テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

名手の巧みな《語り》10!

2015-09-01 21:49:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むッ? くんくんッ? このォ、かおりィはァ?」
「がるる!ぐるるるがるー!」(←訳:虎です!銀木犀の花だー!)

 こんにちは、ネーさです。
 いつもならこの9月に入ってから咲き始めるギンモクセイのお花が、
 なんと、今年は昨日あたりから咲いちゃってますよ。
 早過ぎる秋だなぁ~と感心する本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



       ―― 短編ベスト10 スタニスワフ・レム ――



 著者はスタニスワフ・レムさん、原著は2001年に、
 日本語版は2015年5月に発行されました。
 ポーランド語原題は『Fantastyczny LEM』、
 同国の作家スタニスワフ・レムさんの短編作品集です。

「ふァ~、ぽーらんどォ!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:レアですぅ!)

 日本では、残念ながら、
 あまり翻訳されることのない東欧・中欧の文学……
 けれど、レムさんは幸福な例外と言えるかもしれませんね。
 SF作品として名高い『ソラリス』
 (旧題『ソラリスの陽のもとに』もしくは『惑星ソラリス』)は
 邦訳本があり、
 映画化もされているので、
 観たことあるわ!という方も多いでしょう。

 この御本は、
 スタニフワフ・レムさん(1921~2006)の作品集
 《スタニスワフ・コレクション(全6巻)》の、
 『短編ベスト10』として刊行されたもので、
 とてもヴァラエティに富んだ、というか、
 『ソラリス』しか読んだことのない活字マニアさんは、

「むひゃッ??」
「がるっ?」(←訳:ええっ?)

 と驚くような作風の短編作品が収録されています。

 シリアスで、哲学的/思索的でもあるのが、『ソラリス』。
 
 それに対して、レムさんの短編は……
 読んでいて笑っちゃう、んですよねえ。
 
「へんてこォ、でス!」
「ぐるるがる!」(←訳:楽しいです!)

 奇抜で突飛な設定、という点は
 いかにもSFらしいのですけれど、
 レムさんの場合、そこに言葉遊びが加わります。
 ルイス・キャロルさんが『不思議の国のアリス』でやったように、
 韻を踏んだり、
 奇妙な造語をちりばめてみたり。

 レムさんのその《遊びごころ》が分かりやすい作品を、
 この御本の中で探すなら、
 冒頭に収録されている『三人の電騎士』と、
 『探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人』
 でしょうか。

 特に、私ネーさのおすすめは後者!
 SF好きな活字マニアさんに秘かな人気の
 《宇宙創世記ロボットの旅》シリーズの一作です。
 
「うちゅうのォ、ろぼッとォ?」
「がるっるる?」(←訳:ロボット旅?)

 主人公のトルルルさん、
 そしてクラパウツィスさんは
 ほぼ機械生命体?に近い《宇宙建造士》さん。

 気の向くままに宇宙を飛び回り、旅をしているふたりが、
 この物語で直面する羽目になったのは。

   コンピューターは詩人たり得るか?

「そッ、それはァ~…!」
「ぐるるがるがる!」(←訳:遠大な疑問です!)

 遠大かつ壮大な命題を、
 レムさんは機智と笑いに包んで描きます♪
 
 全活字マニアさんに読んでいただきたいこの
 《宇宙創世記ロボットの旅》、
 現在は入手困難となっているため、
 図書館などでお探しくださいね!

 悲しいことに図書館でも見つけられなかった……という御方は、
 こちらの『短編ベスト10』で
 長編とはまた違ったレムさんの世界をお愉しみあれ♪

「れむおじさんのォせ、かいィはァ~!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:いまも新鮮なのです!)



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