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●東京新聞【ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば】《難病患者の気持ちを「死にたい」に傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題がある…》

2024年06月16日 00時00分08秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]


(2024331[])
橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語。一方で、この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。
 《ALSのような難病患者の気持ちを死にたいに傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題があると指摘する専門家もいる。想像を絶する苦難の中にある患者が生への意欲を失うことがないよう、社会としてどう支えていくかが問われているということだろう》(東京新聞社説)。

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》
    「新自由主義イデオロギーと自己責任論。相模原事件からさへも、
     何も変わらないニッポン社会。2016年のリテラの記事
     【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も
     「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】…《容疑者の
     “弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して
     特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と
     「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳する
     などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会には
     ある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に
     障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちに
     させられる事態》。…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,
     民主主義,議会主義,人道主義,国際平和否認」する深層心理は
     アベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。
     《「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちの
     グロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの
     日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中が
     ほかにも多数いる》。そしてまたしても石原慎太郎元「ト」知事の
     暴言ツイート《業病》。一方、舩後靖彦参院議員議員の貴重な
     メッセージ…《「死ぬ権利よりも生きる権利を守る社会に
     と訴えた。事件を安楽死の議論に結び付けるよりは、難病の人や高齢者が
     生きやすくする社会をどう構築するかを考える手掛かりとしたい》」

   『●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。
     やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語

 その一審判決、《京都地裁は懲役18を言い渡した》。
 東京新聞の【<社説>ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314902?rct=editorial)。《生命軽視の姿勢は強い非難に値する-。判決は、命を救うべき医師が行った殺害行為を断罪した。2019年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与、殺害したなどとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告に対し、京都地裁は懲役18を言い渡した》、《しかし、判決は「憲法は個人の生存を前提としている」と、弁護側の違憲論を一蹴さらに「被告は主治医でもALSの専門家でもなく、130万円の報酬を得て、初対面の女性を短時間で軽々と殺害した」と厳しく批判した》。

 もう一度、橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」。〝尊厳死〟も死語。この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。《福生病院のマッドドクター》の件も含めて。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【死は自分で選ぶことができるものなのか 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表) マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/)を見て、斎藤貴男さんの以前からの主張を思い出した。

   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
    《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など
     真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、
     滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、
     私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう
    「《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。
     《その真意下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と
     巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、
     存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする」

   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》
   『●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と
     消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
     社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/非常時だからこそ問われる
     政権の正統性と為政者の人間性】」

   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
     「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/新型コロナ「トリアージの基準」
     を安倍政権に任せる危うさ】…。《統一的な“ルール”を政府は
     もちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には
     酷な話だが、ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を
     目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だから
     と容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として
     定着していくだろう》」

 以下は、再度、以前のブログからのコピペ。
 《明らかに政府が無能》…《新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる》訳にはいかない。消費税増税に関しての斎藤貴男さんの以前の指摘…《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》、《その真意下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。
 《ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を目的とする死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に20209月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》という斎藤さんの予言。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

 《この国の政府は信用に値しないらだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもない》。
 斎藤貴男さんの結論、《国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/314902?rct=editorial

<社説>ALS嘱託殺人 医は「生きたい」支えねば
2024年3月13日 08時09分

 生命軽視の姿勢は強い非難に値する-。判決は、命を救うべき医師が行った殺害行為を断罪した。

 2019年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与、殺害したなどとして、嘱託殺人罪などに問われた医師大久保愉一被告に対し、京都地裁は懲役18年を言い渡した。

 ALSは全身の筋肉が徐々に衰える難病。患者は全国で約1万人とされる。報道などによると、被害者の女性は大学卒業後、建築家を志して米国に留学。帰国後は東京の設計事務所で働いていた。40代で発症したが、高齢の父親を気遣って独居での闘病を続けた。

 被告は「死にたい」などと交流サイト(SNS)に書き込んでいた女性に接触し、「安楽死」を頼まれたという。法廷で被告は「女性の願いをかなえるためだった」と述べ、弁護側は「安楽死」の依頼は女性自身の決定であり、嘱託殺人罪を適用すれば、自己決定権を保障した憲法に違反するとして無罪を主張していた。

 しかし、判決は「憲法は個人の生存を前提としている」と、護側の違憲論を一蹴。さらに「被告は主治医でもALSの専門家でもなく、130万円の報酬を得て、初対面の女性を短時間で軽々と殺害した」と厳しく批判した。

 女性は「猫を飼いたい」「治験に参加したい」など、前向きな気持ちをSNSに投稿したこともあったという。サッカーFC岐阜の元社長でALS患者の恩田聖敬(さとし)さんは本紙の取材に「ALSに限らず、患者の『生きたい』と『死にたい』は振り子のように常に揺れ動いている」とコメントしている。医師のあるべき姿勢とは、そうした患者を生きたいの側に傾け、寄り添うことだろう

 判決は「嘱託殺人罪に問えない事案」をあえて仮定し、(1)治療や検査を尽くし、他の医師の意見も聞く(2)家族の願いも参考に患者の意思を確認する(3)事後検証できるよう一連の過程を記録する-などが「最低限必要」だと述べた。本件が嘱託殺人に相当するとの判断を論理付けした形だ。

 ALSのような難病患者の気持ちを死にたいに傾けてしまうのは、医療や社会の側に問題があると指摘する専門家もいる。想像を絶する苦難の中にある患者が生への意欲を失うことがないよう、社会としてどう支えていくかが問われているということだろう。
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●そんなに殺し合いをしたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。…冷静にその意味を問い直さなければならない…》

2022年12月14日 00時00分15秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


 (2022年12月01日[木])
この政府、正気なのかね? そんなに殺し合いをしたいものかね? そんなに戦争して、人殺ししたいものかね? 《一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか》(琉球新報)。

   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
       ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている

 琉球新報の【<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html)によると、《政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる》。

   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増=
       《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
   『●斎藤貴男さん《政府と自民党は何がなんでも消費税率を引き上げたい…
     増税を甘受しなければ財政を破綻させるゾと国民を恐喝する目的で…》
   『●《消費税などの値上げを防衛費に転嫁する》気満々…軍事費倍増の
     ために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》

 マトモな国のやることか? 軍事費倍増のために《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。
 沖縄タイムスの【社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327)によると、《敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ》。

 「有識者会議」の答申からは「法人税増税」はこっそり消され…。軍事費倍増が既定路線になり、《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》。ブログ主は、軍事費倍増など認めた覚えはない。それなのに、当然のような顔をして、なぜ財源の議論に移行しているのか?
 琉球新報の【<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html)/《防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない》。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》

 沖縄だけの《標的の島》問題だと思ってますか? 〝本土〟の自分たちも《標的》である自覚は無いの?
 琉球新報の【<社説>敵基地攻撃能力60%賛成 危険性を冷静に考えよう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1623469.html)によると、《共同通信の世論調査で、日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し、反対は35.0%にとどまった。2月の同調査や7月の日本世論調査会の調査では拮抗(きっこう)していたが、一気に賛成が増え始めた。北朝鮮の相次ぐミサイル発射や「台湾有事」が取り沙汰される中で、周辺国に対する脅威感が高まっているのだろう》。
 調査の仕方が恣意的なんでしょうが、憂うべき事態です…《日本が敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つことに賛成が60.8%に達し…一気に賛成が増え始めた》。

   『●城山三郎さん《平和の有難さは失ってみないとわからない》、
     菅原文太さん《政治の役割は二つあります…絶対に戦争をしないこと!》

 城山三郎さん《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》、《戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない》、《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》。
 (古賀茂明さん)《…菅原文太さんのことを思い出している。もうすぐ命日だ。菅原さんは死の直前の11月1日、沖縄で演説を行った。文字通り、命を削りながらの訴えだ。「政治の役割は二つあります一つは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせることもう一つは、これが最も大事です絶対に戦争をしないこと!」》。
 《政治の役割》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。<ぎろんの森>《軍事ではなく外交力を駆使する「別の道」を探るのが、政治の責任》を全く果たせない、果たそうとしない自公政権。お維にすり寄り、政権を批判することを放棄した〝論憲〟民主党。お先真っ暗なニッポン。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1619302.html

<社説>「殺傷武器」輸出検討 「平和国家」の国是守れ
2022年11月21日 05:00

 政府は防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入った。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け、自衛隊法の改正も視野に入れる。

 不戦を誓った憲法9条に基づき、戦後の日本は紛争解決の手段として武力の行使を認めていない。しかし殺傷能力のある武器を日本が輸出するとなれば、他国の武力行使を助長する恐れすらある。

 9条は「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するとして平和主義に基づく積極的行動を促す武器輸出は憲法の理念に反する。紛争・対立の解決は平和的手法を追求すべきだ。平和国家の国是を曲げてはならない。

 武器や関連技術輸出方針の見直しは、2014年の安倍政権下に始まる。全面的な禁輸方針を掲げた従来の「武器輸出三原則」を「防衛装備移転」と言い換え、条件付きながら武器輸出に道を開いた。

 今年4月には自民党安全保障調査会で、改めて三原則見直し論が浮上し、政府は党の提言を受ける形で武器輸出を緩和する方針を決めた。

 既にロシアのウクライナ侵攻に当たり、政府は三原則の運用指針を改定、ウクライナに防弾チョッキを提供した。

 防弾チョッキは攻撃能力を持つものでないが「紛争当事国には認めない」などの原則がなし崩し的に運用されている。将来、小銃や戦闘機など殺傷能力のある武器を輸出した場合、紛争当事国に渡らない保障はない。日本製武器が紛争で使われれば、戦後築き上げた「平和国家」の看板は失われる国際的な信用はなくなるであろう。

 そもそもなぜ国是を曲げてまで武器を輸出しなければならないのか。自民党の提言は防衛産業の維持を挙げる。自衛隊以外に顧客のいない国内の防衛産業は利益率が低く、撤退が相次ぐ。その技術力、競争力維持が理由だ。ただ武器輸出を可能にするため海外12カ国と協定を結んだものの、日本企業への発注はほとんどないのが実情だ。

 防衛産業を維持するために国是を曲げる本末転倒の議論は即やめてもらいたい

 日本の針路を転換する政府方針だが、その意思決定の在り方も疑問だ。安倍政権での三原則見直しは閣議決定により決まった。今回も同様の手法を取る可能性がある。

 閣議決定の乱用ともいえる状況は安倍政権下で始まり、現政権も踏襲している。防衛装備移転だけでなく「集団的自衛権の行使容認」「特定秘密保護法の運用基準」、今年も「土地規制法基本方針」「国葬儀実施」が挙げられる。

 本来なら国会での議論を経て決めるべき国の重要事項が一内閣の判断で定められる

 「一強」と称される国会での数を頼り、本来なら重視される与野党の議論を抜きにして民主主義は成り立たない。

 民主主義に対する政権の姿勢も問われている。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1062327

社説[安保 大変容 防衛力強化報告書]国民議論は置き去りか
2022年11月24日 8:09

 敵基地攻撃能力反撃能力)を保有し、防衛費捻出へ増税を検討する。公共インフラの自衛隊利用を進め、産官学一体で防衛産業の育成に取り組む-

 どれをとっても戦後日本の安全保障の大きな転換となる政策だ。「有識者会議」というごく限られた人が短期間で決めるべきことではなく、国民的な議論が必要だ。

 防衛力の抜本的な強化に向け政府が設置した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が、岸田文雄首相に報告書を提出した。

 報告書は、日本を取り巻く安全保障環境の変化を挙げ、首相が表明している5年以内の防衛力強化が欠かせないと強調した。

 反撃能力の保有とともに戦闘継続能力(継戦能力)の向上も指摘。経済・産業、研究開発、公共インフラなどあらゆる分野での防衛態勢の強化を提言した。

 憲法9条の下、抑制的に防衛力を整備してきた「専守防衛」との整合性が問われる。

 財源に関しては、「幅広い税目による負担が必要増税の検討を提起した。

 しかし、消費税は3年前に上がった。賃金は上がらない中、物価は高騰し、介護保険や医療など社会保険料の負担も増えている。

 国民生活に直結する増税を提起するなら、衆院を解散して選挙で有権者の判断を仰ぐべきだ

■    ■

 公共インフラの利活用を巡っては、自衛隊と海上保安庁のニーズに併せて空港や港湾などを利用できるよう法整備を求めた。対象として南西地域を挙げ「特に先島諸島」と名指しする。

 空港の自衛隊利用に関しては、すでに浜田靖一防衛相が下地島空港について言及している。なし崩し的な軍事利用は地元の負担につながり、あってはならない。

 日米共同統合演習「キーン・ソード」は、今月19日に終わったばかりだ。さらに日米両政府は、26日から来月18日まで、陸上自衛隊那覇駐屯地と与那国駐屯地の一部を使って共同訓練することを合意した。

 米軍基地の過重負担はそのままに、自衛隊基地を使用した訓練が拡大し安保の負担はますます沖縄に偏っている。

 防衛力強化の議論は沖縄の基地負担軽減とセットでなければならず、本来、地元の声抜きで進めるべきではない。

■    ■

 報告書は宇宙、サイバー、AIなど軍事転用への懸念がある研究開発に関しても官民一体で推進するよう求めた。

 防衛装備品の積極的な輸出など、これまでの抑制的な姿勢から大きく転換している。

 首相は報告書を踏まえ「国家安全保障戦略」など三つの文書を年内に改定する。改定は、安保政策の根幹に関わる問題でもあり、国会での議論が不可欠だ。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1620894.html

<社説>防衛強化「増税で」 議論を尽くしていない
2022年11月24日 05:00

 防衛力強化に関する政府の有識者会議は、防衛費の安定財源確保に向けて「国民全体の負担が必要だとして増税を提起する報告書を岸田文雄首相に提出した。

 国民的議論が尽くされたとは到底言えないだろう。政府が有識者会議の報告書のみをよりどころにして、憲法に抵触しかねない敵基地攻撃能力の保有を前提に、国民に負担を強いる増税に踏み込もうとする姿勢は極めて拙速と言うしかない。

 沖縄を含む南西地域に関しては、現時点で民間利用に限定されている空港や港湾を自衛隊・海上保安庁も使えるように整備することが報告書に盛り込まれた。有事となった場合、自衛隊や海保が利用できる条件が整っている空港や港湾は相手の攻撃対象となり得ることを意味する。

 太平洋戦争末期の1944年10月10日、米軍は那覇港を空爆した。狙いは沖縄上陸作戦に向けた航空写真の撮影、レイテ島侵攻に備えて、後方支援基地と位置付けられる沖縄の飛行場と港湾の破壊などであった。米艦載機延べ1400機が奄美大島以南の南西諸島の主要な島々を爆撃した。少なくとも軍人・軍属、住民ら668人が死亡、768人が負傷した。那覇は9割の家屋が焼失した。

 港湾の軍事利用を可能にするということは、住民にとって危険と隣り合わせであることを意味する。

 その後、大本営は45年1月「帝国陸海軍作戦計画大綱」の中で沖縄を「皇土防衛の前縁」とし、現地の軍に「出血持久戦」を求めた。米軍の本土上陸を一日でも先延ばしするため、沖縄を「捨て石」とした。沖縄の住民は「防衛」の対象ではなく、「本土」を守るために犠牲に供するものと位置付けたのである。

 政府が想定する台湾有事の際に、かつての「帝国防衛の前衛」のように沖縄が米中紛争の矢面に立たされるとしたら論外だ。

 自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード」では最新鋭の16式機動戦闘車(MCV)を与那国町の公道で使用した。防衛省関係者は「有事になった時に通ったことがない道を通る『ぶっつけ本番』では戦いにならない」と公道訓練の目的を指摘し、沖縄本島でも走行の必要性があるとの見方を示している。つまり与那国を含めて沖縄が戦場になることを想定しているのだろう。

 増税を含め国民に負担を強いる「有事」について、果たして国民の理解が得られているのだろうか。戦前の日本は増加する軍事支出を重税でも賄えず、国債発行を膨らませた増税と借金やむなしの巨額な防衛費に躊躇(ちゅうちょ)しない岸田政権は、もと来た道を戻っていないかと危惧する。

 一体何のために防衛費の増額が必要なのか。私たちは立ち止まって、冷静にその意味を問い直さなければならないのではないか。
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●あとの祭り…「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、さらには緊急事態条項の創設…誰がそんな壊憲を望んでいるのかね?

