中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

改正自殺対策法

2016年02月29日 | 情報

改正法案は、国だけに義務付けていた自殺対策の計画を、全ての都道府県と市町村が策定するよう定めています。
さらに、自殺の恐れがある人への精神医療の体制整備に加え、
新たに医師や福祉の専門家、民間団体の関係者による連携確保も求めています。

改正自殺対策法、成立へ 地域に合った施策推進 
2016/2/24 日経

自殺を未然に防ぐための計画策定を新たに地方自治体に義務付ける自殺対策基本法改正案が24日、
参院本会議で全会一致により可決された。今後衆院で審議し、今国会で成立の見通し。
子供の自殺阻止に向け、学校に保護者らとの協力を一層強化するよう促しているのも特徴で、4月に施行される。
2015年の自殺者数は警察庁集計の速報値で約2万4千人。
3万人を超えた1998~2011年に比べ減少したが、いじめなどを原因とする若者の自殺は依然目立つ。
法改正を受け、自治体や教育現場が地域の実情に沿った細やかな施策を実現できるか注目される。
自殺対策基本法は06年に議員立法で成立。施行から10年となるのを機に超党派の議員連盟が改正法案をまとめた。
改正法案は、国だけに義務付けていた自殺対策の計画を、全ての都道府県と市町村が策定するよう定めている。
国の計画は「失業や多重債務などの要因を踏まえ総合的に取り組む」としており、
成立後は、自治体が自殺者の年代や職業などの傾向を分析した上で具体的な支援策を盛り込んだ計画を作る。
また新たに、国と自治体が学校などでの相談体制を整え、教員らへの研修の機会を設ける。
学校が保護者や地域住民と連携し、児童や生徒らへの教育や啓発に取り組むことも規定。
いじめや悩みを一人で抱え込まないよう「SOSの出し方」などを教えるという。
さらに、自殺の恐れがある人への精神医療の体制整備に加え、
新たに医師や福祉の専門家、民間団体の関係者による連携確保も求めている。
15年版自殺対策白書によると、14年の自殺者約2万5千人のうち40歳未満は26%。
自殺の原因は健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題を挙げている。
全国各地では、いじめなど学校での問題が原因とみられる中学生や高校生の自殺もたびたび起きている。〔共同〕

自殺対策基本法の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/190/pdf/t071900011900.pdf

(参考)
昨年の自殺者、18年ぶり2万5千人下回る 6年連続減
2016年1月15日 朝日

昨年1年間に自殺した人は2万3971人(速報値)で6年連続の減少となり、1997年以来18年ぶりに2万5千人を下回った。
男性が7割を占めた。警察庁が15日に発表した。
78年から統計を取り始め、最も多かったのは2003年の3万4427人。
10年から減少を続け、12年から3万人を下回っている。昨年は、前年より1456人(5・7%)少なかった。
都道府県別では秋田、群馬、石川、三重、和歌山、島根、岡山、山口、熊本、沖縄の10県が前年より多かった。
人口10万人あたりの自殺者は多い順で、秋田26・8人▽島根25・1人▽新潟24・9人だった。
統計を分析している内閣府によると、昨年1~11月の自殺者2万2171人の動機(1人につき三つまで選択)は
「健康問題」が1万953人で最多だった。
「経済・生活問題」「家庭問題」が続いた。東日本大震災に関連した自殺者は前年同期に比べ1人多い22人。
県別は福島19人、岩手2人、宮城1人だった。
内閣府は「全体として減少傾向にあるが、依然として多い。対策を続けていく」としている。

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過労で自殺 鬱病発症6千万円で和解へ 

2016年02月26日 | 情報

同じような事例で、正反対の結果です。
認められなかった福岡県の事例ですが、脳・心臓疾患の認定基準にある、
「発症前1か月間に概ね100時間を超える時間外労働が認められる場合」に該当しています。
しかも、地方公務員災害補償基金が、労災に当たる公務災害と認定しているのもかかわらず、
地裁は、「質的に過重とは言えない」と賠償請求を棄却しています。
素人目にも、違和感があります。

