都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

オスタンキノ・タワー

1992-10-15 | ロシア  

1992.10.15(Thu) Moscow

オスタンキノ・タワー遠望

 モスクワ市街の北部にオスタンキノ・タワーはある。市街のガイド地図にテレビ塔は記載されているが、街中からは霞んでしまいあまり見えない。このテレビ塔の足下にはオスタンキノテレビの放送局がある。

宇宙征服者のオベリスク遠望   Google Map
Wikipedia > 宇宙征服者のオベリスク

 また塔の周辺にはジェルジンスキー公園があり、国民経済博覧会、宇宙飛行士博物館などの施設もある。市街を北へ向かってバスに乗っている内にテレビ塔が見えてくる。先端部までで540mあるという塔の高さに比してその太さはかなり細く見える。遠くから見ると本当に500mもあるようには見えない。しかし近づくにつれ、見上げると首が痛くなりそうなくらいに高い建物であることが判ってくる。

オスタンキノ・タワー   Google Map
Wikipedia > オスタンキノ・タワー
建設年:1963年着工、1967年完成。
高さ :540m

 13:00 オスタンキノ・タワーに上る。塔の構造はRCで、下の方はスカートのように広がっており、全体としては巨大なロケットのような形をしている。これだけの高さのものをかなりの自重があるRCで造ってしまったのはすごいことだ。

オスタンキノ・タワー展望室から

 塔に上るために必要なチケットはマキシムさんという男性が手配してくれていたのだが、その人の到着が遅れたので塔の下のエレベーターホールでしばらく待つ。

 テレビ塔は情報関連の重要な施設なので、出入りの管理はかなり厳しい。東京タワーではセキュリティチェックなどは大してないが、ここでは身体検査と荷物検査が入念に行われる。その後、上海のテレビ塔でも同様の体験をして、テレビ塔とはそういうところなのだと再認識したのだった。オスタンキノテレビはその後、94年のクーデターの際、反乱軍が占拠し、そこへ戦車が突入する様子と、銃撃戦の映像で世界にも報道された。たしかにテレビ局は政治的にも重要な施設なのだ。

展望室から市内

 展望室は地上337mの場所にある。東京タワーの先端部よりまだ高い。当初は世界最高の高さであったこの塔は、1992年時点で自立型のものとしてはトロントのテレビ塔についで世界第2位(RCでは未だに世界一)だった。確かに高い。しかし期待したほどの感慨はない。塔が街の中心部から離れているため周辺に大きな建物や、有名な施設がないため、塔からの景色にはそれほどの特徴はない。それでもせっかく来たのだからと、一応いろいろな方向の写真を撮っておく。市街の中心部は霞んでしまってほとんど見えない。

展望室から市内 直下のビルはオスタンキノテレビ  Google Map

 地上328mにある展望レストランで昼食をとる。レストランは回転式で、座って食事をしている1時間ほどの内に一回転した。高さが高いので風の影響を受け、座っているとゆっくりとした揺れを感じるのだった。ちなみにこのレストランは、8年後の2000年にタワーで火災が発生したため、その後、閉鎖されたままなのだそうだ。

 タワーで同行してくれたマキシムさんはキリッとした人なのだが、何となく表情が暗く、また無口なので今ひとつ何を考えているか判らない。サービス用の笑顔を作るのにロシア人はまだ慣れていないのだろうか。食事の時にもむっつり黙って外を眺めているので、どうもこちらも話しにくく、やや困惑してしまうのだった。

 14:30、タワーを出て市内に戻る。



オスタンキノ・タワー パンフ
1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#パノラマ  #眺望  #塔  #モニュメント  #公園  #街並み 海外 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プーシキン美術館 | トップ | もういちどアルバート通り、... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