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●アベ様国葬文書隠蔽裁判…篠田賢治裁判長《3日間の詳細に答えるよう、再度国に求め…こう言い添えた。「5W1Hを意識して書いていただくように」》

2025年08月07日 00時00分09秒 | Weblog

[※ 「「国葬」という憲法違反」(週刊金曜日 1391号、2022年09月02日) ↑]


(2025年07月08日[火])     [Hatena Blog『日々読学』]
アベ様の国葬モドキ…《協議過程を記した行政文書の「不存在決定の撤回」および「不開示となった文書の開示」を求め》てTansaが東京地裁に提訴した件、どうなっているのかと新聞を見ても全く情報なし…。Tansaを見てみると、アベノマスク裁判同様、酷いことになっている。アノ裁判長も呆れさせるアベノマスク数百億円にも上る物品を口頭で発注》…国の敗訴確定。そりゃぁ、恥ずかしくて、国は控訴なんてできんでしょうね、アベノマスク裁判。アベノマスクについて、さっさと、文書の開示を。数多のアベ様案件の一つ、漸くと、ゆっくりゆっくりと。
 でも、アベ様の国葬モドキ「不存在決定の撤回」および「不開示となった文書の開示」裁判・「国葬文書隠蔽裁判」は、まだまだ。

   『●アベ様の国葬モドキ…《協議過程を記した行政文書の「不存在決定の撤回」
      および「不開示となった文書の開示」を求め》てTansaが東京地裁に提訴
   『●アベノマスク裁判、合同マスクチーム職員「やりとりは口頭が基本で、文書は
      残していない」…大阪地裁徳地淳《裁判長も「全て口頭で?」と突っ込み》
   『●アベノマスク契約…《数百億円にも上る物品を口頭で発注》、随分と「不便」
     では? 《業者選定のためのやりとり》を知りたいが、随分と「不都合」だ
   『●裁判長も呆れさせるアベノマスク《数百億円にも上る物品を口頭で発注》…
     アノ裁判長でさへも「当時の繁忙状況を考慮しても文書がないとは考えがたい」
   『●アノ裁判官も《許せんと断じた》…アベノマスクの契約過程文書不開示で、
     国の敗訴判決が確定、《国民の知る権利に真摯に応える姿勢を見せてほしい》

 Tansa《記録のない国》…壊れ切った国ニッポン
 Tansaの記事【記録のない国/「質問なし、意見なし」、メールのやり取りは即削除? 国が主張する国葬協議の3日間】(https://tansajp.org/investigativejournal/12041/)によると、《6月12日、Tansaが国を訴えた「国葬文書隠蔽裁判」の第3回口頭弁論が東京地裁で開かれる。この裁判でのポイントは、2022年7月12日、13日、14日の3日間で、内閣法制局と官邸側がどのような協議をしたかだ。官邸側からは内閣官房と内閣府が出席した。当時の岸田文雄首相は、この3日間の協議を受けて、安倍晋三・元首相の国葬実施を閣議決定した。国会や記者会見で説明してきた。ところが国は、この3日間の協議内容を記録した文書について「記録を取っていない」、「廃棄した」と主張している》。

   『●「5月0日」?…内閣法制局は安保関連法案の審査を
          いつ決裁したのか? そもそも審査したのか??
    《内閣法制局長官である横畠裕介氏…安倍首相は第一次内閣時、
     宮崎礼壹内閣法制局長官によって解釈改憲を阻まれたことから、
     第二次政権では集団的自衛権行使容認派の外務官僚
     元フランス大使の小松一郎氏を内閣法制局長官に抜擢するという
     異例の人事を行った。このとき、本来なら宮崎氏の後釜だ
     と言われていたのが横畠氏だった。そのため小松氏が体調不良になり、
     安倍首相が後任として横畠氏を昇格させた際には面従腹背か」と
     囁かれたが、蓋を空けてみれば小松氏以上の忠犬ぶりを発揮した》

   『●アベ様は《人事局により「縦割りを払拭」と語ったが、
     目立ったのは「功」よりも「罪」の側面だった》…《人事掌握、忖度広がる》
   『●内閣法制局は最後の一線を越えていた:
        アベ様達と何を協議したのか「内情」をどう検証?
   『●内閣法制局、NHK、秘密保護法、消費税増税…、
             「肝いり人事」という安倍首相の暴走人事

 アベ様が《内閣法制局…「法の番人」》を破壊してしまっていた…という、《記録のない国》への壮大な布石だったようだ。戦争法の際、前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。西川伸一氏も《安保法制が成立し、日本の立憲主義がいよいよ風前の灯となった中、先月末に衝撃的なニュースが流れた。昨年7月、安倍内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した際、その経緯を検証する公文書が内閣法制局内に残されていないことが分かったのである。問題の閣議決定は安倍首相が設置した有識者懇談会の報告書を受けて、与党の幹部が横畠裕介内閣法制局長官と非公式協議を重ねた上で、与党協議会において文言が練られた。その議事録がないとは、反知性主義政権の正体をむき出しにするものだ》。
 Tansaの2番目の記事【記録のない国/話し合ってないのに「法制局が了解」? 国葬文書隠蔽、憲法違反の「弔意の強制」めぐる国の嘘】(https://tansajp.org/investigativejournal/12051/)によると、《文書には「内閣法制局も了解」と記されている。内閣法制局は、政府が憲法に則って仕事をしているか監視する組織だ。「法の番人」とも呼ばれる。しかし、内閣法制局が了解したというのは本当だろうか。国葬を閣議決定で実施することの是非に関し、内閣法制局と内閣官房・内閣府の3者は、2022年7月12日から14日にかけて協議した。その記録の中には、弔意の強制に当たるかどうかを話し合った形跡がない》。

   『●スガッチによる《学術会議の任命拒否めぐる文書、国に全面開示命じる「公益性
       大きい」》(アサヒコム)…小西洋之参院議員の訴えを東京地裁が認める
    《篠田賢治裁判長は「解釈が整理される経緯や理由について国民に
     十分に明らかにされ、吟味される必要がある」と指摘した》

 《国が提出した、いい加減な宿題》…壊れ切った国ニッポン。前川喜平さん《「理念なき法人化」というより「悪意ある法人化」》の日本学術会議法改悪においては、東京地裁・篠田賢治裁判長は「解釈が整理される経緯や理由について国民に十分に明らかにされ、吟味される必要がある」と指摘し、「首相の任命権を考えるに当たって有用な文書で公益性は極めて大きい」として国に全面開示を命じた
 Tanasaの最後の記事【記録のない国/裁判長、国の説明を一蹴「5W1Hを意識して」と再提出を求める 国葬文書隠蔽裁判・第3回口頭弁論】(https://tansajp.org/investigativejournal/12054/)によると、《この日の焦点は、前回の口頭弁論で篠田賢治裁判長から出された宿題に、国がどう答えたか。篠田裁判長は、2022年7月12日から3日間行われた内閣法制局と内閣官房・内閣府との協議がどのようなものであったか、具体的に答えるよう求めていた。当時の岸田文雄首相は、国葬実施を閣議で決めてもいいと、この3日間の協議を経て判断した。それなのに、国は記録文書を「作成していない」か「捨てた」と主張しており、具体的なことが不明だ。ところが国は、篠田裁判長の求めに反し、3日間の具体的な説明を避けた。篠田裁判長は「説明を読んでもよくわからなかった」と指摘。国に対し、3日間のことを調べ直し、9月17日までに改めて説明するよう指示した》。

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https://tansajp.org/investigativejournal/12041/

記録のない国
「質問なし、意見なし」、メールのやり取りは即削除? 国が主張する国葬協議の3日間
2025年06月10日18時30分 Tansa編集部

6月12日、Tansaが国を訴えた「国葬文書隠蔽裁判」の第3回口頭弁論が東京地裁で開かれる。

この裁判でのポイントは、2022年7月12日、13日、14日の3日間で、内閣法制局と官邸側がどのような協議をしたかだ。官邸側からは内閣官房と内閣府が出席した。当時の岸田文雄首相は、この3日間の協議を受けて、安倍晋三・元首相の国葬実施を閣議決定した。国会や記者会見で説明してきた。

ところが国は、この3日間の協議内容を記録した文書について「記録を取っていない」、「廃棄した」と主張している。

前回3月12日の口頭弁論では、篠田賢治裁判長がこの3日間に関し言及した。

「従前は省庁側が内閣法制局に説明したら、法制局の参事官から質問がある。省庁の担当者は宿題として持ち帰るから、メモをするはず

そして、被告の国に「宿題」を出した。

「イメージがわかないので、そこを踏まえた釈明をしてほしい

5月30日、国からその宿題が「準備書面」として提出された。

   イチからわかる、Tansaが国を訴えた「国葬文書隠蔽裁判」って?


■保存義務ある文書を「遅滞なく」破棄

国葬を閣議決定で行うことを決めた3日間の協議の記録として、内閣官房と内閣府が唯一、開示している文書がある。内閣官房と内閣府の連名による「国の儀式として行う総理大臣経験者の国葬儀を閣議決定で行うことについて」。内閣が行政権の範疇で国葬を行うことができると主張している文書だ。4枚ある。

文書の日付は2022年7月14日。つまり内閣法制局との協議の最終日だ。3日間の協議を終え、「閣議決定で国葬を実施できる」という結論を示した確定文書ということになる。

これに対してTansaは、確定文書だけではなく、協議のプロセスを記録した文書があるはずだと指摘してきた。

そこで、国が持ち出してきたのが「案段階文書」だ。上記の確定文書の素案となった文書だ。国は今回提出した準備書面で、案段階文書に言及しながら、3日間の協議について説明している。

だがツッコミどころが満載だ。概要を疑問点と共に記す。

①7月12日、内閣官房と内閣府の担当者が内閣法制局を訪問。案段階文書を示して内容を説明したところ、内閣法制局からはその場で具体的な指摘はなかった

疑問点:内閣法制局は、案段階文書に関して質問すらしなかったのか


②7月12日から14日までの間に、内閣法制局から電話連絡があった。案段階文書の修正に関する連絡で、内閣官房と内閣府の見解の変更に至るような修正ではなかった。

疑問点:見解の変更に至らない修正とは具体的にどのような内容か


③内閣法制局からの電話連絡を踏まえ、案段階文書を修正。内閣法制局にメールした。

疑問点:どの部署の誰が電話連絡を受け、内閣法制局に修正文書をメールしたのか


④7月14日に内閣法制局から電話があり、修正済みの案段階文書について「意見がないという旨の回答があった。

疑問点:「意見がない」というのは、内閣法制局が了解したということと同じ意味なのか。「旨」とは具体的にどのような内容なのか


⑤内閣法制局からの回答を受けて、文書を確定。案段階文書は遅滞なく破棄した。内閣法制局へのメールも遅滞なく削除した。

疑問点:公文書管理法では閣議決定に至る過程を記録し、後に検証できるよう文書を保存することを義務付けている法に違反するのではないか。


■「アベノマスク文書隠蔽裁判」では不開示取り消し

国の準備書面の内容はスカスカ。3日間にわたる内閣法制局と内閣官房・内閣府の協議の実態がまるで見えてこない。「イメージがわかない」と具体的な説明を求めた篠田賢治裁判長への回答になっていない

国は、このようないい加減な回答で逃げ切れると考えているのだろうか。

参考になる裁判の判決が6月5日にあった。「アベノマスク文書隠蔽裁判」だ。神戸学院大学の上脇博之教授が、業者との契約プロセスを記録した文書を開示請求したところ、「記録がないと国が不開示。上脇教授は「ないはずがない」と国に開示を求めていた。

大阪地裁(徳地淳裁判長)は「メールや報告書がないことは考えがたいと認め、国の不開示決定を取り消した

国葬文書隠蔽裁判では、以下の7種の文書がないはずがない」と考え、Tansaは国に存否を明らかにするよう求めている。省庁の関係者に取材した結果、7種を推定した。6月12日の第3回口頭弁論以降も、被告の国を追及していく。

①内閣法制局に提出した内閣官房ないし内閣府のポジションペーパー(立場上の見解)

②内閣法制局からの質問や意見、内閣法制局が結論を出す時期の見通し等を記載した内閣官房ないし内閣府内で報告した文書またはメール

③内閣法制局から出された質問や課題に答えるために作成又は取得し、内閣法制局に交付ないし提示した文書またはメール

④上記③のような文書の準備のために内閣官房及び内閣府の内部、内閣官房と内閣府との間でやりとりしたメール

⑤内閣府間でやりとりしたメール

⑥内閣総理大臣秘書官(その他内閣総理大臣に取り次ぐ者)に内閣法制局が打ち合わせの状況や内容について報告した文書ないしメール

⑦内閣総理大臣秘書官(その他内閣総理大臣に取り次ぐ者)から受領した文書ないしメール
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https://tansajp.org/investigativejournal/12051/

記録のない国
話し合ってないのに「法制局が了解」? 国葬文書隠蔽、憲法違反の「弔意の強制」めぐる国の嘘
2025年06月11日17時07分 Tansa編集部

安倍晋三・元首相の国葬の是非は、世論が割れた。メディア各社の世論調査では、軒並み反対が賛成を上回った

反対理由の一つは、憲法に関わることだった

国葬は弔意の強制であり、内心の自由を保障する憲法19条に違反する」

この点について、内閣官房と内閣府は2022年7月14日付の「安倍元総理大臣の葬儀の形式について」という文書で、次のように説明している。

国葬令のような国民一般に喪を服することを強制するような取扱いをしない場合には、法的根拠を与えるための立法行為は必要ない」

戦前は国葬令があり、国民に喪に服すことを強いていた。しかし戦後に新憲法ができると、弔意の強制はできなくなり国葬令は廃止された。ただ、弔意を強制しなければ国葬に関する新たな法律を作らなくても、国葬は実施できる。そういう意味だ。

文書には「内閣法制局も了解」と記されている。内閣法制局は、政府が憲法に則って仕事をしているか監視する組織だ。「法の番人」とも呼ばれる。

しかし、内閣法制局が了解したというのは本当だろうか。

国葬を閣議決定で実施することの是非に関し、内閣法制局と内閣官房・内閣府の3者は、2022年7月12日から14日にかけて協議した。その記録の中には、弔意の強制に当たるかどうかを話し合った形跡がない


■7月14日付の「公式文書」と「内部向け文書」

2022年7月14日に内閣官房と内閣府が連名で作成した文書は、2種類ある。Tansaが情報開示請求で入手した。

一つは、「国の儀式として行う総理大臣経験者の国葬儀を閣議決定で行うことについて」。閣議決定で国葬を実施していいか。内閣官房・内閣府が内閣法制局と7月12日から14日にかけて協議した。その結果を受けて出した言わば「公式文書」で、当時の岸田文雄首相が国葬実施を閣議で決めたことの根拠にしてきた。4枚ある。

もう一つが、「安倍元総理大臣の葬儀の形式について」。3日間の協議結果を、内閣官房と内閣府がそれぞれの省内で報告する際に作成した「内部向け文書」で1枚だ。

しかし、公式文書には書かれていなくて、内部向け文書には書かれていることがある。後者には「内閣法制局も了解と明記した上で、以下の記述があるのだ。

「(戦前の)国葬令のような国民一般に喪を服することを強制するような取扱いをしない場合には、法的根拠を与えるための立法行為は必要ない」

これは、内心の自由を保障した憲法19条に関わる内容だ。閣議決定で国葬を実施していいかどうかを判断する上で、極めて重要だ。

なぜこの内容が、政府方針の根拠を示す公式文書にはないのか。

内部向け文書は「内閣法制局が了解」とも書かれているが、本当に内閣法制局は了解したのか

この疑問を解消するには、2022年7月12日から14日にかけて行われた内閣法制局と内閣官房・内閣府との、3日間の協議過程を知る必要がある


■憲法19条が軽微?

