都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

墓地

1992-10-11 | ロシア  

1992.10.11(Sun) Vladivostok

 17:00、金角湾東南にある高台に行く。実はここは日本人墓地もあるところで、10人の日本人が今も眠る場所だった。駐車場のそばには、博物館の名称にもなっているアルセーニエフの墓、また少し東へ行ったところには、80年代に潜水艦事故で亡くなったソ連兵の墓や、日露戦争の仁川沖海戦の際に、大日本帝国海軍との交戦で大破した巡洋艦「ヴァリャーグ」船員の記念碑などがある。その他にも日露戦争での戦死者の墓がある。私達は自らの国でこのような墓をあまり知らない。

ウラジオ郊外の墓地   Google Map

 眺望が良いから来たつもりだったのだが、平和委員会の人々だからここを熱心に案内するのだろうか。それについてはよくわからない。しかし名もわからぬ日本人の遺体を一カ所に集めてしっかり葬っておいてくれたとは、言われているより良い人の多い国だと思う。ロシアのPRだという見方をすればまた話は別だが、とりあえずこちらで出会った人は思った以上に親切な人が多い。

 ロシアの墓の形式は特徴的で、どれにもレリーフもしくは顔写真入りの陶板が埋め込まれている。特に顔写真の方はなんだか生々しい。日本でも仏壇には遺影があるが、墓地で沢山の人の写真が並ぶ風景にはちょっと驚かされてしまう。また石碑でなく、鉄製の碑の場合がある。塗料でさび止めがされていることが多いが、中にはサビついているものもあったりする。鉄製といっても鉄板を折って作った箱状のもので、叩くとポコンポコンといって中が空洞であることが判る。こういうものが墓碑になるあたりもちょっと理解しにくい。

墓地のある丘から東方向の眺望

 寒い。添乗員のSさんと同行の留学生の女性と高みの方へ上っていく。道は最後には軍施設のゲートにぶつかってしまう。Sさんが入れるかと聞くとやはり、だめだと言われたが、逆に煙草はないかと言われる。無いというとそのまま引っ込んでしまった。煙草を持ってたら入れてくれたのかもしれない。もし本当にそうなら、結構軍の規律も乱れているようだ。墓地の中の別の小道を行くと、金角湾奥が最も良く見える開けた所に着いた。ここでO氏、F氏も加わって、写真を撮る。K氏とY君は、軍施設の鉄条網をかいくぐって中に侵入し、頂上からパシャパシャと数枚撮影してからすっ飛んで帰ってきたとのこと。撮るのは良いが捕まらないでくれよという感じだ。

Wikipedia > ヴァリャーグ(防護巡洋艦)
     > ウラディミール・アルセーニエフ
1992年10月 ロシア日記・記事一覧

#眺望
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