中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

29.30日は、休載します

2021年06月28日 | 情報

29.30日は、出張のため当ブログを休載します。
再開は、7月1日(木)です。
よろしくお願いします。

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審査会が判断を覆すのは異例

2021年06月25日 | 情報

公務災害(民間の労災認定)に認められれば、損害賠償責任は、セットです。
争う意味がないと考えますが、どのような背景、意図があるのでしょうか。
なお、一般論ですが、企業側(本件は、大学側)としては、
社内の空気、従業員の受け止め方等を忖度すれば、
ここで納めることのほうが、今後のことを考えれば得策ではないでしょうか。

加えて、「審査会が判断を覆すのは異例」とありますが、
公務災害については、社労士業務の範疇ではありませんので、よくわかりません。
ですから、「異例」というのが理解できません。覆ってはまずいのでしょうか。

過労自殺遺族 福岡県立大などを提訴「宙に浮いたままの悲しみ」
毎日新聞 2021/6/8

2015年に福岡県の男性職員が過重労働によりうつ病となり、55歳で自殺したのは
職場の安全配慮義務違反があったとして、男性の妻ら遺族が8日、
県や当時職場だった県立大に約8800万円の損害賠償を求め福岡地裁に提訴した。
男性の死亡を巡っては19年8月に公務員の労災に当たる公務災害に認定されたが、
県と県立大はその後の損害賠償を求めた遺族側との示談交渉に応じていない。

訴状によると、男性は14年4月に県土整備事務所から同県田川市の県立大の事務局に派遣されたが、
他の公立大に比べて職員数が少なく、慣れない中でミスや遅れが許されない入試や学生の卒業などに
関する業務を同時並行で担当。
15年1月22日から1カ月の時間外労働は100時間を超え、
同年3月に「仕事が、やることが多すぎる」と遺書を残して学内で自殺した。

8日に福岡市内で記者会見した原告代理人の光永享央弁護士によると、
地方公務員災害補償基金県支部審査会が19年に男性の死亡を公務災害と認めたが、
県と県立大が「安全配慮義務違反はなかった」と損害賠償請求に応じないため、提訴に踏み切った。
光永弁護士は「大学は必要な人員配置や業務分担をすべきで、
設立主体の県も連帯責任を負う」と主張している。

光永弁護士は「(公務災害認定後は)県、大学からは言葉一つも寄せられず、
遺族は宙に浮いたままの悲しみとつらさを抱え続けている。
訴訟で真実に少しでも近づきたい」とする妻のコメントも発表した。
県と県立大は8日、取材に対していずれも「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。


福岡県立大職員労災、逆転認定 自殺は「長時間労働が原因」
2019/10/25 西日本

2015年3月に自殺した福岡県の男性職員=当時(55)=について、
長時間の時間外勤務のため発症したうつ病が原因であるとして、
地方公務員災害補償基金県支部の審査会が、労災に当たる公務災害と認める裁決をした。
支部は公務災害と認めなかったが、有識者でつくる審査会に遺族が不服申し立てをしていた。
24日に県庁で記者会見した遺族側弁護士によると、審査会が判断を覆すのは異例という。

裁決書などによると、男性は14年4月に福岡県立大(田川市)の学務部に配属され、
入試や時間割作成などを担当。人員が十分ではない中、うつ病発症直前1カ月の時間外勤務は
100時間を超えており、学内で自殺したという。
遺族は16年2月に同支部に認定を請求したが、翌17年8月の決定は自殺との因果関係を否定。
これを不服として審査会に審査請求した。

審査会は入試業務などで忙しかった、自殺直前の15年2月にうつ病を発症していたと判断。
「期限までに執行しなければならず、ミスの許されない多くの業務を担当し、
過重な業務を行った」として今年8月、自殺は公務に起因すると認め、支部の不認定処分を取り消した。

男性の妻は「自殺予防を発信する大学が夫を過労自殺に追い込んだことに強い不信感を抱かざるを
得ない。真摯(しんし)に再発防止に取り組んでほしい」とのコメントを出した。
遺族側は大学の責任を問い、損害賠償請求訴訟も検討している。