2022年07月11日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]


(20220702[])
長周新聞の記事【改憲に向けた審議が過去最多に 与野党が結託し武力行使容認を具体化 参院選で問われるべき争点に】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/23823)。

 《通常国会が15日に閉会したが、衆参両院の憲法審査会では過去最多となる計23回(衆院16回、参院7回)の審議をおこなった。衆院は2月以後、毎週のように憲法審を開催。審議時間は合計23時間34分に達した。「改憲」に意欲を見せる自民党、日本維新の会、国民民主党に加え、「九条改正ありきの議論には反対」と主張する立憲民主党や共産党も審査会に出席し、「丁寧な審議」の実績作りに協力している。憲法審ではすでに「緊急事態条項創設」や「九条改定」の審議を本格化させており、参院選(7月10日投開票)で改憲問題は国の命運を左右する重要な争点になる》。

 憲法を一切遵守しない国会議員って一体? 違憲に壊憲する、デタラメ過ぎる。まともな野党の力ではどうしようもないまでに酷い国会にしてしまって…。
 「国民主権の縮小戦争放棄の放棄基本的人権の制限」、さらには緊急事態条項の創設…誰がそんな壊憲を望んでいるのかね? あとの祭りにしていいのですか? 「1/4」の自公お維コミに投票した〝非国民〟と「2/4」の選挙に行かないことで間接的に自公お維コミを支持してしまった〝マヌケ〟のおかげで、トンだ迷惑だ。ブログ主の渡した税金を軍隊や戦争、殺人兵器に使わないでほしい。

   『●「ト」な自民党改憲草案の押し付け…
     押し付けられた「押し付け憲法論は、賢明なる先人に対する冒涜」
   『●壊憲…「緊急事態という口実で、憲法が破壊される恐れが…
                 ヒトラーは非常事態を乱用して独裁を築いた」
   『●争点は「壊憲」: 「ト」な自民党改憲草案は
       「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」
   『●「ト」な新三原則「国民主権の縮小」「戦争放棄の放棄」 
          「基本的人権の制限」…壊憲して本当にいいの?
   『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
      日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない
   『●《「私たちの権利はこれほどまで簡単に踏みにじられる」。沖国大の
     事故の1カ月後…学生が事故を目の当たりにした恐怖感や屈辱感を…》

 無《責任政党》の「ト」な自民党改憲草案を進める理由は、キシダメ氏が政権を維持したいがためであり、アベ様や正気とは思えない自民党政調会長に媚を売り、狂気のホシュ・ウヨクの票が欲しいがため。そんな自公お維コミに投票し、選挙に行かないことで間接的に自公お維を支持するオメデタイ国民。
 《議会制民主主義はもう機能していない》独裁政治下で、壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、そして、緊急事態条項の創設。一体全体、これのどこら辺が国民のため? この壊憲は、人治主義国家・旧アベ様王国の国王の自己満足《憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したい》《改憲を断行したという記念碑的目標》のためであり、壊憲することが目的の壊憲で、「裸の王様」を支える取巻き連中や癒党議員、壊憲志向の組織広報機関が躍起になって立憲主義を破壊し、平和憲法を破壊し、ニッポンを破壊してきた…もう後戻りできないほどの焼け野原だ。
 アベ様の御「趣味」で壊憲され、キシダメ氏の政権維持のために壊憲…「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」され、さらには、緊急事態条項の創設をされたのでは、タマッタものではない。どうやら、アベ様は、そして、政権を維持するためには手段を選ばぬ、戦争被曝国のその広島選出にもかかわらず、キシダメ氏は、平和憲法を壊憲して、「我が軍」を復活し、大日本帝国憲法への回帰を志向しているらしい。無残だ。

   ●琉球新報《核兵器禁止条約の第1回締約国会議…オブザーバー参加を
     見送った日本政府の不在が際立った会議だった…不参加は歴史的過ち》

 今のような自公政権やお維、コミが幅を利かす世の中では…。まず、そこから変えていかないと。《戦争絶滅受合法案》の制定を切に願う。


   『●戦争、環境破壊の最たるもの
    《二十世紀の初めごろ、デンマークの陸軍大将が、こんな法律があれば、
     戦争をなくせると考えて起草した法案がある。題して
     「戦争絶滅受合(うけあい)法案」▼戦争の開始から十時間以内に、
     敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。順序はまず国家元首、
     次にその親族の男性、三番目は総理、国務大臣、各省の次官、
     そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、戦争に反対しなかった
     宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として招集し、最前線
     野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
     安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう


   『●教育破壊: 「「ボンクラ」「嘘つき」」につける薬なし、
              そして、「戦争絶滅受合法案」の制定を!


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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/23823

改憲に向けた審議が過去最多に 与野党が結託し武力行使容認を具体化 参院選で問われるべき争点に
2022年6月23日

 通常国会が15日に閉会したが、衆参両院の憲法審査会では過去最多となる計23回(衆院16回、参院7回)の審議をおこなった。衆院は2月以後、毎週のように憲法審を開催。審議時間は合計23時間34分に達した。「改憲」に意欲を見せる自民党、日本維新の会、国民民主党に加え、「九条改正ありきの議論には反対」と主張する立憲民主党や共産党も審査会に出席し、「丁寧な審議」の実績作りに協力している。憲法審ではすでに「緊急事態条項創設」や「九条改定」の審議を本格化させており、参院選(7月10日投開票)で改憲問題は国の命運を左右する重要な争点になる。

     (憲法審査会に参加する与野党の国会議員(2日))

 自民党は「予算案審議中には開催しない」「新年度予算の成立を最優先する」という慣例を破って2月10日、今国会初となる衆院憲法審の自由討議を開催した。当初は「新型コロナウイルスの感染拡大対策が必要」「緊急事態のオンライン国会審議の可否が喫緊の検討課題だ」と主張した。

 ところが3月24日の第6回衆院憲法審からは「オンライン国会の審議」から緊急事態条項をめぐる論議へ移っていった。第六回会合で自民党幹事は「まず整理すべきは対象となる事態の範囲だ。自民党の条文イメージたたき台素案では大地震とその他の異常且つ大規模な災害のみを提示した。しかし緊急事態は大規模自然災害事態、感染症の大規模蔓延事態、テロ・内乱事態、現在渦中にあるウクライナへの侵略行為といった国家有事の際の安全保障事態、こうした四類型がある。これは緊急事態の対処範囲として合意できる」と一方的に宣言。そして「緊急事態が発生した際、国民の生命、安全、財産を保護するため、政府に一定の権限を集中させ、迅速かつ適切な行動をとれるようにしておく必要がある。ロシアの侵略を受けたウクライナ国会は有事体制に切り替えて動いている。わが国も緊急事態が発生した場合、国家機能を維持するために必要な法制度を準備しているのか危惧する」と訴えた。

 さらに5月12日の第12回衆院憲法審では、改憲の本丸といえる九条改定の討議にも踏み込んだ。自民党幹事は冒頭、「本日は国を形成するもっとも根幹の問題でありながら憲法に規定のない国防規定について意見をのべる。国の最大の責務は国民の生命と財産、領土や主権を守ることだ。そのもっとも根幹的な国防規定について議論し、憲法に反映させることは、緊急事態条項の整備と合わせ最優先でとりくむべき課題だ。国の防衛は国際平和秩序にのみ頼るのではなく、自分の国は自分で守るという基本をないがしろにしてはならない」と主張し、九条改定の必要性に言及した。加えて「ロシアによるウクライナ侵略は対岸の火事ではなく、国の防衛体制の充実は喫緊の課題だ。このような変化に対応するため平和安全法制を整備し集団的自衛権の限定行使を可能にした。しかし自衛隊は憲法に位置付けられておらず、国防に関する規定が憲法にないのは不自然だ。これまで一度もおこなっていない憲法改正を何としても実現させなければならない」と呼びかけた。

 この方向に公明党、維新の会、国民民主党など改憲勢力がこぞって賛意を表明した。立憲や共産は「九条改正に反対」といいながら「論議には応じる」姿勢に転換し憲法審査会に参加。そこで選挙時に「与党とは違う」と宣伝するための批判パフォーマンスに終始するだけで、実際は改憲発議時に「民主的な審議をしたか」の判断基準となる審議時間を増やすことに協力した。

 こうして既存与野党が結託して「改憲」の具体化を進めた結果、今通常国会では、過去10年間で見ても極めて異常な憲法審開催回数になった。2013年は民主党からの政権交代で自民党・第二次安倍政府が登場し、改憲を目指す暴走に拍車をかけた。そのときでも憲法審査会の開催回数は19回(衆院13回、参院6回)だった。ところがそれに続く9年間の動向を見てみると、

【2014年】15回(衆院6、参院9)
【2015年】10回(衆院5、参院5)
【2016年】3回(衆院1、参院2)
【2017年】10回(衆院9、参院1)
【2018年】6回(衆院3、参院3)
【2019年】5回(衆院4、参院1)
【2020年】3回(衆院2、参院1)
【2021年】10回(衆院4、参院6)
【2022年】23回(衆院16、参院7)

 となった。これは安倍政府をも上回る暴走姿勢を示している。


戦争放棄の覆しが狙い

 なお、衆院憲法審で改定論議に着手した現在の憲法九条は「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定している。痛ましい戦争体験に根ざした「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」が最大の柱だ

 自民党が2018年に決定した「条文イメージ」は、この憲法九条の後に「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」と追加し、現憲法九条の「戦争放棄」や「交戦権否認」規定をかき消し、「国防」と称して「武力参戦」を容認する方向である。参院選の選挙公約はこの基本方向を具体化しただけである。

 こうした改憲を実現するために自民、公明、維新、国民民主等、与野党を含めた改憲勢力が目先を誤魔化しながら参院選で勢力拡大・維持を狙っている。改憲勢力が参院選で改憲に必要な議席を確保すれば、首相が衆院を解散しない限り次の参院選(2025年夏)まで「国政選挙のない3年」となる。この3年間のあいだに衆参両院での議論を進め、「改憲項目の絞り込み」「憲法改正原案の作成」「国会での憲法改正発議」まで突き進むことを狙っており、参院選で問わなければならない争点となっている。


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●《自民党安全保障調査会が防衛費を倍増するよう提言…軍拡競争の先に待つのは破滅だ…「敵基地攻撃能力」の名称を「反撃能力」に改称…》

2022年05月14日 00時00分45秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220501[])
琉球新報の二つの社説。【<社説>自民・防衛費倍増提言 力に頼らぬ安全保障論を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1507165.html)と、
【<社説>「敵基地」改称「反撃能力」平和憲法 骨抜きにするな】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1506702.html)。

 《自民党安全保障調査会が防衛費を倍増するよう提言案をまとめた。国内総生産(GDP)比1%枠を超え、GDP2を念頭に「5年以内に防衛力を抜本的に強化するため必要な予算水準の達成を目指す」という。だが何のためにどのような装備が必要で、幾ら支出するのかは曖昧だ。軍拡競争の先に待つのは破滅だ。東アジアの平和を願うのであれば、軍事力に依存せず外交、食料、エネルギー、人的交流など多角的な視点から安全保障を考えるべきだ。GDP比1%枠は1976年、防衛費の上限を示すために閣議決定した。背景には54年の自衛隊発足以来、国内外から日本の再軍備を懸念する声があったからだ》。
 《自民党安全保障調査会は、政府の外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた提言案を了承した。自衛目的で相手領域内のミサイル発射を阻止する能力である敵基地攻撃能力」の名称を「反撃能力に改称することを盛り込んだ。名称は変えても攻撃能力を持つことには変わりはない。米軍を「矛」、自衛隊を「盾」とする従来の役割分担は、自衛隊が米軍の「矛」に合流することを意味する。日本国憲法の平和主義の理念を骨抜きにし、専守防衛を逸脱する。日本の安全保障政策の大転換をもたらす危険な内容だ。改称は印象操作に映る。攻撃力を高めるのではなく、外交努力で紛争の火種を除く安全保障政策を取るべきだ》。

   『●未来に投資しない国: 「そういうせりふは、
      ハコモノではなく、子どもたちのために言ってほしいものだ」
    《子どもの六人に一人が貧困に苦しむとされるこの国の現状
    《そもそも、子どもたちのためにこそ税金を使ったらどうなのか》
    「《子供の未来応援基金》で募金・寄付を募り、《高校生を
     援助する奨学給付金という制度》は「財政難」で増額が
     厳しいそうだ……、かたやドブガネ。その「財政難」の額は
     110億円。「悪夢」から目覚める、あるいは、戦闘機の
     一機でも止めれば、直ぐに賄えそうですけど? 
     つくづく、ドブガネばかりする自公政権です」

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●安倍首相の脳ミソは「壊憲」「戦争を出来る国へ」
        でいっぱい(脳ミソがあればの話ですけれどもね)
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。 
        税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!
   『●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、
              『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」
   『●オトモダチ「利権」塗れ…「この国でもっとも「利権」から遠い
               生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる」
   『●「FMSは武器取引を通じて、米国が他国を
     従属させるシステムでもある。日本の対米追従は強まる一方だ」
   『●アベ様の《国民観、人間観には共通点が多すぎる…
       彼の目には私たちが己の財布、兵力、労働力だとしか…》
   『●「どっからどうもってきて出すのか」…軍事費を削り、
        弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さい
   『●対外有償軍事援助FMS…《アメリカからの援助》? アメリカへの
                   「援助」、狂気な「思いやり」の一種?
   『●「国策の名の下に研究者が軍事研究に加担させられた
          歴史を繰り返そうとしている…亡国の施策だ」
   『●《韓国…国防予算の削減…新型コロナウイルス対策に振り向け…極めて
        合理的な判断…その合理は日本では通用しない…》(立岩陽一郎氏)
   『●「思いやり予算」として小さく生んで、いまや「同盟強靱化予算」
     として大きく育った番犬様の「お財布」、とっても気前の良いニッポン

 軍事費、こんな巨費を投じている余裕がニッポンにあるのか? 自公お維コミに一票を投じた代償…あとの祭りだ。《火事場ドロボー》達はそんなに戦争できる国にしたいのかね。それにしても、自民党には《火事場ドロボー》しかいないのかね?
 軍事費よりも、今困っている人たちへ、そして、教育や研究・環境といった未来への投資を。

 《敵基地攻撃能力」の名称を「反撃能力に改称》。…《これと全く同じ発想と手口であることが分かった。言葉のすり替え・書き換え、改ざん、そして「なかった」論法は最近閣議決定で正面突破する手法に変化した》。《『敗戦を台風が終わったみたいに終戦と言い換えて誰も責任をとろうとしない」…「『共謀罪』を『テロ等準備罪』と言い換えたり、集団的自衛権の行使に『積極的平和』の言葉を使ったり。実に巧み》。「テロ等準備罪」「衝突」「不時着水」…かつての「転進」を思い浮かばせる《本質を隠す言葉のすり替え》。

   『●《本質を隠す言葉のすり替え》を許せない小澤俊夫さん、
          アベ様ら政府による《言葉ずらし》を痛烈に批判
   『●「募る」と「募集」…《〈不時着水したが墜落ではない〉といった
          ところか。国会の質疑は大喜利のお題提供の場ではない》
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう 
                 という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)


 《火事場ドロボー》1号、アベ様「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」、あぁぁ…。壊れまくっている国・ニッポン。
 【姜尚中「ウクライナ侵攻により核武装化する北朝鮮と骨抜きになる日本の専守防衛」】(https://dot.asahi.com/aera/2022042600052.html)によると、《そうなれば同時に、日本の専守防衛の基本的な安全保障政策が変わっていく可能性が出てきます。現在、自民党は防衛費を国内総生産(GDP)の2%以上に引き上げるなどの提言案を議論しています。今後は「核共有」の議論の声が再び上がる可能性もあります。何も問題が解決されないジレンマの中で、戦後日本の「専守防衛」の安保・防衛の基本方針が骨抜きになり、「軍事化」だけが進んでいくことになりかねません》。

 ロシアによる侵略に便乗し、《火事場ドロボー》どもがワラワラ。違憲に壊憲し、戦争できる国にしたいらしい。狂っている。
 沖縄タイムスの【社説[自民の安保提言]専守防衛転換させるな】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/949407)によると、《これのどこが専守防衛の枠内なのだろうか。自民党は、政府の外交・安全保障政策に関する長期指針「国家安全保障戦略」など3文書の改定に向けた提言をまとめた。相手領域内でミサイル発射を阻止する「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換え、基地だけでなく「指揮統制機能等」も攻撃対象に加えた上で保有するよう求めた。これまで国内総生産(GDP)のおおむね1%程度で推移してきた防衛費は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が目標とする2%以上を念頭に、大幅に増額する方針を打ち出した。もともと、ミサイル発射前に攻撃する敵基地攻撃能力は国際法違反の先制攻撃となりかねない懸念があった。新たに指揮統制機能等を加えた反撃能力では対象がさらに曖昧となり、相手国の政府中枢を攻撃する可能性もある。問題は解決するどころかより深刻になっている》。

 《火事場ドロボー》1号、アベ様「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」…どいつもこいつも…。
 【高野孟 永田町の裏を読む/「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換える自民党の幼稚な言葉遊び】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/304543)によると、《日本の防衛政策論議はどこまでいっても「言葉遊び」の域を出ず、自民党安全保障調査会が21日にまとめた「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と呼び方を変更するという提言は、まさにその典型である…そこで、かつて考え出されたのが「敵基地攻撃能力」という観念で、敵が明らかに日本を狙って発射準備に入っていることが分かった場合に、こちらが先に撃って潰してしまうというのだが、これはどう考えても国際法違反の「先制攻撃」であり、日本国憲法による「専守防衛」の原則をも逸脱する。…そこで今回、「反撃能力」と言い換えて、対象を「敵ミサイル基地に限定せず、指揮統制機能等も含む」ことに拡張した。ところが「指揮統制機能等」となると基地だけでなく通信施設、司令部、場合によっては(米軍がそうしているように)独裁者がその当日そこにいると探知されている宮殿や別荘まで含まれることになるだろう。これではますます先制攻撃になるので、提言は専守防衛を強調し「武力攻撃を受けて初めて必要最小限の防衛力を行使する」としているものの、小野寺五典安保調査会長は「相手側に明確に日本攻撃の意図があって、すでに着手している状況なら、政府の判断で反撃に踏み切る」と説明しているので、やはり先制攻撃に変わりはない。これを報じ、大きな解説記事も載せた朝日新聞22日付の川柳欄に「敵基地を狙うこっちも敵基地だ」とあって秀逸。こちらが敵の動きを察知して反撃準備に入れば、敵もそれを察知して(向こうは専守防衛の制約はないので)すぐに潰しにくるだろう。川柳子にも簡単に見抜かれてしまう幼稚な議論なのである》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1507165.html

<社説>自民・防衛費倍増提言 力に頼らぬ安全保障論を
2022年4月25日 05:00

 自民党安全保障調査会防衛費を倍増するよう提言案をまとめた。国内総生産(GDP)比1%枠を超え、GDP比2%を念頭に「5年以内に防衛力を抜本的に強化するため必要な予算水準の達成を目指す」という。だが何のためにどのような装備が必要で、幾ら支出するのかは曖昧だ。

