英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ビブリア古書堂の事件手帖』 第3話「論理学入門」

2013-01-28 23:20:39 | ドラマ・映画
 ある一冊の本と出会うことによって人生観が変わる。…そういう経験のある人は少なくないと思います。
 そこに綴られた言葉には、それだけの力が宿っているということです。
 そんなかけがえのない一冊を、敢えて手放す理由があるとしたら……どんな理由が考えられるでしょうか?



いい夫婦の話だった。

 受刑者脱走のミスリードや真相に至る推理についてはスルーするとして(それが、不要とか稚拙だという意味ではなく、今回記事の主眼とは離れるものだから)
 『論理学入門』はある夫婦にとって、二人の大切な思い出の本である。ドラマの冒頭の言葉(本記事の最初に挙げた言葉)のように、なぜ売ろうとしたのか?

 そう、「手放す」のではなく「売る」のがポイントで、謎だった。
 手放すだけなら捨てればよい。高値で売れるのなら「売る」のにこだわる理由があるが、店頭価格500円、買い取り価格100円である。

男「すべての本を手放すことで、目が見えなくなるという現実を受け入れ……今まで黙っていてすまなかった」
妻「なんか、よくわかんない。結局、どうして本を売ろうとしたの?」
男「だから、目が見えないという現実を…」
妻「そこぉ、そこがわかんないの」
男「本というものは、読まれるためにあるんだ。いくら自分の手元に残したとしても、何の役にも立たない。だったら、ほかの誰かに(読んでもらいたい)」
≪なるほど、だから売ることにこだわったのか!≫
私が納得した瞬間にかぶせるように
妻「あたしが読めばいいじゃない、声に出して」
≪おお、その手があった!≫目から鱗である。
妻「あたしが毎日読んであげる。朗読なんかしたことないから、たぶん、すごく下手くそだけど。でも、それでいいでしょう。
 まさしくんの目が見えてても、見えていなくても、そんなのどうでもいいの。あたしがずっとそばにいるから。なんか話したくなったら、いつも声が聞こえるところにいるから。
 だって、その方が絶対楽しいんだから!」


 このドラマのテーマのひとつが「本は読むためだけにあるのではなく、本そのものにその人の思いが込められている」というようなものだったと思う。しかし、そこを突っ込むのは、この素敵な夫婦にとって野暮なことなのであろう。

 そのあとの夫の前科を「知っていた」とうそをつく妻。
 そのうそに気づいていたが、その嘘のやさしさを受け止めた。
いい夫婦ですねえ。


 でも
「わかってたよ、そんなのこと。
 バカじゃなければわかるよ。あたしはバカじゃないんでしょう?だから、ずっと前から分かっていた。
 これも三段論法?」
 あ、その、≪え?バカじゃなかったの?≫とびっくりしてしまった。

 今回は面白かった。


【その他の疑問点、感想など】
①3人がブックパレスに向かう時に、栞子は変な気配を感じていたようだが、なんだったのだろう?
笠井菊哉の視線だったのだろうか?タイミングよくブックパレスに現れたのもつじつまが合う。

②栞子が男の目が良くないことに気が付くヒントの月刊誌のスリップ(注文カード)を見せないのはアンフェア(最初に五浦が手にしたときは、強調したのでフェアかも)。本の傷み具合でも、未読かどうかは判断できると思うが。
③男が本を売るのをやめ、100円を返し本を受け取ろうとした時、栞子が「いえ、500円です」というんじゃないかとドキドキした。
④やはり、栞子の設定に疑問。剛力さんのキャラや演技力ではなく、年齢に無理がある。今回のような話の場合、栞子が若すぎて違和感が拭えない。


【ストーリー】番組サイトより
 篠川栞子(剛力彩芽)と五浦大輔(AKIRA)が「ビブリア古書堂」にいると、ひとりの男性(中村獅童)が買い取り希望だとやって来る。手にしていたのは、ヴィノグラードフ・クジミンの『論理学入門』という本だった。買い取り表からはみ出す字で「坂口昌志」と書いた怪しげな風貌の男性は、明日また来ると言うと店をあとにした。栞子は、最後のページに貼られた「私本閲読許可証」を見つける。それは刑務所の受刑者が私物として刑務所に持ち込んだ、ということを示すものだった。
 そんな折、「ビブリア古書堂」に来ていた藤波明生(鈴木浩介)が、近所の刑務所から受刑者が脱走した、さっきの男性がそうなのでは、と話した。実際、報道された脱走犯の人相は坂口そっくりだったため、心配した志田肇(高橋克実)は栞子に店頭には出ないようにと命じる。
 そんなところへ、派手な服を着た女性(佐藤江梨子)が来て、自分は坂口の妻でしのぶと言うが、坂口が売りに来た『論理学入門』を返して欲しいと言った。ホステスをしているというしのぶは、一方的にまくし立てると本を持って帰ってしまう。大輔からそう報告を受けた栞子は、妻であっても坂口本人の許可なく本を返してしまったことは問題だと指摘。責任を感じた大輔は志田とともに、クラブにしのぶを訪ね、本を返して欲しいと頼み込む。
 同じ頃、テレビのニュースでは脱走犯が依然逃走中だと伝えていた。弟の文也(ジェシー)とともにそれを見ていた栞子は…。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雪、現況 | トップ | 残念な対局放棄 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ドラマ・映画」カテゴリの最新記事