滋賀県職員が過労で自殺 鬱病発症6千万円で和解へ
2016.2.10 産経

滋賀県の男性職員=当時(25)=が平成16年11月に自殺したのは過労による鬱病(うつびょう)が原因だったとして、
遺族が県に損害賠償を求めていた訴訟が東京地裁であり、県が損害賠償金計6千万円で和解する方針を固めたことが10日、分かった。
2月定例議会の議決を経て和解を正式に決める。
県によると、男性職員は過労によって鬱病を発症し自殺。
遺族は県が雇用契約に基づく安全配慮義務に違反したとして、26年9月に損害賠償金約8千万円などを求めて東京地裁に提訴した。
男性職員の1カ月あたりの残業時間は、県の帳簿では43時間と記録されていたが、
周囲の職員への聴き取りなどから、遺族側は実際には127時間残業していたと主張。
訴えを受け、県が男性職員の雇用実態を調査したところ、残業時間のうち帳簿に記録されていない部分があり、
男性職員に過重な負担がかかっていたという。県人事課は「業務の管理をもっと適切にすべきだった」としている。
一方、遺族側の弁護士は「主張がほぼ認められた結果と思っている。
過労を防ぐため、勤務実態の把握の必要性について警鐘を鳴らすという意味で、今回の和解は意義が大きい」と話している。
この問題をめぐっては、男性の遺族が地方公務員災害補償基金に対し、公務災害と認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟も
21年東京地裁に提訴。自殺と業務の因果関係が認められ、処分が取り消されている。

福岡・糸島市職員の自殺、過労認めず…地裁、「質的に過重とは言えない」と賠償請求棄却
2016.1.21  産経

平成22年に福岡県糸島市の農林土木担当課長だった男性=当時(52)=が自殺したのは、
市が過重労働にならない配慮を怠ったためとして、遺族が約7700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、
福岡地裁(岡田健裁判長)は21日、請求を棄却した。
判決によると、男性は農業施設の工事で受益者から分担金を徴収する条例案の担当となり、農家や市議への説明などで、
自殺前1カ月の時間外勤務が114時間に上った。地方公務員災害補償基金は25年、労災に当たる公務災害と認定した。
判決で岡田裁判長は「時間外勤務が100時間を超えたのは、条例案に関する業務が集中した1カ月だけ。
責任の重い公務だが、質的に過重とは言えない」と判断した。

(解説)
脳・心臓疾患の認定基準の改正について 平成13年12月12日(水)
脳、心臓疾患と労災認定との関係について、以下のような規程を示しています。
•発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月あたり概ね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、
業務と発症との関連性が弱いと判断されるが、概ね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、
業務と発症との関連性が徐々に強まるものと判断される。
発症前1か月間に概ね100時間を超える時間外労働が認められる場合、
または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月あたり概ね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、
業務と発症との関連性が強いと判断される。

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職員の自殺 公務災害認定

2016年02月25日 | 情報

このところ、報道では公務員のパワハラ・自殺の事案が多いように感じています。
データ的にも、私企業ではIT関連、それに公務員、教員に多いとされています。
全国の都道府県で起きていますが、なかでも岐阜県では複数の事案が短期間で発生しているようです。
しかも、何れも長時間労働+パワハラです。
あまりにも多いので、紹介疲れに陥る恐れもあります。しかし、重大な問題ですので、マスコミ報道され次第、
記事を引用するように努める所存です。

職員の自殺 公務災害認定 岐阜市民病院
2016年02月09日 読売

2011年に岐阜市民病院の男性職員(当時30歳代)が自殺したことについて、
地方公務員災害補償基金岐阜県支部(支部長・古田肇知事)が公務災害と認定したことが8日、分かった。
遺族の弁護団が明らかにした。
弁護団によると、男性職員は09年に採用され、病院の施設管理業務を担当。
病院改装に伴い業務が増えたことによる長時間労働や、上司からのパワーハラスメントが原因で自殺したとして、
遺族が13年12月、公務災害の認定を申請していた。
認定通知書によると、同支部は、男性職員の時間外勤務が月100時間を超え、上司からも高圧的な叱責を繰り返し受けていたと指摘。
精神疾患を発症するような業務の過重性が認められ、公務による強度の精神的、肉体的負荷があったとして、公務災害に認定した。
男性職員の父親は「息子だけが悪いわけではないことが証明された。
苦しい思いをしている職員は、周囲が助けてあげてください」と話した。
同病院の森正隆事務局長は「より良い職場環境づくりに取り組みたい」とコメントした。