 軍拡競争の先に待つのは破滅だ東アジアの平和を願うのであれば、軍事力に依存せず外交、食料、エネルギー、人的交流など多角的な視点から安全保障を考えるべきだ

 GDP比1%枠は1976年、防衛費の上限を示すために閣議決定した。背景には54年の自衛隊発足以来、国内外から日本の再軍備を懸念する声があったからだ。

 防衛費1%枠を現政権は既に超えている。22年度は当初予算で過去最大の5兆4千億円が計上された。昨年11月の補正予算は7738億円で、計6兆円を超えた。GDP比では1.09%だ。諸外国の沿岸警備隊に当たる海上保安庁などの費用を加えたNATO方式では、日本の防衛費はGDP比1.24%に達する。

 防衛力強化を目的に、本来当初予算に組み込むべき支出を補正予算に前倒しした。防衛省は当初予算と一体化した「防衛力強化加速パッケージ」と位置付けている。実質は「16カ月予算」だ。

 自民党、防衛省とも現時点で想定しているのは、ミサイルや機雷など迎撃に関する装備品だ。だが自民党がいう「反撃能力」など専守防衛を逸脱した装備が認められるのか。一政党、一省庁の判断で国是を変更できるはずがない。

 2020年版防衛白書によると、防衛費の8割は隊員の給与や過去の契約分を負担する義務的経費が占める。装備品購入や研究開発は2割に満たない。これを見て、だからこそ防衛費増が必要だというのは短絡的すぎる。

 装備品を動かすのは人だ。しかし自衛隊は定員割れが常態化しており、最先端の装備を増やそうと動かす人が不足するのは目に見えている。

 18年の内閣府調査では身近な人が自衛隊員になることに国民の3割が反対した。今年の防衛大卒業者の任官辞退は過去2番目に多い72人いた。

 自衛隊員が戦場に立つ事態が現実味を帯びるからこそ敬遠されているのではないか。

 歳入が伸びない中で防衛費が増えれば、社会保障などが削られる。そのとき国はどうして防衛費を捻出するのか。

 昭和前期、戦費を調達するため政府は「臨時軍事費特別会計」を作った。国債を日銀に引き受けさせ、国民に貯蓄を強制した。結果は債務不履行による悪性のインフレと膨大な紙くずを生んだだけだ。

 安倍晋三元首相は「防衛費確保のための国債発行」を訴えている。防衛費のため国民に我慢を強いるのか、破綻があると分かって国の借金を増やし続けるのか。財政規律の観点からも自民党の提言は再考しなければならない。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1506702.html

<社説>「敵基地」改称「反撃能力」平和憲法 骨抜きにするな
2022年4月24日 05:00

 自民党安全保障調査会は、政府の外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた提言案を了承した。自衛目的で相手領域内のミサイル発射を阻止する能力である「敵基地攻撃能力」の名称を「反撃能力」に改称することを盛り込んだ。

 名称は変えても攻撃能力を持つことには変わりはない。米軍を「矛」、自衛隊を「盾」とする従来の役割分担は、自衛隊が米軍の「矛」に合流することを意味する。日本国憲法の平和主義の理念を骨抜きにし、専守防衛を逸脱する。日本の安全保障政策の大転換をもたらす危険な内容だ。

 改称は印象操作に映る。攻撃力を高めるのではなく、外交努力で紛争の火種を除く安全保障政策を取るべきだ

 提言案では、攻撃目標は相手国のミサイル基地に限定せず、国家の指導部や軍の司令部を念頭に「指揮統制機能等」を新たに追加した。攻撃対象がなし崩し的に拡大していく恐れがある。

 また防衛計画の大綱を米国と同じ名称の「国家防衛戦略」に変更するよう提案した。米国と歩調を合わせたい狙いが透ける。2016年の安保法制施行以来、日米の軍事一体化が一層推進されている表れだ。米国の戦争に巻き込まれる恐れが増す。むしろ日本政府は、軍事力に頼らない憲法の国際平和主義にのっとった自主外交を展開すべきだ

 だが提言案は中国について台湾周辺で軍事活動を活発化させているとして「重大な脅威」とし、ウクライナへ侵攻したロシアを「現実的な脅威」に、それぞれ引き上げると記した。それらの国が「挑発」と受け止めかねない。

 「安全保障のジレンマ」に陥る可能性がある。軍備を増強することで自国の安全を高めようと意図した政策が、想定する相手国に類似の軍事増強を促し、実際には双方とも衝突を欲していないにもかかわらず、結果的に衝突につながる緊張を増してしまう状況だ。日本の敵基地攻撃能力の保有は東アジアの緊張を高める可能性がある。

 それは沖縄にとって死活問題だ。冷戦下の1960年代、米軍は、中国や旧ソ連をにらみ、日本に投下された原爆の数十倍規模の破壊力を持つ核巡航ミサイル「メースB」を配備した。沖縄が核兵器で奇襲攻撃されることを想定し、第一撃で沖縄が壊滅的な被害を受けても、敵の追加攻撃を封じるのに必要な反撃能力を維持することが目的だった。

 現在、沖縄への自衛隊配備強化が進む。配備されるミサイルが敵基地攻撃に転用される可能性がある。米国では南西諸島を含む「第1列島線」に核弾頭が搭載可能な中距離弾道ミサイルを配備する計画が進行中だ。有事の際に狙われるのは沖縄だ。1972年の日本復帰以前、沖縄には1300発もの核が置かれ、極めて危険な状況だった。復帰前に逆戻りするような基地負担は絶対に許されない。
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●《火事場ドロボー》1号アベ様という《安全保障上の脅威》…《またぞろ…物騒なことを叫んでいる》《アベノマスク着けて黙っとれ!》

2022年04月29日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220417[])
日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/寝言を垂れ流す 「安倍晋三」という安全保障上の脅威】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/303648)。
長周新聞のコラム【アベノマスク着けて黙っとれ!/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/23242)。

 《バカの確信ほど怖いものはない自民党山口県連などは憲法改正の早期実現をめざす集会を開催(4月3日)。安倍晋三は講演で…と発言。これは完全に憲法違反、戦時国際法違反にあたる。「脅威」に対抗するため、相手国の中枢を攻撃するのは現在ロシアのプーチンがウクライナに対してやっていることと同じだ。2019年9月、安倍は「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」と発言したが、は飼い主に似るらしい》。
 《核共有論に続いて、今度は防衛費を6兆円まで増やすべきとか、敵基地攻撃論についても「基地に限定する必要はない向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」などと、またぞろ安倍晋三が物騒なことを叫んでいる二度も政権を放り投げておいてよくも恥ずかし気もなく人前に出てきて大物気取りをしているものである》。

 《山口4区》のアベ様支持者の皆さん、《またぞろ安倍晋三が物騒なことを叫んで》いますよ。《二度も政権を放り投げておいてよくも恥ずかし気もなく人前に出てきて大物気取りをしているもの》ですよね、そう思いませんか? (適菜収さん)《プーチンの精神状態を危惧するメディアの報道もあったが、その前に自分たちの国のバカが招く安全保障上の脅威について論じるべきだ》…本当に正論ですよね。《危険人物を野放し》にしてはダメです。
 (狙撃兵)《そんなに戦争がしたくてしたくて仕方がないのなら、その他大勢の日本国民を巻き込むことなく、安倍晋三が一人でやりやがれ!》《自民党本部が責任を持って口を塞ぐべきだろうそのためにアベノマスクが必要であるというのであれば、あの在庫をすべてくれてやってもいい》! (適菜収さん)《これは危険人物を野放しにしてきた自民党全体の問題だ》、御尤も。

   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)
   『●醜悪…《安倍晋三や…麻生太郎が偉そうに派閥の領袖として力を
     行使し、それに対して首相になりたい…や…が上目遣いでご機嫌を…》
   『●(狙撃兵)《安倍8年、菅1年の私物化にケジメがなく国民を置き去り
      にした聞く耳のない自民党政治のイメージを払拭》できてますかね?
   『●《安倍前首相の暗い影》…まだまだ《山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)

 《安全保障上の脅威》な《火事場ドロボー》1号、とみに異常さを増している? 前から正気ではないと思っていはいたが、酷過ぎます…まずは、議員辞職して数多のアベ様案件の清算を。《人前に出て》来るのはそれから。(狙撃兵)《誰かあの顔にアベノマスクを何重にもひっかけて黙らせてくれないものだろうか…と本気で思うレベル》。こんなことも理解できないんだから、《山口4区》の支持者も含めて、呆れるしかないね ――― 《基地であれ中枢であれ、ミサイルで先制攻撃した場合、相手がそれで屈服するとは限らない。否、必ず報復攻撃が始まることは歴然としているその場合、狭い日本列島の津々浦々に原発を抱え、この移動させることもできぬ固定原発にミサイルが飛んでくるだけで巨大な原爆になり得るのが現実である。調子付いて「核共有」などといっているけれど、既に原爆を体に巻き付けているような状態であることを忘れてはならない。一発撃ち込んだが最後である》。そう、《一発撃ち込んだが最後》のニッポンなんですよ!! 《破壊的で破滅的な戦争を望むのは誰か、そのことによって喜んでいるのは誰か、民衆が血を流すことによって熱狂しているのは誰か》、そりゃぁ自公お維コミの《火事ドロボー》どもです。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
      残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
     まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》
   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
         未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
      到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》
   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●東電核発電人災…《あまりに切ない一枚です。…犬。…鎖につながれた
     まま…取り残されたわが家で、何を思いながら力尽きたことでしょう》
   『●斎藤貴男さん《ロシア軍のウクライナ侵攻をダシにした、帝国主義への
     妄執と言うべきか…日本の対米従属度が、いっそう高められるだろう》
   『●《火事場ドロボー》1号、2号、3号…を支持し、投票する人々に、
     壊憲して戦争する国になる自覚はあるのか? 予想されるその結果は?
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●「失敗から学べ」? 《火事場ドロボー》1号がよくもまぁ…《自分が
     プーチンを増長させた張本人であるという事実を消し去ろうとしている》
   『●火事場ドロボー…《このような状況で便乗型の様々なショック・ドクト
     リンが出てきている…その一つが安倍晋三元首相による「核の共有論」》
   『●「あほか」…3.11から11年、ウクライナへのロシア侵略に乗じて
     《火事場ドロボー》らがウヨウヨ、ワラワラと湧いてくる始末なニッポン
   『●《「ストップ・プーチン」に動く気が岸田にあるのなら、あらゆる
     アベ案件から直ちに撤退しなければおかしい。二枚舌は通用しない》
   『●《火事場ドロボー》ぶりがとみに異常さを増してる? 前から正気では
     ないと思っていはいたが、酷過ぎる…まずは数多のアベ様案件の清算を
   『●《悲願の「核なき世界」へと…被爆者たちが心血を注いだ核兵器禁止
     条約の発効から一年余》…《火事場ドロボー》どもがウヨウヨなニッポン

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/303648

適菜収 作家
近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中

それでもバカとは戦え
寝言を垂れ流す 「安倍晋三」という安全保障上の脅威
公開日:2022/04/09 06:00 更新日:2022/04/15 11:35

     (現実を直視すべきは、まずは安倍元首相(=4日、
      山口市の講演で)/(C)共同通信社)

 バカの確信ほど怖いものはない自民党山口県連などは憲法改正の早期実現をめざす集会を開催(4月3日)。

 安倍晋三は講演で、敵基地攻撃能力について「日本も少しは独自の打撃力を持つべきだと完全に確信をしている」「私は打撃力と言ってきたんですが、基地に限定する必要はないわけであります。向こうの中枢を攻撃するということも含むべきなんだろうとこう思っています」…と発言。

 これは完全に憲法違反、戦時国際法違反にあたる。「脅威」に対抗するため、相手国の中枢を攻撃するのは現在ロシアのプーチンがウクライナに対してやっていることと同じだ。2019年9月、安倍は「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」と発言したが、犬は飼い主に似るらしい

 プーチンの精神状態を危惧するメディアの報道もあったが、その前に自分たちの国のバカが招く安全保障上の脅威について論じるべきだ

 安倍は講演で「世界の厳しい現実に向き合う機会」などと寝言を垂れ流していたが、現実を直視すべきは安倍である

 安倍はウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟していれば、加盟国に対する攻撃は全加盟国に対する攻撃とみなし集団的自衛権を行使する規定が抑止力となったと主張。安倍政権で制定した集団的自衛権の限定行使を認める安全保障関連法が「戦争に巻き込まれる」と批判を受けたことを挙げ「今起こっていることはまったく逆ではないか」と反論した。

 アホか。安倍は時系列すら理解していない。ウクライナとNATOの接近は今回の戦争の一因にもなっているのだ。

 14年、安倍は「日本の存立が脅かされ、国民の生命や権利が根底から覆される明白な危険」が「ない」と判断できない場合に、集団的自衛権の行使に踏み切る可能性に言及した。それ以前の、明白な危険が「ある」場合、つまり「存立危機事態に武力行使できるという話をひっくり返したわけだ。「ない」ことなど証明できないので、やりたい放題やるということだ。

 官房長官の松野博一は、今回の安倍の発言について「コメントは差し控える」と述べていたが、これでは国際社会に間違ったメッセージを送ることになる。これは危険人物を野放しにしてきた自民党全体の問題だ。


※重版決定! 書籍「それでもバカとは戦え」講談社から絶賛発売中
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https://www.chosyu-journal.jp/column/23242

アベノマスク着けて黙っとれ!
コラム 狙撃兵 2022年4月9日

 核共有論に続いて、今度は防衛費を6兆円まで増やすべきとか、敵基地攻撃論についても「基地に限定する必要はない向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」などと、またぞろ安倍晋三が物騒なことを叫んでいる二度も政権を放り投げておいてよくも恥ずかし気もなく人前に出てきて大物気取りをしているものである

 まだ憲法は変わっておらず「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」が大原則なのに、ウクライナ情勢でネオコンや米軍産複合体をはじめとした連中がハッスルしているのに触発されているのか、前のめりになって先制攻撃まで主張しているのである。

 そんなに戦争がしたくてしたくて仕方がないのなら、その他大勢の日本国民を巻き込むことなく、安倍晋三が一人でやりやがれ! と思う。おかげで武力衝突なり紛争に巻き込まれる国民としては、ウクライナもそうであるし、77年前の第二次大戦がそうだったように、狂った戦争指導者のもとで塗炭の苦しみを押しつけられるなど許されないことである。「平和」に興味がなく、もっぱら「戦争」に熱狂するような輩は日本社会にとって有害極まりないし、戦犯の孫がまた誘うというのなら、反省なき戦争狂いのDNAについて弾劾する力が加わって然るべきだ

 ロシアと西欧に挟まれた緩衝国家としてのウクライナの現実は、同じように台頭する中国とアメリカの矛盾に挟まれた緩衝国家・日本の存在とも重なるものがある。そのなかで、もっぱら米国のいいなりで隷属し、米本土防衛の盾及び鉄砲玉として配置されているのが自衛隊で、南西諸島におけるミサイル部隊配備を見てもわかるように、役割としてはまるで「日本を守る」よりも米本土を守る任務を与えられているかのようである。どう見ても最前線の盾だからだ。

 ウクライナではNATO入りすなわちミサイル配備がなされる前から軍事的緊張が高まり武力衝突に発展したが、米中の緩衝国家・日本では既にミサイル配備が具体化されている有り様で、これまた物騒な事態が進行しているのである。そんななかで、ミサイルを向けて元首相たるものが「中枢に打ち込む」と発言することがどれだけ刺激的であるかは、バカでもわかる話であろう。岸田文雄でも官房長官の松野でもいいから、誰かあの顔にアベノマスクを何重にもひっかけて黙らせてくれないものだろうか…と本気で思うレベルなのである。

 基地であれ中枢であれ、ミサイルで先制攻撃した場合、相手がそれで屈服するとは限らない。否、必ず報復攻撃が始まることは歴然としているその場合、狭い日本列島の津々浦々に原発を抱え、この移動させることもできぬ固定原発にミサイルが飛んでくるだけで巨大な原爆になり得るのが現実である。調子付いて「核共有」などといっているけれど、既に原爆を体に巻き付けているような状態であることを忘れてはならない。一発撃ち込んだが最後である

 もっぱら攻撃することばかり思考して、攻撃されることをまともに思考しないことに今日の戦争狂いの特徴があろう。同じように、戦争することばかり思考して、戦争しないために何をするのかをまともに思考しないのも特徴である。本来であれば、戦争を回避するために外交というものがあり、体制にかかわらずいかなる国とも信頼関係を切り結び、複雑極まりない矛盾に満ちた世界のなかで、衝突ではなく融和で物事を進めていくためにこれが機能する。そんな外交否定の行き着く先が戦争であり、平和を育む努力の放棄でもある。破壊的で破滅的な戦争を望むのは誰か、そのことによって喜んでいるのは誰か、民衆が血を流すことによって熱狂しているのは誰か、見ないわけにはいかない。

 ハッスルする安倍晋三については何度もいうように、自民党本部が責任を持って口を塞ぐべきだろうそのためにアベノマスクが必要であるというのであれば、あの在庫をすべてくれてやってもいいとすら思う。

                         武蔵坊五郎
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●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない

2022年03月07日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2022年03月05日[土])
《火事場ドロボー》1号=アベ様、《火事場ドロボー》2号=松井一郎元大阪「ト」知事、《火事場ドロボー》3号=橋下徹元・初代大阪「ト」知事…。
 ウクライナ侵略を利用・便乗して、壊憲して戦争できる国へ、敵基地攻撃へ、核保有へ。そういうのを《火事場ドロボー》と言います。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》

 市民のどれ程が壊憲など望んでいるのか? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない。いま、壊憲の《議論》など不要だ。徹底的なPCR検査や弱者の救済、ウクライナ市民が傷つくことのないような外交交渉…まず、やるべきことをやんなさいよ。自公お維コミに投票している皆さん、正気ですか?

