熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

アマゾン・エフェクトの脅威と言うのだが

2018年06月03日 | 経営・ビジネス
   今日の日経に、「アマゾン風圧 日本株も 小売り50社 「指数」上値重く
百貨店2~4割安 ドンキは独自性で上昇 」と言う記事が出ていた。
   要するに、アマゾン・エフェクトが、日本の企業の経営に、大きな影響を与えていると言うことである。

   日経によると、アマゾン・エフェクトとは、アマゾンがあらゆる企業・産業をのみ込むことを意味する造語。同じ電子商取引(EC)業界にとどまらず、2017年には1兆5000億円を投じ、高級スーパーのホールフーズ・マーケットを傘下に収めた。米玩具販売大手トイザラスの破綻や衣料品チェーン大手のギャップの約200店の閉鎖など、かつて高い知名度を誇った老舗小売業の苦境にもつながったとされる。

   アマゾンの破壊力を表す象徴的な指数が、アマゾンの躍進で打撃を受ける株式銘柄を集めた「アマゾン恐怖銘柄指数」、すなわち、「デス・バイ・アマゾン」で、顧客侵食が懸念される百貨店のJCペニーや書店のバーンズ・アンド・ノーブルなど小売り関連約60社の株価で構成されていて、過去3年間で3割程度下落した。と言う。

   日本でも、「アマゾンで取り扱う歴史が長い商品や、アマゾンでも買える商品の割合が高い企業」50社で構成するデス・バイ・アマゾン指数があり、15年以降、今年5月末まででこの「日本版デス・バイ・アマゾン」指数は3%の小幅高だったが、米アマゾン株が同期間に4倍弱になり、日経平均株価が8%高だったのに比べ、上値の重いことが分かると言う。
   中でも、衣料品などネット通販が浸透した影響が大きく、株価下落率が大きいのが百貨店で、その他、デス・バイ指数でみるとネット通販比率が高い商品を手掛ける業態の不振も目を引くと言う。
   日本の書籍関連では丸善CHIホールディングスや、中古本のブックオフコーポレーションがそれぞれ5%、10%の下落。
   一方、カタログ通販のベルーナは、ネットよりカタログのほうが使いやすいと感じる顧客をターゲットに、中高年層の女性から高品質・高単価の商品で支持を集めて、株価は3年で倍。店頭から活路を開くのがドンキホーテホールディングスで、多彩な品ぞろえや迷路のような特徴ある売り場づくりでライブ感、お祭り感を醸成して集客力は高く、株は2割上昇した。と言うのである。
   アマゾンの知的武装の上を行く、隙間を狙った破壊的イノベーション戦略の追求以外に生きる道はない。

   巨大なプラットフォーム企業であり、世界のICT知識情報産業を支配するAGFA(Apple, Google, Facebook, Amazon)の四強の一角を占めているアマゾンは、最早、ネット通販などと言ったジャンルの企業ではなく、最先端のあらゆる経営資源を自由自在に操り得る革新的創造的な企業であり、流通販売小売業を営んでいるのであるから、同業者は、どうあがいても、アマゾンに駆逐されてしまうと言っても過言ではなかろう。
   それに、AMAZONBOOKSなど、実店舗展開を始めており、最先端の販売手法を駆使して、ネット通販とのシナジー効果を追求するなど、事業展開には止まるところを知らない貪欲さである。

   私自身、別に、アマゾンファンでも何でもないし、随分、以前に、ブックレビューを書いていて、記事を修正したり、都合の悪い記事を削除するなど、悪意のある処置を受けたので、それ以降、ブックレビューは止めてしまったのだが、考えてみれば、知らず知らずのうちに、結構、アマゾンで、本や孫のおもちゃなどを買っている。
   本の情報などでは、アメリカのアマゾンのHPから、情報を仕入れて、結構参考になることがあり、助かっている。

   アマゾンで、何が一番良いかと言えば、即時に、電話対応してくれることで、他の会社のカスタマーセンターのように、何回も電話のボタンを押さされて、繋がっても延々と待たされるのとは雲泥の差である。
   価格コムで価格を比較することがあるのだが、必ずしも、アマゾンが最安値ではない場合の方が多いものの、楽天やヤフーのように、商品の検索が曖昧でいい加減ではなく、比較的的確に目指す商品を探せるので、まあいいかと言う気になって、アマゾンから買うことが多い。
   楽天やヤフーのように店舗対応ではなく、アマゾン一社で扱う商品が多くて、相手がアマゾンだと言うことで、トラブル対応が楽であり、安心感が全然違ってくる。

   とにかく、デス・バイ・アマゾン故か、書店など大型小売店が、どんどん消えて行き、ヤマダ電機さえ店舗を畳むなど、リアル店舗冬の時勢であるから、ネットで買わざるを得なくなりつつあるのである。

   さて、本のことだが、アマゾンとブックオフとは、微妙な関係である。
   アマゾンでの古書販売は、Amazonマーケットプレイスで、楽天と同じように、古書店が出店していて、アマゾンアウトレットもあるが、この個人店舗から古書を買うことになる。
   実際に、ブックオフのネット店舗が、Amazonマーケットプレイスに本を出していることもある。
   ブックオフは、リアル店舗なので、店に行って直接本の状態と価格を確認できるが、アマゾンの場合には、価格は表示されているが、本の状態は、可、良い、非常に良い、ほぼ新品との表示があるので、これで判断する。
   ブックオフの場合には、店頭の半分くらいは、108円から200円、300円くらいで、新刊本と思しき新古書は、7割くらいの値段で売られていて、非常にシンプルだが、Amazonマーケットプレイスの場合には、本は個々にまちまちであり、動きのある本は価格など変化する。
   アマゾンでは、メルカリのように、個人で出店しているものもあるようで、1冊10円で買いたたかれるブックオフよりは、高く売れるのかも知れないと思う。

   私は、これまで、時々、神保町の古書店に行って、主に、経済や経営の本だが、誰も読んだことがないと思しき新古書を買って読むことがあったが、最近では、あまり行けなくなったので、偶に、ブックオフで新古書を見つけた時や、タイミングがズレて書店にない場合などには、アマゾン(結構ある場合が多い)やAmazonマーケットプレイスのほぼ新品を目指して買って読むことがある。
   私の場合には、図書館に行くこともないし、人から本を借りることもないし、読む本はすべて自分で買っているので、新本に拘るのだが、どうしても読みたくて古書に頼る時には、パソコンを叩くだけで、ロングテールで、本が探せるアマゾンにお世話になることもある。
   ブックオフも、所詮、安いと言うだけで、リアルショップであるから、アマゾンには、勝てないのであろうと思う。
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