(参考)自殺の職員、公務災害認定…岐阜県庁でパワハラ
2014年09月26日 読売

2013年1月に自殺した岐阜県庁に勤めていた30歳代の男性について、
地方公務員災害補償基金県支部(支部長・古田肇県知事)が公務災害と認定した。
職場の上司のパワーハラスメント(パワハラ)や長時間労働が原因で自殺したと訴える遺族と弁護士が24日、
記者会見して明らかにした。認定は18日付。
遺族らによると、男性は職場での長時間労働や、上司からの激しい叱責などパワハラが原因で精神疾患を発症し、
自殺したとして、昨年5月16日付で同県支部に申請していた。
同県支部は、精神疾患は過重な業務とパワハラが原因と認定。自殺は精神疾患の影響があったとみられるとしている。
遺族は、県に約1億円の損害賠償を求める訴えを岐阜地裁に起こしており、
会見で遺族の1人は、「認定されても帰ってくるわけではない。
裁判も同じような思いをされている方のために頑張りたい」と話した。
古田知事は「亡くなられた職員に、改めて哀悼の意を捧げます。
公務災害の認定を重く受け止め、適切な職場管理を徹底してまいります」とコメントした。

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上司の暴行で自殺未遂 

2016年02月24日 | 情報

自衛隊という特殊な組織のレアケースという捉え方は、止めたほうがよいでしょう。
パワハラ問題は、根が深いのです。
それに、いったんは、事実を隠蔽した事実が、公になったのですから、
同様なことがあれば、会社側のダメージは計り知れません。
ですから、会社側の危機管理対策上でも、参考になる事例として紹介します。

「海自上官の暴力受け自殺未遂」隊員の親が国を提訴
2月4日 朝日

海上自衛隊呉基地(広島県呉市)に停泊中の潜水艦で3年前、
拳銃自殺を図った坂倉正紀2等海尉(42)=山口県宇部市=の両親が3日、
国を相手に3500万円の損害賠償を求める訴えを山口地裁に起こした。
自殺未遂は上官の暴力でうつ病になったことが原因などと主張している。
訴状によると、坂倉2尉は2000年に入隊。
上官に殴られたり蹴られたりして13年7月ごろ、うつ病になり、同年9月2日、潜水艦「そうりゅう」で拳銃自殺を図り、
首に大けがをした。いまも寝たきりで、原告側は上官の暴力でうつ病を発症し、
拳銃自殺に至ったとして「安全保証義務の不履行」を主張している。
会見した坂倉2尉の兄孝紀さん(45)は提訴の理由について「暴行を働いた者への怒りとともに、
自衛隊を暴力のない、働きやすい職場にしなければと思ったからでもある」と述べた。
提訴を受け、武居智久・海上幕僚長は「提訴に至ったことは非常に残念。引き続き事故防止に全力で取り組む」とコメントした。
海自側は昨年10月、暴力を伴う指導をしたとして40代と30代の幹部自衛官2人を
それぞれ停職10日と停職2日とするなどの処分をした。
海自側は当初、処分について「家族の同意が得られていない」と公表していなかったが、先月14日になって発表。
原告側は「家族が公表を望まなかったという事実はない」と反論している。(野平悠一)

「上司の暴行で自殺未遂」=自衛官の両親が国提訴
時事通信 2月3日

海上自衛隊呉基地(広島県呉市)に停泊中の潜水艦で男性2等海尉(42)が拳銃自殺を図ったのは、
上司による暴行と海自の不適切な対応が原因として、山口県宇部市に住む2尉の両親が3日、
国を相手に3500万円の損害賠償を求める訴訟を山口地裁に起こした。
訴状によると、2尉は上司から殴る蹴るなどの暴行を繰り返し受け、うつ病を発症。
2013年9月、潜水艦「そうりゅう」で当直勤務中に拳銃自殺を図った。一命を取り留めたが、現在も寝たきりの状態という。
海自は昨年10月、指導中の暴行が自殺未遂の主な原因だったとして、上司ら3人を停職10日などの懲戒処分にした。
2尉の兄坂倉孝紀さん(45)は山口市で記者会見し、「暴行した者への怒りがある。処分も軽く、納得できない」と話した。
武居智久海上幕僚長のコメント 提訴に至ったことは非常に残念。引き続き、事故防止に全力で取り組む。 