 琉球新報の【<社説>憲法審での改憲論議 拙速判断避け議論尽くせ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1477870.html)によると、《国会の憲法審査会で改憲議論を加速させる動きが出ている。岸田文雄首相は衆院予算委員会で憲法審での議論進展を促した。自民党は開催回数を増やしたい考えで、日本維新の会と国民民主党は毎週開催を訴え、後押ししている》。
 東京新聞の記事【ぎろんの森/「平和国家」とは、何か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/161185?rct=discussion)によると、《端的に言うと戦争をしない国」「戦争をさせない国」で、根本にあるのは憲法九条です。》

   『●山口正紀さん《悪夢のような衆院選…その先にあるのは、「自・公」の
     与党に「維新・国民」を加えた4党による新たな「壊憲連合」の形成》
   『●2021年衆院選、自公お維コミに投票してよかったのか? 2022年
     こそ、(山口正紀さん)《壊憲を許さない市民と野党の共闘》が必要

 山口正紀さん《自民党の絶対安定多数という悪夢のような衆院選(10月31日)から2週間余。与党勝利に加え、維新(日本維新の会)躍進というもう一つの悪夢で心配したことが早くも現実化しつつある。「憲法改正」と称し、平和憲法を破壊する〈壊憲〉の動きだ。維新は国民(国民民主党)を仲間に引きずり込み、〈壊憲〉の主導権を握ろうと策動自民党も負けじと動き出し、党内右派にこびた岸田文雄首相が「改憲への意欲」を語り始めた。その先にあるのは、「自・公」の与党に「維新・国民」を加えた4党による新たな「壊憲連合」の形成だ。もし来夏の参院選で4党「壊憲連合」が勝てば、憲法は風前の灯となる。壊憲を許さない市民と野党の共闘――「反壊憲大連合」の結成に向けて動き出す時が来た》。
 自公お維コミは、このドサクサに紛れて、《火事場ドロボー》しようとしている。しかも、アベ様らによるアノ「ト」な自民党改憲案…「国民主権の縮小戦争放棄の放棄基本的人権の制限緊急事態条項の創設」…こんなクソッタレを現実化するつもりですか?

   『●『標的の村』三上智恵さんインタビュー
   『●子供にもSLAPPする国:
    三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」…
          「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり
   『●「戦争できる国」の未来: 「兵士は言った。
        「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1477870.html

<社説>憲法審での改憲論議 拙速判断避け議論尽くせ
2022年3月1日 05:00

 国会の憲法審査会で改憲議論を加速させる動きが出ている。岸田文雄首相は衆院予算委員会で憲法審での議論進展を促した。自民党は開催回数を増やしたい考えで、日本維新の会と国民民主党は毎週開催を訴え、後押ししている

 昨年10月の衆院選で改憲積極派の維新の会と国民が議席を伸ばした一方、改憲に慎重な立憲民主、反対する共産両党が議席を減らしたことが背景にある。「改憲勢力」の議席数が国会発議に必要な定数の3分の2を超えた。

 また自民は新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ緊急事態条項の新設に前のめりだ。この条項は私権制限を伴い、立憲主義の理念を損なう問題をはらむ。新型コロナ特措法など個別の法律で対応できるにもかかわらず、憲法を変える議論を急ぐのは危険だ。改憲ありきの拙速な判断は避け慎重に議論を尽くすべきだ。

 自民はこのほか、9条への自衛隊明記、参院選「合区」解消、教育無償化・充実強化の4項目を掲げている。独自案を打ち出す維新や国民、加憲を唱える公明を含めた4党は論点ごとの分科会設置で一致しており、議論を加速させたい構えだ。

 自民は衆院選後、昨年12月の臨時国会で参院予算委員会と並行して憲法審査会を開催させるという異例の対応を実現させた。オンラインによる国会審議の課題を議論した今月17日の衆院憲法審査会ではオンライン審議も緊急事態条項の一つに位置付けられるとして「憲法に明文規定するのが本筋だ」と強調した。

 これに対し立民は改憲しなくても衆院規則を変えればすぐにオンライン国会を実現できると反論した。オンライン開催を巡っては、24日の憲法審で意見を聞いた法学者でも意見が二分している。慎重を期すべきだ。コロナ禍を改憲の「奇貨」としてはいけない

 まず議論すべきは、昨年6月に成立した改正国民投票法の欠陥についてである。国民投票は憲法を変えるかどうかを決める最も重要な手続きである。しかしこの法律は最低投票率を設定しておらず、CM・広告への規制もない資金力にものを言わせて一方的な主張を大量に流すことで国民の投票行動を左右する恐れがある欠陥だらけのこの法律が是正されない限り、憲法自体を論ずるべきではない。

 さらに懸念されるのはウクライナ情勢に乗じて憲法を逸脱する議論の加速である。台湾有事などを想定し敵基地攻撃能力保有を主張する意見が国会で相次いでいる。しかしこの能力の保有は憲法の原則である専守防衛を逸脱する。憲法の平和の原則を形骸化させるべきではない

 岸田首相は憲法改正について「国会の議論と国民の理解は車の両輪」と述べ、国民の理解につながる議論を憲法審査会に求めた。ならば国民的議論は必須だ。国民を置き去りにせず耳を傾けながら議論を尽くす姿勢が求められる。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/161185?rct=discussion

ぎろんの森
「平和国家」とは、何か
2022年2月19日 07時52分

 十六日朝刊社説「『平和国家』の礎強固に」に、読者から「『平和国家』の定義を知りたい」との声をいただきました。せっかくの機会です。私たちが考える「平和国家」について、これまでの社説を踏まえてご紹介します。

 端的に言うと戦争をしない国」「戦争をさせない国」で、根本にあるのは憲法九条です。繰り返しにはなりますが、条文を紹介します。

 第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又(また)は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない国の交戦権は、これを認めない

 九条は戦後日本の外交・防衛政策の基本指針です。安倍政権時代の二〇一三年に策定された「国家安全保障戦略」は「我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してきた」「我が国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない」と明記します。この記述は概(おおむ)ね妥当と考えます。

 十六日社説で訴えたのは、政権が進める安保戦略の改定で、平和国家の歩みが(ないがし)にされるとの危機感です。

 厳しさを増す日本周辺の情勢変化に応じて国民や主権、領域を守るための備えをしておくのは当然です。日本だけでなく世界の平和にも積極的に貢献する必要もあります。

 ただ、やみくもに防衛費を増やしたり、防衛装備を強化すればいいわけではありません。自国防衛の努力が軍拡競争を加速させ、逆に自国を危機にさらす「安全保障のジレンマ」に陥るからです

 ましてや外国領域に入って攻撃するような「敵基地攻撃能力の保有」を認めれば「戦争をしない平和国家の歩みは大きく毀損(きそん)されます

 プロイセンの軍事学者クラウゼビッツは、戦争とは政治の延長線上にあると指摘しました。軍事衝突は政治・外交の失敗ですから、武力に訴えず、外交で問題解決に努めることが「平和国家」のあるべき姿と考えます。 (と)
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●「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語

2020年08月30日 00時00分39秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]



ビデオニュースドットコムの記事【死は自分で選ぶことができるものなのか 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表) マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)】(http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/)。

 《安楽死(euthanasia)という言葉は欧米ではナチスを連想させる言葉とされ、本人にとっての「安楽」を意味するものとはされていない尊厳死(death with dignity)についても、医療費を抑制する必要性から入院期間が短縮され、有効でないとされる医療行為が行われなくなっている現状では、「医療措置の中止」という言い方のほうが適当ではないかと橳島氏は語る》。

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》
    「新自由主義イデオロギーと自己責任論。相模原事件からさへも、
     何も変わらないニッポン社会。2016年のリテラの記事
     【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も
     「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】…《容疑者の
     “弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して
     特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と
     「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳する
     などおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会には
     ある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に
     障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちに
     させられる事態》。…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,
     民主主義,議会主義,人道主義,国際平和否認」する深層心理は
     アベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。
     《「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちの
     グロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの
     日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中が
     ほかにも多数いる》。そしてまたしても石原慎太郎元「ト」知事の
     暴言ツイート《業病》。一方、舩後靖彦参院議員議員の貴重な
     メッセージ…《「死ぬ権利よりも生きる権利を守る社会に
     と訴えた。事件を安楽死の議論に結び付けるよりは、難病の人や高齢者が
     生きやすくする社会をどう構築するかを考える手掛かりとしたい》」

 橳島次郎氏の言葉「〝安楽〟な訳がない。死ぬんだから、殺すんだから。やる方もやられる方も〝安楽〟な訳がない」…〝尊厳死〟も死語。一方で、この件は、そもそも、「安楽死」の名を借りた殺人事件。《福生病院のマッドドクター》の件も含めて。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムのこの記事を見て、斎藤貴男さんの以前からの主張を思い出した。

   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の
     本質が、社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)
    《消費税がまた増税された。大義名分だった“社会保障の充実”など
     真っ赤な嘘。政府は今後も社会的弱者を片っ端から切り捨て、
     滅ぼしていく。では先々はどうか。私見だが、ごく近い将来、
     私たちは消費税のさらなる大増税か、安楽死の推進かの二択を迫られよう
    「《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。
     《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と
     巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、
     存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする」

   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》
   『●斎藤貴男さん《片や、アリの這い出る隙もない監視社会で、生産性と
     消費の虜としてのみ生かされる私たち。一方では道義心のかけらもなく…》
   『●《新型コロナウイルス禍の対応に尽力している政府は絶対の正義で、
     社会防衛の前には人一人の命ごとき取るに足らないとでも言いたげ…》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/非常時だからこそ問われる
     政権の正統性と為政者の人間性】」

   『●《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に
     「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》
    「【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/新型コロナ「トリアージの基準」
     を安倍政権に任せる危うさ】…。《統一的な“ルール”を政府は
     もちろん、救命の現場以外の権威に委ねることは危険だ。医師には
     酷な話だが、ただでさえ「尊厳死」の名のもとに、医療費削減を
     目的とする死なせる医療が正当化されつつある時代。非常時だから
     と容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として
     定着していくだろう》」

 以下は、以前のブログからのコピペ。
 《明らかに政府が無能》…《新型コロナ「トリアージの基準」を安倍政権に任せる》訳にはいかない。消費税増税に関しての斎藤貴男さんの以前の指摘…《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》、《その真意…。下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。
 《ただでさえ尊厳死」の名のもとに医療費削減を目的とする死なせる医療”が正当化されつつある時代》…以前も引用したが、「病床のダウンサイジング」。リテラの記事【安倍首相がコロナ医療危機を無視し「病院のベッド数削減」政策の維持を宣言! しかも削減するため予算644億円を投入】(https://lite-ra.com/2020/04/post-5401.html)によると、《そもそも安倍政権は、医療費削減を狙った「地域医療構想」を掲げ、その実現のためとして「病床のダウンサイジング」を打ち出した。これはその名の通り、入院ベッド数を減らすことで医療費を削減しようというものなのだが、さらに政府は昨年9月に「再編統合の議論が必要」だとする全国424の公立・公的病院を名指ししたリストを公表。名指しした病院がある都道府県に2020年9月までに統廃合の結論を出せと迫り、一方、統廃合や病床削減をおこなう病院には全額国費で補助金を出すとし、このために2020年度予算で84億円を計上。これらの施策により、2025年度までに全国の急性期病床を約20万床減らすという》。
 自公は、アタマ大丈夫か? 地域の医療の統合・効率化という名の「病床のダウンサイジング」、そこに税金。しかも、COVID19人災の今、それを議論する? 《そもそも医療資源をあえて貧しくしたのは政府》。《非常時だからと容認すれば、それはコロナ終息後も決定的な身分制度として定着していくだろう》という斎藤さんの予言。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
    《麻生氏の病人差別、社会的弱者に対する罵詈雑言は数限りない
     曽野綾子や長谷川豊、古市憲寿、落合陽一各氏らの同類も
     少なくないが、あろうことか権力者でさえある麻生氏は誰よりも
     罪深い。…福生病院のマッドドクターたちは、麻生氏に
     エンカレッジされ、あるいは尻を叩かれた思いで、殺人に手を染めた
     のではないのか。家柄だけの痴れ者を高い地位に就け続けておくから、
     こういうことが起こる。殺人を教唆してやまない政権など、
     一刻も早く解体しなければならない。当たり前だ

   『●(政界地獄耳)《麻生に一貫して流れているスピリッツは
       弱者をさげすみ、バカにする体質》…選んだ人々の責任
    《★「食いたいだけ食って飲みたいだけ飲んで糖尿病になって
     病院入っている奴の医療費を払っている」と日常的に言い続けている。》

   『●〈猛省と自重の決意の証…議員在職中において公私一切酒を
           口に致しません〉…飲酒で片づけられる暴言か?
    《というか、そもそも松井一郎代表じたいが、今年4月の
     大阪W選挙でネトウヨサイトのデマをリツイートして拡散する
     ような政治家だ。「透析患者は殺せ」の長谷川豊氏を
     2017年総選挙に続き今年の参院選と国政選挙に擁立している
     という“実績”も忘れてはならない》

 《この国の政府は信用に値しないからだ。彼らはつい最近まで、症状のある人の相談センターへのハードルを極端に高く設定していた。ようやく連絡が取れても検査もしてもらえず放置され、死に至ったケースが珍しくもない》。
 斎藤貴男さんの結論、《「国家」の構成要素のうち、統治機構の安泰しか頭にない人々に「安全保障」を、いわんや国民の命の選別を論ずる資格などない》。

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http://www.videonews.com/marugeki-talk/1011/


【【ダイジェスト】橳島次郎氏:死は自分で選ぶことができるものなのか】
 (https://youtu.be/S9k-5GxRows

2020年8月22日
死は自分で選ぶことができるものなのか
ゲスト 橳島次郎氏(生命倫理政策研究会共同代表)
番組名 マル激トーク・オン・ディマンド 第1011回(2020年8月22日)

 ALS(筋委縮性側索硬化症)で闘病中の京都の女性を「安楽死」させたとして、二人の医師が嘱託殺人容疑で7月23日に逮捕され、先週起訴された。

 本人から依頼されたとはいえ、主治医でもなかった二人の医師が、終末期ともいえない段階で女性を死に至らしめた行為が、医師として重大な倫理的問題を孕んでいることは言うまでもない。その意味では、この事件を端緒に安楽死や尊厳死の議論をすることは必ずしも適当ではないのかもしれない。

 しかし、とは言え、女性が死を望む気持ちに対して周囲がどのように対応していたのかや、女性と二人の医師との間でどのようなやりとりがあったかなどが、今後の裁判の過程で明らかになるにつれ、尊厳死や安楽死を巡る論争に火が付くことは避けられないだろう。ならばこの問題について基本的な論点は押さえておく必要がある。

 死を免れない病気や耐え難い苦痛のなかで、死を望む患者やその家族と医療現場との葛藤は、これまでもいくつも事件が起き、そのたびに安楽死や尊厳死のあり方が議論されてきた。海外でも同様の事件は繰り返し起きており、国によってさまざまな法整備が進められてきたが、日本ではまだ明確な基準やルールが確立されるまでには至っていない。

 生命倫理の立場から生と死の問題について研究を続け、海外の状況にも詳しい生命倫理政策研究会共同代表の橳島次郎氏は、「安楽死」や「尊厳死」といった言葉には使う人やその文脈によって特定の価値観や時代状況が潜り込みやすいので、現時点では安直に使わない方がいいのではないかと指摘する。

 安楽死(euthanasia)という言葉は欧米ではナチスを連想させる言葉とされ、本人にとっての「安楽」を意味するものとはされていない尊厳死(death with dignity)についても、医療費を抑制する必要性から入院期間が短縮され、有効でないとされる医療行為が行われなくなっている現状では、「医療措置の中止」という言い方のほうが適当ではないかと橳島氏は語る。

 安楽死が認められている国として知られるオランダでも、正式には「要請による生命の終結および自死の援助審査法」という法律によって、事前の審査や事後のチェック体制が細かく法律で定められており、一つ一つの事例が詳細に検討された上で実行されている。また「安楽死」を行うことができるのは長年患者とのつきあいがあるかかりつけ医のみで、それとて医師本人が拒否することができるようになっている。一方、医療措置の中止については、通常の医療行為の範囲内で認められており、特に法律は作られていない。そうした基準はいずれもこれまで様々な議論を経て、現在に至っているものだと橳島氏は言う。

 橳島氏はまた、生命の終結にいたる医療行為を、医療措置の中止または不開始という段階から、医師による致死薬の投与まできちんと区分けしたうえで議論することが重要だと指摘する。そして、法整備などという前に、まず医療措置中止について医学界の総意による容認と社会的合意を形成すべきだと語る。

 そもそも、死の自己決定とは何を指すのか。死を望むのは個人の自由かもしれないが、実際の死は自分一人のものではなく、家族や友人、医療者、ケアスタッフなど周囲の人々に大きく影響を与えるもので、そうした人々との関係性の中で考えられるべきものだ。尊厳死や安楽死といった言葉のイメージだけで安易な結論に逃げ込むのではなく、海外の事例も含めた現場の現実を直視した上で、真摯な議論を積み上げていくことが求められる。

 自ら望む死をどう考えたらよいのか。30年にわたって生命倫理の専門家として発言を続けてきた橳島氏と、社会学者の宮台真司、ジャーナリストの迫田朋子が議論した。


橳島次郎(ぬでしま じろう)
生命倫理政策研究会共同代表
1960年神奈川県生まれ。83年東京大学文学部卒業。88年東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。三菱化学生命科学研究所主任研究員などを経て2010年より現職。著書に『これからの死に方』、『先端医療と向き合う』など。(ぬでは木へんに勝)
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●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》

2020年08月26日 00時00分27秒 | Weblog

斎藤貴男著『決定版 消費税のカラクリ』(ちくま文庫) 筑摩書房↑]



リテラの記事【「安楽死」の名を借りてALS患者を殺害した元厚労省医系技官らのグロテスクな優生思想! 麻生財務相や古市憲寿も同類】(https://lite-ra.com/2020/07/post-5538.html)。
東京新聞の社説【ALS嘱託殺人 安楽死の事件ではない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/45271?rct=editorial)。
リテラの記事【ALS患者殺害の容疑者を石原慎太郎が差別丸出しで擁護! 松井市長ら維新も優生思想を批判せず“医療費削減の安楽死”推進に利用】(https://lite-ra.com/2020/07/post-5546.html)。
週刊朝日のコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/「業病ALS」に武士の美徳…石原慎太郎氏のセンスに呆れる】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276667)。

 《全身の筋肉が徐々に動かなくなっていく神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性に薬物を投与して殺害したとして、2人の医師、大久保愉一容疑者と山本直樹容疑者が京都府警に逮捕された。大久保容疑者は厚労省で医系技官を約7年半務めており、妻は2012年の総選挙で自民党から出馬し当選(比例復活)、衆院議員を1期務めた元“安倍チルドレン”議員だった。一体こんなエリート医師がなぜ?……。いや、問題はそれ以前だろう》。
 《筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人容疑で医師二人が逮捕された。過去の事例と比べ特異な要素が多く、安楽死議論との直結には無理がある》。
 《メディアではこの事件を当初「安楽死」などと報じているが、「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちのグロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中がほかにも多数いる。ネトウヨだけでなく、政治家や学者、メディア関係者までが平気で…そう危惧していたら、案の定、石原慎太郎が27日、ツイッターで容疑者たちをこう擁護した》。
 《この人、東北大震災の時も『天罰』っていってた。浅はかで愚かしいのは石原氏だろ。こんな人が長々と政治家でいられる国ってどういうの? 石原氏のこのTweetに『いいね』を押す人が、2万3千人(7月28日現在)もいるってさぁ~》。

 何を書けばいいのか…。新自由主義イデオロギーと自己責任論。相模原事件からさへも、何も変わらないニッポン社会。2016年のリテラの記事【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2449.html)、《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳するなどおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会にはある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちにさせられる事態》。…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,人道主義,国際平和否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。《「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちのグロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない。いまの日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中がほかにも多数いる》。
 そしてまたしても石原慎太郎元「ト」知事の暴言ツイート《業病》。一方、舩後靖彦参院議員議員の貴重なメッセージ。

   『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
         日本社会において決して特殊なものではない」
   『●阿部岳さん《私にも誰にも、きっと大小の刃が潜んでいる。植松被告
           という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか》
   『●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を
             押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?

