2月28日、2014年度のラグビーシーズンを締め括る、第52回日本選手権決勝、トップリーグ・プレーオフ準優勝のヤマハ発動機vs二年振りの優勝を目指すサントリーを観戦してきました。ヤマハ発動機は日本選手権初の決勝進出です。
前半は風のほとんどない穏やかな晴天。前回観戦したトップリーグ・プレーオフ決勝ほどではなかったものの、秩父宮ラグビー場には14,427人の観衆が詰めかけました。
初めは、スクラムにおけるアーリーエンゲージやハンドなど、ヤマハが不用意な反則を繰り返し、少し気負いがあるのかなという感じがしました。しかし、序盤からヤマハFWはスクラム、モールとサントリーFWを圧倒していました。
当初からヤマハのゲームプランは明確だったのではないかと感じましたが、前半7分、相手反則からのタッチキックでサントリー陣に深く攻め込んだヤマハは、ラインアウトからの連続攻撃でサウ選手が先制トライ。五郎丸選手のGKも決まり、7vs0とします。
さらに11分、ヤマハはサントリー陣10mライン中央付近で獲得したPKを五郎丸選手が決め、10vs0とします。
一方、サントリーは19分。連続攻撃からヤマハ陣に攻め込み、ゴール正面でPKを獲得。これをピシ選手が決め、10vs3と反撃します。
しかし、その後もプレーはほぼサントリー陣内で続きます。ここまでFWで優位に立っているヤマハは、ゴール正面で得た相手ペナルティでキックではなくタッチを選択します。そしてラインアウトからモールを組み、そのままインゴールまで押し切りました。しかし、惜しくもトライならず。
26分、ヤマハはサントリ陣ゴール前右サイドのスクラムから左に展開。大田尾選手、五郎丸選手、中園選手といずれも佐賀工業出身の選手で繋ぎ、左隅にトライ。判定はTMO(テレビマッチオフィシャル)となりますが、認められ15vs3となります(GKは失敗)。
32分、サントリーはデュプレア選手が多分オフサイドの繰り返しによりシンビンとなってしまいます。しかし、サントリーもヤマハの猛攻を凌ぎ、前半終了。
後半は開始早々からサントリーが猛攻を仕掛けます。さらに後半10分、五郎丸選手がハイパントのボールを空中でキャッチしようとした選手へのアーリーチャージによりシンビンとなってしまいます。ヤマハはここでFBを10分間欠くという、苦しい展開。
ここでサントリーが一つでもトライを取っていたならば、あるいは試合の流れが変わったかもしれない局面でした。接点からの球出しが遅れ、テンポが上げられない中、それでもサントリーは再三ヤマハ陣深くに攻め込みましたが、準決勝でも東芝をノートライに抑えたヤマハのディフェンスがそれを上回っていました。逆にサントリーはここという所でのノックオンなど、最後までペースを掴みきれなかったように思えます。
最後の10分はほぼサントリー陣でのプレーが続き、ついにノーサイド。2010年にトップリーグ降格の危機を経験したヤマハ発動機は、創部33年目にして初の日本選手権制覇となりました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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