中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

犬は、すべてにポジティブ思考

2023年10月31日 | 情報
昨日の続編です。

◎盲導犬訓練士・日本盲導犬協会常任理事の多和田悟氏談
犬は、be happy、ハッピーを目指しています。すべてにポジティブ思考の動物です。

◎多和田悟氏は、世界的に著名な盲導犬の育成家だそうです。
上記の談話は、長年にわたる経験上の結論であって、
エビデンスではないかもしれませんが、蘊蓄ある分析です。

◎犬と一緒にするなと怒らないでください。
それこそ、ネガティブな発想でしょう。
犬のポジティブな行動を評価する姿勢こそが、ポジティブな発想法と考えます。

◎(参考)

公益財団法人日本盲導犬協会/常任理事 多和田 悟 氏 の略歴

日本の盲導犬訓練士の第一人者。現在は、日本盲導犬訓練士学校で後進の指導にあたっている。
世界の盲導犬育成事業における功績をたたえる「ケン・ロード賞」を受賞しました。
国際盲導犬連盟の共同設立者の一人であり、40年以上盲導犬事業に貢献し、
南アフリカ盲導犬協会のCEOを務めたケン・ロード氏の名を冠したこの賞は、
国際的な盲導犬事業に長年貢献した人を称えるものです。
多和田氏は49年に渡るその功績が認められ、アジア初の受賞者となりました。
国内においても、書籍「盲導犬クイールの一生」で主人公として描かれるなど、
盲導犬の周知や理解促進に大きな影響を与えています。

◎はなし変わって、人は、元来、ポジティブ思考の人も多いのですが、
一方で、悲観的に考える人もいます。
どうすればポジティブ思考に転換できるのでしょうか?
その一案が認知行動療法です。

◎(参照)厚労省 e-ヘルスネット

認知行動療法とは、
例えば、うつ病で起こるとらえ方は、「100点でなければ、60点とれていても0点と同じだ」といった評価や、
「Aが駄目だと、BもCも駄目に違いない」という推測を下しがちです。
その結果、気分が落ち込み、何かをやろうという気持ちが失せてしまいます。
一方、健康な時なら、「マイナスが40点あるけれど、プラスも60点ある」、
「Aは駄目だが、Bはまあまあで、Cは出来ている」といった考え方、
すなわち、ものごとの良い面と悪い面の両方を現実的にとらえる見方が出来ます。

◎うつ病やパニック障害の場合、認知行動療法で改善した患者さんは、
薬で治療した方と比べて、再発することが少ないことがわかっています。
また、認知行動療法の効果にも、脳の変化が関わっていることも解明されつつあります。


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ネガティブ情報にとらわれるのは危険

2023年10月30日 | 情報
〇ネガティブ情報にとらわれるのは危険! うつ病既往歴ある人 再発の恐れも 米国
2023年10月29日 毎日

寛解しても再発することが多い大うつ病性障害(以下、うつ病)の既往歴を持つ人では、うつ病の既往歴のない人に比べて、ネガティブな情報を処理する時間が長い一方で、ポジティブな情報を処理する時間が短い傾向があり、それがうつ病の再発リスクにつながっている可能性のあることが示唆された。米メリーランド大学ボルチモアカウンティ校心理学分野のLira Yoon氏らによるこの研究結果は、「Journal of Psychopathology and Clinical Science」に8月21日掲載された。

Yoon氏は、「われわれは、うつ病患者がネガティブな情報をどう処理するかだけでなく、ポジティブな情報をどう処理するかも検討すべきではないかということに気が付いた。ネガティブな感情や気分の落ち込みの持続との関わりにおいては、もしかするとポジティブな情報の方が重要なのかもしれない」と述べている。

〇うつ病の既往歴がある人はネガティブ情報にとらわれがち
提供元:HealthDay News 公開日:2023/09/26

寛解しても再発することが多い大うつ病性障害(以下、うつ病)の既往歴を持つ人では、うつ病の既往歴のない人に比べて、ネガティブな情報を処理する時間が長い一方で、ポジティブな情報を処理する時間が短い傾向があり、それがうつ病の再発リスクにつながっている可能性のあることが示唆された。米メリーランド大学ボルチモアカウンティ校心理学分野のLira Yoon氏らによるこの研究結果は、「Journal of Psychopathology and Clinical Science」に8月21日掲載された。