 【斎藤貴男/この政権の企みは消費税のさらなる大増税か安楽死の推進か】?
 沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]筋肉が徐々に衰え、歩くことや呼吸ができなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/607275)によると、《2016年の米映画「ギフト 僕がきみに残せるもの」は発症した元アメフト選手のスティーブ・グリーソンさんと家族をありのままに映す▼病を公表し「白旗は揚げない」と決意》。

   『●痴れ者(しれもの)=「常軌を逸した愚か者」な
     ウルトラ差別主義者は未だに副総理・財務相…誰が支持?
   『●悍ましき《大増税か安楽死の推進か…「尊厳死」の議論の本質が、
            社会保障費の削減に他ならない》(斎藤貴男さん)

 「鏡」に映る姿に変化なし…。
 東京新聞の記事【「19人の命忘れない」障害者権利条約の理念を伝える絵本の英訳版を発行 やまゆり園事件4年】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/45297)によると、《障害者への差別禁止や社会参加を保障する「障害者権利条約」をテーマにした絵本の英訳版が、26日に全世界に向け発刊された。この日は2016年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害された日。絵本の作者は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、事件を考える企画が思うように進められない中、『忘れない』との気持ちを込めた」と話す。 (出口有紀)》。
 琉球新報【<社説>相模原殺傷4年 共生社会へ課題克服を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1164320.html)によると、《事件を通して命の価値を線引きする発想が社会に衝撃を与えた。障がいの有無によって分け隔てられることのない共生社会(インクルーシブ)の実現に向け私たち一人一人に重い課題を突き付けた。課題を克服するために、事件を過去のものとせず差別の芽を摘む不断の努力が求められる》。
 西日本新聞の社説【ALS嘱託殺人 生きる権利の議論が先だ】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/630750/)によると、/《16年7月に起きた相模原障害者施設殺傷事件で死刑が確定した被告は公判で「意思疎通できない方を安楽死させるべきだ」と主張した。安易に安楽死を容認することは、難病患者や重度身体障害者を排除する優生思想にもつながりかねない。一方で、終わりが見えない心身の苦痛を抱えて生きる人々は「自分は家族や社会の負担になっている」と考えてしまい、その追い詰められた気持ちが安楽死に向かう懸念は拭えない。まずはこうした人々の「生きる権利」を十分に支える医療・介護の拡充を議論すべきだ》。

 斎藤貴男さん《現実の動きも急だ。患者の“意向”だとして透析を中止し、死に至らしめて騒がれた公立福生病院(東京都)の院長…》。《尊厳死の議論の本質が、社会保障費の削減に他ならない》。《その真意下々の病人など皆殺しにしてしまえば、権力と巨大資本に守られた層だけは財政の不安に苛まれることもなく、存分に長寿を堪能できるという筋書き》。悍ましくて吐き気がする。
 マガジン9のコラム【雨宮処凛がゆく! 第528回:福生病院人工透析中止死亡事件の裁判、始まる。の巻】(https://maga9.jp/200729-1/)によると、《この言葉は、2018年8月、当時44歳の妻を亡くした男性のものである(公立福生病院透析中止死亡事件 第1回民事裁判報告の集い 資料集「原告メッセージ」より)。妻が亡くなったのは、公立福生病院。腎臓病だった妻は、その5年前ほどから人工透析をしていた。が、亡くなる一週間前の8月9日、シャント(針を入れる分路)が閉塞して透析できなくなったため、ふだん透析をしていた診療所に紹介されたのが福生病院だった》。

   『●〝腰ぬけ〟で結構、害悪老人よりは!!

 〝腰ぬけ〟小皇帝…何の進歩も無し。
 サイゾーの記事【「ALSは業病」で大炎上の石原慎太郎!「IQが低い」「ババア」「更年期」ほか、過去の暴言リスト】(https://www.cyzo.com/2020/07/post_248448_entry.html)によると、《「それ、本気で言ってるの?」──そう言いたくなるような発言が、東京の元・首長によって発せられ、物議を醸している。先週、多くの人に重い問いを投げかけたのが、難病のALSを…》。

 お維ときたら…。
 リテラの記事【“優生思想”政党・維新の馬場幹事長がれいわ舩後議員の「生きる権利」発言を「旗振り役が議論封じ」と否定! 松井市長もトンデモ論理を】(https://lite-ra.com/2020/07/post-5551.html)によると、《日本維新の会が、そのグロテスクな優生思想を全開にしている。先日、京都でALS患者の女性が元厚労省医系技官ら2名の医師によって殺害された事件。容疑者2名が優生思想の持ち主だったこともわかっており、当初「安楽死」などとも報じられていたが、この事件は、容疑者の優生思想に基づいた「命の選別」そのものだ。ところが、維新はこのような事件に乗じて「尊厳死の議論をしよう」などと前のめりになっているのだ》。

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https://lite-ra.com/2020/07/post-5538.html

「安楽死」の名を借りてALS患者を殺害した元厚労省医系技官らのグロテスクな優生思想! 麻生財務相や古市憲寿も同類
2020.07.24 07:33

     (大久保愉一容疑者(自身のブログより))

 全身の筋肉が徐々に動かなくなっていく神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した京都市の女性に薬物を投与して殺害したとして、2人の医師、大久保愉一容疑者と山本直樹容疑者が京都府警に逮捕された。

 大久保容疑者は厚労省で医系技官を約7年半務めており、妻は2012年の総選挙で自民党から出馬し当選(比例復活)、衆院議員を1期務めた元“安倍チルドレン”議員だった。一体こんなエリート医師がなぜ?……。いや、問題はそれ以前だろう。

 メディアではこの事件を「安楽死」と報じているが、そもそもこれは「安楽死」と呼べるようなものなのか。彼らは殺害したALSの女性とSNSで知り合った関係で、担当医師でもなんでもなかった。被害者本人の明確な意思表示に基づき他にとれる手段がなく安楽死に協力したのではなく、むしろ自分たちの殺人欲求が先にあり、安楽死をのぞむ人間を積極的に探していた可能性も考えられる

 しかも、2人は高齢者や障害者は死んだほうがいいと主張する典型的な優生思想の持ち主だった。

 それがよくわかるのが、2人が『扱いに困った高齢者を「枯らす」技術:誰も教えなかった、病院での枯らし方』なるとんでもないタイトルの電子書籍を共著で出版していたことだ。Amazonには同書のこんな紹介文が掲載されていた。

〈認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ。病室に普通にあるものを使えば、急変とか病気の自然経過に見せかけて患者を死なせることができてしまう。違和感のない病死を演出できれば警察の出る幕はないし、臨場した検視官ですら犯罪かどうかを見抜けないこともある。荼毘に付されれば完全犯罪だ。〉

 さらに、大久保容疑者のものとされる厚労省の英語の略称である「mhlw」をもじったアカウント名のツイッターにも、グロテスクな思想が露骨に表れていた。

 大久保容疑者のツイッターをめぐっては、「ドクター・キリコになりたい」と投稿していたことが話題になっているが、他のツイートを読むと、大久保容疑者が安楽死にこだわる理由が、患者を苦しみから解放するという目的ではないことがよくわかる。


ツイッターで老人を「ゾンビ」と表現し、財政のために切り捨てを主張していた大久保容疑者

〈つぶれそうな会社に税金突っ込んで延命を図ってもなんにもなってないわけでしょ。もう市場から消えたらいい会社もゴロゴロある。おんなじで、老人に公費つっこんでゾンビにして、事業者におもねて、吸血鬼よろしく国民から吸い取ってますます国を貧しくしてな〉(2019年12月22日)

〈議員定数を若干減らすよりも、尊厳死法とか安楽死法を通した方が財政は持ち直すと思うけど。〉(2016年2月21日)

〈医療って贅沢品だと思うんですよね。なんでも「国の責任ガー」って云ってたら国も落ち目で財政赤字でハイパーインフレ待ったなしなので、支払い能力に応じたサービスでしかたないのかなと。〉(2019年5月3日)

〈第XX回24時間テレビ「愛は財政を救う」 ①国に頼らない老々介護、②決して入所者を病院に連れて行かない特養、③高い抗がん剤を使う治療を拒否した90歳をジャニーズで再現ドラマ、④ヘイトスピーチと村八分で生活保護者ゼロを実現した村、⑤救急車有料化で保険料爆安の町ほか〉(2014年3月1日)

〈アベノミクスで、食えない老人への食事介助やら経腸栄養、高カロリー輸液などへの公費支出を止めてくれんかな。老人介護や医療費が減って消費税上げなくて済むかもよ。「最後は金目」なんで石原大臣よろしく。〉(2016年1月30日)

〈高度医療に当たる人よりも、適当なタイミングで死なせる医者が求められてるんだよ。自治体なんて後期高齢だの介護や障害福祉でまじカネないからね。〉(2019年9月26日)

〈納税者的には、老人に掛け金以上の年金をくれてやるのも費用対効果的にムダでしょうし、排泄物と汚れたリネンしか生産しない生き物は簿価1円でしょうし、まあ人権で味付けすればプライスレスなんで〉(2020年6月3日)

〈コロナで介護が滅んで老人の死屍累々になっても、別に驚かない。若い人の負担が減ればよいではないか〉(2020年4月2日)

〈老人が自粛せずに徘徊してて、てめえらが延命するために社会で犠牲をかぶってんだクソが。〉(2020年4月25日)

 ようするに、大久保容疑者は、高齢者や障害者、生活困窮者にかかる医療や福祉の費用は社会資源の無駄であり、日本国の財政を逼迫させるだけ、早く殺してしまったほうがいいと主張しているのだ。

 つまり、大久保容疑者らによるALSの女性殺害は、安楽死への協力などではなく、命を選別し、高齢者や障害者、病人は殺しても構わないという優生思想にもとづいたものであり、そのグロテスクさは相模原障害者殺傷事件の植松聖死刑囚と同レベルといっていいだろう。


大久保容疑者の優生思想は、麻生財務相、古市憲寿、長谷川豊らにも共通

 しかも、恐ろしいのは、いまの日本社会にはその犯罪者たちとそっくりな主張をしている連中がほかにも多数いることだ。ネトウヨだけでなく、政治家や学者、メディア関係者までが平気で「老人は安楽死させたほうがいい」「障害者を生かしておくのは無駄だ」「税金を使っているのを申し訳なく思え」などといった暴論を叫んでいる

 2013年には麻生太郎財務相が政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者の終末期の医療費について「死にたいと思っても生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」などと発言した。

 2016年には、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊が〈「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」〉と透析患者の殺害まで持ち出した

 

 2019年には、人気若手論客の古市憲寿落合陽一が文芸誌の対談で、高齢者の終末期医療は金の無駄、社会保障費削減のために即刻やめるべきだと主張し、猛烈な批判を浴びた。ちなみに、古市はこの終末期治療打ち切り論について〈財務省の友だちと、社会保障費について細かく検討した〉ときに教えられたと語っており、実際、財務省は過去にそのもととなるような「一年間にかかる終末期医療費=約9000億円」なる資料を公表したこともある。

 そういう意味では、今回の事件を起こした大久保容疑者が厚労省の医系技官だったというのも偶然ではない。実際に犯行に及ぶかどうかは別にして、「高齢者や障害者なんて殺してしまえ」というのは、この国の官僚と安倍政権の政治家たちの本音でもあるのだ。

 相模原事件が起きたとき、本サイトは事件が2000年代から始まった、弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする差別主義が合体した結果、起きたと評した。この厚労省元医系技官らによる「安楽死」の名を借りた殺人事件も、まさに同根と考えるべきだろう。

(編集部)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/45271?rct=editorial

社説
ALS嘱託殺人 安楽死の事件ではない
2020年7月28日 08時16分

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者の依頼で薬物を投与して殺害したとして嘱託殺人容疑で医師二人が逮捕された。過去の事例と比べ特異な要素が多く、安楽死議論との直結には無理がある。

 京都府警によると、ツイッターで殺害を依頼された医師二人は昨年十一月、自宅を訪ねて女性と初めて会い、薬物を投与し殺害に及んだという。主治医でもなく女性の診察経験もゼロ。「医師と患者」の関係はなかったことになる。

 女性からは、医師の口座に現金百三十万円が振り込まれていたとされる。事実ならこれは「殺人の報酬」ではないか。

 一九九五年、横浜地裁は医師による安楽死が許される要件として(1)耐え難い肉体的苦痛がある(2)死期が迫っている(3)苦痛緩和の方法を尽くし、他に手段がない(4)本人の意思表示がある−を示したが、今回のケースはこれらの要件を満たしているとは考えにくい。

 特異な点は他にも。医師のものとみられる「高齢者を『枯らす』技術」と題したブログや電子書籍の紹介欄には「一服盛るなり、注射一発してあげて、楽になってもらったらいいと思っています」「『今すぐ死んでほしい』といわれる老人を大掛かりな設備もなしに消せる方法がある」などと記されていた。容疑者の一人には医師免許不正取得の疑いもあるという。

 モラル以前の問題だろう。難病で苦しむ人や高齢者らを「生き続ける価値がない」と軽視する傾向さえうかがわれ、相模原市の知的障害者施設で入所者十九人が殺害された事件も想起させる。

 安楽死には大きく二種類ある。一つは、薬物投与で死期を早める「積極的安楽死」。日本では認められていない。過去には医師が殺人罪に問われ、有罪判決が確定した例がある。オランダなどでは容認されているが、同国では「法定のかかりつけ医が判断する」など厳しい条件がある。

 もう一つは、延命治療を中止する「消極的安楽死」。富山県などでは、人工呼吸器を外した医師が殺人容疑で書類送検されたが不起訴になっている。一方、ALS患者の長男の人工呼吸器を止めて死なせた母親に嘱託殺人罪での有罪判決が確定した例もある。

 今回、ALS患者の舩後(ふなご)靖彦参院議員は「『死ぬ権利』よりも『生きる権利』を守る社会に」と訴えた。事件を安楽死の議論に結び付けるよりは、難病の人や高齢者が生きやすくする社会をどう構築するかを考える手掛かりとしたい。
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https://lite-ra.com/2020/07/post-5546.html

ALS 患者殺害の容疑者を石原慎太郎が差別丸出しで擁護! 松井市長ら維新も優生思想を批判せず“医療費削減の安楽死”推進に利用
2020.07.28 08:35

     (松井一郎(大阪市長)Twitterより)

 元厚労省医系技官である大久保愉一容疑者と山本直樹容疑者の2名の医師が、ALS患者の女性に薬物を投与し殺害した事件。容疑者らは殺害した女性とSNSを通じて知り合っただけで担当医でもなく、さらにツイッターや電子書籍で「高齢者や障害者は死んだほうがいい」という主張を繰り返す典型的な優生思想の持ち主だった(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2020/07/post-5538.html)。

 メディアではこの事件を当初「安楽死」などと報じているが、「安楽死」や「尊厳死」と呼べるようなものではなく、容疑者たちのグロテスクな優生思想に基づいた命の選別にほかならない

 いまの日本社会にはこうした容疑者たちとそっくりな主張をしている連中がほかにも多数いる。ネトウヨだけでなく、政治家や学者、メディア関係者までが平気で「老人は安楽死させたほうがいい」「障害者を生かしておくのは無駄だ」「税金を使っているのを申し訳なく思え」などといった暴論を叫んでいる──。

