まわりで起こっていること

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島ちゃび

2012年04月08日 | Weblog
沖縄は、一度しか、行ったことがない。

それも、西表島へダイビングに行った帰り。

ほんの半日ほど、買い物したくらいで。

しかし、民俗学にとっては、沖縄は宝庫だ、と。

谷川健一さんが、対談で言っているんだね。

表題の島ちゃび、ってのは、島にいるのはさびしい。

が、つづまっているのかな。

孤島苦、なんて言葉があるらしいけど。

例えば、与那国島。

谷川さんが、昭和の40年代に行ったとき、というから。

もう40年近く前になるのか。

iPhoneのマップで、与那国島と検索すると、ピンが落ちてくるけど。

ほとんど、台湾ですけどね。

そのころ、商船三井の船が、台湾に行くついでみたいに、寄ったらしく。

もちろん、ネットも携帯もないころで。

船が沖に見えると、たかだいから。

ンネ、ンネとさけんだくらいだそうで。

船が来たぞ、くらいの感じかな。

本土の恋人からの手紙を待つ男が、夕暮れに。

柱にもたれて、三味線をひいている。

そんな姿を、島ちゃび、と呼んだ。

なんの変哲もない日常が、毎日まいにちつづくわけだ。

あるいは、小原さんという学者が、島々の入れ墨を調べに歩いたことがあるそうだ。

昭和の一桁の頃。

写真じゃなく、スケッチしたようだけど。

多良間島で、上品な30がらみの女性の入れ墨をスケッチしたとき。

「結婚は一度、入れ墨は一生」なんて言葉もきいたり。

その島から、水納島(みんなじま)へ渡り、おばあさんにも取材。

今まで書きためた入れ墨を見せた。

すると、彼女、いきなり、慟哭しはじめ。

中の一枚に、自分の娘のが、あったわけだ。

家族、種族で、おのおの、違いがあり、わかるらしいんだね。

その娘さんは、何年も前に、愛人と島を出て、一切、音沙汰なしだっようで。

もちろん、メールもなにも、ないわけだし。

小原さんの描いた入れ墨で、彼女の無事がわかったわけだね。

かれが、船で帰るとき。

胸まで水に浸かって、船を見送ってくれた。

というんだね。

こちらの胸が、張り裂けそうだよね。

島ちゃび、です。

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