12月15日、16日の2日間、中央大学駿河台記念館にて、日本交渉協会の「交渉アナリスト2級通学ゼミ土日集中講座」にアシスタントとして参加しました。以前の通学ゼミは7回コースでしたが、現在は土日集中に変わっています。僕自身は初めての参加でしたが、既に15回目になるそうです。
初日の午前中は交渉理論の基礎を集中的に学びます。3時間で一通りの基本を押さえますので、かなり駆け足の印象がありますが、その後のディスカッションやロールプレイなどで学んだことが繰り返し出てきますので心配ありません。まず、午前中の締めくくりに短いロールプレイを行い、学んだ知識がどのように使われたり作用したりしているのかを体験しました。
午後の前半は、ケースを読み、午前中に学んだ交渉理論を駆使しながら状況を分析し、グループでディスカッションする、文字通り「交渉アナリスト」体験を行いました。これらを通じて学習した言葉の定義などがよりハッキリしてきたように思います。
後半は再びロールプレイ。午前中は単純な個人交渉でしたが、今度はシナリオも若干複雑になり、かつグループでディスカッションしながら提案をまとめ上げていきます。それ自体、一種のグループ交渉であり、個人交渉とは違った難しさを体験できます。
二日目の最初のテーマは、「交渉と倫理」について。ケースを読み、交渉における嘘の認識、境界、あるべき倫理観についてディスカッションを行いました。難しい問題ですが、自分がどういう倫理観を持っているのかについて、改めて目を向ける良いきっかけとなりました。
つづいてのテーマは「交渉の準備」。交渉のシナリオを作り、グループでディスカッションの後、個別交渉に臨みました。短い時間にもかかわらず、見事に価値創造をされている方もいらっしゃいました。また準備の大切さとともに、シナリオに縛られてしまう罠も感じました。
午後のスタートは、自分なりの「交渉の心得」づくり。ここまで学習してきたことを踏まえ、自分にとって大切だと思う7つの心得を考え書き出していただきました。理論と実践の間の距離を埋め、自分の交渉スタイルについて再認識する作業であるとも言えるでしょう。
心得の書き出しが終わると、午後のメインテーマである三者間交渉のロールプレイを行いました。チームプレイと個人の技量が問われる、より現実的な形式でした。
チーム内での検討の後、個別交渉へ。皆さんの話しぶりなどを拝聴していると、二日間で演技も板についてきたようでした。与件には必須条件と努力条件が設定されており、各当事者は合意に至る上で、それら制約条件を満たさなければなりません。また、二者間交渉と三者間交渉は、たった一人増えただけで交渉の複雑さがはるかに増します。積極的交渉がなされ、40分という交渉時間があっという間に過ぎて行ったように思います。
終了後は、お互いの立場を明らかにし、交渉内容について活発な意見交換が行われました。その後、元のチームに戻り、同じ交渉当事者の役割を担った者同士で再び意見交換が行われました。
ところで、交渉理論を学ぶことの意義は何でしょうか?人それぞれだと思いますが、個人的には「状況の認識力と判断力、経験の運用力を高めること」ではないかと現時点で思っています。参加された皆さんも講義やロールプレイなどを通じ、恐らくご自分の経験と照合しながら咀嚼し、理解されていたのではないかと思います。つまり、交渉理論を学ぶことによって、既にある、またはこれから蓄積される経験を有効に運用する能力が高まるとともに、生活のあらゆる場面で直面する「交渉」という状況をより明確に認識することができるようになるのではないかと思います。
最後は、晴れて「交渉アナリスト2級」の修了証授与を以て終了となりました。受講された皆様、二日間にわたり本当にお疲れさまでした。また、交渉アナリスト2級取得おめでとうございます。ぜひ、燮会でお会いできますことを楽しみにしております!
※燮会の模様については、当ブログのカテゴリ「交渉アナリスト関係」をご覧ください。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした