都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

富士山静岡空港建設現場

2008-01-16 | 静岡県  

 正月に実家から牧之原方面へ行った。牧之原台地の谷間にある石雲院という古刹を訪れるのが目的だったのだが、途中で静岡空港建設地見学展望台の案内標識があったので、ついでにそこに行ってみることに。

静岡空港工事現場  Photo 2008.1.6

 静岡空港(愛称:富士山静岡空港)は、牧之原の台地上に起伏を慣らして造成されている。開港予定は平成21年3月。おやおや、来年3月にはできちゃうのか。県内ニュースなどを見ていると、国内だけでなく、韓国などへの直行便も就航予定であるなどと景気の良い話が載っていたりする。県内の大きな会社が空港運営会社へ出資して、官ではなく民が主に運営するんだそうだ。周辺にはヤマハ、スズキなど海外との行き来が多そうな会社の工場や研究所があり、オフィス街や大きな繁華街はないが、これらの工場関連で、一定の需要があることは予想される。北海道や沖縄へ乗り継ぎ無しで行けるのならそれも便利だ。また静岡からは富山、金沢など北陸方面が不便なので、その方面への需要はまあまああるだろう。でも、どうしても必要かと言われるとよく分からない。

 静岡市内から牧の原に行くくらいなら、羽田へ行っても1時間程度しか差はないだろうし、浜松市内からなら、中部国際空港という選択肢がある。静岡空港の便数が多いなら便利になるが、2,500m滑走路1本だし、需要から考えてもそれほど頻繁にあちこちに飛行機が飛んでくれるわけではなさそうだ。そうなると、新幹線代はかかってしまうが、やはり東京や名古屋へ行った方が便利だろうと思われる。

 そんなこんなで採算性をよく考えたのかどうか甚だ疑問な空港なわけだ。もちろん、黒字になるのならまだ良いが、赤字垂れ流しで、更に牧の原の緑を無くしてしまう環境破壊なんてことだと最悪。県は黒字予想をしてるのだろうが、行政の予想ほど楽観的でお気楽なものはない。素人でも?がつくような予想は予想ではなくて、期待であり、下手すると妄想だったりする。

 まあ、それはともかく、現場がどうなっているのかはちょっと気になる。空港建設が話題になってから20年。ぼんやりしている内にいつのまにか土地買収が進み、造成が始まり、建物の建設も始まったという。野次馬根性もあって急坂を上り、台地上の展望台へ行くと、プレハブ小屋がポツンとあった。お正月休みにこんなところに来るやつなんてあまり居ないんだろうなと思っていたのだが、駐車場には20~30台の車が止まっている。茶屋があるわけでもないのに、小屋の中は大盛況。みんな退屈してるんだなぁ。何か変わったことが無いかとやって来る。かくいう私もその一人なんだが・・・。駐車場の先には真っ平らな土地が広がり、工事用車輌が忙しく行き交う。遮るものが何もない台地上は風がやたら強く、土埃が盛大に舞っていた。外にいると土埃だらけになるので、早々に小屋の中に入る。

 プレハブ小屋の中には説明パネルが展示され、双眼鏡が用意されている。空港なんだから、真っ平らにしなければならないのは分かっているが、いつのまにかこんなに工事が進んでいたのだった。お茶山だった丘は削られ、小さな谷は埋められ、緩やかな丘陵地だった場所には真っ平らなスペースが広がる。うへ、やっぱり土木系の連中がやることのスケール感は相当違うな。

 造成工事は8割方済んでいるらしいが、まだ少し、山を削らねばならないらしく、大型ダンプが行き来している。離れた場所から見ているのと、現場に人影が少ないため、スケール感がさっぱり分からないのだが、展示パネルの説明によれば、ダンプは、90t積み(幅6m、高さ5m、長さ10m、重さ約65t)だという。俄には信じがたい大きさ。テレビでたまに馬鹿でかいダンプがレポートされていたりするが、まさにそれが何台も走り回っている。あっという間に大量のガソリンを消費してしまうらしいが、人件費その他の効率性を考えると、やはりこうなるらしい。だいたいこのダンプやブルドーザーは、公道を走って現場に来られるわけではない。分解して運搬して現場で組み立てるわけで、現代の土木工事というのは誠に凄いことになっているのだなぁと思う。

 進入灯などの設備の建設も始まり、アクセス道路の整備もかなり進んでいる。管制塔や空港本体の建物の建設も始まった。反対が叫ばれていたのは数年前だったか。でも確実に着実に建設は進んでいた。

 ここまで造っちゃっていると、もう後戻りはしにくい。だからひとまず完成させてみて欲しい。で、造ったからには赤字にせずに有効活用して頂きたい。地元建設業界が潤うなどと、造ることだけが目標になっていたりすると、出来た後が無惨なことになる。運用次第で財産にもなれば、お荷物にもなるので、ある意味、今後に期待である。で、どうしても赤字になってしまって、回復の見込みが全く立たないというのなら、速やかに閉港すれば良い。ぐずぐずと判断を先送りにすればするほど、赤字は増え、人々の負担が増える。今から素人に赤字の心配をされてしまうこと自体がちょっと情けないし、閉港なんて聞いたことが無いけど。閉港したら、またお茶畑にしたら良いんじゃないかな。平らにしたから風が吹きっさらしになっちゃったけど。

榛原郡吉田町方面
展望台より富士山を望む

 台地の上からは富士山や南アルプスを遠くに望むことができる。また島田、吉田方面の街も眼下に見ることができる。台地の上に造られつつある空港の工事現場は、今までの静岡にはない奇妙な風景を持つ場所だった。

Wikipedia・静岡空港
静岡県/富士山静岡空港
静岡の街並み
#街並み 静岡県  #眺望  #飛行機

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