ところが、内閣官房と内閣府は3日間の協議過程を記録した文書を「作成していない」か「捨てたという理由で、文書の不開示決定を出している。Tansaが国を提訴しているのはそのためだ。

「文書を作成しなかった」、もしくは「捨てた」理由について、被告の国はこう説明している。

「協議内容は、閣議決定で国葬を実施する方針を決めるにあたり、影響を与えるようなものではない軽微なものだ

しかし、憲法19条に関わる内容は「軽微なはずはない。この矛盾を解消できる推論は、以下の3つだ。

①内閣法制局の了解を内閣官房・内閣府が捏造

3日間の協議で、内心の自由に関わる憲法論議は出た。その際、内閣法制局は国葬実施を閣議で決めることに懸念を示した。内閣官房・内閣府は公式文書では、その点に触れなかった。内部向け文書では、内閣法制局が了解したと嘘を言って、「喪を服することを強制しなければ立法行為は必要ない」と盛り込んだ。


②内閣法制局が内閣官房・内閣府に加担

3日間の協議で、内心の自由に関わる憲法論議は出た。その際、内閣法制局は国葬を閣議で決めることに懸念を示したが、内閣官房・内閣府に従った。ただし、内閣法制局は法の番人としての面目を保つため、公式文書にはその点に触れないよう要請した。内部向け文書に、内閣法制局が了解したと記すことは容認した。


③内閣法制局が内閣官房・内閣府の言いなり

3日間の協議で、内心の自由に関わる憲法論議は出た。それにもかかわらず、内閣法制局は国葬を閣議で決めることに賛成した。ただし、内閣法制局は法の番人としての面目を保つため、公式文書にはその点に触れないよう要請した。内部向け文書に、内閣法制局が了解したと記すことは容認した。


④憲法論議があったと内閣官房・内閣府が捏造

3日間の協議で、内心の自由に関わる憲法論議は出なかった。それにも関わらず、内部向け文書では、内閣法制局が了解したことにして、「喪を服することを強制しなければ立法行為は必要ない」と盛り込んだ。


みなさんは何番のパターンだと考えますか。
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https://tansajp.org/investigativejournal/12054/

記録のない国
裁判長、国の説明を一蹴「5W1Hを意識して」と再提出を求める 国葬文書隠蔽裁判・第3回口頭弁論
2025年06月12日17時48分 Tansa編集部

6月12日、国葬文書隠蔽裁判の第3回口頭弁論が、東京地裁の大法廷で開かれた。傍聴には80人超が集まり、傍聴席は埋まった。

この日の焦点は、前回の口頭弁論で篠田賢治裁判長から出された宿題に、国がどう答えたか。篠田裁判長は、2022年7月12日から3日間行われた内閣法制局と内閣官房・内閣府との協議がどのようなものであったか、具体的に答えるよう求めていた

当時の岸田文雄首相は、国葬実施を閣議で決めてもいいと、この3日間の協議を経て判断した。それなのに、国は記録文書を「作成していない」か「捨てた」と主張しており、具体的なことが不明だ。

ところが国は、篠田裁判長の求めに反し、3日間の具体的な説明を避けた。篠田裁判長は「説明を読んでもよくわからなかった」と指摘。国に対し、3日間のことを調べ直し、9月17日までに改めて説明するよう指示した。

     (口頭弁論終了後に開かれた報告会。約60人が参加した)


■国が提出した、いい加減な宿題

篠田裁判長は3日間の協議について、3月12日の第2回口頭弁論で次のように指摘していた。

「従前は省庁側が内閣法制局に説明したら、法制局の参事官から質問がある。省庁の担当者は宿題として持ち帰るから、メモをするはず

国には「イメージがわかないので、そこを踏まえた釈明をしてほしい」と、第3回の口頭弁論までに宿題を提出するよう求めた。

5月30日、国からその宿題が「準備書面」として提出された。3日間の協議に参加した内閣官房の担当者2名、内閣府の担当者2名から当時の状況を聞き取ったという報告書も提出された。

ところが、中身はスカスカ。とても篠田裁判長の求めに応える内容ではなかった

①7月12日、内閣官房と内閣府の担当者が内閣法制局を訪問。案段階文書を示して内容を説明したところ、内閣法制局からはその場で具体的な指摘はなかった。

②7月12日から14日までの間に、内閣法制局から電話連絡があった。案段階文書の修正に関する連絡で、内閣官房と内閣府の見解の変更に至るような修正ではなかった。

③内閣法制局からの電話連絡を踏まえ、案段階文書を修正。内閣法制局にメールした。

④7月14日に内閣法制局から電話があり、修正済みの案段階文書について「意見がない」という旨の回答があった。

⑤内閣法制局からの回答を受けて、文書を確定。案段階文書は遅滞なく破棄した。内閣法制局へのメールも遅滞なく削除した。


■「担当者はどこの誰なのか」

原告Tansaの弁護団は6月10日、具体的な説明を求める意見書を裁判所に提出した。篠田裁判長に6月12日の第3回口頭弁論で、国に対して再度説明を求めてもらうためだ。

口頭弁論当日。大法廷の傍聴席は、80人超の傍聴者で埋まった。

裁判長は「何から話をすればいいのか」と口を開くと、国が提出した宿題の不十分さを次々と指摘した。とくに国が、協議に参加した4名から聞き取ったという報告書についての詳細がわからないという。

「現在の担当者が当時の担当者から聞き取った内容だと思いますが、現在の担当者はどこの誰で、当時の担当者はどこの誰なのですか

当時の所属と氏名をそれぞれ教えていただけるか」

「同日以降14日までの間(に法制局から連絡があった)というのは何日、何時か。1回なのか2回なのか」

「内閣法制局というのは誰のことか

「『内閣官房及び内閣府の見解の変更に至らない修正』とは一体何なのか。『てにをは』だけなのか。もう少し実質的な修正の話なのかというのが読んでもよくわからなかった


■「法制局がまったくコメントしないことがあるのか」

そもそも国葬実施を閣議で決めることに関して、内閣法制局から意見がなかったというのは本当か。その点に篠田裁判長も疑問を呈した。

「閣議決定を根拠として国葬儀を行う、という本質的な部分について法制局の参事官がまったくコメントをしないということがあるのか

「私の数少ない経験の中では、内閣法制局の了解を得るというのは結構大変なことかなと。とても『てにをはレベルの修正で済むような感じではない気もする」

結局、裁判長はTansaの弁護団が求めてきた3日間の詳細に答えるよう、再度国に求めた。その際具体的な内容がわかるようにと、こう言い添えた。

5W1Hを意識して書いていただくように

国は3日間の協議の詳細に関する報告書を、9月17日までに再提出することになった

次回の口頭弁論は10月9日(木)午前11時から。東京地裁の大法廷103号法廷で行われる。
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●《「集団的自衛権」容認10年 戦争する国》に…《戦後日本の「平和国家の歩み」を踏み外した起点》以降、やりたい放題な利権裏金脱税党政権

2024年08月11日 00時00分46秒 | Weblog

[※ ↑「世界を照らす日本国憲法次世代につなげる願い」「裏金議員に送る言葉は汚れた手で憲法にさわるな」」(週刊金曜日 1470号、2024年4月26日・05月03月合併号)](https://twitter.com/ActSludge/status/1783821873312411852


(2024年07月20日[土])
政権交代して、すぐさま戦争法を廃止してほしい。返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。
 (東京新聞社説)《戦後日本の「平和国家の歩みを踏み外した起点》である。(こちら特報部)《日本の議会制民主主義に深い傷を与え、今も余波を広げ》続けている。この《踏み外した起点》に立ち戻るべきだ。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の
     安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》
   『●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた
     「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁

 戦争法以降、軍事費倍増軍事要塞化…やりたい放題な「利権」「裏金」「脱税」党政権。下駄の雪党やお維・コミも違憲に壊憲したくて仕方ないらしい。《「世界を照らす日本国憲法次世代につなげる願い」「裏金議員に送る言葉は汚れた手で憲法にさわるな」》。

 東京新聞の社説【<社説>「集団的自衛権」容認10年 戦争する国にせぬ覚悟】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/337049?rct=editorial)。《2014年7月1日、第2次安倍内閣が「集団的自衛権の行使の容認を閣議決定してから10年=写真は、安倍晋三首相による閣議決定後の記者会見。この間、他国同士の戦争への参加を可能にした安全保障関連法の成立が強行され、防衛予算の増額も続く。戦後日本の「平和国家の歩みを踏み外した起点を、決して忘れるわけにはいかない。…この解釈を一内閣の独断で根底から覆したのが安倍内閣だ。1959年の最高裁による砂川判決根拠に「集団的自衛権の合憲性は砂川判決で担保されている」として憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認に踏み切った》。
 山田祐一郎森本智之両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/10年経っても「安保法制は違憲だ」 法律のプロは訴える 「閣議決定」は乱発され、民主主義は傷を負った】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/337701?rct=tokuhou)。《第2次安倍晋三内閣が憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから10年となった1日、元最高裁判所判事や元内閣法制局長官ら法律家が集まり、声を上げた。「それでも安保法制は違憲だ」。彼らが強い問題意識を持ち続けるのはなぜか。10年前の閣議決定は、日本の議会制民主主義に深い傷を与え、今も余波を広げていないか。(山田祐一郎森本智之)》

   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。
          そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!

   『●経団連榊原定征会長は、アベ様への政治献金…
        「何か見返りを求めて呼びかけるわけではない」、白々しい!

   『●「死の商人」経団連会長人事…《安倍首相は「儲からない」
          原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》
   『●軍事費倍増・消費税増税(法人税減税)…《政策をカネで買う》財界総理
     《自民党への政治献金について「企業がそれを負担するのは社会貢献だ」》
   『●軍事費《43兆円ではやっぱり足りない?》…「減らせっ!」言うとるのに、
     のに、FMSなど湯水のようにドブガネしてさらなる軍事費増、軍事国家化
   『●戦闘機輸出でゼニを稼ごうという卑しい国に成り下がり、随分と落ちぶれ
      たものだなニッポン…中村哲さん「治安を良くするのは武力ではない」
   『●久原穏編集委員《政治献金するお金を被災地に送れば…。…利に聡い
     経団連らしさや自民党への企業・団体献金を社会貢献だと言い張る独善性》

 そして、死の商人と化した経団連。軍事産業で儲けたいという悍ましさ。『●カルト協会とヅボヅボな利権裏金脱税党のどこが一体全体「自由民主」? 下駄の雪党のどこが「公明」正大? そっちこそ《党名変更》が必要だ』。
 Tansa(旧ワセダクロニク)の労作 … 銀行、トヨタなど経団連企業はなぜ「利権」「裏金」「脱税」党を「買」っているのか? 社会貢献? 民主主義のコスト? 「利権」「裏金」「脱税」党は反社、犯罪集団、泥棒でしょ?
 デモクラシータイムスの報道映像【自民党を買う!政治献金2000億円の闇【Tansa × Democracy Times 探査報道最前線】20240707】(https://www.youtube.com/watch?v=1BC1Yta53-I)。《じっくり深く掘る探査報道に特化したTansaの報告。裏金報道もだんだん下火になってきましたが、実は裏金よりもっと大きな規模のカネが政治をゆがめています巨大なブラックボックスとなっている企業団体献金です。自分の利益の実現にどの程度貢献しているかを評価し、貢献する党に多額の献金をするという経団連の政治献金のシステムは、日本の政策をゆがめ、政治を堕落させているのではないか、そこにメスが入らないのはどうしてなのか。Tansaでは、3年で廃棄される政治団体の収支報告書だけでなく、過去の官報46年分を分析し、どの企業がどれだけ自民党に献金してきたのかを調査した企業献金データベースを作りました。気の遠くなる地道な作業をしたその成果をお披露目します。日本には大きすぎて、しかも白日のもとに堂々と存在するために見えなくなっていいる深い闇が広がっています。2024年7月7日 収録》。


【自民党を買う!政治献金2000億円の闇【Tansa × Democracy Times 探査報道最前線】20240707】
 (https://youtu.be/1BC1Yta53-I?t=5

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/337049?rct=editorial

<社説>「集団的自衛権」容認10年 戦争する国にせぬ覚悟
2024年7月1日 07時16分

 2014年7月1日、第2次安倍内閣が「集団的自衛権の行使の容認を閣議決定してから10年=写真は、安倍晋三首相による閣議決定後の記者会見。

 この間、他国同士の戦争への参加を可能にした安全保障関連法の成立が強行され、防衛予算の増額も続く。戦後日本の「平和国家の歩みを踏み外した起点を、決して忘れるわけにはいかない。。

 集団的自衛権は、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、密接な関係にある外国への攻撃を実力で阻止する権利を指す。

 政府は、国連憲章で認められた集団的自衛権は有しているが、その行使は「憲法9条のもとで許される実力の行使を超え、許されないとの解釈を堅持してきた

 これは、主に自民党が担ってきた歴代内閣が、国会や政府内での長年の議論を通じて確立し、踏襲してきた憲法解釈である。

 この解釈を一内閣の独断で根底から覆したのが安倍内閣だ。1959年の最高裁による砂川判決根拠に「集団的自衛権の合憲性は砂川判決で担保されている」として憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認に踏み切った


◆専守防衛と法秩序壊す

 この解釈変更の問題点を主に二つの観点から批判したい。第一は専守防衛という戦後日本の防衛政策を根幹から変えたことだ

 国内外に多大な犠牲を強いた戦争への反省から、戦後日本は憲法9条で戦争放棄と戦力不保持を誓った。その後、日米安全保障条約で米軍の日本駐留を認め、自衛隊を保有するに至ったが、他国に軍事的脅威を与えない平和国家の道を変わらず歩んできた

 攻撃を受けたときに初めて防衛力を用いる専守防衛、他国領域を直接攻撃する敵基地攻撃能力の不保持、国際紛争を助長しないため武器を輸出しない武器禁輸原則、防衛費をおおむね国内総生産(GDP)比1%程度に抑える節度ある防衛力整備などである。

 しかし、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定と、行使を法的に可能にする安保法成立が強行された後、戦後日本の防衛政策は根幹から変質していく。

 敵基地攻撃能力の保有が容認され、他国領域を直接攻撃できる長距離巡航ミサイルの整備が進む。防衛費も関連予算を含めてGDP比2%に倍増させる方針へと大きくかじを切り、殺傷能力を持つ戦闘機の輸出も解禁された

 集団的自衛権の行使容認が「アリの一穴」となり、9条の平和主義という堤防を決壊させた形だ。

 解釈変更がもたらしたもう一つの問題点が憲法秩序の破壊だ。

 国権の最高機関であり、唯一の立法府である国会が定め、その後定着した憲法の解釈を、時の政権が都合よく変更できるなら、国民が憲法を通じて権力を律する立憲主義や法秩序は崩壊する。

 そもそも、安倍内閣が行使容認の根拠にした砂川判決は駐留米軍に関する判例である。固有の「自衛権」を持つと明示しているが、個別的自衛権を指すことは明白であり、集団的自衛権を巡って争われたものではない。この判決から集団的自衛権の行使容認を導き出すのは牽強(けんきょう)付会が過ぎる

 この閣議決定後、政権は法解釈を恣意(しい)的に変更し続けた

 例えば、東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年延長

 検察庁法は検事総長以外の定年を63歳と定めていたが、安倍内閣は法解釈の変更で定年延長を決めた政権中枢に近いとされた黒川氏を検事総長に就けるため、と指摘された。

 後継の菅義偉内閣は政権に批判的な学者を排除するため、法解釈を事実上変更して、日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を拒否した。

 岸田文雄内閣も政府の憲法解釈を事実上変更して、敵基地攻撃能力の保有に踏み切った

 政権の都合で憲法や法律の解釈を変更する頻度が増えたのも、集団的自衛権を巡る閣議決定が法秩序を破壊し、解釈変更のハードルを下げたからにほかならない。


◆平和主義により磨きを

 本紙は10年前の7月1日、通常は紙面の中程にある社説を1面に掲載し、行使容認の閣議決定に反対する旨を主張した。本紙の毅然(きぜん)とした姿勢を示すためで、今もこの覚悟に変わりはない。

 日本を再び「戦争する国」にしないためには、戦後日本の平和主義と憲法秩序を取り戻さなければなるまい憲法で誓った平和主義を国家戦略に位置付け、より磨きをかける戦火がやまない世界を生き抜く唯一の道だと信じる
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/337701?rct=tokuhou

こちら特報部
10年経っても「安保法制は違憲だ」 法律のプロは訴える 「閣議決定」は乱発され、民主主義は傷を負った
2024年7月4日 12時00分

 第2次安倍晋三内閣が憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定してから10年となった1日、元最高裁判所判事や元内閣法制局長官ら法律家が集まり、声を上げた。「それでも安保法制は違憲だ」。彼らが強い問題意識を持ち続けるのはなぜか。10年前の閣議決定は、日本の議会制民主主義に深い傷を与え、今も余波を広げていないか。(山田祐一郎森本智之


◆元最高裁判事は「国会で議論するべき問題を内閣がどんどん進めた」

 「本来、三権分立の原則がある中で、立法府である国会で議論するべき問題が、行政府である内閣によってどんどん進められてしまった」。1日、東京・霞が関の弁護士会館で開かれたシンポジウムで、元最高裁判事の浜田邦夫氏がこう問題点を指摘した。

 シンポジウムは第二東京弁護士会が主催。登壇した法律家らは2014年7月1日の閣議決定や、翌年成立の安全保障関連法が憲法に違反すると改めて訴えた。

 法案審議中の2015年9月、公述人として参加した参議院中央公聴会で浜田氏は「法案は違憲」と明言。さらに「いまはなき内閣法制局」と、合憲性のチェック機能を果たしていない法の番人を痛烈に批判した。シンポジウムでは当時を振り返り、「原稿なしで公聴会に臨んだ。そういう思いがあったので、言葉として出てきた。違憲であるという点ではいまも考えは変わらない」と述べた。

     (シンポジウムで発言する宮崎礼壹氏(左)=東京都千代田区で)


◆元内閣法制局長官は「憲法9条1項に反している」

 第1次安倍内閣時の2006年から民主党政権期の10年まで内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏は、集団的自衛権の具体的な違憲性を指摘した。「憲法9条1項は、武力の行使は『国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』と書かれている。国際紛争は他国の武力紛争に介入すること。集団的自衛権は明文に反する」と説明。さらに「集団的自衛権は憲法上許されないとした1972年の政府答弁を挙げ「40年にわたる積み重ねがある解釈をひっくり返すことになる」。集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」のあいまいさも強調した。

     (横田基地に配備された米空軍の
      輸送機CV22オスプレイ(資料写真))

 「本来、政府のやろうとしていることについて憲法に合致しているという理屈をこねるのが内閣法制局。『権力の犬』とも言われたが、それでも、だめなものはだめだ」と断言する宮崎氏の定年後、第2次安倍内閣で閣議決定された。


◆憲法学者は「いまの学生が教わるのは政府解釈」

 当時、学者や弁護士、元官僚らでつくる「国民安保法制懇」の委員として閣議決定に反対した慶応大の小林節名誉教授(憲法学)は「われわれは議論では負けていない。政治的に負けた」と振り返った。

 学習院大大学院の青井未帆教授(憲法学)は「集団的自衛権の行使容認にあたり、閣議決定で議論をスキップした結果、何が起こったか。この10年で、安全保障政策が意識的に憲法問題ではないものとして扱われている」と危機感を口にした。「いまの学生が学校で教えてもらうのが安保法における政府解釈であり、この世代が社会の中心になろうとしている。やるべき段階を踏まないで進める憲法無視であり、政治のあり方そのものに対する攻撃だ」

     (航空自衛隊のステルス戦闘機F35A(資料写真))

 その後、2022年の安全保障関連3文書改定により、敵基地攻撃能力の保有が認められた。「憲法論議自体がないがしろにされている」と青井氏は強調する。ターニングポイントは、安倍元首相が2013年、集団的自衛権に批判的だった山本庸幸内閣法制局長官を交代させたことだという。「10年がかりで種がまかれたものが刈り取られている


