本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

映画「羅生門」2

2019-08-15 09:26:20 | Weblog
 「羅生門」はグランプリ(金獅子賞)に選出されたという昨日の話の続き。
 ところが、授賞式には日本の映画関係者は誰も出席していなかったそうだ。それもそのはず、期待していなかったというよりしぶしぶ出品しただけだ。
 主催者はこれには困って、街で日本人らしい人を探してきて壇上に上げた。その人はヴェトナム人だったとか。

 「羅生門」はさらにベネチア映画祭50周年記念の歴代グランプリ作品のなかでベスト・ワンになり「獅子の中の獅子」を受章している。
 これらの話が載っていた本は『模倣される日本』(祥伝社新書)である。模倣と関係がない話だが、日本は自信を持てということのようだ。日本映画はなかなかやるもんだと、読んで愉快になりました。

 この映画は言うまでもなく芥川龍之介の『藪の中』が素材だ。「藪の中」とは真相がわからないことだが、その「藪」を突っついたら金獅子が出てきたのだ。

 ついでに言えば、同じベネチア映画祭で審査員特別賞を受賞したのが『欲望という名の電車』。それよりも「羅生門」が評価されたわけだ。
 とはいえ、「欲望…」でビビアン・リーはアカデミー主演女優賞を得ましたね。
 後年、「desire(欲望)」という行き先標の路面電車を見たくてニューオーリンズに行きました。
 なお、「羅生門」も第24回アカデミー賞の特別賞も受賞している。