した中小企業の事業主に
助成金を支給するものです。

職場意識改善助成金(職場環境改善コース)
概要
労働時間等の設定の改善により、所定外労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進を図る
中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisiki.html
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過労死等防止対策大綱

2015年07月28日 | 情報
先週の当ブログで、過重労働、長時間労働に関する話題を3日間連続で、紹介しましたが、
その総集編として、というよりもベースとなる考え方が閣議決定しました。

週60時間超労働、5年後5%以下に…政府目標
読売新聞 7月24日

政府は24日、「過労死等防止対策大綱」を閣議決定した。
仕事が関連するとみられる死亡や自殺事案を幅広く調査分析し、実態や原因の解明を目指す。
過労死の危険が高いとされる「週60時間以上勤務」は、総務省の労働力調査では現在、
働く人の9%に上っているが、2020年までに5%以下に減らす数値目標も定めた。
昨年11月施行の過労死等防止対策推進法に基づき、
労使代表と有識者、遺族で構成する協議会が検討し、厚生労働省がとりまとめた。
国や自治体、企業などが協力し、疲労の蓄積や心理的負荷の原因・背景を探り、
過労死などとの関連性を解明する調査研究を行う。
将来的な「過労死ゼロ」を掲げ、労働者の相談窓口の整備や、
高校や大学で若者に啓発を進めることも盛り込んだ。

過労死防止大綱を閣議決定=長時間労働の抑制など―政府
時事通信 7月24日

政府は24日、昨年施行された過労死防止法に基づき、
長時間労働の抑制などの数値目標を定めた大綱を閣議決定した。
大綱は3年をめどに見直す。大綱は、2020年までに、
週60時間以上働く労働者の割合を5%以下に抑制することや、
年次有給休暇の取得率を70%以上とすることなどを定めた。
ほかに過労死の実態を調べるため、労働者を長期間にわたり追跡調査することも盛り込んだ。

厚労省報道発表
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000092244.html

報道関係者各位
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されました
~過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ~
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が、本日閣議決定されました。
「過労死等防止対策推進法」(平成26年6月成立、平成26年11月施行)では、
政府は、過労死等の防止対策を効果的に推進するため、
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」を定めなければならないと規定されています。
これに基づき、厚生労働省では、昨年12月から今年5月にかけて5回にわたり
「過労死等防止対策推進協議会」を開催し、大綱案をとりまとめました。そ
の後、パブリックコメントの手続きを経て定められたものが、本日閣議決定された大綱です。
今回の「過労死等の防止のための対策に関する大綱」では、「過労死等防止対策推進法」に基づき、
(1)調査研究等、(2)啓発、(3)相談体制の整備等、
(4)民間団体の活動に対する支援の四つの対策を効果的に推進するため、
今後おおむね3年間での取組について定めています。
厚生労働省は、今後、大綱に即して、過労死をゼロにし、
健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に向けて、各対策に取り組んでいきます。

(参考)最近の裁判例です。
JR西に1億円賠償命令 社員自殺で大阪地裁
2015/3/20 日経
JR西日本の社員だった男性(当時28)が自殺したのは長時間労働による鬱病が原因だとして、
妻と両親が同社に計約1億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、
大阪地裁(森木田邦裕裁判長)は20日、約1億円の賠償を命じた。
判決は、自殺前9カ月間の時間外労働時間が月約113~254時間だったと認定。
森木田裁判長は「労働時間を把握する体制の徹底を怠り、
労働時間が適正な範囲を大きく超えていたのに何ら措置を講じなかった」として、
JR西の安全配慮義務違反を認めた。
判決によると、男性は2009年に入社。
11年6月に自動列車停止装置(ATS)整備などの信号保安システムの施工管理をする部署に配属され、
昼夜連続勤務や休日労働を日常的に行っていた。12年5月に結婚したが、同10月に飛び降り自殺した。

JR西日本に1億円賠償命令 28歳「過労自殺」訴訟
2015年3月20日 朝日
JR西日本に勤めていた男性社員(当時28)が自殺したのは長時間労働のためだとして、
男性の両親と妻が同社に計約1億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。
森木田邦裕裁判長は同社に計約1億円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2009年に総合職として入社。
信号機や自動列車停止装置(ATS)など、鉄道の保安設備を管理する部署で工事の管理を担当し、
徹夜で働いた12年10月2日朝、職場近くのマンションから飛び降りて自殺した。
同年9月の残業時間を、男性は約35時間と申告していたが、
判決は、自殺後の社内調査で厚生労働省が示す過労自殺の認定基準(月160時間)を
超える約162時間だったことが判明したと指摘。
「労働時間管理が十分ではなかった」として逸失利益や慰謝料などの支払いを命じた。

社説 過労死防止法案 働く人の心と体を守りたい
読売新聞 2014年5月18日

働き過ぎのために、命を落とす人が後を絶たない。
労働環境を改善し、過労死を防ぐ対策を充実させる必要がある。
自民党が、過労死防止法案をまとめた。今国会に提出する。
過労死対策を国の責務と位置づけ、実態調査の実施を求めた点がポイントである。
具体的な防止策については、政府が大綱を作成して規定する。
主党など野党6党も、既に同趣旨の法案を提出している。
与野党は調整を急ぎ、成立を図ってもらいたい。
仕事による過労で脳や心臓の病気になり、2012年度に労災認定された人は338人に上った。
2年連続での増加だった。
うつ病など精神疾患による労災認定も過去最多の475人に達し、前年より5割近く増えた。
うち93人が自殺を図っていた。
パソコンやスマートフォンの普及に伴い、時間や場所にかかわりなく仕事ができるようになった。
それが労災認定の増加を招いているとの指摘がある。
四六時中、仕事に追われれば、ストレスや睡眠不足をもたらしやすいからだ。
労災と認定される過労死は“氷山の一角”に過ぎないだろう。
実効性のある対策を講じる前提として、まずは健康被害の実態を把握しようという
自民党の法案の狙いは理解できる。
ただ、法案が労働時間の短縮のあり方に触れていないのは物足りない。
過労死や過労自殺を防ぐには、長時間労働の是正を進めることが何より重要である。
他の先進国と比較し、日本人の労働時間は長い。
週に60時間以上働いている人は、480万人に上る。
過労死の予備軍と言えよう。統計に表れない、賃金不払いのサービス残業も蔓延まんえんしている。
大綱に時短の具体策をしっかりと盛り込むことが大切だ。
労働基準法の規定で、労使が協定を結べば、
事実上、際限なく残業時間を延ばせる仕組みについても、再考が求められる。
法案は、企業に対し、政府の施策に協力する責務を負わせた。
政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議は、労働時間ではなく、
成果で働きを評価する新たな労働管理制度を提言した。
「長時間労働を助長する」との批判もあるが、
一方で、遅くまで漫然と職場に残る非効率な残業を解消する効果も期待できよう。
早朝勤務の導入で、夜間の残業をなくし、時短につなげた企業もある。
企業は生産性の向上と時短の両立に工夫を凝らすべきだ。
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障害者雇用納付金制度

2015年07月27日 | 情報
障害者雇用納付金制度の対象事業主が、平成28年4月より拡大されます。
既に、当ブログでも紹介していますが、対象事業場にとっては、
とても重要なことなので、改めて改正内容を確認しましょう。
そして、確認できたら、まだ未着手の企業においては、早急に対策を講じることをお勧めします。
なぜなら、好況で人手不足、ましてや優良な障害者は、さらに不足しています。
あと半年しかありません。
本質的には、経営思想の問題なのですが、現場からは、早急に稟議することが大切でしょう。

法定雇用率2.0%を下回った場合、どうなるのでしょうか?
障害者の法定雇用率2.0%を下回った場合、障害者雇用納付金を納付しなければなりません。
そこで、今日は、障害者雇用納付金を試算してみましょう。
障害者雇用納付金制度においては、1人当たり月額5万円が徴収されることになっています。
なお、常時雇用する労働者数が200人超300人以下の事業主の場合は、H22.7.1~H27.6.30
常時雇用する労働者数が100人超200人以下の事業主の場合は、
H27.4.1~H32.3.31の間は、5万円の納付金が4万円に減額されます。
従って、常時雇用する労働者数が月平均で101人の事業場においては、雇用義務が2人ですから、
雇用人数がゼロの場合には、2人×12月=24人不足ですから、
4万円×24人で96万円となります。即ち、毎年96万円の納付が義務となります。

因みに、障害者の法定雇用率2.0%を上回った場合には、(独)高齢・障害・休職者雇用支援機構より、
1人当たり調整金として月額2.7万円、報奨金として月額2.1万円が支給されます。
障害者雇用調整金
常時雇用している労働者数が200人を超える事業主で障害者雇用率(2.0%)を超えて障害者を雇用している場合は、
その超えて雇用している障害者数に応じて1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。
報奨金
常時雇用している労働者数が200人以下の事業主で、各月の雇用障害者数の年度間合計数が一定数
(各月の常時雇用している労働者数の4%の年度間合計数又は72人のいずれか多い数)を
超えて障害者を雇用している場合は、
その一定数を超えて雇用している障害者の人数に21,000円を乗じて得た額の報奨金が支給されます。
なお、常時雇用する労働者数が100人を超える月が5ヶ月以上あると対象の事業主になります。