◆違憲の訴えに各地の裁判所は「徹底して憲法判断を回避」

 2016年以降、司法の場で安保法の違憲性を問う動きが相次いだ。全国22カ所の裁判所で計25の訴訟が提起された。原告数は合計7000人以上。「安保法制違憲訴訟の会」の共同代表を務める伊藤真弁護士はシンポジウムで「本来は政治の力で改廃させるのが筋。だが、裁判所には違憲立法審査権があり、政治が行ったことの違憲性を指摘することができる。司法の役割を果たしてほしいという思いから訴訟を起こした」と説明した。

     (安保法制の違憲性を問う訴訟で、提訴のためプラカードを
      手に東京地裁に向かう原告ら=2016年4月、東京・霞が関で)

 訴訟の最大の目的は、違憲判決を勝ち取り、憲法解釈を閣議決定前の状態に戻すことだ。「最高裁判決でなくても、下級審での判決理由の中で違憲性を指摘するだけでも重要な意味がある。全国各地の裁判官に判断を仰ぎ、司法の役割を果たしてもらおうと期待をかけた」と語った。

 これまで全ての訴訟で原告の訴えは退けられ、大半の判決は違憲かどうかの判断をしていない。伊藤氏は「各地の判決に共通するのは『法的に保護される権利や利益の侵害はない』『人格権が脅かされる戦争の危険性がない』という内容で、徹底して憲法判断を回避している。裁判官は安全保障に関して法律家としての役割を全く果たしていない」と司法の対応を批判する。

 それでも、問題提起を続ける必要性をこう強調する。「主権者の意思を無視した安保法が、専守防衛であるこの国の形を変えてしまった。そのことを国民が忘れていないと訴え続けないといけない」


◆国を左右する方針、次々と「閣議決定」で

 集団的自衛権の行使容認の他にも、この10年で国の行方を左右しかねない大きな問題が閣議決定で決められてきた

 第2次安倍政権では、武器輸出を容認する「防衛装備品の移転三原則」(2014年)、岸田政権下でも安倍氏の国葬(2022年)、敵基地攻撃能力の保有を打ち出した安保3文書改定(2022年)、次期戦闘機の第三国輸出方針(2024年)などだ。

     (集団的自衛権の行使を容認する方向性を表明する
      安倍晋三首相(当時)=2014年5月15日、首相官邸で)

 山口大の纐纈( こうけつ )名誉教授(政治学)は「特に外交防衛の問題については、閣議決定が常態化した。バイパスを通るように、国会での議論がスルーされ、行政主導で政策が決まるその起点が集団的自衛権の行使容認だった」と指摘する。その意図については、「きちんと議論して民意を読み込もうとすれば、時間はかかり、原案も修正することになる。閣議決定なら迅速に当初案通りに決めることができ、かつての日米安保改定期のような国民運動も回避できる。国防は相手国との関係もあり、政府にとってはこの方法が都合が良かったのだろう」とみる。

     (宜野湾市の住宅密集地に隣接する米海兵隊普天間基地
      (2019年撮影))

 沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)も「敵基地攻撃能力の問題や、『異次元の軍拡』と言われた大幅な防衛予算の増額も閣議決定で決まった。全てが閣議決定なら、議会はもういらないことになる議会制民主主義の崩壊だ」と批判。その上で、「よらしむべし、知らしむべからず」の政府のこうした体質は、やはり国防や安全保障問題に顕著に表れると指摘する。

 沖縄では米兵が少女に暴行したとして3月に起訴されていたが、国は県に報告せず、報道により6月に初めて発覚した。沖縄県議選への悪影響を考慮して公表を控えたのでは、との疑念も広がっている。「知らせなければならないことが隠蔽(いんぺい)され、国民が主権者としての能力を剝奪されているそういうことがまかり通るようになってしまった」と問題提起する。


◆「議論しない」「説明しない」自民党に定着

 議論しない、説明しない、という振る舞いは、閣議決定に限らず、さまざまな政治の場面で目立つようになった。例えば予算編成で、国会審議を経ず内閣が自由に使える予備費や基金が乱用されるようになった。批判的な質問をはぐらかす答弁は「ご飯論法」と呼ばれ国会審議で繰り返される。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「第2次安倍政権で、官邸の指示一つで全てが動くようになった結果、官邸が決めたことに批判したり注文を付けることがなくなった議論不要論が自民党で定着し、議論する文化そのものが消えてしまった」と嘆く。


◆デスクメモ

 閣議決定は全員一致が原則だ。反対して罷免された閣僚もいる。「桜を見る会」を巡り「首相夫人は私人」という「これも?」と感じる閣議決定もあった。何かにつけて漂うのは、異論を封じ、数の力で押し切りを図る近年の政権の姿勢民主主義が骨抜きになる危険が膨らんでいる。(北)


【関連記事】戦争の足音が聞こえる今「やめる選択肢はない」 安保政策の転換に異を唱える弁護士たち、100回目の街宣
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【関連記事】米兵を少女への性暴力で起訴…その後3カ月、国が沖縄県に黙っていたのはなぜ? 「県議選」終わった後に発覚
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コメント
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●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁

2024年01月04日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2023年12月10日[日])
いまや軍事費倍増武器輸出…。

   『●自民党・村上誠一郎衆院議員「特にわからないのは、(岸信介、安倍晋太郎、
       安倍晋三各氏の)親子3代で統一教会を擁護したのはなぜだったのか」
    【文化庁トップの都倉俊一長官まで旧統一教会とずぶずぶ…
     まさかの黒歴史「記憶が定かではない」で済むのか
     (日刊ゲンダイ)《都倉氏は教団の政治団体「国際勝共連合」が
     1984年に開いた集会に「芸能界の来賓」として参加。勝共連合の
     機関紙「思想新聞」の取材を受け、旧統一教会初代会長も務めた
     久保木総裁の講演について「非常に感銘を受けましたよ全く
     同感ですねなどと絶賛したほか、同紙に連載コラムを持っていた。
     さらに赤旗(18日付)は、勝共連合が「スパイ防止法
     (国家機密法)の制定運動の一環として87年に製作した
     映画「暗号名 黒猫を追え!」の音楽を都倉氏が担当していた
     と報道。スパイ防止法は岸信介元首相が固執していた法制度で、
     孫の安倍元首相が特定秘密保護法として2013年に成立した。
     教団の霊感商法は80年代には社会問題化していたし、勝共連合の
     実態を知らなかったとすれば、文化人の名折れだが──。》

 小椋由紀子記者による、東京新聞の記事【成立から10年「特定秘密保護法」 あれから今まで起きたこと、これから注意するべきこと】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294231)。《安全保障などに関する政府の情報管理を強化し、国民の「知る権利」を侵す恐れも指摘される特定秘密保護法は6日、成立から10を迎えた。2012年末に発足した第2次安倍政権が戦後の外交・安全保障政策を次々と転換させ、憲法9条を軸とした平和国家の姿を変質させていくきっかけとなった。「戦える国」に向けた動きは、岸田政権下でより内容を伴ったものとなっている。(小椋由紀子)》。

 戦争法や軍事費倍増、軍事国家化…狂っていますニッポン。平和主義平和憲法はどこに行ったの?
 返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。




 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義風前のともしびである》。
 東京新聞の【<社説>安保法制訴訟 矛盾と詭弁の判決だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/294303?rct=editorial)。《集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法違憲性を巡る国家賠償請求訴訟で、仙台高裁は「明白に違憲とはいえない」と断じた。政府が従来の憲法解釈を変更したことを認めつつ、あくまで限定的だからとの理由には到底、納得できない憲法9条は戦争放棄を定めるが、もし日本が武力攻撃を受けた場合はどうなるか。》

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)
   『●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の
     安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294231

成立から10年「特定秘密保護法」 あれから今まで起きたこと、これから注意するべきこと
2023年12月6日 06時00分

 安全保障などに関する政府の情報管理を強化し、国民の「知る権利」を侵す恐れも指摘される特定秘密保護法は6日、成立から10を迎えた。2012年末に発足した第2次安倍政権が戦後の外交・安全保障政策を次々と転換させ、憲法9条を軸とした平和国家の姿を変質させていくきっかけとなった。「戦える国」に向けた動きは、岸田政権下でより内容を伴ったものとなっている。(小椋由紀子


 特定秘密保護法 防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野で、国の安全保障に関連した政策や自衛隊の活動などに必要で秘匿性が高いと判断された情報を特定秘密に指定し、流出しないようにするための法律。2014年12月施行。公務員らが外部に漏らした場合、最高で懲役10年が科される。指定の有効期間は原則最大30年で、内閣の承認があれば延長できる。


 第2次安倍政権は13年12月4日、首相や一部の閣僚だけで重要な外交・安保政策を決められる「国家安全保障会議(日本版NSC)」を発足させた。その2日後には、米国と共有する防衛機密などの漏えいを防ぐことを目的とした特定秘密保護法が成立。政権の中枢に権限と機密情報を集中させた。

 14年4月、武器輸出三原則を見直し、武器の輸出や他国との共同開発を事実上解禁する防衛装備移転三原則閣議決定した。

 同年7月には、歴代政権の憲法解釈を変更し、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を閣議決定。集団的自衛権行使や米軍支援拡大などを可能とするための安全保障関連法は15年9月に成立した。

 17年6月には、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を含んだ改正組織犯罪処罰法も成立した。運用によっては、政府に批判的な団体への圧力になるとの懸念もある。

 岸田政権も安倍政権の路線を引き継ぐ。22年12月に閣議決定した安保関連3文書には「敵基地攻撃能力反撃能力)」の保有を明記。憲法9条に基づく「専守防衛」を形骸化させるとの指摘は根強い。現在は自民、公明両党で武器輸出ルールの緩和に向けた協議が続いている。

 第2次安倍政権以降、日米の軍事的な一体化と情報管理の強化が進んだ。国民の権利侵害や憲法違反の懸念が拭えないまま、戦争ができる国づくりに向けて、政府の意思決定と政策遂行の密室性が高まっている。


   ◇


◆「チェック機能が実質的に、ない」

 成立してから10年となる特定秘密保護法に関し、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、法律の運用状況を監視して、透明性を欠いた政府の対応を改めるよう訴えてきた。特定秘密の存在によって政府の政策実行に至るプロセスが見えにくい状態が続き、国会のチェック機能も果たされていないと問題点を指摘する。(聞き手・中根政人

     (インタビューに答える情報公開クリアリングハウスの
      三木由希子理事長)

 —特定秘密保護法が成立してから、国民にとってどんな変化があったか。

 「特定秘密で社会にどのような影響が出ているかということ自体、外から測りにくい。秘密の保護が強化されることは、非公開の情報収集機能など政府の活動強化が進んでいるということだが、政策の判断も含めてチェックできる機能が実質的にない状態のままだ」


 —特定秘密をチェックするため、内閣府に「独立公文書管理監」が置かれ、衆参両院には情報監視審査会が設置されている。

 「いずれも秘密指定の手続きが適切に行われているかなどを形式的にチェックするに過ぎず、特定秘密に指定された政策の内容に関する審査や監査はできない。非公開の政策判断が正しかったか検証するサイクルが本当に回っているかどうかすら分からないことが根本的な問題だ」


 —特定秘密保護法は、安全保障関連法制定などとともに、安全保障政策を大きく転換させた。

 「国家安全保障会議(NSC)が設置され、安保関連法で自衛隊の活動範囲を従来よりも広げ、敵基地攻撃能力の保有も決めた。そうした政策の核になる部分が特定秘密に指定される。さらに周辺の情報を非公開とすることで保護している。(特定秘密保護法の成立から)全ての政策はつながっている」


 —政府は高い機密性を理由に情報公開に消極的だ。

 「本当に出せない情報以外はなるべくオープンにしていかないと駄目だ。政府が非公開の範囲をいたずらに広げていくと、信頼を損なうことになる。ここ数年でも、公文書を隠蔽(いんぺい)のために改ざんしたり、不自然に廃棄したりと、政治問題化する場面で不審なことをしてきている。それが政府への根深い不信感になっており、改善する必要がある」


 —制度をどう見直すべきか。

 「秘密指定の解除は現在、行政機関が一元的に管理しているが、国民が秘密指定の解除と、指定を解除された情報公開の審査を請求できるような仕組みを設けた方がよい。独立公文書管理監や情報監視審査会のチェック機能の強化も大事な要素だ」


 三木由希子(みき・ゆきこ) 1972年、東京都生まれ。横浜市立大理学部卒。学生時代から情報公開法制定を求める市民運動に携わり、卒業と同時に市民運動のスタッフに。2011年から現職。共著に「高校生からわかる政治のしくみと議員のしごと」など。専修大客員教授も務める。


【関連記事】安倍政権で成立の秘密保護法や安保法 任命拒否された学者6人が問題点指摘<日本学術会議問題>
【関連記事】旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く
【関連記事】戦争と平和は、政治家や官僚に任せるな<柳沢協二さんのウオッチ安全保障>
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/294303?rct=editorial

<社説>安保法制訴訟 矛盾と詭弁の判決だ
2023年12月6日 08時17分

 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法違憲性を巡る国家賠償請求訴訟で、仙台高裁は「明白に違憲とはいえない」と断じた。政府が従来の憲法解釈を変更したことを認めつつ、あくまで限定的だからとの理由には到底、納得できない

 憲法9条は戦争放棄を定めるが、もし日本が武力攻撃を受けた場合はどうなるか。

 国民の生命も自由も根底から覆される危険がある。それゆえ、その場合に限り必要最小限度の武力を用いて対処する-。この個別的自衛権に基づくことが一貫した政府解釈で、集団的自衛権の行使は認めない立場だった

 だが、2014年に安倍晋三政権は百八十度転換し、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。戦後の平和国家が想像しえなかった「解釈改憲」に対して、全国各地で反対のデモが起き、憲法学者の大半も違憲だと批判した

 それを押し切り、15年に成立したのが安保関連法である。

 仙台高裁は「従来の憲法解釈を明らかに変更したと素直に述べ、「9条の下で許される武力行使の限界を超えると解する余地もあると半ば認めている

 それなのに政府のいう集団的自衛権の行使は「我が国の存立が脅かされる明白な危険がある」などの要件を満たす場合に限られ、「その限りで容認される解釈」なのだとも述べる。矛盾であろう

 手筋の悪い曲芸のような判断でもある。つまり裁判官の頭の中には、まるで集団的自衛権の種類にも「全体」と「限定」があるかのようだ。「国際法上の集団的自衛権行使が全体として憲法上容認されたわけではない」と判決で述べたのは「全体」についてだ。

 その一方で、政府が容認した集団的自衛権は我が国を防衛するためやむを得ない「限定」的なものだから、「違憲ではない」という論理なのだろう。

 これは詭弁(きべん)ではないのか。「専守防衛が任務だったはずの自衛隊が、他国の紛争にまで介入しうることになる。その現実をどう見ているのだろう。つまりは合憲ありきの判決なのだ。

 確立された従来の政府解釈は、憲法と同じ重みを持つはずだ

 それを一内閣の一存で転換させた「解釈改憲に追随するとは、「憲法の番人」の本来の役目を果たしたとはいえまい。
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●《国が提起した代執行訴訟に応訴…玉城知事は沖縄の過重な基地負担は受忍限度を超えており「県の現状に鑑み、承認する立場には立てない」》

2023年11月08日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]


(2023年10月13日[金])
法治国家」と人治国家
 ニッポンは法治国家なので、玉城デニー知事は最「低」裁の判決に従え?? 法治国家の大前提は、三権分立でしょ? とっくに、小泉純一郎政権あたりからメロメロで、アベ様・スガッチ・キシダメ政権なんて、お世辞にも法治国家などと呼べやしない。とっくに、ニッポンは人治国家に堕ちている。人治国家による沖縄イジメ、沖縄差別。政権に忖度し、政治判断しかできない最「低」裁がイジメや差別に加担している。

   『●「思いやり予算」として小さく生んで、いまや「同盟強靱化予算」
     として大きく育った番犬様の「お財布」、とっても気前の良いニッポン
   『●日刊ゲンダイ【卑劣すぎる! 玉城知事憎しの岸田政権「沖縄振興予算」
       330億円削減の非情】…破壊「損」な辺野古にはドブガネしつつ…
   『●玉城デニー沖縄県知事の再選の一方で、自公政権はまだ「辺野古移設が
      唯一の解決策」と嘯く…《民主主義や…地方自治の原則》はどこに?
   『●畠山理仁さん《沖縄県民は民主主義の手続きに則って民意を示し続けて
      いる…愛のある沖縄は、間違いなく民主主義の最先端を行っている》
   『●ダースレイダーさん《愛国心から「日本の国土である尖閣諸島や竹島は大事」
       と言う人は多い。ならば、どうして辺野古は大事じゃないんだろう》?
   『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
     戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増
   『●森村誠一氏「秘密保護法…作成、強行成立の過程が杜撰…こういう法律が
     できたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ」
   『●「戦う覚悟」…何度目かの《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ節」――
     戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を
   『●台湾での《「戦う覚悟」発言》…《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ
     節」はキシダメ首相と《打ち合わせた“政府の代弁”》だったとは…
   『●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官
      募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》
   『●《「戦争絶滅受合法案」…権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
      安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう》
   『●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き
      飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》
   『●「憲法の番人」が聞いて呆れる最「低」裁…《「臨時国会を開かなくても
      違憲でない」という新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化…》
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
      ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…
   『●辺野古新基地建設: 国が寄って集って沖縄をイジメ、司法が沖縄イジメ
      にお墨付きを与える…野党議員は団結して立ち上がってくれないのか?
   『●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の安倍
      晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》

 《当然の結論だ》。
 沖縄タイムスの記事【知事、辺野古承認せず 代執行訴訟に応訴表明】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1237987)によると、《玉城デニー知事は11日、名護市辺野古の新基地建設に伴う軟弱地盤改良工事を巡り、沖縄防衛局の設計変更申請を承認せず、国が提起した代執行訴訟に応訴することを表明した。玉城知事は沖縄の過重な基地負担は受忍限度を超えており県の現状に鑑み、承認する立場には立てない」と述べた》。
 琉球新報の【<社説>代執行訴訟 堂々と不条理問うべきだ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2367855.html)。《当然の結論だ。玉城デニー知事が11日、名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請に関して国が起こした代執行訴訟について「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と表明した》。

