5月13日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第58回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。
今回の講師は、株式会社Clearwoods代表取締役、知能・経済犯担当刑事として20年の経験をお持ちの、森透匡(ゆきまさ)様。「刑事塾:ビジネスで役立つウソや人間心理の見抜き方」と題してお話しいただきました。
第一部は、人間の行動や言動に表れるウソのサインや人間心理の見抜き方について。そうしたサインは、意識的には制御できない自律神経信号や脳から遠い下肢などに現れやすいということです。イギリスの動物学者、デズモント・モリスによると、人間の動作で信用できる順番は以下の通りだそうです。
1.自律神経信号
2.下肢信号
3.体幹(胴体)信号
4.見分けられない手振り
5.見分けられる手のジェスチャー
6.表情
7.言葉
しかし、このことは逆によほど注意深く観察していないと、その人の本音を見抜くことは容易ではないということを示しているように思います。しぐさや表情などに表れる人間の心理については、2009年のアメリカのTVドラマ『ライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語る』をはじめ、書籍も多数発売されていますが、実際にそれが運用できるようになるには、やはり経験の積み重ねが必要なようです。
ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間 DVDコレクターズBOX | |
クリエーター情報なし | |
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫) | |
ジョー ナヴァロ,マーヴィン カーリンズ | |
河出書房新社 |
第一部で特に印象に残ったのは、その人の言動がウソかどうかを判断するには、ウソのサインが複数見られたら要注意であるという点です。サインの一つ一つはあくまで手掛かりに過ぎず、本当にウソかどうかを読み取るには、他のサインと共に会話の文脈や状況などを総合的に勘案する必要があるということ。言い換えれば、あるサインだけを以てウソだと断定することは危険なことであるということだと思います。
このことは、第57回YMSでご紹介した「筆跡心理学」についても当てはまります。筆跡特徴のひとつひとつはあくまで傾向に過ぎません。やはり複数表れる傾向を総合的に判断して、書き手の人物像を判断する必要があります。
その点で、今回のセミナーが非常に良かったのは、さすが元刑事の講師だけあり、具体的な事例や例題が豊富だったという点です。このようなお話を聞くと、受講中にも自分や周りの人のしぐさや表情が気になってしまいます。
第二部は、怪しい取引先の見抜き方。これは単に詐欺グループを見抜くということだけでなく、日常起こるビジネストラブルを未然に防ぐため、注意すべきポイントについてのお話でした。
質問の嵐は、セミナー終了後の懇親会でも延々と続き、皆さんの関心の高さが窺われました。
次回は6月10日(水)開催の予定です。
過去のYMS活動レポートはこちら
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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