 そう危惧していたら、案の定、石原慎太郎が27日、ツイッターで容疑者たちをこう擁護した。

〈業病のALSに侵され自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が薬を与え手助けした事で「殺害」容疑で起訴された。武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ。裁判の折り私は是非とも医師たちの弁護人として法廷に立ちたい。〉

 石原慎太郎といえば、都知事に就任したばかりの1999年9月に障害者施設を訪れ、「ああいう人ってのは人格があるのかね」「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」と発言したり、相模原障害者殺傷事件についも「この間の、障害者を十九人殺した相模原の事件。あれは僕、ある意味で分かるんですよ」と理解を示すなど(詳しくは既報参照→ https://lite-ra.com/2016/09/post-2583.html)、これまで日本社会に広がる“障害者排斥論”をさんざん煽ってきた

 今回も、ALSを前世の悪行の報いでかかる病気という意味で、ハンセン病差別などにも使われてきた「業病」と表現し、殺人を「介錯の美徳」などと持ち上げるなど差別性を全開したわけだ。

 しかし、今回の事件では、石原のような差別主義者の暴論よりもっと深刻な状況が起きている。それは、現役の政治家たちが今回の事件に乗じて、「尊厳死の議論をしよう」などと言い出していることだ

 ほかでもない、「維新」の連中である。はじまりは、日本維新の会代表である松井一郎・大阪市長が、24日正午すぎ、「ALS患者を安楽死か 医師逮捕」というこの事件の一報をリツイートしたうえで、こうツイートしたことだった。

〈維新の会国会議員のみなさんへ、非常に難しい問題ですが、尊厳死について真正面から受け止め国会で議論しましょう。〉(7月23日 午後0時50分)

 この時点では容疑者が優生思想の持ち主であることがわかっていなかったとはいえ、すでに「主治医ではなくSNSで知り合った」ことは報じられており、多くの人が疑問を抱いていた。詳細もわかってないのに、こんな事件に乗じて前のめりで「議論しましょう」というのはあまりに軽率だろう


■容疑者が優生思想ゆえの犯行だったことを知っても松井市長や維新議員は開き直り

 いや、松井市長にとっては、この容疑者たちが優生思想をもっていることを知っていても、同じだったのかもしれない。

 実際、容疑者の優生思想が発覚した後、批判を受けても、松井市長はツイートを訂正も撤回もしていない。それどころか、共産党の山本のりこ・大阪市議が〈今回の事件で殺害を犯した医師は優生思想を主張する人物で、そこに人間の命に対しての尊厳はありません。この事件を受けて尊厳死の議論を喚起するというのは優生思想、安楽死、尊厳死などの区別もついておらず、非常に危険であり首長の発言として問題だと思います〉と批判したことに対し、こう開き直ったのだ。

〈結局、共産党は難しい問題からは逃げる政党です。現実に難病患者の方が他人の手で命を絶ったのです。この様な悲惨な事案はこれまでもありましたが、国会でまともな議論がなされていません。政治家が難題課題を議論する当然の事です。〉

 維新のほかの国会議員たちも、同じような言動をしている。れいわ新選組の舩後靖彦参院議員がコロナ感染防止のため国会を欠席したことに対して歳費返納を要求したことで、障害者差別思想を露呈した音喜多駿参院議員がすぐに〈まさに避けて通れない問題です。まず議論を重ね、方向性と提言を出したいと存じます〉と松井市長に賛同。ネトウヨ・足立康史衆院議員は、松井市長の発言を批判した津田大介氏に対して、こうかみついた。

〈実際、今回の事件を契機に生きる権利/死ぬ権利、安楽死/尊厳死についての議論が活発になっています。私は良いことだと思いますよ。にもかかわらず津田さんは「今回の事件を機に」議論を深めようとする政治の取り組みを不適切不適格と断じる。津田さんのレッドラインを教えていただけると有難いです。〉

 いずれにしても、彼らの発言をみていると、今回の事件をとにかく安楽死正当化に利用したい気持ちだけがダダ漏れで、事件を生み出した優生思想そのものをまったく批判していない。

 あらためて説明しておくが、今回の事件は、ALS患者の生に寄り添い真剣に考えた上で止むに止まれず本人の意思を尊重したようなものではなく、優生思想の持ち主が「安楽死」の名を借りて殺人を犯しただけの可能性が高い

 「安楽死」「自己決定」の名のもとに、障害者や難病患者、高齢者が犠牲となってきた例は歴史上いくつもある。あのナチスが障害者を虐殺した「T4作戦」も、「安楽死」「自己決定」の名のもとに行われた。今回の事件はそうした危険な排外思想の延長線上にあるのだ。


■健常者の立場の「安楽死」の価値観を押し付け、障害者に延命を拒否させる維新の姿勢

 しかも、維新の連中が恐ろしいのは、ALS患者をはじめとする難病患者や障害者が置かれている状況への想像力をまったく欠いていることだ。

 自身もALS患者であるれいわ新選組の舩後議員が事件を受け、オフィシャルサイトにこう声明を出していた。

〈報道を受け、インターネット上などで、「自分だったら同じように考える」「安楽死を法的に認めて欲しい」「苦しみながら生かされるのは本当につらいと思う」というような反応が出ていますが、人工呼吸器をつけ、ALSという進行性難病とともに生きている当事者の立場から、強い懸念を抱いております。なぜなら、こうした考え方が、難病患者や重度障害者に「生きたい」と言いにくくさせ、当事者を生きづらくさせる社会的圧力を形成していくことを危惧するからです。〉
〈私も、ALSを宣告された当初は、出来ないことが段々と増えていき、全介助で生きるということがどうしても受け入れられず、「死にたい、死にたい」と2年もの間、思っていました。しかし、患者同士が支えあうピアサポートなどを通じ、自分の経験が他の患者さんたちの役に立つことを知りました。死に直面して自分の使命を知り、人工呼吸器をつけて生きることを決心したのです。その時、呼吸器装着を選ばなければ、今の私はなかったのです。〉
「死ぬ権利」よりも、「生きる権利」を守る社会にしていくことが、何よりも大切ですどんなに障害が重くても、重篤な病でも、自らの人生を生きたいと思える社会をつくることが、ALSの国会議員としての私の使命と確信しています。〉

 また、自身もALS患者である日本ALS協会副会長・近畿ブロック会長の増田英明氏も、患者の「死にたい」を鵜呑みにしないでとこう訴える。

「私たちの団体には、彼女のように生きることに迷う人たちがたくさんいます。そういう人を前にして苦悩する家族や支援者もいます。生きることよりもそうじゃない方が楽なのかもしれないと傾きそうになりながら、必死に生きています。彼女を死に追いやった医師を私は許せません。私たちが生きることや私たちが直面している問題や苦悩を、尊厳死や安楽死という形では解決できません生きてほしい、生きようと当たり前に言い合える社会が必要」(京都新聞24日付)

 舩後議員や増田副会長も語っているように、仮に患者が「死にたい」と口にしたからといって、「死にたい」というのが本当に患者の希望と言えるのかどうか、それが時間や環境の変化で変わらないものなのかどうか、簡単に判別できるものではない

 仮にその時点で「死にたい」というのが本心であったとしても、友人や家族に「死にたい」と相談されて、じゃあ死ぬ方法を一緒に考えよう・手伝おうなどという人はほとんどいないだろう。なぜ死にたいと感じているのか、その苦しみを取り除くにはどうすればいいか、考えるだろう

 だが、維新の連中には、そういう視点はまったくない。まさに健常者が想像上で考えているだけの「苦しみながら生かされるのは本当につらい」という価値観を押し付けて、障害者や高齢者に死を選ぶよう圧力をかけているのだ。


■「透析患者は殺せ」の長谷川豊を公認し、大阪万博にも「医療費削減」思想

 しかし、考えてみれば、維新がこんな事件に乗じて「尊厳死の議論を」などというのは、ある意味、当然なのかもしれない。

 維新は、橋下徹・元大阪市長の時代から財政健全化のための福祉切り捨てを推し進めてきたが、その底流には、人間を経済効率でしかみない、新自由主義的な弱肉強食思想がある。

 実際、2017年の衆院選では、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏を党の候補として公認。長谷川氏はその少し前に、〈「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」〉と透析患者の殺害まで口にし、批判を浴びていたが、維新はまったく問題にしなかったのである。

 それどころか、2017年当時、長谷川氏の擁立を決めたことについて、維新の幹部は「維新の政策と長谷川氏の主張は近い」(産経ニュースより)などと語っていた。ようするに、長谷川氏の「透析患者は殺せ」発言が、維新の思想と大差ないということだ。

 たとえば、維新が推進する大阪万博にもその思想はあらわれている。大阪万博では「いのち輝く未来社会のデザイン」をキャッチコピーに、当初「健康」や「長寿」をテーマとし、「健康寿命の延伸」を訴えていたが、大阪府の基本構想案では開催効果のひとつとして〈寿命の延伸による健康・長寿社会の実現、その結果として社会保障費の増加抑制〉をあげていた。また同万博について経産省が取りまとめた資料でも、健康寿命について〈我が国の医療費は、高齢者向けが約半分であり、入院関係が多くを占めている〉〈健康寿命が伸びれば、高齢者向け医療費が節約できる可能性〉などと書かれている。健康寿命が伸びることで、個々人がどのような豊かな生活を送ることができるかということではなく、医療費削減のことしか考えていないのだ。

 厚労省医系技官だった大久保容疑者は、ツイッターなどで、高齢者や障害者、生活困窮者にかかる医療や福祉の費用は社会資源の無駄であり、日本国の財政を逼迫させるだけ、早く殺してしまったほうがいいという主張を繰り返していた。


■コロナ禍で広がる「老人より若者の命を優先せよ」の命の選別論との合体

 本サイトは先日の記事で、大久保容疑者たちが語っていた高齢者排斥の優生思想は、この国の官僚と安倍政権の政治家たちの本音でもあると指摘したが、維新の政治家たちもまさに同じなのである。

 しかし、維新のこうした姿勢は批判されるどころか、今後、さらに勢いを増していくだろう。

 コロナ感染が拡大して以降、日本社会では、ICU病床や人工呼吸器、人工肺(ECMO)などの医療資源が限られた場合、高齢者より若者を優先すべき、高齢者は若者に譲るべきなどという意見が平気で語られるようになっているからだ。

 また、「高齢者しか死なない病気のために、若者の経済活動が制限されなくてはいけないのか」という意見も、ネットだけでなくワイドショーなどでもかなり普通に語られている。

 これらの議論について、災害現場などで行われる医療トリアージと同じようなものと勘違いしている向きも多いが、トリアージは、重症度や治癒の可能性に基づいて医療的に客観的に判断されるものであり、命の価値をはかるものではない。「高齢者より若者を優先すべき」などというのは、明らかに「命の選別」「優生思想」につながるものだ

 今回の非道な事件をきっかけに、「尊厳死の議論をしよう」などと発言している維新政治家が次に叫び始めるのはおそらく、この「若者の命を優先しろ」という「命の選別」政策だろう。こんなファシストたちをこれ以上のさばらしてはならない。

(編集部)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276667

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
「業病ALS」に武士の美徳…石原慎太郎氏のセンスに呆れる
2020/07/31 06:00

     (石原慎太郎氏のツイッターより)

「業病のALSに侵され自殺のための身動きも出来ぬ女性が尊厳死を願って相談した二人の医師が薬を与え手助けした事で『殺害』容疑で起訴された。武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ。」(石原慎太郎元都知事)

 これは石原元都知事の7月27日のTwitter。ALSを難病ではなく、業病だって。前世の報いで病になったってか。

 この人、東北大震災の時も『天罰』っていってた。浅はかで愚かしいのは石原氏だろ。こんな人が長々と政治家でいられる国ってどういうの? 石原氏のこのTweetに『いいね』を押す人が、2万3千人(7月28日現在)もいるってさぁ~。

 まず、石原氏がTweetしたのは、医師2名がALS筋萎縮性側索硬化症の女性の依頼で薬物を投与し殺害した嘱託殺人事件に関してだ。

 この医師たちは女性の担当医で、身近にいて女性の辛さに同情してしまった、とかではない。SNSでやり取りをしただけで、金で雇われ、殺しをしたのだ。報道によれば、彼らが信じる歪んだ正義とやらをSNSなどで発信し、一定の賛同を得られることに酔ってたという。それが石原風にいえば、『武士の美徳』になるわけだ。

 あ、いるいる、そういう人。人の命は重いというのは綺麗事、俺は現実的だ、といってマウント取りたがる社会の秩序を乱す人(綺麗事がなきゃ社会は成り立たないでしょう?)。そういう人間が前出の石原氏の発言に『いいね』をし、殺人者の背中を押したわけである。恐ろしい。

 石原氏はTwitterでこうつづける。

『裁判の折り私は是非とも医師たちの弁護人として法廷に立ちたい。』

 はあ? あなた3年前、豊洲市場の移転問題で証人喚問され、ヨボヨボで登場し、

「平仮名さえ忘れました」

苦しい言い訳をし、逃げたんだけどな。こんな人を応援する人の気が知れない
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●死刑で何か解決しますか? なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる必要が? 「鏡」に映る姿を見なくていいの?

2020年04月05日 00時00分11秒 | Weblog


日刊ゲンダイのコラム【中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議/生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827)。

 《これはヒトラー優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ》。

   『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
           日本社会において決して特殊なものではない」
   『●阿部岳さん《私にも誰にも、きっと大小の刃が潜んでいる。
      植松被告という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか》
    《人ごとでない記者の省察は、自らの内面にも及ぶ。長男に障がいが
     なければ、と願ったのは差別の表れだったと告白する ▼事件自体も
     特殊な例ではないと言う。植松被告自身、役に立つかどうかで人の
     価値を判断する社会の病弊に縛られていた》
    「…こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,
     人道主義,国際平和を否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や
     癒着党の議員に共通するもの。沖縄イジメが典型で、
     「本土」マスコミもそれに悪乗りする始末」

 《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。

 横浜地裁で、死刑判決が出ました。被告は控訴せず、死刑判決が確定しました。[1]~[3]の三つの感想を持ちました。

 [1] 死刑で何か解決しますか? 死刑にしてしまえば「お終い」でいいのでしょうか?
 東京新聞の記事【相模原殺傷、植松被告に死刑判決 責任能力認定、横浜地裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020031601001352.html)によると、《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人が殺害され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は16日、「19人もの人命が奪われ、ほかの事件と比較できないほど結果は甚大」として、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(30)に求刑通り死刑判決を言い渡した》。

   『●なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチ」を押させる
      必要があるのか、さっぱり理解不能…国は一体何を意図?

 [2] コラムで述べられていない点ですが、なぜ〝素人〟裁判官に「死刑のスイッチを押させる必要があるのでしょうか?
 《相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」…事件の裁判員裁判で、横浜地裁(青沼潔裁判長)は…求刑通り死刑判決を言い渡した》。

 [3] 《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない》…「鏡」に映る姿を見なくていいのでしょうか?
 リテラの記事【相模原障害者殺傷事件で死刑判決──植松被告の思想と、安倍自民党の障害者切り捨て・差別排外主義との関係を改めて問う】(https://lite-ra.com/2020/03/post-5314.html)によると、《本日横浜地裁で、死刑判決が言い渡された。本サイトでは事件当時から度々指摘してきたように、この事件は障害者差別に基づいたヘイトクライムだ。裁判では、この事件の本質である植松被告の差別思想がいかにして生まれたかなど、十分解明されたとは言えない》

   『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に
   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
        「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題

   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                 「信奉」される議員が取り巻くアベ様

   『●アベ様に白紙委任を勘違いさせてはいけない:
      「A君が毎日、一人で掃除当番をする」という案が過半数に…
   『●差別主義者を東京「ト」知事にできる、
       そんなニッポンの社会そのものが歪んでいる
   『●「あとの祭り」: 「自民党きっての極右議員」「極右思想」大臣
                     …こんな防衛相が誕生しちゃいました
   『●朝鮮人虐殺…黒澤明監督「何をかくそう、その変な記号
        というのは、私が書いた落書きだったからである」
   『●3人がそろいもそろって「外交音痴も甚だしい」、
       「3人の発言で日本外交の程度の低さが際立った」
   『●《極右のタニマチ》達の悍ましさ…アノ「安晋会」副会長・
          アパホテル元谷外志雄代表とアベ様の深~い関係
   『●《安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか》
          …《政府が仕掛けた日韓問題は日本の文化に影響》…
   『●《トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の
                 憎悪感情を助長させてはいないか》?