 そもそも、《不服審査請求など論外》だったのだ。こんなものに裁判所がお墨付きを与えたことが大きな間違い。《一般国民の権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる》。どこが法治国家か? 最高裁をアベ様〝関係者〟で固め、恥ずかしげもなく政権忖度の政治判断しかしない、司法判断しない裁判所にしてしまった。
 (琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に従い職権を行使する独立した存在である》べきなのではないのか? 川内博史さん《裁判所は、権力への忖度をすべきではない権力への奉仕ではなく民主主義に奉仕すべき》とつぶやき、古賀茂明さんも《あまりにも酷い》《信じ難い判決》《日本の司法は、一般市民の側には立たないことがよくわかる》《この資料を公開すると、どれだけ財務省や自民党政権に都合が悪い情報が出てくるのか》《裁判所が権力のためになりふり構わず尽くす》《やはり自民党政権と霞ヶ関を守る用心棒なのだ》とも。小林節氏も、やんわりと《この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える》と。
 ニッポンが法治国家ならば、数多のアベ様案件などとっくの昔に解決している。アベ様が銃弾に倒れるようなことも起こらず、いまも、塀の向こうで安全に、安心して生活していたはずだ。

   『●非「地方創生」、「僕」(アベ様)が地方「僕」滅…
        沖縄の民意無視し、しかも再び八百長なその「手」で…
    「不服審査請求など論外だろう。そもそも行政不服審査法
     〈行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為に関する国民の
     不服申し立てについて規定する法律〉(大辞林)であり、一般国民
     権利救済制度を使うこと自体がおかしい「個人」になりすまし
     救済を求め判断を仰ごうというのだからデタラメ過ぎる
     安倍政権は3年前にも辺野古移設で同様の禁じ手を使っている

 日刊ゲンダイのコラム【ここがおかしい 小林節が斬る!/辺野古新基地建設を巡る2つの憲法問題 地方自治体の拒否権と司法の機能不全】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330445)。《この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える。ここもおかしい》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2367855.html

<社説>代執行訴訟 堂々と不条理問うべきだ
公開日時 2023年10月13日 05:00
更新日時 2023年10月12日 14:14

 当然の結論だ。玉城デニー知事が11日、名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請に関して国が起こした代執行訴訟について「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と表明した。


 玉城知事は2018年の初当選以来、国内外で「国土の0.6%に過ぎない沖縄に全国の米軍専用施設面積の70.3%が集中している」として米軍基地の過重負担を強いられる不条理を訴えてきた。法廷でも「平和で静かで安心に暮らしたいという大多数の県民の思いを代弁するのは知事の責務である。

 とはいえ、県庁は行政機関だ。法律や規則などルールに基づいて業務を遂行する県職員から、法の手続きに沿った国の承認指示に従わないことへのリスクを懸念する声が上がるのも理解できる。

 新基地問題に関連して、政府や政権与党がことあるごとに強調する法治国家実態はどのようなものなのか。

 敗戦国の日本は戦後、一貫して米国の軍事戦略に合致した防衛政策を推進してきた。近年では安倍政権下での安保法制の整備、集団的自衛権行使容認を推し進め、「戦争ができる国」への準備を着々と進めてきた。岸田政権は2027年度の防衛費と関連予算を合わせて国内総生産(GDP)比2%にすることを目標としている。23~27年度の5年間で総額約43兆円を防衛費に投じる計画だ

 辺野古新基地計画は米軍再編の一環であり、有事の際には出撃拠点となる可能性がある。日本政府が沖縄以外の移設先を追求せず、振興策をちらつかせて地元を二分してきた経緯もある同計画には、県試算で最大2兆5千億円余りの国民の血税が投じられる。

 政府が言う「法治国家」とは、辺野古新基地建設をはじめ、米国の意に沿う計画を進めるための形式的な行政手続だけを指していよう。内実は人権の尊重や平和を希求する憲法の精神を軽視するものと言わざるを得ない。

 さらに、辺野古移設の前提である普天間飛行場の返還を巡っても政府の主張に二重基準が生じている。代執行訴訟で政府は飛行場移設による危険性除去の必要性」を指摘し、承認指示に従わない県著しく公益を害することが明らかだ非難した。

 一方、飛行場周辺住民が米軍機の飛行差し止めなどを求める第3次普天間爆音訴訟では、飛行場が災害時に高度の公共性を有するなどとして必要性を強調している。爆音訴訟の弁護団はこの矛盾点を批判している。米国の要求に応えようとするあまり政府は自ら論理矛盾に陥ってしまっている

 法治国家を論じながら自国民を軽視する悪手を打ってしまっている国に対し、玉城知事は県民に寄り添い、堂々と法廷で沖縄が強いられてきた不条理を問うてほしい
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/330445

ここがおかしい 小林節が斬る!
辺野古新基地建設を巡る2つの憲法問題 地方自治体の拒否権と司法の機能不全
公開日:2023/10/13 06:00 更新日:2023/10/13 06:00

     (小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ)

 憲法95条は、「一つの地方自治体のみに適用される『特別法』は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければ制定してはならない」と明記している。この趣旨が、「国策として特定の自治体に特別の負担を強いる場合には、その自治体には拒否権がある」という意味であることは明白である。

 それに対して、日米安保条約の締結・順守は国の権限(73条2号、3号、61条、98条2項)で地方自治体の権限ではなく、基地の立地の選定は行政権(65条)の裁量事項で「立法事項」ではないという反論がある。しかし、それは詭弁であろう。

 日米安保条約が正当だという立場を取ったとしても、その危険の7割を、47都道府県の中で、人口で31番目、面積で44番目の小さな沖縄県に負担させておいて良いのか? は、95条の「精神」に照らして大いに疑問である。これは法的条理(道理)の問題である。

 また、辺野古の埋め立て予定海域に限界が不明な軟弱地盤が発見されたため、防衛省が設計変更を申請し、沖縄県がそれを不承認として、国対県の訴訟に発展した。

 それに対して、司法府は、要するに、それは公有水面埋立法により「国の権限」を自治体に委任したものであるから、両者が対立した場合には国に従うべきだ……という「法的な形式論理」だけで県の主張を退けた。

 これは、司法権の本質と司法の独立(76条3項)問題を私たちに提起している。

 司法とは、当事者間では決着できない問題について、「第三者」として、「事実認定」と「法解釈」の両面で判断を下して紛争を解決させる国家の権力作用である

 今回は、辺野古の建設予定地に建設の障害になる軟弱地盤が発見されたという「事実」に起因する紛争である。だから、県の不承認には正当な根拠がある。ところが、裁判所は、形式的に、法律上は国の権限を県に委任しているのだから国に従え……という国の主張をなぞるだけで県の主張を退けた。

 この状況は、私たちに「司法の独立」の問題も突きつけている自公長期政権の下で、国と対立する訴訟において司法が「第三者」ではなくなってしまったように見える。ここもおかしい。
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●《「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化…その起点が15年、当時の安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法…》

2023年10月13日 00時00分33秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年09月19日[火])
戦争法や軍事費倍増、軍事国家化…狂っていますニッポン。平和主義、平和憲法はどこに行ったの?

   『●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ
     戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増
   『●森村誠一氏「秘密保護法…作成、強行成立の過程が杜撰…こういう法律が
     できたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ」
   『●「戦う覚悟」…何度目かの《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ節」――
     戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に「戦争絶滅受合法案」の制定を
   『●台湾での《「戦う覚悟」発言》…《あまりにもアホすぎる》ド「アホウ
     節」はキシダメ首相と《打ち合わせた“政府の代弁”》だったとは…
   『●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官
      募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》
   『●《「戦争絶滅受合法案」…権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
      安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう》
   『●最「低」裁の《忖度判決》…<金口木舌>《自治と民主主義は今にも吹き
      飛ばされそう。誰も気付かないようでは、この国の行く末は危うい》
   『●「憲法の番人」が聞いて呆れる最「低」裁…《「臨時国会を開かなくても
      違憲でない」という新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化…》

 戦争法や軍事費倍増、軍事国家化の前に、「戦争絶滅受合(うけあい)法案」の制定が必要。アノ戦争法を早く廃止にしないと…「安倍政権は(日本を)再び戦争可能な国家にしようとしているが、絶対にいけない」。
 東京新聞の【<社説>安保法成立8年 元に戻れなくなる前に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/278219?rct=editorial)。《安全保障関連法の成立が強行されてから19日で8年。安保法の狙いは「日米同盟」強化で紛争を未然に防ぐ抑止力を高め、日本国民全体のリスクを減らすことだが、日本周辺の緊張は緩和されるどころか、むしろ高まっている。「集団的自衛権の行使」を認めた安保法を起点に、「敵基地攻撃能力の保有」に至った防衛力の抜本的強化が、アジア・太平洋地域の緊張緩和に寄与しているのか、冷静に考えるべき局面である。今年8月、台北市で開かれた国際フォーラム。自民党の麻生太郎副総裁から驚くべき発言が飛び出した。「…。戦う覚悟だ。…」》。

 返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。
 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/278219?rct=editorial

<社説>安保法成立8年 元に戻れなくなる前に
2023年9月19日 06時52分

 安全保障関連法の成立が強行されてから19日で8年。安保法の狙いは「日米同盟」強化で紛争を未然に防ぐ抑止力を高め、日本国民全体のリスクを減らすことだが、日本周辺の緊張は緩和されるどころか、むしろ高まっている

 「集団的自衛権の行使」を認めた安保法を起点に、「敵基地攻撃能力の保有」に至った防衛力の抜本的強化が、アジア・太平洋地域の緊張緩和に寄与しているのか、冷静に考えるべき局面である。

 今年8月、台北市で開かれた国際フォーラム。自民党の麻生太郎副総裁から驚くべき発言が飛び出した。

 「今ほど日本、台湾、アメリカなどの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない。戦う覚悟だ。防衛力を持っているだけでなく、いざとなったら使う、台湾海峡の安定のためにそれを使う明確な意思を相手に伝えることが抑止力になる」

 仮に中国が台湾を武力統一しようとする場合、日米などの民主主義国は台湾とともに戦う。その覚悟を示すことが中国に対する抑止力になる、という趣旨である。


◆国民に「戦う覚悟」迫る

 麻生氏は以前にも、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に当たり得るとの見解を示したことはある。

 今回の発言は戦争防止が目的であるとはいえ、日本国民に戦う覚悟まで求める内容であり、当然、見過ごしてはなるまい。

 憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又(また)は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と定めており、武力行使の可能性に言及して台湾問題という「国際紛争」を解決しようとすること自体が憲法に反するからだ。

 しかも麻生氏は、岸田文雄首相=写真、2021年11月の自衛隊観閲式で=を支える政権首脳だ。台湾に同行した自民党議員も麻生氏の発言内容は首相らと調整済みと説明する。

 もし政府が武力による威嚇を認めるなら憲法解釈の重大な変更に該当し、到底容認できない。首相は見解を明らかにすべきだ。

 首相は昨年の国家安保戦略など3文書改定で「敵基地攻撃能力の保有」を容認し、防衛予算を「倍増」する防衛力の抜本的強化へと大きくかじを切った。殺傷能力を有する武器輸出にも踏み切ろうとしている。

 憲法に基づいて歴代内閣が堅持してきた「専守防衛」のタガは緩み、9条の形骸化が一層進む。

 その起点15年、当時の安倍晋三政権が国会内外での反対論を押し切って成立を強行した安保法による安保政策の抜本的転換にあると言っても間違いはあるまい。

 安保法の主眼は、日本が直接攻撃されていなくても、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に該当すると政府が判断すれば、集団的自衛権に基づいて他国への武力行使ができるようにすることだった。

 当時の国会審議で、安倍首相はその意図を「紛争は予防され、日本が攻撃を受けるリスクは一層なくなっていく」と説明していた。

 しかし、その後の日本周辺の国際情勢は緊張を増すばかりだ


◆軍事重視が緊張高める

 北朝鮮は核・ミサイル開発を進め、ウクライナに侵攻したロシアとの軍事的な協力関係を強めている。中国は軍備増強とともに海洋進出を強め、武力による台湾統一の選択肢を放棄していないとみられている。

 台湾海峡の緊張は、日本が集団的自衛権を行使して参戦する可能性に現職政治家が言及するまでに高まっている。

 中国の軍事的台頭を咎(とが)め、状況に応じて日本も防衛政策を適切に見直す必要性はあるとしても、安保法以来の軍事力重視の姿勢が地域の緊張を一層高める一因になっていないか。少なくとも軍拡競争を加速させる「安全保障のジレンマ」に陥っている現実から目をそらせてはなるまい。

 集団的自衛権の行使を認めた安保法は憲法違反だとする安保法違憲訴訟で、最高裁は憲法判断をせず原告側の上告を退けた

 しかし、今必要なことは、日本を再び「戦争をする国」にしないために、安保法の違憲性を正面から問うことではないか。

 このままでは防衛力はどこまでも増強され続け、憲法の平和主義は完全に死文化する。破滅的な戦争に至ったように、一線を越えれば、もう元には戻れなくなる。私たちは自覚しなければならない。
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●「憲法の番人」が聞いて呆れる最「低」裁…《「臨時国会を開かなくても違憲でない」という新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化…》

2023年09月19日 00時00分06秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2023年09月13日[水])
憲法の番人」の「司法の職務放棄だ」…これまた最「低」裁、司法が差別イジメをする時代に。司法判断を放棄し、政権に忖度、政治判断を乱発。前川喜平さん《…その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。アベ様による内閣法制局長官人事の酷さや、最「低」裁もアベ様の息のかかったと思われる裁判官ばかりに。

   『●最高裁(裁判長・大谷直人長官)《海外在住の日本人有権者が最高裁
      裁判官の国民審査に投票できないのは…憲法15条に違反》《違憲》
   『●最「低」裁の政治判断…新基地は決して完成しないし、決して普天間飛行場
      も返還されない。N値ゼロで、工期と費用は∞、血税を日々ドブガネ…

 《憲法が死文化》。
 中山岳記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「司法の職務放棄だ」…最高裁はどうして憲法判断を避けたのか 安保法制訴訟 元判事が明かす「原則」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/275925?rct=tokuhou)によると、《集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法違憲性が問われた訴訟。6日付の最高裁決定は上告を退け、憲法判断に踏み込まなかった最高裁が「違憲かどうか」について判断しないケースはこれまでも少なくない。一体、なぜなのか。これで憲法の番人言えるのか。(中山岳)》。

 最「低」裁…政権忖度ばかりで司法判断せず違憲・壊憲を許しておいて、どこが「憲法の番人」か!
 東京新聞の【<社説>国会不召集判決 民主国家といえるのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/277066?rct=editorial)。《安倍晋三内閣が2017年に臨時国会の召集要求に約3カ月応じなかった。憲法違反だとして野党議員らが起こした訴訟で、最高裁は「個々の議員の権利を保障したものではない」と原告の上告を退けた少数派が求めた議会を開かずして民主国家といえるのか。…日本国憲法53条は、衆参いずれかの4分の1以上の議員が要求すれば内閣は臨時国会召集を決定しなければならないと規定する。義務規定であり、政治的利害や政府の裁量が働きうる余地はない。しかし、当時の安倍内閣は、野党が17年6月に召集を要求したにもかかわらず、98日後まで召集を先延ばしした上に、臨時国会冒頭で衆院を解散した》。
 《今回の判決で、最高裁の宇賀克也判事のみが「内閣は合理的期間内に召集を決定する法的義務を負う」「その期間は20日あれば十分であり、特段の事情が認められない限り(召集要求の拒否は)違法である」と反対意見を述べた》…秘密保護法・衆院国家安全保障特別委員会での参考人や、辺野古基地サンゴ訴訟、袴田事件にかかわる、元行政法学者・東大教授の宇賀克也判事の経歴については、リンク先をクリックしてご覧ください。
 一方、 無責任政党・ヅボヅボ政党の「ト」な壊憲草案にも《例えば衆院選後の特別国会は三十日以内の召集であり、自民党の改憲草案では臨時国会召集を「遅くとも二十日以内」と記す》 ← 『●アベ様内閣が臨時国会召集せずで憲法53条無視…裁判所は司法判断? アベ様に忖度した「政治判断」?』(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/614f6109a01ab7bee54ad8a1b4d7fc01)。なんといういい加減な党なのだろうか。

   『●すぐさま公選法違反な河井克行元法相夫妻を逮捕…《憲法53条は
     「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は…」》
   『●司法までもが壮大なカルト状態…《九十八日間もの臨時会の先延ばし》
      国会召集訴訟、《東京地裁は憲法論に立ち入らず形式的に請求》却下
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――「国民主権の
        縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
    《沖縄タイムス…【社説[憲法とコロナ]命と暮らし守る政治を】…
     自民党議員からは「予期せぬ事態に対応するためには憲法に
     『緊急事態条項』を設けるべきだ」との声も上がっている。
     「緊急事態条項」をコロナ対策と結び付けることによって、
     憲法改正を前に進める、という狙いが透けて見える。緊急事態宣言は
     特別措置法で定められているが、憲法上の緊急事態条項は、
     似て非なるものだ立法権を持つ国会を通さずに、法律と同じ効力を
     持つ政令を制定する。それが緊急事態条項の考え方で、国家緊急権
     考え方に立っている。安倍政権は、野党議員が憲法53条に基づいて
     要求した臨時国会を召集しなかったそんなスタンスの政府自民党が
     緊急事態条項を行使することになれば、どうなるのか
     権力の暴走を止めることが事実上、不可能になる懸念がある》