(参考ブログ)
15.3.5「障害者雇用納付金制度」

「障害者雇用納付金制度」の対象事業主が拡大されます。
具体的には、平成27年4月から、常時雇用している労働者数が100人を超える事業主が対象になります。
それまでは、200人を超える事業主が対象ですから、 100人超から200人規模の事業所が新たな対象になります。
なお、月ごとの労働者数が5か月以上にわたり、100人を超えると、対象事業主に該当します。
新たに適用対象の事業所になると、平成28年4月から、
前年度(平成28年度は、平成27年4月から平成28年3月まで)の雇用障害者数をもとに、
○ 納付金の申告が必要です。
○ 障害者の法定雇用率を下回る場合は、納付金の納付が必要となります。
○ 一方で、障害者の法定雇用率を上回る場合は、調整金の支給申請ができます。
なお、年度(27年4月~28年3月)の途中に事業廃止した場合(吸収合併等含む)は、
廃止した日から45日以内に申告・申請が必要です。
障害者雇用納付金制度とは、
障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図るとともに、全体としての障害者の雇用水準を引き上げることを目的に、
障害者雇用納付金(「納付金」)の徴収、障害者雇用調整金(「調整金」)、報奨金、各種の助成金の支給を行う制度です。
障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(障害者雇用促進法.平成20年法律第96号)が、根拠法令です。
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病気治療は、休業者の責任

2015年07月24日 | 情報
昨日は、自信をもってお勧めできる精神科クリニックを紹介しましたが、
病気の治療は、あくまでも休業者、休職者の自己責任であることを再確認しましょう。

精神疾患にかかわらず、病気・ケガを治療するために医療機関を探し、受診し、治癒するまでの
一連の責任は、会社にあるのではなく、すべて休業者、休職者自身にあるのです。
ただし、これは私傷病の場合ですが。労災の場合は、全てが会社責任で対応してください。

そんなの当然ではないか、とお思いかもしれませんが、企業の現場では意外と出来ていないことなのです。
会社が優しいのか、経営者が優しいのか、関係部門の担当者が優しいのか、分かりませんが?
部外から観察していると、時として異様に映ります。
例えば、「会社が紹介するから、○○クリニックを受診しなさい」というように、
余計な口出しをするのですね。
あえて、「余計な」と、厳しい表現をしましたが、その通りなのです。
これを、「冷たいではないか」と受け取るかもしれませんが、
会社としての「優しさ」を表現する機会は、他にたくさんありますから、安心してください。

しかし、最適な診療機関を探すのは、当事者にとってかなりの難題なのは、事実です。
特に精神疾患の場合は、難しさのレベルが格段に高まります。
なぜなら、日常的に精神科専門医を受診することはありませんし、
精神科専門医が町のどこにあるのかなんて、
日常的な関心はありませんから、致し方がありません。
当事者やその家族は、かなり苦労すると想像します。

一方、会社側の対応としては、あくまでも休業者、休職者の自己責任といっても、
当事者やその家族の行動や言動を全く無視してはいけません。
状況を注視していれば、多くのことが分かります。
例えば、いつまでたっても診断書の提出がないとか。
「診断書の提出がありませんが、どのような状況でしょうか」と、自然にコンタクトし、
休業者、休職者の心情や悩みを把握する方法があります。

このような接触をきっかけにして、当事者やその家族から、「実は、良いクリニックが見つかりません。
会社は、どこか良いクリニックをご存じありませんか?」というような問い合わせがあります。
会社側は、そこではじめて当事者やその家族の要求に対応すればよいのです。

会社側は、「いくつかの診療機関を紹介しますから、ご自身でその中から納得できる診療機関を選択し、
受診してください」としてください。
決して、特定の診療機関を受診しなさいと指示をしてはいけません。
なぜなら、会社側は指示した診療機関を受診して、はかばかしい結果が出ない場合、
当事者やその家族から、会社側の責任を問われる可能性があるからです。
最初に戻りますが、病気の治療は、あくまでも休業者、休職者の自己責任なのです。

しかし、会社側が複数の診療機関を紹介するにしても、手持ちの紹介リストがないのであれば、
紹介したくても紹介できないわけです。
ですから、前回紹介したようなクリニック、診療機関のリストを整備しておくことが必要になるのです。


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