<海自・自殺未遂>一度は非公表決定 懲戒処分は原則公表
毎日新聞 1月26日

◇海上幕僚長 会見で「公表すべきだった」と陳謝
海上自衛隊呉基地(広島県呉市)配備の潜水艦で上官から暴力を受けていた2等海尉の男性(42)が自殺未遂した問題で、
海自が上官ら3人の懲戒処分を昨年10月に非公表と決めていたことが分かった。
防衛省は職務に関する懲戒処分を原則公表と定めており、海自トップの武居智久海上幕僚長は26日の定例記者会見で
「懲戒処分にした日に可能な限り公表すべきだった」と陳謝した。
男性は2013年9月、潜水艦「そうりゅう」内で拳銃で自殺を図り、首の骨などを損傷して寝たきりになった。
海自は直後に事故調査委員会を設置し、家族の要望も受け2度の追加調査をし、
昨年7月、男性が上官から暴力を伴う指導を受けていたなどとする報告書をまとめた。
海自によると、海自は昨年9月、上官らが懲戒処分の対象であり、
そうなれば処分とその理由は原則公表することになっていると男性の家族に説明。
男性の家族の一部が公表を望まない意向を示したため、
公表基準にある例外事項「被害者や関係者のプライバシー等を侵害するおそれがある」に当たると判断し、
10月23日に非公表を決定。同26日に上官ら3人を停職や戒告の懲戒処分にした。

処分を決めたものの、報道機関からの問い合わせもあったため、今年1月8日に家族に公表について相談。
男性の両親が国の責任を問うため損害賠償請求訴訟を起こす動きがあったことから、
12日に再度家族に聞いたところ、公表に同意したという。
海自は問題が報道された後の14日に処分を公表した。
海自が懲戒処分を非公表にした後、公表に変えたケースは今回以外にはないという。
武居海上幕僚長は会見で「今回の問題は重大な事案。公表に対する家族の懸念を払拭(ふっしょく)する努力が足りなかった」と述べた。
処分後、家族との面談が約2カ月半ほどなかったことについて「日程が合わなかった。配慮が足りなかった」と述べた。
この問題では男性の兄が「家族として非公表を要望したことはない」と話している。

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自殺原因はパワハラ

2016年02月23日 | 情報

公務員の場合の知識はありませんが、民間企業の労働者は、労災保険が適用されます。
そして、労災保険給付の決定に不服があるときは、
労審法に基づき、審査請求及び再審査請求と2回にわたり不服申し立てをすることができます(法38条)。
さらに、それにも不服がある場合は、裁判に訴えることができます。
ただし、過去の例からパワハラを証明することは、極めて困難であると言えます。
なぜか?パワハラを示す、動画や画像、音声等の物的証拠がないからです。
つまり、言った言わない、やったやらないの水掛け論になってしまうからです。

「自殺原因はパワハラ」 白バイ隊員の遺族が労災認めぬ基金提訴
産経新聞 2月10日

県警白バイ隊の男性巡査=当時(21)=が平成22年に自殺したのは、
上司のパワハラなどが原因だとして、男性の遺族が労災を認めなかった地方公務員災害補償基金(東京都千代田区)に
処分の取り消しを求める訴訟を起こしていたことが、9日分かった。
3月3日に水戸地裁で第1回口頭弁論が行われる。
県警などによると、男性巡査は22年6月3日、水戸市東野町の交通機動隊庁舎のトイレで、拳銃を使用して自殺した。
遺族の代理人の弁護士や訴状などによると、男性巡査は同年4月1日に県警交通機動隊の白バイ隊に配属された。
配属後の合宿訓練では、毎晩のように午前0時ごろまで大量の飲酒を強制されたほか、
翌朝は午前5時ごろに起床して先輩隊員の靴磨きなど雑用を命じられていたという。
男性巡査は自殺の直前、上司に白バイ隊を辞めたいと申し出たが断られたという。
遺族側は、男性巡査は過重な公務や上司らによる不適切な指示によって精神疾患となり自殺したとして、労災に当たると主張。
2度にわたって基金に対して異議を申し立てていたが、いずれも認められなかった。
遺族の代理人の弁護士によると、基金側は「上司や同僚からの飲酒や雑用の強要はなかった」として、
パワハラではないと主張しているという。
地方公務員災害補償基金は産経新聞の取材に対し「パワハラはなく、通常の職務の範囲だったと考えている」とコメントした。

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