   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の
     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
    《政府、政権与党・自民党こそが「国賊」であるということがはっきり
     とした。野党が要求していた臨時国会の招集について、本日、
     政府・与党は「自民党総裁選前の臨時国会の招集はしない」
     と拒否したからだ。まず大前提として、新型コロナ感染拡大という
     未曾有の状況下で菅政権は6月に通常国会を延長することもなく
     閉会した。このこと自体が異常な話だが、これに対して野党4党は
     7月から憲法53条に基づいて臨時国会の招集を要求。憲法53条では
     衆参いずれかの総議員の4分の1以上から要求があった場合、内閣は
     臨時国会を招集しなければならないと義務づけているからだ。
     ところが、与党自民党はこの要求を拒否
     つまり、平気で憲法違反を犯しているのだ

   『●《国会も開かず党の選挙が優先》な自民党…違憲にも国会を開きも
      しない自公お維の暴政を許してはいけない [#投票倍増委員会 会員]
   『●憲法53条…《元野党議員が起こした裁判で、広島高裁岡山支部は
     訴えを退けた。明白な政府の違憲行為を見逃しては、憲法が死文化する》
   『●憲法53条…《明白な政府の違憲行為を見逃しては、憲法が死文化
     する》《これでは条文の死文化になるし、立憲主義も危うくなる》
   『●すぐさま公選法違反な河井克行元法相夫妻を逮捕…《憲法53条は
     「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は…」》
   『●憲法53条…《本来国会は開かなければならないが、安倍内閣では
     その要求を無視し続けていたことがある。岸田政権も応じる気がない》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/277066?rct=editorial

<社説>国会不召集判決 民主国家といえるのか
2023年9月13日 07時49分

 安倍晋三内閣が2017年に臨時国会の召集要求に約3カ月応じなかった。憲法違反だとして野党議員らが起こした訴訟で、最高裁は「個々の議員の権利を保障したものではない」と原告の上告を退けた少数派が求めた議会を開かずして民主国家といえるのか

 英国では19年、当時のジョンソン首相が欧州連合(EU)離脱を巡り議会を長期間閉会した。この措置を英最高裁は違法・無効と判断た。議会審議を封じては民主主義の原理に深刻な影響がある」と考えたためだ。

 「議会を開かないという議会制民主主義の一線を越える場合、三権分立の観点から司法が毅然(きぜん)と歯止めをかけるべきは当然だ。

 日本国憲法53条は、衆参いずれかの4分の1以上の議員が要求すれば内閣は臨時国会召集を決定しなければならないと規定する。義務規定であり、政治的利害や政府の裁量が働きうる余地はない

 しかし、当時の安倍内閣は、野党が17年6月に召集を要求したにもかかわらず、98日後まで召集を先延ばしした上に、臨時国会冒頭で衆院を解散した。

 実質的に臨時国会は開かれておらず、野党議員らが憲法に反すると訴訟を起こしたのは当然だ。当時は安倍首相と学校法人森友加計両学園を巡る疑惑があった野党から追及の場を奪い、質問権や討論権の行使が不能となった

 4分の1という数字は少数派の要求を受け入れる意味である。野党の要求に従い、内閣が自動的に国会召集する手続き規定だ

 不当に召集を引き延ばすのは権力の乱用に等しく、国会という議論の場を封じるのは、議会制民主主義の原理に反する

 今回の判決で、最高裁の宇賀克也判事のみが「内閣は合理的期間内に召集を決定する法的義務を負う」「その期間は20日あれば十分であり、特段の事情が認められない限り(召集要求の拒否は)違法である」と反対意見を述べた。

 当然、議員は国会審議を望んでいたので「法的に保護された利益が侵害された」として賠償命令が相当と述べた。この考え方に共感する。多くの法学者らの主張とも共通し、説得力がある。

 上告を棄却した多数意見により臨時国会を開かなくても違憲でないという新しい規範が生じたに等しい。憲法が死文化することを深く憂慮する。
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●《自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています》…アノ戦争法の強行採決以降暴走を加速、敵基地攻撃能力の保有や軍事費倍増

2023年08月01日 00時00分58秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年07月17日[月])
《米誌『タイム』に岸田文雄首相が表紙として登場したが、表紙には「首相は平和主義を捨て、真の軍事力を持った国にすることを望んでいる」と記され、大きな話題になっている。政府がタイム誌に抗議し、中の記事の見出しが変わるという事態が起きたが、専門家からは「アメリカの見解を的確に表している」という指摘も出ている…インタビュー記事のタイトルも「岸田首相はかつて平和主義だった日本を軍事大国に転換しようとしている」となっていた》(dot.)。

   『●図星だったのに、《「軍事大国」が不満らしい。…タイム電子版が
     「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》<金口木舌>

 <金口木舌>《バイデン氏…「私は…彼を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた。日本は飛躍的に防衛費を増やした」》。(長周新聞)《そして挙句の果ては米国の要求で「戦地への砲弾提供」まで野放しにし、日本を戦争に引きずりこむことも厭わない対米従属政府の性根があらわになっている》。返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。
 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)

 歯止めを失った戦争法強行採決…早く廃止しなければ、最早「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。
 東京新聞の【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。

   『●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額
      が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》

 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>戦争の臭いがしたら、戻れ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/260246?rct=discussion)によると、《安保関連法施行から七年。無言館を増やさないためにも平和憲法という原点に戻らなければならないと、東京新聞は主張し続けます》。

   『●平和憲法を壊憲し軍隊を持ち「戦争できる国」の時代に:
               「ネジレ」を取り戻し、「厭戦」の世に戻したい
    「東京新聞の社説【安保関連法施行 「無言館」からの警鐘】…」
    《長野県上田市の南西部に広がる塩田平(しおだだいら)。
     その山裾に「無言館(むごんかん)」は立つ。昭和の時代、画家を
     目指しながら志半ばで戦火に散った画学生の作品を集め、
     展示する慰霊のための美術館だ》
    《戦争さえなければ、彼らの中から日本を代表する芸術家が、
     何人も生まれたかもしれない。その好機を奪った戦争は嫌だ、
     平和は尊いそれが無言館のメッセージであることは確かだ。
     平和憲法耕し、花咲く
       窪島さんには無言館が反戦・平和の象徴とされることへのためらい
     あるという。「絵を描くという純粋な行為を、政治利用することはできない」
     と考えるからだ。その考えは今も変わらない。
       しかし、安倍晋三首相の政権が成立を強行した特定秘密保護法
     安保関連法をきっかけに、時代への危機感が募り始めたという。
       防衛・外交などの「特定秘密」を漏らした公務員らを厳罰に処す
     特定秘密保護法は、国民の「知る権利」を脅かしかねない真実を
     隠蔽(いんぺい)し、画学生たちをも戦地へと駆り立てた戦中の記憶と重なる》

   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》
   『●「戦争や軍国主義を批判、風刺、反体制的な句を作った
        俳人四十四人が治安維持法違反容疑で検挙され…」
   『●反戦川柳人・鶴彬さん…《兵士として未曾有の「隊長への質問」で処罰
       されるが屈せず…命をかけて反戦の川柳を詠み続け、ついには…》

 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/260246?rct=discussion

<ぎろんの森>戦争の臭いがしたら、戻れ
2023年7月1日 07時08分

 岸田政権が防衛装備品の輸出拡大に向けた協議を本格化させています。自民党は殺傷能力のある武器の輸出解禁を目指しています。実現すれば昨年来の敵基地攻撃能力の保有防衛予算倍増に続く安全保障政策の抜本的転換です。

 東京新聞は六月二十九日社説「殺傷武器の輸出 『禁止』原則を守り抜け」で「武器輸出は現行憲法の下、厳しく制限してきた経緯がある」「軍事偏重が憲法の平和主義や専守防衛に合致するとは思えない殺傷武器の輸出は国際紛争を助長しかねず、民生支援に徹してきた平和国家の歩みに対する国際的な信頼も失いかねない」と主張しました。

 読者から「知らぬ間に日本が戦争できる国にさせられていくのではないかと近ごろ感じる。防衛費を増やすことも未来の子どもたちのことを本気で考えているようには思えない」「武器輸出は戦後日本の歩みの大転換で、世界の国々からまた軍国主義の復活かと恐れられかねない。一切の武器の輸出に反対する」との意見が届いています。

 私たち論説室はこうした思いをしっかり受け止め、読者の皆さんとともに平和国家としての歩みの大切さを訴え続けたいと考えています。

 戦争のきな臭さが増す中、洋画家の野見山暁治(のみやまぎょうじ)さん=写真=が百二歳で亡くなりました。晩年まで画業を重ねる一方、出征した自らの経験を踏まえ戦没した画学生の作品調査、収集に努め、作家の窪島誠一郎(くぼしませいいちろう)さんが戦没画学生の作品を展示する「無言館」を長野県上田市に開くきっかけになりました。

 集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法が施行された二〇一六年三月の社説で紹介した窪島さんの言葉がよみがえり、胸を離れません。

 「日本は一センチでも戦争に近寄ってはいけない国だ角を曲がって戦争の臭いがしたら、戻ってこなければいけないこのままほっておけば『無言館』がもう一つ増える時代がやってくる

 安保関連法施行から七年無言館を増やさないためにも平和憲法という原点に戻らなければならないと、東京新聞は主張し続けます。 (と)
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●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)

2023年07月18日 00時00分57秒 | Weblog

[↑ 雑誌「TIME」(2023.5.22・29)… (TBS NEWS DIG)《「日本を軍事大国に変えようとしている」との見出しは政府の申し入れのあと、変更》(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/481736?display=1)]


(2023年07月01日[土])
<金口木舌>《バイデン氏…「私は…彼を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた。日本は飛躍的に防衛費を増やした」》。(長周新聞)《そして挙句の果ては米国の要求で「戦地への砲弾提供」まで野放しにし、日本を戦争に引きずりこむことも厭わない対米従属政府の性根があらわになっている》。返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、「軍事国家」へと堕ちていく。
 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである》。

 東京新聞の【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…

 バイデン氏による爆弾発言。なぜニッポンは沈黙するのか? 《対米従属一筋》(長周新聞)キシダメ首相に軍事費倍増をさせた。トランプ氏により《安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い》、バイデン氏により《岸田政権は軍事国家へ大転換》(琉球新報)
 琉球新報の記事【<金口木舌>語るに落ちる】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1737358.html)によると、《バイデン氏はこう語った。「私は広島を含めて3回、日本の指導者と会った。彼を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた。日本は飛躍的に防衛費を増やした」》。

 バイデン氏により、《対米従属一筋》キシダメ首相が軍事費倍増。狂っている。「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり、「武器輸出三原則」はどこかにぶっ飛び、いまや、「核なき世界」どころか「核兵器なき世界」さえも目指さない哀しい国ニッポンに落ちぶれて…。《“人を殺すための道具”である武器》…武器商人死の商人など、誰が望んでいるのか?
 長周新聞の記事【岸田政府、米の要求で砲弾の間接提供を画策 ウクライナ戦争を口実に進む武器輸出規制緩和】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26941)によると、《ウクライナの対ロシア反転攻勢を支援するため、岸田政府が米国に砲弾や火薬を提供する最終調整に入ったことが発覚した。海外メディアが「日本に米国が砲弾提供を求め日米が協議に入った」と報じたことで表面化した。日本の武器輸出をめぐっては戦後一貫して紛争国への武器提供を禁じてきた。だがロシアのウクライナ侵攻以後、国会論議も経ぬまま「武器輸出できる国」にウクライナを追加し、「紛争当事国」に防衛装備(防弾チョッキ等)を提供する前例をつくった。4月には「輸出できる装備品」に「殺傷能力のある武器」を追加する与党実務者協議を開始し、今月中旬から論点整理に着手した。多大な犠牲を強いた先の大戦の反省から憲法に明記した「戦争放棄」の国是を踏みにじり、米国の号令に従い「戦地への砲弾提供」に乗り出す危険な動きがあらわれている》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1737358.html

<金口木舌>語るに落ちる
2023年6月29日 05:00

 思わず口が滑ったで済む話ではない。そのニュースの扱いは本紙も小さかった。見落としてしまいがちな1段見出しの“雑報”だったが、戦後の日米関係のゆがみをまた見る思いがした


▼政府は本年度から2027年の防衛費を総額43兆円に増額する。問題は、その内幕をバイデン米大統領が明らかにしたことだ

▼今月20日のカリフォルニア州での演説でバイデン氏はこう語った。「私は広島を含めて3回、日本の指導者と会った。彼を説得し、彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた。日本は飛躍的に防衛費を増やした

語るに落ちるというべきだろう。ここまで米国の言いなりとは。松野博一官房長官は「増額は日本自身の判断」と反論するが、密約が横行するこの国で言葉通りに受け止める人がどれほどいようか

▼米国は国務長官を中国へ派遣し関係正常化を探る。日本がミサイル購入で貢いでも、米中対立のだしに使われるのが関の山ではないか。米国との過度な依存関係は双方にとってよくない。こちらも正常化してはいかがか。
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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26941

岸田政府、米の要求で砲弾の間接提供を画策 ウクライナ戦争を口実に進む武器輸出規制緩和
政治経済 2023年6月29日

 ウクライナの対ロシア反転攻勢を支援するため、岸田政府が米国に砲弾や火薬を提供する最終調整に入ったことが発覚した。海外メディアが「日本に米国が砲弾提供を求め日米が協議に入った」と報じたことで表面化した。日本の武器輸出をめぐっては戦後一貫して紛争国への武器提供を禁じてきた。だがロシアのウクライナ侵攻以後、国会論議も経ぬまま「武器輸出できる国」にウクライナを追加し、「紛争当事国」に防衛装備(防弾チョッキ等)を提供する前例をつくった。4月には「輸出できる装備品」に「殺傷能力のある武器」を追加する与党実務者協議を開始し、今月中旬から論点整理に着手した。多大な犠牲を強いた先の大戦の反省から憲法に明記した「戦争放棄」の国是を踏みにじり、米国の号令に従い「戦地への砲弾提供」に乗り出す危険な動きがあらわれている。

 『ロイター』が6月初旬、「ウクライナへの軍事支援を続ける米国が、砲弾の増産に必要な火薬を日本企業から調達しようとしている」「日本政府が輸出を認めれば、間接的ながら弾薬の支援に関わることになる」と報じた。同時に「米国は陸軍工廠で製造する155㍉砲弾に必要なトリニトロトルエン(TNT)の調達を日本企業に打診した。155㍉砲弾はウクライナ軍がもっとも多く使う砲弾の一つで、ロシアの軍事侵攻が長引くなか、支援する米軍は増産のTNTが不足している」「米国は日本を弾薬製造の供給網に組みこみたいと考えている」とも指摘した。それは「ウクライナへ送りこむ砲弾製造の火薬が足りないため日本製火薬を米国に提供せよ」という要求だった。

     (陸上自衛隊の自走式155ミリ榴弾砲)

 日本は「防衛装備移転三原則の運用指針」で武器輸出を厳しく制限しており、武器の提供できない。しかし武器の原料である「火薬」は「民生用にも広く使われる」という理由で「制約対象外」としている。そのため経産省が外為法に基づいて審査し輸出を認めるという手続きのみで、米国に火薬を輸出する準備が動き出している。

 加えて米『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』が15日、「日本はウクライナの対ロシア反転攻勢の支援に向け、米国に砲弾を提供する方向で協議している。殺傷能力のある武器の輸出を長年抑制してきた日本にとって、大きな方針転換だ」「ロシアが2022年2月に侵攻を開始して以来、米国は200万発以上の155㍉砲弾をウクライナに送っており、米政府は同盟国にも物資の供与を迫っている」と報じた。武器材料である火薬提供にとどまらず、今度は武器そのものの提供を迫る段階を画した動きといえる。

 さらにWSJは「米国は13日、155㍉砲弾を含む、ウクライナ向けの新たな軍事支援の提供を発表した。米国は自国の在庫から相当な量を引き出しており、自国の軍事態勢を損なうことなくウクライナを支援する方法を模索している」「日本は、長年の安全保障同盟の一環として……155㍉砲弾を米国に供給することを検討している。これらの砲弾はウクライナの戦力を支援する米国の在庫にあてられる」と指摘。あわせて米国防総省報道官が「ウクライナを支援するために日本をはじめ世界50カ国以上と協力を続けている」「どのような装備を提供するかは各国の判断に任せている」とのべたことも明らかにしている。

 16日の記者会見で事実関係を問われた浜田靖一防衛相は「報道については承知しているが、日本が155㍉榴弾を、ウクライナもしくは米国に提供することについて合意したという事実はない」と否定。そのうえで「日米間では、平素からさまざまなやりとりをおこなっているが、その具体的な内容について答えできないことを御理解いただきたい。なお防衛装備品の移転については、防衛装備移転三原則及び同運用指針に従って、適切におこなわれる必要があるものと承知している」と強調した。

 しかし自民党と公明党は今年に入って武器輸出規制の緩和を目指す議論を本格化。14日の実務者協議第8回会合からは「輸出できる装備品」に「殺傷能力のある武器」を追加する論点整理に着手している。こうした武器輸出規制緩和の動きは、日本の国防のためではなく、今後世界で戦争が起きたとき、迅速に米国からの火薬・砲弾提供要求に応えるための地ならしにほかならない。

 そもそも現行の防衛装備移転三原則の運用指針は「海外移転を認める案件」で「殺傷能力がある武器」については「国際共同開発や国際共同生産」に限定している。155㍉砲弾のような武器そのものの海外輸出は認めていない

 「殺傷力のない装備」については「安全保障面での協力関係がある国」に対し「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5例のみに限っている。ところが自民党は、昨秋の検討会会合で「殺傷力のない装備」に「地雷除去」や「教育訓練」を追加することを提案。政府内部では護衛艦や戦闘機を追加するよう求める声も出ていた。さらに昨年3月、装備移転対象に「国際法違反の侵略を受けているウクライナ」を追加した防衛装備移転三原則の改定版運用指針については、移転対象を「国際法違反の侵略を受けている国」と再改定することも求めていた。

 日本の武器輸出については、戦後一貫して「禁止」が基本的な立場だった。当初の武器輸出禁止三原則は、①共産圏諸国、②国連決議による武器禁輸対象国、③国際紛争の当事国またはそのおそれのある国、には武器輸出を認めないと規定していた。

 ところが1983年に自民党・中曽根政府が「三原則の例外」として米国に武器技術を供与することを決定。2014年には安倍政府が武器輸出禁止三原則を撤廃し、「防衛装備移転三原則」(①移転を禁止する場合の明確化、②移転を認め得る場合の限定並びに厳格審査及び情報公開、③目的外使用及び第三国移転に係る適性管理の確保)を策定した。この防衛装備移転三原則はさまざまな例外規定があり、そのときの政府の解釈で勝手に対応を変えられるようにしたのが特徴だった。

 岸田政府は、ロシアのウクライナ侵攻を口実にして、ごく一部の閣僚の会合でウクライナへの装備品支援方針を決定。「ウクライナとの連帯を示すことは……日本の安全保障を守るために重要」と主張して運用指針を変え「防衛装備移転を認める国」にウクライナを追加した。4月には外交目的等を共有する「同志国」の軍に装備品を提供する新たな枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」の導入を決定し、装備品提供対象国をさらに拡大した。

 こうした動きはすべて「台湾有事」を想定した米国の軍事配置(アジア地域の同盟国に日本が武器を提供できるようにする)に沿ったものだ。そして挙句の果ては米国の要求で「戦地への砲弾提供」まで野放しにし、日本を戦争に引きずりこむことも厭わない対米従属政府の性根があらわになっている
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●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…

2023年07月17日 00時00分01秒 | Weblog

[※《“人を殺すための道具”である武器。戦争が続く限り需要が無限に生まれる──。莫大な利益を生む国際武器取引を暴く、衝撃のドキュメンタリー!》『シャドー・ディール 武器ビジネスの闇』(https://unitedpeople.jp/shadow/)]


(2023年06月30日[金])
返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の違憲立法のことである。
 琉球新報社説《安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている。2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである》。

 東京新聞の【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》

 《総理によるテロだ》。戦争法案の当時を思い出そう。《テロ》であり、《クーデター》でした。自公お維コミに投票した「1/4」の皆さん、選挙に行くことなく《眠り猫》となることで間接的に自公お維を支持した「2/4」の皆さん、そんなデタラメ、《テロ》や《クーデター》がまかり通る世の中にした戦犯の一人です。もちろん、《メディアコントール》に甘んじたマスコミや三権分立の崩壊を食い止めなかった司法も。それは、カースーオジサン・キシダメ政権で増幅された。地方議員も含めて、ズボズボ壺壺な自民党であることがこれだけ明白になってもなお、投票・(「間接的」も含めて)支持できる理由は一体どこに?