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/270827

中村敦夫 怒りん坊の閻魔堂会議
生産性が殺人の動機?こうした考えの終着駅は戦争しかない
2020/03/24 06:00

     (津久井やまゆり園(C)日刊ゲンダイ)

 障害という字は使いたくないのだが、代わりとなる簡潔な用語が見つからないので、失礼つかまつる。

 重度障害者19人を殺した犯人に、死刑が宣告された。罪の報いと言って済めば簡単だが、問題は根深いこれで一件落着と思う人は少ないのではないか。何か割り切れないモヤモヤが残る。閻魔堂会議では、この殺人に関するさまざまなテーマが議論された。

 その中のひとつは、殺人の動機である。

 犯人の主張では、「生産性のない命には価値がない」そうじゃ。

 これはヒトラー優生学の思想であり、ユダヤ人ばかりでなく、障害者の大量虐殺へとエスカレートした根拠になった。おぞましい考えじゃが、これが実際に思想として力を持ち、民を、軍を、政治家を動かし、世界を悲惨な状況に追い込んだ

 こんな見方もある。経済成長を神と仰ぎ、経常利益だけに一喜一憂してる経営者たちの中には、腹の中じゃこう思ってる人も少なくないのじゃなかろうか

「障害者なんか死んじまえ。会社が傾いたら、社員も労働者も切っちまえ!」

 かつて都知事時代の石原慎太郎は、「この人たちに人格はあるのかと言って物議をかもした。とすれば、これは必ずしも少数派の意見ではなく、この犯人やヒトラーの主張とどこかでつながっているのではなかろうか? こうした考え方の終着駅は、「戦争に辿り着く短期間で最大の生産性を生み出すからである

 チャプリンは、「殺人狂時代」という映画の中で、「1人殺せば殺人者だが、100万人殺せば英雄だ」と戦争を皮肉った。この表現は、戦争ビジネスで太り続けていたアメリカを怒らせ、国外追放となった。本当のことを言う表現者が弾圧されるのは、いつの世にも共通するようだの。

 それはともかく、今回の機械的な死刑判決司法の判断能力の貧しさを露呈しただけじゃった。その点では、結局わけが分からぬまま終局したオウム真理教裁判同じである。

 何としても、「生産性のない命には価値がない」という根拠を引き出し、その非人道性を裁くべきだった。そうではないと、この言葉が思想として生き続け、犯人を英雄化するバカが、続々と登場する危険性がある

(筆者は2016年に出家得度)
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●阿部岳さん《私にも誰にも、きっと大小の刃が潜んでいる。植松被告という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか》

2020年01月25日 00時00分07秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]植松被告という鏡】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/521072)。

 《人ごとでない記者の省察は、自らの内面にも及ぶ。長男に障がいがなければ、と願ったのは差別の表れだったと告白する ▼事件自体も特殊な例ではないと言う。植松被告自身、役に立つかどうかで人の価値を判断する社会の病弊に縛られていた》。

   『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の
         日本社会において決して特殊なものではない」

 2016年のリテラの記事【障がい者抹殺思想は相模原事件の容疑者だけじゃない! 石原慎太郎も「安楽死」発言、ネットでは「障がい者不要論」が跋扈】(http://lite-ra.com/2016/07/post-2449.html)、《容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は現在の日本社会において決して特殊なものではない。…教育行政にかかわる人物が公然と「金のかかる障がい児は産むべきではない」という見解を開陳するなどおぞましいが、それを容認してしまう空気がいまの日本社会にはある石原慎太郎は、都知事に就任したばかりの1999年9月に障がい者施設を訪れ、こんな発言をした。…絶望的な気持ちにさせられる事態》。
 …こういった「世界観」や「個人・民族間の平等,民主主義,議会主義,人道主義,国際平和を否認」する深層心理はアベ様ら多くの自公議員や癒着党の議員に共通するもの。沖縄イジメが典型で、「本土」マスコミもそれに悪乗りする始末。

   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて
           盗んだ」…アベ様のニッポン、病んでいないか?
   『●「取締役レベルで決定した確信犯的」ヘイト企画・
     「差別ビジネス」のツケ…これで幕引きでいいのですか?
   『●デマ言説やデマ本、ヘイト企画、「差別ビジネス」が幅を
          利かすニッポンの出版や報道の世界でいいのか?
   『●山口敬之氏事件…《逮捕寸前までいった事件が、このように
       “ブラックボックス”のなかに押し込められてしまった》
   『●「自衛隊派遣によって治安はかえって悪化する」と言明している
            中村哲さんの言葉をアベ様らは理解しているのか?
   『●仲井真弘多元知事の云う《えたいの知れない集団》って? 
     《中国マネーに群がった…沖縄の保守系議員たち》のことですか?
   『●【<金口木舌>島人のこころ】《沖縄出身の脚本家、
     上原正三さん…沖縄に対する日本本土の差別、無理解が創作活動の原点に》
   『●《民主主義などの「価値観」を共有する国々の仲間だと
     胸を張れるのか。このまま、うやむやにしていい話ではない》
   『●麻生太郎氏…《誰も誤解など生じていない。間違っているのに
      誤解と言い張っているだけで謝罪にも訂正にもなっていない》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/521072

[大弦小弦]植松被告という鏡
2020年1月13日 09:53

 拘置所の面会室で、植松聖被告は淡々と告げた。「息子さんは2歳のころ、安楽死させるべきでした」。福岡市の放送局、RKB毎日放送の神戸金史(かんべかねぶみ)記者(53)は長男が自閉症だと伝えた上で面会と取材を重ねていた

相模原市の知的障がい者施設を襲い、入所者ら45人を殺傷した罪に問われる植松被告。長男へのむきだしの敵意に、神戸記者は「心の中をやすりで削られているような気がした」と語る

▼それでも向き合い続けた取材はテレビドキュメンタリー「イントレランスの時代」になり、昨年12月に北部九州で放送された。人ごとでない記者の省察は、自らの内面にも及ぶ。長男に障がいがなければ、と願ったのは差別の表れだったと告白する

▼事件自体も特殊な例ではないと言う。植松被告自身、役に立つかどうかで人の価値を判断する社会の病弊に縛られていた。神戸記者に自分を「存在価値がない」と言い、事件で「少しは役に立つ人間になった」と屈折した心情を明かした

▼差別の刃(やいば)は心の外に出すと人をあやめる。関東大震災の朝鮮人虐殺沖縄戦住民虐殺が教える。一方、心の中にしまっても自らを傷つける

▼私にも誰にも、きっと 植松被告という鏡に映っているのは今の日本社会の姿ではないか。始まった公判は誰にとっても人ごとではない。(阿部岳
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●アベ様の「積極的平和主義」とガルトゥング博士の「積極的平和主義」と中村哲さんが実践してきた「平和主義」と

2019年12月30日 00時00分31秒 | Weblog


日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/中村哲さんが貫いた「支援」とは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912110000098.html)。

 《中村哲は、07年に東洋経済に「殺しながら助ける支援というものがありうるのか干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な『安全保障』になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、戦後日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった」と寄稿…政府には人道支援についても中村の遺志を継ぐ積極的評価をしてもらいたい》。

   『●NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…《平和憲法の
          もとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》
    「NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…
     《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》。
     《「治安を良くするのは武力ではない」という先生の志を、
     絶やしてはいけない》」

   『●《現地の慣習や風土、文化を尊重…平和主義を貫いた医師の理念》
       《治安が悪化しても人々を見捨てず、見下すこともなかった》
    《「すべて剣をとるものは剣にて滅ぶ」。伊江島の土地闘争のリーダー、
     故・阿波根昌鴻さんが反戦平和資料館ヌチドゥタカラの家の前に
     掲げた言葉だ…▼阿波根さんの生き方は、非政府組織(NGO)
     「ペシャワール会」代表の中村哲さんに重なる。
     「非暴力による平和の貢献として沖縄県民が認めてくれた
     「暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、
     人類史上の鉄則である」》

 《暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、人類史上の鉄則である》《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》《治安を良くするのは武力ではない》。日本は、平和主義を貫くべきだ。ガルトゥング博士の「積極的平和主義」に徹するべきだ。人の親として、子や孫をそんなに人殺しに行かせたいものか?

   『●アベ様がコピー(?)した「積極的平和主義」は、
            ある平和学者の原義を跡形も無く破壊
    《この言葉を提唱したノルウェーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング博士
     
(84)が定義する意味とは異なる。博士は19日に来日し、
     「本当の平和とは何か」を語りかける。ガルトゥング博士は1969年の
     論文で、戦争のない状態を「消極的平和」としたのに対して、
     貧困や差別といった構造的な暴力のない状態を積極的平和主義
     定義した……「私は、日本がこう主張するのを夢見てやまない。
     『欠点もあるが憲法9条を守っていく』『憲法9条が当たり前の世の中に
     しよう』『軍隊は持たず、外国の攻撃に備えることもない
     『そして核兵器は持たない』と」》

   『●ガルトゥングさん「両国政府は恥を知るべきである」…
       沖縄に対して「恥ずかしくない対応」などする気なし
   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    《土人とは、土着の人を指す言葉で、軽蔑や侮辱の意味を含んで使われる。
     かつてアイヌの人々に対しても使われたことがある。官憲が沖縄に
     住む人を土人と呼んだことは先例に従えば、琉球民族が日本人とは違う
     歴史を持つ先住民族であると公に認めたことになる

   『●(政界地獄耳)《一方、日本では一体何が起きているか。
       官製嫌韓ヘイトをメディアがあおっているお粗末さだ》
    「日本の唯一の看板だった「平和主義」も、アベ様のおかげで、
     風前の灯火だ。平和憲法を捨て去ろうとしている愚かさ。
     ガルトゥングさんの唱える「積極的平和主義」を理解できない
     アベ様…というよりも、その言葉を悪用」

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912110000098.html

コラム
政界地獄耳
2019年12月11日8時18分
中村哲さんが貫いた「支援」とは

積極的平和主義という言葉が政治の世界で使われたのは15年8月14日、首相・安倍晋三が出した「終戦70周年談話」でだが、その前の民主党の首相・野田佳彦の下に開かれた国家戦略室フロンティア分科会の報告書には「能動的な平和主義」という言葉が使われている。13年に安倍政権の下、国家安全保障会議NSC)が設置され、国家安全保障戦略第11章1項には「我が国の平和と安全は我が国一国では確保できず、国際社会もまた、我が国がその国力にふさわしい形で、国際社会の平和と安定のため一層積極的な役割を果たすことを期待している」と記される。

★それは「日本が軍事的活動を行わない事が国際平和に寄与する」とした考えを「消極的平和主義」と認定し戦後の平和主義は受け身であり、能動的に平和への関与をすべきという世界の要請に応えるものと定義づけられているが、それがすべて正しいとは言い難い。この考えに沿えば人道支援も結構だが、軍事的関与の方がより平和的だという理屈になる本当にそうだろうか

★4日、アフガニスタン東部で銃撃され死亡した非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲は、07年に東洋経済に「『殺しながら助ける支援というものがありうるのか干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な『安全保障』になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、戦後日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった」と寄稿している。

★8日午後、成田空港に到着した中村の亡きがらは外務副大臣・鈴木馨祐が迎えた。9日午後、衆院本会議場では同議長・大島理森が「犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に衷心より哀悼の意を表する」と述べ中村ら犠牲者に黙とうをささげた。政府には人道支援についても中村の遺志を継ぐ積極的評価をしてもらいたい。(K)※敬称略
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●「敗戦後」も戦争は続き、「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」

2017年08月24日 00時00分18秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】沖縄は「捨て石」か】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017080202000162.html)と、
マガジン9の記事【風塵だより 鈴木耕/沖縄熱風篇:大田さんへ、花を捧げに……】(http://maga9.jp/fujin170802/)。

 《「沖縄が『捨て石』なのは今も同じ」と嘆く大田 さんに当時、最も恐ろしく感じることは何かと尋ねてみたら、こんな答えだった。「新聞の論調が戦前と同じように、権力に迎合する風潮が強まっていることですね」 (桐山桂一)》。
 《26日の「大田昌秀沖縄県知事県民葬」に参列したいと思ったからだ…安倍首相…は「沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします」などと読み上げたが…。ぼくの隣席の男性は「どの口が言うと不愉快そうにつぶやいていたし、安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が》。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
      響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」


 「敗戦後」も戦争は続き、《唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった》。《捨て石》状態も《新聞の論調》も今も変わらず。基地負担も、高江・辺野古をはじめとした沖縄破壊も、日米地位協定も、差別発言も、ヘイト番組も…「本土」の感覚は何も変わっていない。
 《戦争屋のアベ様》から、《沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします》という弔辞…まさに《どの口が言う》だ。《安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が「大田先生の遺言は基地を造らせてはダメ、沖縄がまた戦場になってしまう。基地はやめてください、お願いします」と声を上げた》が、当然、アベ様やあの木原稔氏のココロに響くことは無い。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017080202000162.html

【私説・論説室から】
沖縄は「捨て石」か
2017年8月2日

 七月二十六日に沖縄県民葬が営まれた元県知事の故大田昌秀さんに二度、インタビューしたことがある。

 一度目は一九九五年の米兵による少女暴行事件のときだ。二度目は戦後六十年の二〇〇五年で、戦中の記憶を語ってもらった。そこで教えてもらった歴史がある。

 一九四五年八月十五日。つまり終戦の日。平和が戻った日であると思い込んでいたが、沖縄師範学校の学生で「鉄血勤皇師範隊」に組み入れられていた大田さんらには平和など訪れては来なかったそうだ。

 その日、米軍の軍艦から花火が打ち上げられるのを見ただけである。「終戦」どころか、米軍の掃討戦は十月すぎまで続いたという宮古島や奄美諸島にいた陸海軍の将官が確かに、米軍の司令官との間で九月七日に降伏文書に署名している。

 それでも戦闘があったというのだ。大田さんも至近弾を受けた。南部の摩文仁の丘から出たのは十月二十三日である。唯一の地上戦があった沖縄はいわば捨て石同然だった占領下から現在も米軍基地は残る

 「沖縄が『捨て石』なのは今も同じ」と嘆く大田さんに当時、最も恐ろしく感じることは何かと尋ねてみたら、こんな答えだった。

 「新聞の論調が戦前と同じように、権力に迎合する風潮が強まっていることですね」 (桐山桂一
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http://maga9.jp/fujin170802/

風塵だより 鈴木耕
沖縄熱風篇:大田さんへ、花を捧げに……
By 鈴木耕 2017年8月2日

 7月23日~27日、ぼくは沖縄へ行ってきた。26日の「大田昌秀元沖縄県知事県民葬」に参列したいと思ったからだ。
 前にこのコラムの番外篇で書いたように、ぼくは大田さんにはずいぶんお世話になった。新書『沖縄、基地なき島への道標』(集英社新書=これはいま読んでもとても示唆に富んだ名著だと思う)の編集担当としてからだから、もう18年ほどのおつき合いになる。大田さんの事務所を訪れ、さまざまなお話を伺うことが、ぼくの沖縄行の目的のひとつだった。その大田さんはもういない。せめて献花だけはしてきたい。それが今回の旅の主目的だった。


レンタカーが「大渋滞」

 23日、那覇空港へは午後2時ごろ到着。だが、困った。なんと、レンタカー営業所が凄まじい混雑。待合室に、ぼくがざっと数えただけで200名近くの人が待っている。これじゃあ、いつぼくの番が回ってくるか? 恐れていた通り、やっと車を借りられたのは、ほぼ2時間後だった。
 その夜は、沖縄タイムス政経部長・宮城栄作さんとお会いする約束をしていた。宮城さんは、美しい奥さまとご一緒に現れた。そして、地元の人しか知らないようなちょっとディープな“沖縄風中華料理店”へ連れて行ってもらった。初日から、出だしはラッキー。でも、レンタカーの話をすると、宮城さんも「あれは沖縄でも問題になってるんです。せっかくの休暇が、最初の1日がほとんど使えなくなってしまうんですからねえ。観光にも打撃ですよ」と、現地ジャーナリストらしい感想。
 それはそれとして、美味しい一夜。奥さまが、また酒豪。「東京生まれなのだけれど、たった数カ月ですっかり沖縄に同化しちゃいました」と笑う。楽しい夜でした…。


大田さんの足跡をたどって…

 24日、朝早くから起き出したぼくは、まず、大田さんの足跡を訪ねることにした。
 最初に、大田さんが開設した「沖縄国際平和研究所」へ。ここは何度も訪れている。しかしこの日は、間近に迫った「県民葬」のことで、スタッフのみなさんも忙しそうだったのでお邪魔するのは遠慮して、研究所の前でしばらく感慨にふけってから退去。
 車は南下、本島最南端の摩文仁の丘へ。ここには、大田さんが心血を注いだ「平和の礎(いしじ)」がある。沖縄戦で死んだ人たちは、軍人、民間人の区別も、国籍の違いも、老若男女の別なく、すべてひとりの人間として同等に扱う、という世界でも例をみない慰霊の碑。それは延々と沖縄の夏空の下に続いていた。ぼくは、一つひとつの碑に頭を垂れながら歩いた。
 ふと気がつくと、なんと「秋田県」の碑もあった。ぼくの故郷。遥か南の彼方まで連れてこられて若い命を失った同郷人が、こんなにもたくさんいたんだ…と思うと、突然、目の奥が熱くなった。
 誰がきみを殺したのか、きみは誰のために死んだのか
 今のぼくよりは絶対に若かったはずの青年たちが、ここに祀られている。名もなき兵士が、ここでようやく名を回復してもらったのだ。
 ぼくは戦争を憎む戦争を起こした者や、これから起こそうとする者を憎む

     (摩文仁の丘からの眺め)
     (公園にある平和祈念堂)
     (「平和の礎」の秋田県人たち…)


戦争の過去と基地問題の現在

 戦跡を辿ろうと思った。
 引き返して、嘉数高台公園へ向かった。ここも何度か来た場所だ。激戦地。それを示す弾痕が、今も生々しく残っているし、日本兵が立て籠って絶望的な抵抗をしたとされるトーチカも、真夏の陽射しの下で焼け焦げたような姿をさらしている。
 この丘の上に展望台がある。それを上れば、あの普天間飛行場が一望のもとだ。政治家どもが沖縄へ来ると、必ずと言っていいほどここを訪れ「ほんとうに市街地のど真ん中、危険な基地ですねえ。何とか早く移転させなければ」などと、いい加減な感想を記者団に述べる、お決まりの場所だ。そんな感想が実現したためしは、ない。
 汗が目に入るほどの暑さ。公園のすぐ下に沖縄そば店があった。そばよりも、涼しさを求めてその店へ。汗が引いた体に、沖縄そばが美味だった。
 それからまた走る。
 次は、過去から現実へ。昨年、女性が暴行されて殺され、そして遺棄された現場へ。国道58号線を北上し、ゴルフ場へ曲がる交差点をうるま市石川のほうへ右折して間もなく。そこは、「えっ、こんな場所?」と驚くほど、2車線のりっぱな道路のすぐ脇だ。ぼくは買っておいた花を供えた。今もたくさんの花が供えられていて、小さな献花台もあった。数十万人もが死んだ戦争のあとの米軍基地問題は、現実としてここになお存在している…。