Yoon氏は、「われわれは、うつ病患者がネガティブな情報をどう処理するかだけでなく、ポジティブな情報をどう処理するかも検討すべきではないかということに気が付いた。ネガティブな感情や気分の落ち込みの持続との関わりにおいては、もしかするとポジティブな情報の方が重要なのかもしれない」と述べている。

今回の研究でYoon氏らは、44件の研究を対象にメタアナリシスを実施し、うつ病の既往歴のある人がネガティブ情報とポジティブ情報の処理にどれだけの時間を費やすのかを、健常者との比較で検討した。これらの研究では、例えば、幸福や悲嘆、または無感情の表情を浮かべた人の顔や、ポジティブ、ネガティブ、または中立的な単語を刺激として参加者に提示し、それに対する応答時間が調査されていた。解析対象者の総計は、うつ病の既往歴のある2,081人と、既往歴のない健常者2,285人であった。

その結果、健常者はうつ病の既往歴がある人よりも、提示された刺激に対して、その内容がポジティブかネガティブか、あるいは中立的かに関わらず、より迅速に反応する傾向のあることが明らかになった。これに対して、うつ病の既往歴がある人は健常者に比べて、ポジティブな刺激よりもネガティブな刺激の処理に費やす時間の方が長いことが確認された。さらに、両群間で、ネガティブな刺激と中立的な刺激、およびポジティブな刺激と中立的な刺激の処理に費やされる時間に有意な差は認められなかった。

Yoon氏は、「ストレスになることが生じ、それに動揺するのは人間の自然な反応だ。しかし、何か作業をしている間はその問題を脇に置いてその作業に集中できる人がいる一方で、その問題が気に掛かって作業に集中できなくなる人もいる。われわれの研究が示しているのは、うつ病の既往歴がある人は、たとえうつ病が寛解していても、現在取り組んでいることとは無関係なネガティブ情報から距離を置くことが、無関係なポジティブ情報から距離を置くよりも困難だということだ」と述べる。そして、「うつ病の既往がある人では、そのようなネガティブ思考に支配されて、今やるべきことができなくなっている可能性がある。その状態がさらにネガティブな感情を増幅させ、再びストレスのかかるような出来事が生じると、うつ病を再発させてしまうのかもしれない」との見方を示す。

うつ病とは、2週間以上続く抑うつと日常生活における興味や喜びの喪失と定義される。米国国立精神衛生研究所によると、2021年には、米国人口の約8%に当たる約2100万人の成人が、この定義を満たすうつ病を1回以上発症したという。

では、うつ病の再発はどうすれば防げるのだろうか。うつ病の最も効果的な治療法は、認知行動療法(CBT)に代表される心理療法と薬物療法である。米ノースウェル・ヘルスの精神科医であるGeorge Alvarado氏によると、主なCBTの一つは、認知再構成法だという。これは、否定的な思考パターンや信念を特定し、それをより健全で現実的なものに変容させることを目指すものだ。同氏はさらに、抑うつの改善には、仕事、人間関係、ライフスタイルを変えることも有益だと話し、質の良い睡眠、運動、健康的な食事の重要性を強調している。

Yoon氏は、「CBTのような既存の治療法に加えて、うつ病の既往歴のある人が、無関係な情報から距離を置くのを助けるトレーニングプログラムを開発することも可能かもしれない」と話す。同氏は、「人によって反応する治療アプローチは異なるため、ツールの選択肢が増えるのは良いことだ」と述べる。そして、「まだ道半ばだが、CBTやマインドフルネスのような既存のツールは、無関係な情報、特にネガティブな情報を自分の中で切り離すのに役立つ可能性がある」との考えを示している。
[2023年8月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

原著論文はこちら
Wen A, et al. J Psychopathol Clin Sci. 2023 Aug 21. [Epub ahead of print]
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(プラス情報)「テトリス」が一役?

2023年10月29日 | 情報
メンタルヘルス改善、「テトリス」が一役? 北欧で研究
ナショナル ジオグラフィック 日経 2023年10月23日

1980年代に世界的ベストセラーになったコンピューターゲームの「テトリス」を、メンタルヘルスの改善に役立てる研究が進められている。具体的には、テトリスをプレイして、性的暴行や自動車事故、戦争、自然災害、または困難な出産などを体験した後に起こるフラッシュバック(過去に経験したトラウマ的な記憶が自分の意志とは無関係に侵入すること)の回数を減らせる可能性があるという。

世界24カ国で実施した調査によると、人が死ぬところを見たり、愛する人が突然亡くなったり、命が脅かされたりする事故に遭ったりするなどのトラウマ体験があると報告した人の割合は70%を超えていた。だが、その後に睡眠障害や自己破壊的行動などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症するのはわずか4%前後だった。

PTSDとまではいかなくとも、つらい記憶というのは何の前触れもなく突然よみがえってくることがある。フラッシュバックは、精神的な負担になるだけでなく、集中することが困難になって、職場や学校で問題を引き起こしてしまう場合がある。こうした記憶の侵入はしばしば、画像や短い動画となって心の目に映る。

そこで、スウェーデンにあるカロリンスカ研究所とウプサラ大学の心理学教授であるエミリー・ホームズ氏は、トラウマを経験したばかりで記憶が完全に形成される前の脳に、トラウマ体験と競合する画像を与え、それに意識を集中させることで、フラッシュバックの回数を減らせないかと考えた。つらい記憶が完全になくなることはないものの、それが頭に侵入してくる回数は減るかもしれない。

人間の頭はビデオカメラとは違います。経験したことすべてを直ちに録画してしまうわけではありません。実際には、記憶が形成され、頭の中で固められるまでに数時間かかることもあります。ですからその前に、それがフラッシュバックにならないようにする方法はないかと考えたわけです」とホームズ氏は言う。

「認知ワクチン」
ホームズ氏の研究チームは、心の目で画像を生成したり操作したりするという様々な視空間作業の実験に取り組み始めた。そんなある日、一人の学生がコンピューターゲームを試してみてはどうかと提案した。それならば、と候補に挙がったのが、テトリスだった。

「テトリスには色や空間が関わってきます。段を完成させるために、ブロックを左右に移動させなければなりません。そして何より重要なのは、心の目でブロックを回転させる必要があることです。ブロックを正しい位置にはめるために、頭の中で思い描く能力が求められます」

最初は研究室で、被験者にトラウマ的な映像を見せて実験を行った。そして次に、病院の救急外来へ行き、実際に自動車事故にあったばかりの人を対象に実験を行った。どちらの場合も、トラウマ体験から数時間以内にテトリスをプレイした人は、プレイしなかった人に比べてその後の1週間でフラッシュバックを起こす回数がはるかに少なかった(映像視聴者で58%減、実際の自動車事故にあった人で62%減)。

ホームズ氏は、フラッシュバックを積極的に予防するこの対処法を「認知ワクチン」と呼んでいる。その有望な研究結果を受けて、チームは次に、確立された記憶に目を向けた。

「現実問題として、トラウマになるような出来事が起こってから数時間以内にこの治療法を試せる人は限られています。一方、フラッシュバックは数年から数十年続くことがありますから、こうした古い記憶にも対処する必要があります」

そこでホームズ氏の研究チームは、PTSDの治療を受けている患者に、テトリスを25分間プレイしながら特定のフラッシュバックの記憶に意識を集中させるよう求めた。患者はこれを週に一度、5〜10週間続けた。

すると実験終了までに、被験者が意識を集中させた特定の記憶がよみがえる回数は平均で64%減少し、それ以外の記憶に関しても11%減少した。この研究の論文は、2018年12月、学術誌「Journal of Consulting and Clinical Psychology」に発表された。

次に研究チームは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連するフラッシュバックをすでに体験していた集中治療室の看護師を対象に、同様の実験を行った。なかには、3カ月以上前のトラウマの記憶もあった。

4週間後、テトリスをプレイした看護師は、そうしなかった看護師と比較して記憶が侵入する回数が10分の1に減っていた。記憶だけでなく、不眠症や不安症、うつなど、ほかの症状でも改善が見られたと報告されている。全体的に、テトリスをプレイした看護師は、テトリスをプレイし始めた時期の違いにより、フラッシュバックが平均で73〜78%減少した。この論文は2023年9月1日付で、学術誌「Translational Psychiatry」に発表された。