   『●《絶望的な内容に打ちのめされました。武器産業がいかに巧みに
     政治をコントロールし、戦争を作り、暴利を貪っているか。歴史は古い》
    《「テロとの戦い」や「正義」を掲げて世界で繰り返される戦争が、
     権力者と軍事企業武器商人らとの武器取引から生まれている実態を
     描いたドキュメンタリー映画「シャドー・ディール ビジネスの闇」…》

   『●《「大衆は『誰が、どうやって』に熱中し、『なぜ』という問いから
     目をそらされている。得をしたのは誰か」。関係者は背後関係を示唆…》

 「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり、「武器輸出三原則」はどこかにぶっ飛び、いまや、「核なき世界」どころか「核兵器なき世界」さえも目指さない哀しい国ニッポンに落ちぶれて…。《“人を殺すための道具”である武器》…武器商人死の商人など、誰が望んでいるのか?
 沖縄タイムスの【[社説 安保大変容]殺傷武器の輸出 解釈変更は許されない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1176634)によると、《平和国家としての歩みを手放すような行為だ国の在り方にも関わる解釈をなし崩し的に変更することは許されない。武器輸出のルールを定める「防衛装備移転三原則」の見直しを巡り、現行でも殺傷能力のある武器の輸出は可能との見方が政府・与党内で広がっている政府はこれまで殺傷能力のある武器は輸出できないとの見解を…》。
 琉球新報の【<社説>殺傷武器輸出解釈変更 全面禁輸に戻す議論を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1735896.html)/《防衛装備品の輸出ルールについて、殺傷能力のある武器を搭載していても輸出は一部可能だと、政府が解釈を変更していたことが明らかになった。徐々に制約を解き、他の先進国並みに縛りをなくそうという狙いは明白だ。平和憲法を掲げる日本の外交は、非軍事が基本でなければならない。2014年以前の武器全面禁輸に立ち返るべきだ》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1735896.html

<社説>殺傷武器輸出解釈変更 全面禁輸に戻す議論を
2023年6月27日 05:00

 防衛装備品の輸出ルールについて、殺傷能力のある武器を搭載していても輸出は一部可能だと、政府が解釈を変更していたことが明らかになった。徐々に制約を解き、他の先進国並みに縛りをなくそうという狙いは明白だ。平和憲法を掲げる日本の外交は、非軍事が基本でなければならない。2014年以前の武器全面禁輸に立ち返るべきだ


 現行の運用指針では、日本と安保協力がある国への、救難、輸送、警戒、監視、掃海の非戦闘5分野に限るが、殺傷能力のある武器の可否には触れていない。昨年末に閣議決定した新たな国家安全保障戦略で、装備品輸出を防衛協力の「重要な手段」と意義づけたことを受け、政府・与党内で検討が始まった。

 自民、公明両党の実務者協議が4月に始まり、5月10日の第2回会合で、機関砲を搭載した偵察警戒車や輸送艦、掃海艦の輸出が可能と政府が説明した。同16日には、現行の三原則を制定した14年当時の国家安全保障局次長である高見沢将林氏から「自衛隊法上の武器も(輸出対象に)入る前提で議論していた」との証言を得た。「自衛隊法上の武器」とは「直接人を殺傷、または武力闘争の手段として物の破壊を目的とする機械や器具」である。

 公明党内には輸出ルール緩和への慎重論が根強いため、現在でも一部可能だという認識を広げて、公明党の背中を押す狙いがあるのだという。またしても、国民に説明せず水面下で事を進め、閣議決定で決着するつもりのようだ。

 戦後、平和主義を掲げてきた日本は1967年に「武器輸出三原則」を定め、76年に全面禁輸を掲げた。しかし、2014年に安倍晋三政権が防衛装備移転三原則言い換えて武器や技術の輸出や共同開発に道を開いた。今回の運用見直しは、ウクライナなどへの供与に加え、インドや東南アジア各国に輸出を広げ、国内の防衛産業を活性化する狙いもある。

 共同通信が5月にまとめた全国郵送世論調査では、殺傷能力を持つ武器の輸出解禁について現状維持が54%でトップ、「解禁するべきだ」は20%にとどまり、「全面的に禁止するべきだ」の23%を下回った殺傷性武器の輸出解禁は国民の支持を得ていない

 安全保障政策は、安倍政権が武器輸出解禁、集団的自衛権行使容認に踏み切りその具体化、実質化を岸田文雄政権が次々に進めている安倍政権が戦争のできる国への大転換を行い、岸田政権は軍事国家へ大転換する役割を果たしている2次世界大戦までの反省の上に築いてきた日本の平和主義は風前のともしびである

 ウクライナは日本に殺傷能力を持つ武器を求めていない。平和主義に基づく民生・復興支援こそ日本にふさわしい。非軍事の外交こそが日本の国益につながる。全面禁輸に戻す議論が必要だ。
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●《岸田政権が…「軍拡路線」を推し進め…専守防衛を形骸化…その起点は安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります》

2023年04月28日 00時00分20秒 | Weblog

(20230411[])
法学的には「クーデター」と呼ぶ》。
 以前引用した【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直接に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。大事なのは、最後の匿名官僚の言葉。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>安保法の違憲性問い続ける】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/241441?rct=discussion)によると、《安保法歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」を容認するなど、戦後日本の安保政策を抜本的に転換するもので、安倍晋三政権が成立を強行しました。その後も憲法九条に基づく専守防衛を形骸化する動きは止まらず、岸田文雄政権は昨年十二月の国家安全保障戦略改定で、射程の長いミサイルなど他国を直接攻撃できる敵基地攻撃能力反撃能力)の保有を認めるに至ります》。

   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》

 《総理によるテロだ》。戦争法案の当時を思い出そう。《テロ》であり、《クーデター》でした。自公お維コミに投票した「1/4」の皆さん、選挙に行くことなく《眠り猫》となることで間接的に自公お維を支持した「2/4」の皆さん、そんなデタラメ、《テロ》や《クーデター》がまかり通る世の中にした戦犯の一人です。もちろん、《メディアコントール》に甘んじたマスコミや三権分立の崩壊を食い止めなかった司法も。それは、カースーオジサン・キシダメ政権で増幅された。地方議員も含めて、ズボズボ壺壺な自民党であることがこれだけ明白になってもなお、投票・(「間接的」も含めて)支持できる理由は一体どこに?

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》

 《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…理由は上記ブログをご覧ください。
 同紙のコラムをもう一つ。【<ぎろんの森>「正しいしつこさ」を貫く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/242880?rct=discussion)によると、《「防衛力強化資金」を新設する特別措置法案が衆院で審議入りしました。国内総生産(GDP)比1%程度で推移してきた防衛予算を、関連予算を含めて2%程度に倍増させるための法案です。東京新聞は七日の社説「軍拡財源法案 専守堅持という詭弁(きべん)」で「倍増する軍拡予算は、長射程の巡航ミサイルなど他国を直接攻撃できる『敵基地攻撃能力反撃能力)』の整備などに充てられる。岸田文雄首相は『非核三原則や専守防衛の堅持、平和主義としての歩みを変えるものではない』と説明するが、詭弁ではないのか」と指摘しました。岸田政権が昨年十二月、国家安全保障戦略を改定して盛り込んだ「軍拡路線」を推し進め、憲法九条に基づく専守防衛を形骸化させる法案で、その起点は安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります。本紙は同法施行から七年に当たる三月二十九日にも長文社説「『茶色の朝』迎えぬために」で、安保法の危うい兆候を見逃してはならない、と指摘し、先週の本欄では同法の成立日と施行日にちなむ長文社説を毎年書き続けていることをお伝えしました。安保法を巡る一連の社説に対し、読者から「東京新聞らしい正しいしつこさ」との感想をいただきました》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/241441?rct=discussion

<ぎろんの森>安保法の違憲性問い続ける
2023年4月1日 07時20分

 三月二十九日は二〇一六年に安全保障関連法が施行された日でした。あれから七年。東京新聞は今年も、同法の違憲性を問い掛ける社説を掲載しました。

 安保法歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」を容認するなど、戦後日本の安保政策を抜本的に転換するもので、安倍晋三政権が成立を強行しました。

 その後も憲法九条に基づく専守防衛を形骸化する動きは止まらず、岸田文雄政権は昨年十二月の国家安全保障戦略改定で、射程の長いミサイルなど他国を直接攻撃できる敵基地攻撃能力反撃能力)の保有を認めるに至ります。

 今年の社説「『茶色の朝』迎えぬために」では、フランスの作家による寓話(ぐうわ)「茶色の朝」(邦訳は大月書店刊)を題材に「危うい兆候があるにもかかわらず、不自由を感じないという『事なかれ主義』で思考停止に陥り、声を上げずにいると自由な言論は封殺され、全体主義の台頭を許すに至る」と指摘しました。

 当初は反対が多かった安保法ですが、国民の多数派は時がたつにつれてその存在に慣れ、気にも留めなくなった現状を憂う内容です。

 読者からは「安保法が暴走して日本が戦争に向かわぬよう、国民はしっかりと政治の行方を見つめる必要がある」「安保法施行後、日本人は一つの方向に向かい、反対する者は攻撃されるように変わってきた」などの意見が寄せられました。読者の皆さんと問題意識を共有できたことをうれしく思います。

 本紙は毎年、安保法が成立した九月十九日と施行された三月二十九日にちなみ、その危うさを訴える長文の社説を書き続けてきました。安保法の違憲性を問い続ける決意の表れにほかなりません。

 施行七年に合わせて安保法に関する社説を掲載した在京紙はほかにありませんので、本紙の特長と受け取っていただければ幸いです。

 安保法の成立強行は安保政策にとどまらず、原発回帰政権に批判的な学者を日本学術会議から排除するなど、その後の日本政治の在り方にも影を落としています

 自由のない茶色の朝」を迎えぬよう、政権の危険な兆候を見逃さず、声を上げる。読者とともに考え、共感を得られる社説を書き続けたいと考えています。 (と)
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●古賀茂明さん《自民党の政策は今も安倍政権と変わらないものばかり。日本の政治は“安倍的なもの”という『妖怪』に牛耳られている》

2023年04月24日 00時00分37秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20230409[])
前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》。醜悪な《妖怪の棲む国》。古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっているのではないか。》
 再び、前川喜平さん《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。そんな自民党を、特に、ヅボヅボ壺壺な自民党を、支持できる理由が全く分からない。納得できる意見を聞いたことがない。それに追随する公明やお維コミも同様。野党がだらしない? 自公政権やお維コミを支持して、よほど何か良いことでもあったのですか?

 dot.のインタビュー記事維【安倍政治の検証映画「妖怪の孫」がついに山口県でも上映に 監督が明かす公開直後の「攻撃的な電話」】(https://dot.asahi.com/dot/2023040400098.html)によると、《岸信介元首相と、その孫である安倍晋三元首相を描いた映画「妖怪の孫」の上映館が急速に拡大している。公開予定を含めると、すでに全国50館以上での上映が決まっており(4月4日時点)、3月17日の封切りから比べると2倍以上に増えた。安倍元首相の政治姿勢を検証したドキュメンタリー映画でありながら、これまでは地元・山口県では上映されていなかったが、4月7日からは「イオンシネマ防府」で上映されることも決まった。なぜこれほど反響が大きくなったのか。内山雄人監督、プロデューサーの古賀茂明氏、映画館関係者に話を聞いた》。

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった
         ……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン
    《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を
     見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのか
     と思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、
     妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー
     映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される》

   『●古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に
       解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっている…》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《「安倍的なもの」は、依然としてわが国を深く蝕み続けている…岸田
     政権は「安倍的なもの」に則り、国家の破滅に向けて暴走を続けている》
   『●妖怪のひ孫氏《「家族の意志をしっかり受け継ぐ」…安倍の遺志を
     継ぐ意向》!? ニッポンの政をどこまで私物化すれば気が済むのか?

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https://dot.asahi.com/dot/2023040400098.html

安倍政治の検証映画「妖怪の孫」がついに山口県でも上映に 監督が明かす公開直後の「攻撃的な電話」
妖怪の孫 2023/04/05 11:00
上田耕司

     (「桜を見る会」で挨拶する安倍晋三元首相)

 岸信介元首相と、その孫である安倍晋三元首相を描いた映画「妖怪の孫」の上映館が急速に拡大している。公開予定を含めると、すでに全国50館以上での上映が決まっており(4月4日時点)、3月17日の封切りから比べると2倍以上に増えた。安倍元首相の政治姿勢を検証したドキュメンタリー映画でありながら、これまでは地元・山口県では上映されていなかったが、4月7日からは「イオンシネマ防府」で上映されることも決まった。なぜこれほど反響が大きくなったのか。内山雄人監督、プロデューサーの古賀茂明氏、映画館関係者に話を聞いた。

*  *  *

 3月末の平日。筆者が「妖怪の孫」を見ようと、東京の「新宿ピカデリー」を訪れると、上映2時間前だというのに座席残数はすでに「△」。前列と一番隅の席の5席しか残っていなかった。平日の昼に満席状態になるほど、客足は順調のようだ。

「公開後1週目は、地方はガラガラでしたね。都内はまあまあの入りでしたが、大阪もサッパリ。でも、映画を見てくれた人の口コミや、宣伝効果が出てきた公開2週目からは、一気に満席となる劇場も増えてきて、調子が上がってきました」

 こう語るのは、同作の内山雄人監督。内山監督によれば、3月17日の公開から3月末までの2週間の観客動員数は1万5000~1万6000人。同作のようなドキュメンタリー映画は動員1万人を超えれば、業界ではヒットとみなされるが、すでにその基準はクリアしている。

「日本全国で『これは見るべき作品だ』という声が広がってきて、様子見だった映画館も食いついてきた。菅義偉前総理を題材とした私の監督作『パンケーキを毒見する』は観客動員数6万人超でしたが、これを超えるかもしれないという期待もあります」(内山監督)

 「妖怪の孫」は、安倍元首相の政治姿勢に疑問を投げかけるシーンも多い。それゆえ、一部からは激しい批判があったという。

「当初は苦情に悩まされました。『タイトルに妖怪とつけるなんて元総理に失礼じゃないか』『なぜ死人にムチ打つような作品を上映するんだ』などと延々と言い続けられました。それが数日続いたので、映画館側から『何とかしてください』と泣きが入った。そこできちんと窓口をつくって、苦情に対して誠実に対応するようにしたのです。そうしたら攻撃的な電話はスッとなくなりました。安全であることがわかって客入りも増え、様子を見ていた映画館も上映に踏み切るようになったのだと思います」

     (銃撃事件の13日前に山口県で選挙応援をしていた
      安倍晋三元首相(左)。この時点から安倍氏の背後の
      無防備さが目立つ(画像=内山監督提供))

 ちなみに、タイトルに「妖怪」とつけたのは、毎日新聞社特別顧問などを務めた政治評論家・岩見隆夫氏(2014年死去)の著書『昭和の妖怪』が元になっているという。

「岸信介元総理も、“昭和の妖怪”という言葉を喜んでいたと、岩見さんの著書にも出ていますから」(同)

 全国上映にもかかわらず、当初は安倍元首相の選挙区である山口県では上映されていなかった。これに対して、一部では「山口県では安倍家への忖度があって上映できないのでは」という臆測報道も出た。

