電脳筆写『 心超臨界 』

人は歳をとったからといって遊ぶことを止めない
人は遊ぶことを止めるから齢をとるのだ
( バーナード・ショー )

人間通 《 怨念——谷沢永一 》

2024-05-15 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『南京問題終結宣言がYouTubeより削除されました』
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人間は怨念の塊である。殊(こと)に性をめぐる鬱屈(うっくつ)は甚(はなは)だしい。自分は性の極限を知らぬままに世を終えるのかも知れないと嘆いている。もっと奥底に達し得る筈(はず)だと夢想している。男という男は出来ることなら此(こ)の世の女のすべてを知りたいと願っている。人間の性をめぐる怨念が解消される日はこないであろう。ゆえに性の次元で自由を享受(きょうじゅ)している奴(やつ)は許せない。性的放縦に対する弾劾(だんがい)が何よりの憂(う)さ晴らしとなる。


◆怨念(おんねん)

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p67 )

しかし如何(いか)なる論法を以(もっ)てしても抑えきれぬのが嫉妬(しっと)である。人間はすべて何時(いつ)でも僻(ひが)んでいる。自分は損をしている、割を食っている、と思いこんでいる。人間は怨念の塊である。殊(こと)に性をめぐる鬱屈(うっくつ)は甚(はなは)だしい。自分は性の極限を知らぬままに世を終えるのかも知れないと嘆いている。もっと奥底に達し得る筈(はず)だと夢想している。男という男は出来ることなら此(こ)の世の女のすべてを知りたいと願っている。人間の性をめぐる怨念が解消される日はこないであろう。ゆえに性の次元で自由を享受(きょうじゅ)している奴(やつ)は許せない。性的放縦に対する弾劾(だんがい)が何よりの憂(う)さ晴らしとなる。

明治大正そして戦前昭和は階層社会であったから、社会的優位に立つ人物の放蕩(ほうとう)は、身分が違うからと諦(あきら)めの念を以て眺(なが)められた。戦後は階層意識が消滅したから、あらゆる人物が同じ平面の地続きに立つ同類と見做(みな)される。遠慮と憚(はばか)りが不必要となった。誰に対しても特権の一切を認めない。階層身分意識によって嫉妬心に嵌(は)められていた一応の箍(たが)が吹っ飛んだ。この趨勢(すうせい)を反映し代表して暴露を旨(むね)とする報道(マスコミ)が発達する。これからは政治家も経営者も藝能人(げいのうじん)も、およそ世に顕われでる程の人は、性的奔放(ほんぽう)に対する集中砲火を避け得ないであろう。社会的平等化に不可欠の必要経費である。言論の自由の副産物である。人間性の最も根深い怨念に発する趨勢であるゆえ、世に立つ者は身を惜しむ以外にないであろう。
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