ホームズ氏が指摘するように、テトリスだけに何か特別な力があるというわけではないだろう。絵を描くことやジグソーパズル、モザイク作りなど、高度な視空間能力を要する作業は何でも似たような効果をもつ可能性があると、ホームズ氏は考えている。一方で、クロスワードパズルや読書など言葉を使って意識をそらせる方法はあまり効果がないと思われる。

効果的なプレイの方法
この実験で重要なことは、ただゲーム機を渡してテトリスをやってください、と言われるわけではない点だ。

最初に、被験者はとりわけ悪い記憶のかけらを思い出すよう求められる。それからゲームをはじめるが、このときブロックが画面で落ちはじめる前に頭の中でその向きを変えてみるよう促される。また、10〜20分ほどの十分な時間をとってゲームに取り組むようにする。

これまでのところ、ホームズ氏の実験はすべてこの手順で行っている。結果を出すためにはこの手順が重要であると、研究者たちは考えている。

「トラウマの記憶の侵入は、これまで治療が非常に困難でした。それが頭にこびりついているのには理由があるからです。脳が警告モードに入り、あなたを守ろうとしているのです。それを変えるのは、とても大変です。ただゲームをするだけなら、その間は嫌な記憶を忘れてストレスを軽減させてくれるかもしれませんが、この先ずっとフラッシュバックが起こらないという保証はありません」

とはいえ、ホームズ氏の研究の手順を踏むことなく、自分でテトリスをプレイするだけでも、害にはならないだろうし、それで気持ちが上向きになる可能性もある。

カナダ人セラピストのモーガン・ポメルズ氏は、不安症や過覚醒に悩む患者の気持ちを鎮めるために、テトリスをすすめている。セラピーの時間にテトリスを使っているわけではないが、普段の生活の中で何かつらい記憶がよみがえってきたときや頭に画像が浮かんだときに使える一つの選択肢として提案している。

「対処法の一つとして準備しておくものだと言えますが、テトリスは多くの人にとって、とても助けになっているようです。特に、一部の症状を経験するときに視覚的要素が非常に強い患者の場合、たとえ数分でもゲームに没入すれば、安全な気持ちになり、気分が落ち着きます。そして、現実世界に戻ってきたときには、穏やかな状態で周囲の状況を適切に把握できるようになるのです」

ただし、テトリスにしても、そのほかのどんな対処法にしても、セラピストの代替にはならないと、ポメルズ氏は指摘する。この意見にはホームズ氏も同意しており、フラッシュバックに苦しんでいる人は、まず専門家に相談し、証拠に基づいた治療を受けるべきだと話す。いずれはテトリスも証拠に基づいた治療になる可能性はあるが、研究はまだ臨床的な証拠集めの初期段階にある。

臨床試験は今も続けられており、研究者たちは将来的に、フラッシュバックに対するテトリスの長期的な効果を調べ、脳の中で実際に何が起こっているのかを理解したい考えだ。さらに、薬物依存症やうつ病など、トラウマ以外の症状に関連して現れる侵入記憶の軽減にもテトリスが有効かどうかを調べたいという。

文=SARAH KUTA/訳=荒井ハンナ(ナショナル ジオグラフィック日本版サイトで10月2日公開)
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26.27日は休載します

2023年10月25日 | 情報
26.27日は、出張のため当ブログを休載します。
再開は、翌週30日(月)です。
よろしくお願いします。
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ブラック企業かどうか、簡易診断

2023年10月25日 | 情報
◎御社は、ホワイト企業ですか、それとも、ブラック企業ですか?
短時間で、簡易診断ができる、ソフトです。試してみませんか?

◎ブラック企業とは
主にコンプライアンス(法令や規則等)を遵守していない企業のこと。

◎作成者;SHEM 非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構のHPを、検索してみてください。

◎質問例
No.1*
「年次有給休暇は従業員本人からの請求がなくても、一定の日数分、取得させる必要がある。」
回答欄 ・はい、 ・いいえ、 ・不明 
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