 そこで、3月末にAERA dot.が山口県内の映画館に上映予定を聞いたところ、「その映画自体を見たことがない。あくまでビジネスなので」(A館)、「先々の予定が決まっていて、もう入らない」(B館)、「その映画を知らなかった。ヒットしたらやるけど、こちらは地方なので」(C館)など消極的な回答が目立った

 だがそんななか、山口県防府市の「イオンシネマ防府」で上映が決まった。4月7日から上映予定だという。同映画館を運営するイオンエンターテイメントの広報担当者は、山口県での上映に踏み切った理由をこう話す。

「世の中の多種多様なニーズにお応えするつもりで選定しました。編成では、1週間ごとに上映中の作品を継続するか、新しい作品に切り替えるかを検討しています。当社では7日から、山口県を含む全国10劇場での上映を予定しています」

 前出の内山監督はこう語る。

「もともと、ウチのPも含めイオンさんと上映の実績があったから決めて頂いたようです。イオンさんには別に政治的な意図はないと思います。ただ、全国的に見れば、東北は仙台市の1館だけ、北陸はやっと公開の可能性が出てきたところ。四国も1館だけの予定ですから、もうちょっとがんばらないといけないですね」

 映画「妖怪の孫」は、「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」など話題作を次々と生み出してきたスターサンズ代表の河村光庸氏が企画した。だが、河村氏は昨年6月に心不全でこの世を去った。一時期は映画の公開も危ぶまれたが、河村氏の遺志を受け継いだスタッフたちが完成させた。自身も出演し、同映画のプロデューサーを務めたジャーナリストの古賀茂明氏は、公開までの経緯をこう明かす。

     (映画「妖怪の孫」にはコミカルなイラストレーションも
      挿入されている(画像=内山監督提供))

「そもそも、この映画は河村さんが松竹の幹部に直接かけ合って始まった企画です。河村さんは死の前日まで、『僕はこの“妖怪の孫”を世に出さないと死んでも死にきれない』と言っていました。河村さんが亡くなった後、映画はどうなるのかと心配していたら、松竹の幹部は『河村さんとの約束だからやりましょう』と言ってくれたそうです。そうしたら、今度は安倍さんが銃撃されて亡くなった。そこでまた話がつぶれかかったんですが、松竹は『これはやる』と決めて、新宿ピカデリーなどの映画館を開けてくれたんです」

 現在、松竹系はピカデリーが2館、MOVIXが9館で公開しており、同作を支えている。

 映画では、安倍元首相が一部から熱狂的に支持された理由や、安倍政権の評価が真っ二つに分かれる要因などを数々の証言から検証している。最期の銃撃場面は描かれていない。

「この映画の趣旨は安倍政権の全体像を振り返ることであり、銃撃場面で心を揺さぶろうとしているように捉えられるのは、本意ではありませんでした。冷静に安倍政権の約9年を見直してもらうのが狙いですから、最初から(銃撃シーンを)入れる気はありませんでした」(内山監督)

 古賀氏は安倍政権についてこう総括する。

「安倍さんは亡くなりましたが、彼を支え続けてきた岩盤保守層を中心に、“安倍的な思想はまだ残っていますその人たちは安倍さんを批判する人を敵とみなす。彼らはたとえ嵐でも投票に行くので、自民党全体が彼らに気を使うわけです。だから、自民党の政策は今も安倍政権と変わらないものばかり日本の政治は安倍的なものという『妖怪』に牛耳られていると言えるでしょう」

 日本の政界に潜む妖怪の正体をぜひ劇場で確かめてみてほしい。

(AERA dot.編集部・上田耕司)
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●《大手マスコミのあまりの卑劣な自民党擦り寄りと、それに乗っかる立憲・泉代表のアホさ加減……。…放送法解釈変更と高市問題も矮小化》

2023年04月18日 00時00分26秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年04月04日[火])
大手マスコミのあまりの卑劣な自民党擦り寄りと、それに乗っかる立憲・泉代表のアホさ加減……。このままでは、放送法解釈変更と高市問題も矮小化》(リテラ)。
 日刊ゲンダイの記事【小西洋之議員「サル」発言は袋叩き、高市早苗大臣には迫らず…大手メディアの弱腰と矛盾】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/320933)によると、《…奇異に映るのは、その経緯を報じるメディアの姿勢だ。会見を終えた小西氏に詰め寄る記者と、その姿を報じるテレビ局。報道ならば当たり前の姿なのだが、そうであれば与党議員に対しても同じ姿勢であるべきだが、そんな姿は見たことがない。例えば、今回の放送法をめぐる問題で、真相を問うために礒崎氏に執拗に迫った報道記者の姿はないし、発言内容が二転三転する高市早苗・経済安全保障担当大臣を追い回すテレビカメラもない》。

   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と
     「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」
   『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の
     「タンカ」も、アベ様同様、有耶無耶になってしまうのだろうか、それとも…
   『●「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」…《「捏造文書
     でなければ大臣も議員も辞職するか」と問われて「結構ですよ」と答弁》
   『●《あのね、政治を考えるのに「中立」はないの。メディアの役目は「中立
     公正、不偏不党な報道」ではなく「権力の監視」なんです。それ、常識。》
   『●青木理さん《関口宏さんが番組で言っていましたが、『われわれはこの
     番組の姿勢を淡々と貫いていかないといけない』ということに尽きる》
   『●《憤死》した西山太吉さん:《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、
        今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》
   『●「停波」恫喝…《大切なことは当時の官邸が放送法の解釈について介入
     して高市はそれを許容した側なのか、阻止に回ったのかという立場の問題だ》

 「2023年3月3日は高市早苗元総務相のタンカ記念日」。「報道の自由」「知る権利」「権力の監視」を委縮させた問題についての高市早苗元総務相のタンカ…。
 「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」…さて、高市早苗氏の「タンカ」も、アベ様同様、予想通りの有耶無耶、きっちりと大臣も議員も辞職することもなし。(リテラ)《国民の「知る権利」を侵害するかたちでこのまま「真偽不明」で闇に葬られる可能性は高い》。……いやぁ、予想通りの有耶無耶となり、消え去っていく。

 結局、高市問題の有耶無耶に手を貸すテレビ等メディアと〝論憲〟民主党党首。結果として、(リテラ)《憲法審査会では、自民党を中心とした改憲派が、改憲ありきで暴走を繰り広げてきた》に拍車。《メディアは、こうした憲法審査会の問題点に言及することもなく高市早苗・経済安全保障担当相の「捏造だ」発言や、維新・馬場伸幸代表の「24時間選挙のことを考え、実行できる女性は少ない」といった発言など、あからさまな暴言を吐いても更迭されずにいるのに、“事実”を指摘しただけで更迭させるとは、泉代表はバカなのだろうか》(リテラ)。
 リテラの記事【小西洋之「サル」発言より問題なのは NHKとフジ、産経の「偏向」だ! 高市大臣と放送法問題を批判せず追及者の小西を攻撃】(https://lite-ra.com/2023/04/post-6269.html)によると、《まず最初に言っておきたいが、憲法審査会の毎週開催をめぐる小西議員の発言は問題のないものだ。それを筆頭理事から更迭させるとは、こんな判断しかできないようならば、泉代表こそ代表を辞めるべきだ》。

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https://lite-ra.com/2023/04/post-6269.html

小西洋之「サル」発言より問題なのは NHKとフジ、産経の「偏向」だ! 高市大臣と放送法問題を批判せず追及者の小西を攻撃
2023.04.02 06:05

     (小西ひろゆき公式サイトより)

 憲法審査会の毎週開催を「サルがやること」などと発言した立憲民主党の小西洋之・参院議員がについて、立憲民主党の泉健太代表が3月31日、「党の見解とは異なる。厳しく注意した」とし、小西議員を参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭すると発表した。

 まず最初に言っておきたいが、憲法審査会の毎週開催をめぐる小西議員の発言は問題のないものだ。それを筆頭理事から更迭させるとは、こんな判断しかできないようならば、泉代表こそ代表を辞めるべきだ

 そもそもの“問題発言”とはどんなものだったのか。共同通信によると、小西議員は3月29日、記者団に対してこう語ったという。

「毎週開催は憲法のことなんか考えないサルがやることだ。憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、毎週議論なんてできない。何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ。国会議員は本当に考えているのかと思うだろう。いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」

 小西議員は発言が報じられた翌30日に「差別発言になると考え発言後に撤回、修正の意思表示をしたが切り取られた」と述べ、「発言で不快な思いをした方々にはおわびしたい」と謝罪。たしかに「蛮族」という表現は差別的でいただけない。また、小西議員が憲法学者と呼べるのかどうかもわからないが、「毎週開催は憲法のことなんか考えない者がやることという主張は、至極真っ当だ

 事実、この間、憲法審査会では、自民党を中心とした改憲派が、改憲ありきで暴走を繰り広げてきた

 憲法審査会はその名の通り、憲法という国の基礎となる最高法規を議論する場であるため、他の委員会とは違い与野党協調を重視し、与党と野党の合意の上で開催してきた。ところが、2021年の衆院選で野党第一党の立憲が議席を減らした一方で、「第2自民党」と化した改憲勢力である日本維新の会国民民主党が議席を伸ばした結果、憲法審査会の毎週開催を声高に主張。しかも、憲法審査会は少数派の意見を大切にするなど丁寧な運営が求められてきたにもかかわらず、強引な運営が目立つようになっていた。

 それを象徴するのが、昨春の憲法審査会で討議テーマとなっていた「国会の本会議へのオンライン出席」をめぐって起こった問題だ。

 衆院憲法審査会では、「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」とする憲法56条1項の解釈をめぐり、参考人として意見陳述した憲法学者の高橋和之・東京大学名誉教授が「56条1項は憲法上の明確なルールであり、権力の乱用を防止するための規定だ」と指摘。只野雅人・一橋大学教授も慎重な検討が必要だとする見解を述べた。にもかかわらず、衆院憲法審査会では、憲法58条の「議院自律権」を援用するかたちで「緊急事態が発生した場合などは例外的に『オンラインによる出席』も含まれると解釈することができる」などと憲法解釈をおこなった報告書を衆院議長に提出することを、日本共産党の反対を押し切って賛成多数で議決。その上、参院憲法審査会では、自民党の山谷えり子・参院議員からオンライン出席の問題を緊急事態条項の新設に繋げる発言が飛び出すなど、暴走状態となっていたのだ。


■小西議員が問題提起した総務省の放送法解釈変更問題をまともに報じず、小西攻撃には精を出す産経・フジ

 じつは、今回の小西議員の「サルがやること」発言も、こうした憲法審査会の暴走、改憲ありきで毎週開催を要求する改憲会派を問題視するなかで飛び出したものだった。実際、3月30日に小西議員がおこなった会見でも、参考人の憲法学者の陳述を無視してオンライン出席を認める報告書が提出された問題について言及し、「国民のみなさんが知らないあいだにこうした問題がずっと起きている」「本当にこのままで日本は大丈夫なのかというのが私の(発言の)根本の問題意識」と語っていた。

 言っておくが、2015年に憲法審査会で憲法学者が安保法制を違憲だと指摘すると、自民党はその後、約1年半も憲法審査会を開こうとはしなかった。にもかかわらず、自民党と改憲派野党と結託して毎週開催を要求しているのは、「議論は深まった」などという改憲の既成事実をつくることが目的なのだ。「毎週開催は憲法のことなんか考えない者がやることだ」と指摘した小西議員の発言は、まさしくそのとおりとしか言いようがない。

 ところが、小西発言を報じるメディアは、こうした憲法審査会の問題点に言及することもなく「サル」発言だけをクローズアップ。挙げ句、泉代表にいたっては、小西議員を参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭させてしまったのである。高市早苗・経済安全保障担当相の「捏造だ」発言や、維新・馬場伸幸代表の「24時間選挙のことを考え、実行できる女性は少ない」といった発言など、あからさまな暴言を吐いても更迭されずにいるのに、“事実”を指摘しただけで更迭させるとは、泉代表はバカなのだろうか。

 しかも、問題なのは、この小西議員の「サル」発言をすばやく伝えた産経新聞フジテレビ、NHKが、かたや小西議員が問題を提起した総務省の放送法解釈変更問題および高市大臣の問題については、政府の言い分ばかりを強調して報じていることだ。

 29日に出た小西発言については、まず最初に共同通信が同日に共同電で記事を出し、それを真っ先に産経新聞がオンライン版で配信。つづけてフジテレビも「FNNプライムオンライン」で速報を出し、日本経済新聞(産経と同じ共同電)、NHKがあとにつづいた。

 そもそも、小西議員は総務省の放送法解釈変更をめぐる内部文書を公開したことにより、高市応援団からの攻撃に晒されている真っ最中にあった。そのため、小西発言をフジ・産経メディアが火をつけて報じると、高市応援団をはじめとするネトウヨたちが「小西議員は議員辞職しろ!」と大合唱を開始。「#小西洋之の議員辞職を求めます」などというハッシュタグがトレンド入りする騒動となったのだ。

 議員辞職を求めるべきは、“捏造文書でなければ議員辞職すると啖呵を切った上、総務省が行政文書だと認めたあともゴールポストを動かしながら捏造を主張しつづけている高市大臣のほうだろうとしか言えないが、問題はメディア、とりわけ産経・フジとNHKの報道姿勢だ


■磯崎首相補佐官・安倍首相によるリアルな言論弾圧はまともに追及せず、小西ツイートに大騒ぎするメディアの愚

 安倍・高市応援団である産経については言わずもがな、フジテレビとNHKは、放送法の解釈変更問題について、「放送への権力介入という自分たちの根幹にかかわる重大事だというのに、批判らしい批判をまったくおこなってこなかった。高市大臣の国会における狼藉を指摘することはもちろん、礒崎陽輔首相補佐官が主導するかたちで安倍晋三首相がお墨つきを与えて放送法が恣意的に解釈変更された問題について掘り下げて伝えようとはせず、政府の見解を垂れ流すことに終始してきたのだ。にもかかわらず、この問題を提起した小西議員の「サル」発言に対しては、すばやく飛びついたのである。

 対して、小西議員は、産経・フジが憲法審査会の暴走状態を報じることもないままに「サル」発言を取り上げたことに対し「今後一切の取材を拒否する」と宣言し、フジに対しては〈昭和47政府見解の「外国の武力攻撃」の曲解という集団的自衛権行使が違憲か合憲かの国会審議の核心論点を放送してない〉という問題を取り上げるかたちで〈フジテレビを放送法第4条「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」違反でBPO等に告発することが出来ます〉とツイートした。

 ところが、今度は朝日新聞が「小西議員「放送法違反、フジをBPO告発できる」 憲法審めぐる発言報道」と題した記事を掲載。前述のとおり小西議員は、フジが憲法審査会の問題点を報じず、さらにこれまで国会でおこなわれてきた違憲・違法が指摘される問題で政府の主張に沿った報道を繰り返してきたを挙げて「BPO等に告発することができる」としていたのに、あたかも「サル」発言を報じたことの意趣返しとしてフジを放送法違反でBPOに告発できると述べたかのようミスリードを誘う記事を配信したのだ。

 たしかに、小西議員による今回のフジに対する態度は、「元放送政策課課長補佐に喧嘩を売るとはいい度胸だ」と述べたり、野党とはいえ国会議員であることを踏まえれば、批判されても致し方がない点もある。しかし、フジがこれまで黒川弘務検事長の定年延長や学術会議会員の任命拒否などといった問題で、違憲や違法の指摘をおろそかにする一方で政府の主張を強調する報道をおこなってきたことは事実であり、放送法違反だという指摘自体は間違いではない。その「偏向」ぶりは、放送法の解釈変更問題で政権を批判・追及することなく、一方で小西議員の「サル」発言にはすぐさま飛びつき、他局よりも熱を入れて報じていることからも明らかだ。

 しかも、大手メディアにおいては、放送法の解釈変更問題について核心をつく指摘や追及がほとんどなされていないという状況下で、国会での問題追及の急先鋒である小西議員の、実際には何の問題もない「サル」発言を大きく報じることは、まさに放送法解釈変更・高市問題を隠蔽しようとする動きに加担するものだ。なかには、「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」として総務省に放送法の解釈変更を要求した礒崎首相補佐官の発言と小西議員のツイートを同一視するメディアもあるが、実際に最高権力者の安倍首相までをも動かした圧力問題と小西議員のツイートは同等に並べるようなものではまったくないこれはメディアの自殺行為そのものではないか

 大手マスコミのあまりの卑劣な自民党擦り寄りと、それに乗っかる立憲・泉代表のアホさ加減……。このままでは、放送法解釈変更と高市問題も矮小化されてしまうのではないかと懸念せざるを得ない。

(編集部)
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●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》

2023年04月15日 00時00分08秒 | Weblog

(2023年04月02日[日])
東京新聞の【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】で、前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》と。《選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る》。

   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》

 《総理によるテロだ》。戦争法案の当時を思い出そう。《テロ》であり、《クーデター》でした。自公お維コミに投票した「1/4」の皆さん、選挙に行くことなく《眠り猫》となることで間接的に自公お維を支持した「2/4」の皆さん、そんなデタラメ、《テロ》や《クーデター》がまかり通る世の中にした戦犯の一人です。もちろん、《メディアコントール》に甘んじたマスコミや三権分立の崩壊を食い止めなかった司法も。それは、カースーオジサン・キシダメ政権で増幅された。地方議員も含めて、ズボズボ壺壺な自民党であることがこれだけ明白になってもなお、投票・(「間接的」も含めて)支持できる理由は一体どこに?