福岡県立大は「もっと勤務状況を把握すべきで、業務管理が十分ではなかった」としている。 

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「うつ」倍増

2021年06月24日 | 情報

「経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルス(心の健康)に関する国際調査」の
原典を確認できませんでしたが、新聞報道を信じて、以下に紹介します。

コロナで日本人の「うつ」倍増、米も3・6倍…若い世代や失業者ら深刻化
6/19(土) 読売

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本国内でうつ病・うつ状態の人の割合が
2倍以上に増加したことが、経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルス(心の健康)に
関する国際調査でわかった。
他の先進国でもパンデミック(大流行)以降、2~3倍に増えており、
OECDは対策の強化を呼びかけている。
調査によると、日本では、うつ病やうつ状態の人の割合は、
新型コロナが流行する前は7・9%(2013年調査)だったが、
20年には17・3%と2・2倍になっていた。
他国の状況を見ると、米国は6・6%(19年)から23・5%となり、
3・6倍に急増。英国も9・7%(同)から19・2%と倍増した。

特に、若い世代や失業者、経済的に不安定な人の間で深刻化しているという。
OECDは、精神疾患や精神的な不調に伴う経済損失は、治療費の負担や失業、生産性の低下などを
含め、15年時点で約6000億ユーロ(約79兆円)以上になると試算。
パンデミックで、それ以上になることが懸念されることから、
各国政府に適切な医療ケア、雇用対策の充実を急ぐよう求めた。


(参考)新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要
厚労省HPより
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15766.html

厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症による国民の心理面への影響を把握するため、
インターネット調査を実施しました。このたび、主な調査結果を取りまとめましたので、公表します。

この調査は、新型コロナウイルス感染症の拡大及びこれに伴う行動制限等の対策により、
感染に対する不安や行動変容に伴うストレスなど、国民の心理面に多大な影響が生じている可能性が
あることから、こうした心理面への影響を把握することを目的に実施したものです。
この調査で得られた結果は、精神保健福祉センター等における相談対応等の
実務や今後の施策に活かしていく予定です。

<概要版>新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査概要・結果

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/gaiyou.pdf

<詳細版>新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査結果概要について

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/syousai.pdf

<データ集>新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査データ集

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/datasyuu.pdf

 

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公用車の車内という密室

2021年06月23日 | 情報

主に公用車の車内という密室での出来事ですから、難しい判断になりそうです。

推測するに、何かの「ボタンの掛け違い」があったのでしょうか。
通常、組織のトップと専用車の運転手は、とても仲が良いのが一般的な理解です。
一方で、役場はどのような組織になっていたのでしょうか?
通常であれば、運転手は総務課、庶務課等に所属しているはずですから、
日常の労務管理は組織の管理職の役割のはずです。
それとも、組織における立場が特殊ですから、「ひとりぼっち」だったのでしょうか。


熊本・水上村長パワハラ、提訴へ うつ発症運転手
毎日新聞 2021/6/11 

熊本県水上(みずかみ)村長の公用車の運転手を務めていた村の男性職員(53)が、
中嶽(なかたけ)弘継村長(66)からパワーハラスメントを受けうつ病になるなどの
精神的苦痛を受けたとして、村と村長に計525万円の損害賠償を
求める訴えを熊本地裁人吉支部に起こす。
男性職員が10日記者会見し、同日付で訴状を発送したと明らかにした。
中嶽村長は、村総務課長などを経て2015年に初当選し、現在2期目。


「熊本・水上村長からパワハラ」 公用車運転手だった職員が提訴
毎日新聞 2021/6/10

熊本県水上(みずかみ)村長の公用車の運転手を務めていた村の男性職員(53)が、
中嶽(なかたけ)弘継村長(66)からパワーハラスメントを受けてうつ病になるなどの精神的苦痛を
受けたとして、村と村長に計525万円の損害賠償を求める訴えを熊本地裁人吉支部に起こす。
男性職員が10日記者会見し、同日付で訴状を発送したと明らかにした。

中嶽村長は、村総務課長などを経て2015年に初当選し、現在2期目。

訴状などによると、男性は07年から村長公用車の運転手として従事。
16年6月以降、運転の際に対向車の乗員を確認し村民が乗っていれば深く頭を下げるよう
中嶽村長から強要された他、運転業務中にトイレに行くと、村長から
「何でトイレばかり行くんだ。ぼうこうがおかしいのか」と罵声を浴びせられたなどとしている。
また、20年2月7日には新型コロナウイルス対策でマスクを着け運転したところ
「お前がマスクしていることがわからん」と非難され、「予防のため」と答えると
「(運転手として)使わない」「切る」と脅されたという。

男性は不眠などに苦しみ、適応障害やうつ病などと診断され、20年6月から休職。
記者会見で「パワハラを受けた側は本当につらい。私のような被害者がこれ以上出ないよう、
提訴を決めた」と語った。
中嶽村長は民放で提訴の動きが報じられた後の今月5日、
指摘されたようなパワハラを行った認識はない」とのコメントを発表した。
村の担当者は10日、取材に「訴状が届いていないのでコメントできない」と答えた。

 

 

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相談窓口は設置

2021年06月22日 | 情報

『「消防事務関係の知識に精通し、頭が切れる」との内部評価』。
よくある、「当事者の勘違い」ですね。周囲も黙認したのでしょう。

組織としての基本対応の確認です。
相談窓口は設置されているようですが、相談室の周知はできていたのでしょうか。
また、相談室の信頼性は、どうだったのでしょうか?
また、メンタルヘルスや管理職教育は、出来ていたのでしょうか。
学ぶことが、多々あります。


太田市消防本部でパワハラか 前通信指令課長、繰り返し職員罵倒 
毎日新聞 2021/6/15

太田市消防本部(桜井秀一消防長)で、119番通報を受け付ける通信指令課の課長を務めていた
50代男性が5月1日付で消防総務課付となり、消防次長が1カ月以上、
課長を兼務する異例の事態となっている。
消防本部はこの人事異動を公表していないが、複数の職員によると、
部下へのパワーハラスメントが理由とみられる。

前通信指令課長は2020年4月1日付で着任し、
管理係、通信指令第1係、同第2係の計18人を束ねていた。
複数の職員によると、前課長は管理係の50代男性係長以下3人を他の職員の前で
繰り返し罵倒するなどし、同7月以降、3人全員が体調を崩して欠勤するようになったという。


太田市消防本部・前課長がパワハラか すでに異動も非公表 
部下3人が診断受け数週間休む 
2021/06/16 上毛新聞

群馬県の太田市消防本部で通信指令課長だった50代男性職員が、
5月1日付で消防総務課付に異動していたことが15日、同本部への取材で分かった。異動は非公表。
複数の関係者によると、これまでに直属の部下3人が医師の診断書を提出し数週間休むなどしており、
パワーハラスメント(パワハラ)を受けたとみられる。
桜井修一消防長は「(行き過ぎた行為を)確認したので内部調査を進めている。
詳細が明らかになり次第報告する」と話している。

パワハラを受けたとみられる3人は、同課管理係の係長以下40~50代の職員。
係長を含む2人が4月に医療機関の診断書を提出し、数週間休んだ。
他の1人も受診し、精神疾患直前の症状と診断されたという。

前課長は昨年4月に着任し、「消防事務関係の知識に精通し、頭が切れる」との内部評価もある。
一方、複数の関係者によると、部下の業務書類の不備を執拗(しつよう)に指摘し、
数時間にわたり何度も書き直させるなどの行為を繰り返したという。

市消防本部は4月に係長ら2人から診断書の提出を受けた際、それぞれ事情を確認し、
前課長の行き過ぎた行為があったと判断して調査を開始。
「職場環境を改善するため」などとして異動を決めた。消防次長が同課長職を兼務している。

3人のうち1人の家族は「自殺の一歩手前の状況で命を落とす前に被害が分かって良かった。
(前課長に対し)しかるべき処分をするべきだ」と強調する。

市の全庁的な組織内のパワハラ問題などに対応する市コンプライアンス推進室は、
今回の件に関して「連絡や相談はなかった」と説明している。

 

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