 神保哲生さん《憲法学者の石川健治東京大学教授はマル激に出演した際に安倍政権による一連の不文律破り、「民主主義のセーフティネットの突破」「一種のクーデター」と表現し、その危険性に警鐘を鳴らしている》《知性主義立憲主義も否定したまま自身の目的達成に向けて突っ走る安倍政権と、われわれはいかに向き合っていけばいいか》? また、videonews.comの記事【あれは安倍政権によるクーデターだった】(2015年7月18日)によると、石川健治氏との議論から《憲法の条文を改正する手続きを定める憲法96条は、憲法の中では他のすべての条文よりも高い位置にあるそれを壊す行為は憲法そのものを転覆させる行為であり、これを法学的には「革命」と呼ぶが、「革命」が成功するためには国民の支持が必要だ。しかし、日本国民は憲法96条の改正を支持しなかったため、「革命」は失敗に終わった》、《ところが安倍政権は今度は、国民を置き去りにしたまま、政府レベルで法秩序の連続性の破壊を図った。内閣法制局長官を集団的自衛権容認論者にすげ替え、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、政権与党のみで法案を国会を通してしまった。国民から支持を受ける「革命」に対し、国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶのだと、石川氏は言う》。
 また、【【私説・論説室から】「7・1クーデター」】(桐山桂一さん)でも、《私は当時、ある言論誌に「政治的なクーデターだ」と書いた。…ほぼ一年たって、憲法学者の石川健治東大教授と話をしたとき、それに及んだ。石川教授も「法学的にはクーデターだったと思っています」と語った。石川教授によれば、国民もしくは大本の規範は動かないまま、政府レベルで法秩序の連続性の破壊が起こった場合を、法学的にはクーデターという。「政府が国民なり外国に対して約束したことを破るためには、より上位の規範に則(のっと)った、ふさわしい手続きによるのでなければなりません。国民投票や、それに相当する手続きが必要だったはずです。それを普通の閣議決定で決めてしまいました法学的には『法の破壊』がなされたといいます。クーデターとは法の破壊の一種なのです」》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》

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●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》

2023年04月04日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年03月19日[日])
Hiroshi Matsuura@HiroshiMatsuur2さんのつぶやき、その画像から文字起こし(https://twitter.com/HiroshiMatsuur2/status/1637311881907159040)。東京新聞の【本音のコラム「映画「妖怪の孫」」前川喜平】。前川喜平さん《安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》。
 醜悪な《妖怪の棲む国》。古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっているのではないか。》

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》
   『●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族
       の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?
   『●「妖怪の孫」アベ様は息吐く様にウソをつき、カルトとヅボヅボだった
         ……さらには、「妖怪のひ孫」までもが出てくる始末なニッポン
    《衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権や自民党を
     見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのか
     と思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、
     妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー
     映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される》

   『●古賀茂明さん《死してなお、日本を支配する安倍氏の呪縛。それが完全に
       解けるかどうか。日本の危機脱出の第一歩はそこにかかっている…》

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https://twitter.com/HiroshiMatsuur2/status/1637311881907159040/photo/1

本音のコラム「映画「妖怪の孫前川喜平
2023. 3.19

 十七日から公開中の映画妖怪の孫」。安倍晋三とはいかなる人間だったのか。祖父岸信介と父安倍晋太郎から何を受け継ぎ、何を受け継がなかったのか。安倍政治とは何だったのか。なぜ長期政権は可能になったのか。そうした疑問を解き明かそうとする労作だ。

 選挙に勝利するためのメディア戦略森友事件加計問題桜を見る会での数々の虚偽答弁。北朝鮮の脅威を煽った「国難突破解散」。「やってる感」だけのアベノミクス。その結果は日本の先進国からの脱落だ。内閣法制局長官の首をすげ替えて強行した集団的自衛権行使に関する憲法解釈の変更。匿名官僚は「総理によるテロだ」と語る。

 合間のアニメに現れる妖怪は、心がなく、お尻の穴が小さい「ふかんよう」、慈悲の気持ちがなく、能力主義から傲慢さが増幅される「慈虚(じこ)責任」、恐怖から争いを引き寄せる力がある「セメ・テクール」。これらの妖怪が国民に取りついて安倍政治を可能にしたのだ。

 映画は「統一教会問題」にも突っ込んでいるが、他のメディアが触れようとしない下関の安倍邸への火炎瓶投げ込み事件の背景事情にも迫る。

 安倍政治は決して過去のものではないそれはそのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている。映画の最後、自身の娘の未来を憂える内山雄人監督の声が切実だ。(現代教育行政研究会代表)
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●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

2023年03月10日 00時00分38秒 | Weblog

※ 「3.11から12年 「避難中」なのに「原発回帰」(週刊金曜日 1411号、2023年02月10日) ↑]


(2023年02月25日[土])
原状回復》することも無く、《原発回帰》へと暴走し、《原発復権》。3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》

 AERAの記事【岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念/野村昌二】(https://dot.asahi.com/aera/2023020300019.html)によると、《福島第一原発の事故から12年。廃炉作業は多くの課題を抱える中、岸田政権は「原発回帰」を打ち出した。長期間運転のリスクは何か。日本のエネルギーはどうあるべきか。》《福島の教訓を忘れたのか、岸田文雄政権は原発政策の「大転換」を正式に決めた》。

   『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
     40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…
   『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」
        「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?
   『●《老朽原発の運転延長や次世代原発の建設は…大惨事の教訓を根底から
       覆し…福島事故を上回る大惨事を招きかねない無謀な政策転換だ》

 原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…原子力「推進」委員会、核に巣食う核「寄生」委員会。例外中の例外のはずが「原則40年」を無視し、運転停止期間を控除することで「最長60年」を蔑ろに。狂っています、ニッポン。
 琉球新報の【<社説>原子力規制委の多数決 独立性と信頼取り戻せ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1665883.html)によると、《原子力規制委員会が、閣議決定されていた原発の60年超運転を可能にする新たな規制制度を、委員5人のうち1人の反対を押し切って決めた原発回帰を急ぐ政府に歩調を合わせ、多数決という強引な手法が取られた。2011年の福島第1原発事故を教訓に、経済産業省から分離して発足した規制委の、独立と信頼は大きく損なわれた》。

 ホントに原子力「寄生」委員会。《規制》したためしなどなく、役立たずにも程がある。《昨年9月に山中委員長が就任した際、事務局である原子力規制庁の長官以下トップ3を、初めて経産省出身者が占めた。その後、事務局が経産省側と7回も非公式面談を重ねていたことが発覚し、ひそかに政府と足並みをそろえていたことが分かった。「外から定められた締め切りを守らないといけないと、せかされて議論してきた」という賛成した委員の発言も、そのことを裏付けている》(琉球新報)。《国民の監視と批判で、あるべき姿を取り戻さなければならない》――― いやぁ、絶望的ですニッポンは……。

   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の救い様の無さと、
                   アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●シレ~ッと批判しているが、そんな《ずさん》な東電を〝育てた〟のは
      国や自公であり、更田豊志氏委員長ら原子力「寄生」委員会でしょ?

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https://dot.asahi.com/aera/2023020300019.html

岸田政権「原発回帰」は事故教訓の破棄 専門家は「40年超え」長期間運転リスクを懸念
2023/02/06 08:00
野村昌二

     (処理水を入れたタンク群がひしめく福島第一原発。
      奥のドームに覆われた建屋が3号機、その右が4号機。
      海洋放出は、この沖合1キロで始めることになる)

 福島第一原発の事故から12年。廃炉作業は多くの課題を抱える中、岸田政権は「原発回帰」を打ち出した。長期間運転のリスクは何か。日本のエネルギーはどうあるべきか。AERA 2023年2月6日号の記事を紹介する。

【図】原子力発電所の現状はこちら

*  *  *

 福島の教訓を忘れたのか、岸田文雄政権は原発政策の「大転換」を正式に決めた。

 昨年12月、国は脱炭素の方策を議論する「GXグリーントランスフォーメーション)実行会議」を開き、原発を「最大限活用する」として新たな基本方針案を示した。

 方針案の大きな柱は(1)次世代革新炉の開発・建設、(2)原発の運転期間の延長──の二つ。福島第一原発事故以降、原発の新増設や建て替えを「想定していない」としてきた政府方針を大きく転換した。特に議論となっているのが、運転期間の延長だ。

 原発の運転期間は、福島第一原発事故前は明確な規定はなかった。

 しかし、原発事故の翌年に原子炉等規制法が改正され、運転期間は原則40年とし、1回に限り最長20年の延長を認めた。「40年ルール」と呼ばれ、原発事故の教訓をもとに決めた政策的な判断だった。今回示された新方針案は、「40年ルール」の骨格を維持した上で、「一定の停止期間に限り追加の延長を認める」と盛り込んだ。原子力規制委員会による安全審査を前提に、原発事故後の審査で停止していた期間などの分を延長する。例えば、10年間停止した場合、運転開始から最大70年運転できるようになる。

 経済産業省の原子力小委員会で委員を務めた、NPO法人「原子力資料情報室」の松久保肇・事務局長は、政府の決定は福島第一原発事故の教訓を放棄するものだと厳しく批判する。

「わずか3カ月で原子力推進に舵を切りましたが、重大な政策転換にもかかわらずその間、国民の意見を聞くことはありませんでした。国が定めるエネルギー基本計画にも、エネルギー政策は『国民の理解を得ながら進めていく』などと書かれていますが、きれいごととしか思えない。進め方が強引です」


■決定は「出来レース」

 当初、原発の政策転換に慎重だった岸田首相が「原発回帰」にアクセルを踏んだのは、脱炭素社会の実現に加え、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻がきっかけだ。

 ロシアが天然ガスの供給を絞ったことで、世界はエネルギー争奪戦に突入した。電力が逼迫し、政府は原発の活用が不可欠と判断。昨年8月下旬、岸田首相は原発の運転期間の延長などの検討を指示していた。だが、松久保さんは政策の「時間軸」が間違っていると語る。

「再稼働できる原発はすでに再稼働していて、電力需給の逼迫の解決策ではありません。新設に関しても、建設開始は早くて30年代。運転期間延長もいま決めなければならない話ではないはずです」

 エネルギー問題に詳しい国際大学の橘川武郎・副学長は、政府の決定を「官邸と電力業界の出来レース」だと批判する。

「狙いは最初から運転期間の延長にあります。次世代革新炉の建設には5千億円から1兆円規模必要ですが、運転延長にかかるコストは数億円で済みます。また政府方針では、最長で70年の運転が可能になると言われていますが、停止期間は原発事故前も適用可能になると思います。そうすると、80年以上可能になる。古い炉を延長するのは、最悪のシナリオです」

 原発の長期間運転には、どんなリスクが潜んでいるのか。

 日本で初めて「原子の火」が灯ったのは1957年8月、茨城県東海村の実験用原子炉だった。

 原子力開発はここから加速した。現在、国内に原発は、停止中も含め33基ある。そのうち17基は稼働開始から30年を超え、4基は40年を超える。2021年6月には、稼働開始から44年(当時)が経過した美浜原発3号機が再稼働し、40年超原発では初めて運転延長した。さらに今夏以降、7基が再稼働するが、うち高浜原発1、2号機など3基が40年を超えている


■「心臓部」劣化の懸念

 東京大学の井野博満・名誉教授(金属材料学)はこう話す。

金属は古くなると腐食や疲労などによって劣化し、その分リスクも高まります

 井野さんによれば、原発の「寿命」は40年を想定して設計されているという。

 特に井野さんが懸念を示すのが、原発の「心臓部」に当たる、核燃料が入った圧力容器の劣化だ。

 圧力容器は原発の中心部にあり、厚さ10センチ以上の鋼鉄でできている。それが、核分裂の過程で生じる高エネルギーの「中性子線」という放射線に晒されると、圧力容器自体がもろくなる。これを「中性子照射脆化(ぜいか)」と呼ぶ。脆化によって劣化した容器が破損すれば、メルトダウンが起き、放射性物質が外部に出る可能性がある。

 中性子照射脆化は基本的に防ぐ手立てがない。しかも、圧力容器内には、建設時に脆化を監視する「監視試験片」と呼ぶ圧力容器と同じ金属片を入れ、定期的に取り出し脆化の具合を調べているが、評価の仕方が30年近く前にできたルールで現実に合っていないと語る。

「監視試験片は原発の寿命の40年を前提に入れているため、数も不足しつつあります。原発の運転は、設計目安の40年を守るべきです」(井野さん)

 運転開始から40年未満でも事故は起きている。

 昨年10月、運転開始から25年の柏崎刈羽原発7号機のタービン関連施設の配管に直径約6センチの穴が見つかり少量の海水が漏れ出ていたことがわかった。海水による腐食などが影響した可能性が高かったという。


■100%はない

 04年には、美浜原発3号機でタービン建屋の配管が破裂した。高温の蒸気が噴出し、作業員11人が死傷した。配管の厚みが減っていたのが原因だった。井野さんは言う。

科学や技術に100%はありませんしかも日本は、地震や津波、台風などのリスクがあります。点検のルールや評価式を見直すべきです」

 もう一つの方針、「次世代革新炉の開発・建設」についてはどうか。

 次世代革新炉は(1)革新軽水炉、(2)小型モジュール炉SMR)、(3)高速炉、(4)高温ガス炉、(5)核融合炉─の五つが想定されている。このうち経産省が「本命」とするのは革新軽水炉だ。発電に必要な熱を取り出す冷却材に水を使う原発が軽水炉で、日本の商用原発はいずれもこのタイプになる。この軽水炉の安全性を向上させたものを「革新軽水炉」と呼ぶ。事故時に、溶けた核燃料を受け止めて格納容器の損傷を防ぐ「コアキャッチャー」などを備えている。

 だが、原子力資料情報室の松久保さんは、革新軽水炉は「脱炭素」の観点から矛盾すると話す。

「革新軽水炉は建設から運転開始まで10年近く要します。その間、火力発電に依存することになり、二酸化炭素(CO2)の排出量が増えて脱炭素は進みません」

 一方、太陽光の発電設備の建設は1年もかからず、風力発電は洋上であっても数年でできる。

「電力逼迫に関してまず行うべきは、再エネと省エネの普及です。その上で足りないところはどうするかという議論が必要だと考えます」(松久保さん)


■安易な「回帰」は誤り

 日本のエネルギーのあり方について、国際大学の橘川さんも、再生可能エネルギーを主力電源に位置づけるべきだと語る。

「日本は、18年に閣議決定した第5次エネルギー基本計画で、再生可能エネルギーを主力電源にすると決めました。だとすれば、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー危機になったのであれば、議論しなければいけないのは原発の話ではなく再エネをどうするかです」

 再エネの主力となるのは太陽光と洋上風力だが、これらは天候による変動が大きいので、バックアップの仕組みが不可欠。そこで、原子力を選択肢の一つとして持つことが現実的だという。

 ただし、あくまで「副次的」に使い0~10%程度持つのがいい。そして、より危険性が高い古い原子炉は積極的に廃炉にし、より危険性が低い新しい炉に建て替えるべきだと指摘する。

 残りは、火力でカバーする。しかし、従来型の火力発電ではCO2を排出するため、燃料にアンモニアを用いCO2を排出しないカーボンフリー火力の活用がカギになる。

 すでに、JERA(東京電力と中部電力が出資する電力会社)などが石炭とアンモニアの混焼に成功していて、アンモニアの安定調達などの問題をクリアすれば、40年代には実用化できると見る。

「カーボンフリー火力ができれば、原発依存度を低下させながら、かつ脱炭素の道が見えてきます」(橘川さん)

 今回の方針転換の大義名分にされたロシアのウクライナ侵攻では、原発への武力攻撃の危うさが現実のものとなった。安易な「原発回帰」が誤りなのは明らかだ。(編集部・野村昌二)

※AERA 2023年2月6日号より抜粋
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1665883.html

<社説>原子力規制委の多数決 独立性と信頼取り戻せ
2023年2月21日 05:00

 原子力規制委員会が、閣議決定されていた原発の60年超運転を可能にする新たな規制制度を、委員5人のうち1人の反対を押し切って決めた原発回帰を急ぐ政府に歩調を合わせ、多数決という強引な手法が取られた。2011年の福島第1原発事故を教訓に、経済産業省から分離して発足した規制委の、独立と信頼は大きく損なわれた。

 福島の事故を受けて、原発の運転期間は「原則40年最長60年」と、規制委所管の原子炉等規制法に規定された。40年は、米国の制度や原子炉圧力容器など重要設備の劣化の目安が根拠だ。60年への延長はあくまでも例外だった。改正されれば、規制法の運転期間規定が削除され、経産省所管の電気事業法で定め直される。審査などで運転停止した期間を除外することで、60年超が可能になる。

 最後まで反対した石渡明委員は、安全性に問題があるために審査期間が長くなるほど廃炉までの期間が長くなり「より高経年化(老朽化)した炉を将来動かすことになる」と指摘した。まさに二律背反である。石渡委員の「科学的、技術的な知見に基づいて人と環境を守ることが規制委の使命だ。運転期間の制限を法律から落とすのは、安全側への改変とは言えない」との主張はもっともである。

 世界に60年を超えて運転されている原発はない。日本の業界は停止中の重要機器は劣化しないと主張している。運転時ほどでなくても、停止中も劣化が進むのは常識ではないか。規制委の山中伸介委員長は「制度見直しで規制は厳しくなる」と強調するが、技術的な評価・予測など具体的な規制手法の検討はこれからだ。既に、審査のために停止が10年に及んでいる原子炉がある。規制委の独立性が揺らいでしまった以上、運転期間規定が電気事業法に移れば、「原発の最大限活用」政策の下、将来、70年、80年運転する原発と共存しなければならなくなるかもしれない

 昨年9月に山中委員長が就任した際、事務局である原子力規制庁の長官以下トップ3を、初めて経産省出身者が占めた。その後、事務局が経産省側と7回も非公式面談を重ねていたことが発覚し、ひそかに政府と足並みをそろえていたことが分かった。「外から定められた締め切りを守らないといけないと、せかされて議論してきた」という賛成した委員の発言も、そのことを裏付けている。

 第2次安倍政権以後、独立機関の独立性が問われる事態が続く集団的自衛権行使を巡る内閣法制局長官人事や、日本学術会議への任命拒否と組織見直しの圧力がその例だ。今回は、閣議決定を先行させ、規制委が政府を追認する形となった。独立機関が独立性を失い政府や業界の御用・下請けと国民から見なされたら存在意義を失う。国民の監視と批判で、あるべき姿を取り戻さなければならない。
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