     (日本兵が立て籠ったトーチカ。せみしぐれが降っていた)
     (嘉数高台公園から普天間基地を見下ろす)


辺野古の浜で見たものは…

 25日。この日は、辺野古の浜で、大規模な「海上座り込み集会」があると聞いていた。「海上座り込み」って面白い言い方だが、多数のカヌーを出して、海上で基地反対を訴えるというものだ。そういえば、三上智恵監督に『海にすわる~辺野古600日間の闘い~』というドキュメンタリー作品があったことを思い出す。
 辺野古までは、那覇から1時間半ほどかかる。高速の沖縄道を宜野座で降りて329号線を北上。沖縄工業高専の架橋の下をくぐれば、間もなくキャンプシュワブのゲート前。まずそこへ。数十名の人たちが、酷暑の中、テントに座っていたが、聞いてみると多くの人たちは辺野古の浜辺へ降りて行っているとのこと。ぼくも浜辺へ。
 でも、残念ながら「今日の行動は午前中で終了しました。実は、午後も続ける予定でしたが、海上に落雷注意報が発令されたので、中止せざるを得なくなりました」と、カヌーのそばの女性が教えてくれた。

 浜場に、黒い連凧が舞っていた。頑丈なフェンスの向こう側を、若い米兵が2名、しきりにこちらを伺いなら行ったり来たりしている。そうとう気にしているようだ。

 午後1時から、浜での集会が始まった。次第に人が増え、最終的には250名ほどか。午前中に「海上座り込み」に参加したカヌーは71隻、抗議船は8隻で、計150名ほどが参加したという報告。

 

     (たくさんのカヌーが並んでいた)
     (辺野古の浜辺のフェンスには、たくさんのアピールが…)

 集会で、沖縄タイムスの阿部岳記者や、元自衛官で反戦活動をしている井筒高雄さんなどに会った。上空をドローンが飛んでいた。
 実はこの日、現場で山城博治さんにお会いできるかと思っていたのだが、ホテルを出がけに山城さんから「事情があって、この日は集会には参加できなくなりました。お会いしたかったのですが、すみません。また東京でお会いしましょう」と、とても丁寧な電話。この誠実さが人を引き付ける魅力のひとつなんだなあ。
 帰りがけ、浜辺のテントに立ち寄り、ささやかなカンパを出したら、きれいな絵ハガキをお礼に…って。

     (浜辺での集会)
     (黒い連凧が上がって)

 その後、時間があったので、ぼくはもっと北上。そこからまだ数十キロもある東村高江へ向かった。例の、米軍ヘリパッドが強行工事されたところだ。メインゲート前まで来たけれど、誰もいなかった。時間も時間だし、仕方ない。ここでぼくはようやくUターン。
 この夜は、三上智恵さん(最近作『標的の島 風かたか』は傑作です!)と食事する約束をしていたのだ。遅れちゃいけない。
 場所は、北谷(ちゃたん)。米軍基地が返還されて、今や若者の街としてすっかり観光地に変身した地区だ。でも、ぼくは若くない。静かなところにしましょうね、というわけで、三上さんお薦めの港が見える店へ。
 三上さんは、琉球新報報道局長の普久原均さんを紹介してくれた。3時間ほど、ビールとワイン(ぼくはワインは飲まないのでビールだけ)と、美味しい料理で歓談。沖縄の状況と本土の関心の温度差、沖縄のメディア状況、そして安倍政権の沖縄対策、沖縄側の反応…。いくら話しても、話は尽きなかった。
 それにしても、タイムスの宮城さんといい、新報の普久原さんといい、まさに本物のジャーナリスト本土の記者たちとは、どこが違うのだろう? ぼくは沖縄へ来るたびに、そう考え込んでしまうのだ。


大田さんの「県民葬」へ

 26日は、朝から異様な雰囲気だった。ぼくは道路事情がよく把握できないから、徒歩で「県民葬」会場のコンベンションセンターに行けるよう、会場近くのホテルに宿泊していた。ハイシーズンなので、かなり値段は高かったけれど、大田さんのためだもの、と言い訳して予約したホテルだった。
 朝からすごい数の私服警官(私服だが腕に「沖縄県警」の腕章をしていた)が、ホテルの中を見回っていた。最初は「県民葬に、なんでこんな警戒を?」と不思議に思ったのだが、安倍首相が参列することを思い出して、納得した。安倍首相が沖縄でどう思われているか、それを考えれば、警察としてナーバスになるのも理解できる。何が起こるか分からないというわけだ。まあ、もっとあけっぴろげに言ってしまえば、それだけ安倍首相が沖縄では嫌われている、という証拠でもある。
 式は午後2時から。ぼくは徒歩で会場へ、1時前には着いた。会場周辺も、ちょっと驚くくらいの警備体制。
 大田さんの長年の秘書を務めた桑高英彦さんとも、ぼくはずいぶん長いおつき合い。それもあって、ぼくは「招待者」の書状をもらっていたから、あまり待たずにすんなりと会場に入ることができた。
 大きな祭壇に、大田さんの少し笑みを浮かべた遺影がさびしい。

     (大田さんの優しいお顔が…)
     (ぼくがいただいた「招待者への案内状」)

 2時ギリギリに安倍首相が入場。そして、開会の辞の次に安倍首相が弔辞。彼は「沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします」などと読み上げたが、会場からの拍手はまばら。ぼくの隣席の男性は「どの口が言うと不愉快そうにつぶやいていたし、安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が「大田先生の遺言は基地を造らせてはダメ、沖縄がまた戦場になってしまう。基地はやめてください、お願いします」と声を上げたが、首相はもちろん、そちらを見ようともせずに足早に壇上から降りた。
 逆に、大田さんの友人代表としての比嘉幹郎さんが「大田さんの遺志を尊重し、今後とも県民に対するいかなる差別や犠牲への強要にも反対する」と述べたときには、安倍氏への拍手の数倍の共感の拍手が巻き起こった。それが沖縄の意志であろうと、ぼくは聞きながら思っていた……。
 安倍首相は、列席者の弔辞が済むと、そそくさと式場を後にした。そのすぐ後に「大田さんを偲ぶVTR」がスクリーンに流された。それは、大田さんがいかに政権と闘い、いかに米軍基地に反対し、いかに平和を希求し、いかに反戦を訴え、いかに県民を愛したか、を克明に辿るものだった
 「これを安倍さんに観てほしかったなあ」と、隣席の男性がしみじみと呟いていたが、ぼくも同感だった。あれを観て、安倍首相がどんな反応をするか、それを知りたかったよ…。

     (翌日の沖縄タイムス)


旅の終わりに…

 27日、ぼくは帰りの便を、那覇空港で待っていた。
 たった5日間の旅だったけれど、たくさんの人に会い、たくさんの場所を巡り、たくさんの美味を堪能した旅だった。
 念願だった大田さんへの「サヨナラ」も言えたし、ちょっとしたセンチメンタル・ジャーニーの終わり。
 帰りがけ、携帯電話が鳴った。大田さんのご子息・憲さんからだった。憲さんは残念ながら病床にあり、県民葬への列席はかなわなかった。それでもぼくに、参列のお礼を言いたいと、電話をくれたのだ。
 大田さんのお墓は、生まれ故郷の久米島にあるという。病が癒えたら憲さんはそこへ参りに行く、と言っていた。ぼくは、沖縄ではたくさんの島々を訪れているが、まだ久米島へは行ったことがない。
 次のぼくの沖縄行は、久米島に決めた。花を持って、大田さんの墓前に供えてくる、という目標もできたのだし……。


鈴木耕
すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)など。マガジン9では「風塵だより」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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●「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?

2017年05月11日 00時00分36秒 | Weblog


リテラの記事【安倍首相が国会質疑で「俺の改憲の考え方を知りたいなら読売のインタビュー読め」エスカレートする憲法違反と傲慢】(http://lite-ra.com/2017/05/post-3143.html)。

   『●「国会という言論の府」「神聖な国会」「国権の最高機関
          と憲法にうたわれている神聖な場所」…虚しい響き

 《傲岸不遜にも「それを読め」と言ったのだ。この総理にとってみれば、国民への説明の場である国会の答弁は、インタビュー記事よりずっと軽く、蔑ろにしていいものらしい。まったく思い上がりも甚だしいが、だいたい新憲法の施行を国民の信任もなく宣言したこと自体が大問題》。

 一体全体どうしてしまったのか…。あまりにも酷すぎやしまいか。森友問題等を隠すための策略ですか。そんなものに「壊憲」を使わないでほしい。

 そして、議論・言論・答弁などとはとても呼べない、国会での恐ろしい「やり取り」。東京新聞の記事【首相、改憲は9条優先 「まず自衛隊位置付け」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017050901001100.html)によると、《安倍晋三首相は9日の参院予算委員会で、憲法9条に自衛隊を位置付ける憲法改正案の検討を優先させる意向を表明した。「まずやらねばならないのは自衛隊についてだ。憲法学者の7、8割が違憲としているそういう状況を変えていくのは私たちの世代の責任だ」と述べた。自民党として改憲項目を取りまとめ、衆参両院の憲法審査会に提出する決意も強調。民進党など野党に具体案を出すよう迫った。今後の改憲項目の絞り込みに関し、首相は「自民党内の議論を加速して憲法審査会への提案を、いかに苦しくてもまとめ上げる決意だ」と強調した》……!? これまでの長い国会での議論は一体何だったのだろう。内閣法制局に骨のある人はいないのか? 御得意のオトモダチ人事による、骨抜き済みか。
 ヤケクソ? 言ってることが支離滅裂。「我が軍」を、9条、および、その第2項とどう整合性をとるのか?? 戦争法の強行採決では多くの憲法学者が反対していたのですが、そして、共謀罪もしかり。憲法9条の壊憲に対して《自衛隊について…憲法学者の7、8割が違憲》と言ってるので、9条を壊憲…一体どんな論理? 普通、「違憲」なことの方(=「我が軍」的自衛隊の存在)をまずは《そういう状況を変えていく》、何とかするのが先じゃないのかね。「違憲」な状況を「合憲」にする努力をせずに、憲法の方を「壊憲」するって、何なんだ? おまけに、共産党に責任転嫁するハチャメチャぶり。
 またしても、疑問なのが公明。公明の大好きな「加憲」的壊憲ですが、9条壊憲で大丈夫なのね? 納得済み?


   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
    「《★元民進党議員・山内康一は…この発言を「普通の日本語に
     翻訳すると『米国の軍事力行使を日本は支持する』という意味。
     『米国の戦争に巻き込まれる』というレベルではなく
     戦争を積極的に肯定しているレベル
です。サラッと報道している
     メディアはどうかしていると思います。重大かつ危険な発言です。
     嘆かわしいことです」》とのこと。
      アベ様らときたら、もう既に大きく一線を越えようとしている。
     《あくまでも非軍事的解決の道を探るべき》はずなのに…」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《▼桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」
     ことを訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している。
     (阿部岳)》
      東京新聞のコラム【筆洗】では、この「関東防空大演習を嗤(わら)ふ
     という論説は「日本の新聞史上、特筆すべき名論説」と言っています」

   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
         アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる

   『●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を
                …永久に放棄した日本の役割」を見失っている
    ---------------------------------------------------------------------------
    【http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM

    日本国憲法

    第2章 戦争の放棄 

    第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
             国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
             国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


         前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、
             これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
    --------------------------------------------------------------------------


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http://lite-ra.com/2017/05/post-3143.html

安倍首相が国会質疑で「俺の改憲の考え方を知りたいなら読売のインタビュー読め」エスカレートする憲法違反と傲慢
2017.05.09

     (首相官邸ホームページより)


安倍首相の「2020年に新憲法を施行する」宣言は憲法違反だ

 2020年に新憲法を施行する──憲法記念日に合わせて勝手にそう宣言した安倍首相だが、昨日の衆院予算委員会でこれについて信じられない答弁を行った。
 それは民進党の長妻昭議員の質疑でのこと。安倍首相は自民党憲法改正草案で現行憲法の97条「基本的人権の尊重」が削除されている点などについて国会でたびたび質問を受けてきたが、ずっと一貫して「憲法審査会で議論されること」として自身の考えは言いはぐらかしてきた。長妻議員はあらためてこうした問題を言及したのだが、安倍首相の答弁は、無責任極まりないものだった。

   「自民党総裁としての考え方は相当詳しく読売新聞に書いてある
    ぜひそれを熟読していただいてもいい」

 安倍首相は2020年新憲法施行を、3日に開催された日本会議系の改憲イベントでのビデオメッセージと同日の読売新聞朝刊に掲載されたインタビューで揚言したが、傲岸不遜にも「それを読め」と言ったのだ。この総理にとってみれば、国民への説明の場である国会の答弁は、インタビュー記事よりずっと軽く、蔑ろにしていいものらしい
 まったく思い上がりも甚だしいが、だいたい新憲法の施行を国民の信任もなく宣言したこと自体が大問題だ。しかも、国会などではなく自分の支持者で固められた集会や御用メディアで一方的に憲法改正を明言したのである。当然、こうした安倍首相の傍若無人な態度には「憲法違反ではないのか」という声もあがっている。
 たとえば、ジャーナリストの岸井成格氏は、7日放送の『サンデーモーニング』(TBS)で、「これは総理が主導してやってはいけないことですよね。総理自身がごく最近までですよ、国民の熟議が必要であって、そのため国会で各党が考えを全部出し合って、そして十分議論して国民とともに進める、それが憲法改正だと安倍総理自身がおっしゃってきた。それが急にこういうかたちでポーンで出して、そしてスケジュールまで決めて、中身まで決めて。これは総理大臣の権限を越えて、憲法違反の疑いが出てきたんですよね」と批判した。


安倍首相と萩生田官房副長官は「総理ではなく総裁の発言」と詭弁

 さらに、安倍首相への批判は自民党内部からも起こっている。憲法審査会メンバーで自民党憲法改正推進本部長代行である船田元衆院議員は、8日に自身のメールマガジンで安倍首相の“独断行為”について、〈内容以上に厳しいのは、この時期に総理が踏み込んだ改憲発言をしたこと自体だ〉〈深く改憲議論に関わってきた我々としては、第一義的には憲法制定権力を有する、国民を代表する国会が発議すべきものというのが常識だ〉〈行政の長たる総理大臣には、もう少し慎重であっていただきたかったというのが本音である〉と非難。〈この発言は国会での議論の行く末や期間を、行政の長が規定することにつながりかね〉ないと、安倍首相に苦言を呈している。
 船田議員は〈国会の3分の2の勢力だけでどんどん進められるものではな〉いと述べるが、こんなことは民主主義に則った手続きを考えれば当たり前の指摘だ。だが、こうした当然の批判をかわすために、安倍首相の側近である萩生田光一官房副長官は7日に出演した『新報道2001』(フジテレビ)で、安倍首相の新憲法施行発言を「憲法審査会がなかなか動かないなかで一石を投じたというのが正直なところ」と責任転嫁。「あくまでも自民党総裁としての個人的提案」などと言い出した。
 つまり、「新憲法施行に言及したのは総理としてではなく自民党総裁としてだから問題はない」と、逃げ道をつくりはじめたのだ。
 それはもちろん、萩生田官房副長官の親分たる安倍首相本人も同じだ。昨日の衆院予算委では、白々しくも「この場に立っているのは自民党総裁としてではない」「ここで党総裁としての考えを述べるべきではないというのが私の考え方だ」と言い張って2020年新憲法施行発言をはぐらかし、「どうぞ憲法審査会で活発な議論をされたらどうか」と発言者としての責任を案の定、放り出してしまった


国会で逆ギレする安倍首相のほうがはるかに「品が悪い」

 しかも安倍首相は「憲法審査会において(改憲の)議論が佳境に入っていくときを迎えている」などとも言ったが、今国会で憲法審査会での審議はたったの3回。また、安倍首相は読売のインタビューで“9条は違憲だから改憲で合憲化するのが使命”などと言ったが、今国会の憲法審査会では9条の議論などほぼ行われていない。いや、そもそも昨日の集中審議でも、安倍政権の顔色を伺ってばかりの内閣法制局のトップである横畠裕介長官でさえ「自衛隊は憲法に違反していない」と答弁したように、内閣法制局の判断は「自衛隊は合憲」なのだが、安倍首相はそれさえねじ曲げて改憲の材料に仕立て上げようとしているのだ。
 憲法違反も疑われる新憲法施行をぶち上げながら「自民党総裁として言っただけ」と逃げ、NHKで中継される国会では自民党改憲草案の危険な本質を悟られないようにとしらばっくれてはぐらかす。さらに昨日の国会では、森友学園問題を追及され昭恵夫人と森友学園が「ずぶずぶの関係」と指摘を受けると、安倍首相は「『ずぶずぶの関係』とか、そんな品の悪い言葉を使うのはやめたほうがいい。それが、民進党の支持率に出ている」などといつものように逆ギレし、野党批判に話をすり替えたのだった。──品が悪いのは、自分の妻に向けられた疑惑を本筋から逸らして他人の批判に転嫁する安倍首相のほうだ
 だが、こんな具合に国民の声を無視し、国会を軽視し、いい加減かつ行き当たりばったりのスタンドプレーを連発する人間が、いま、権力が自分に集中するかたちに憲法を変えようとしているのだ。集中審議は本日も行われるが、この国の総理のいい加減な態度をしかと目に焼き付けてほしい。

(編集部)
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●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を…永久に放棄した日本の役割」を見失っている

2017年05月04日 00時00分49秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の社説【初の米艦防護 本当に必要な任務か】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017050202000167.html)。

 《もう一つは日本の軍事的役割を強化する安倍政権の狙いである。…そもそも必要性に乏しい米艦防護に踏み切った背景には、憲法学者ら多くの専門家が憲法違反と断じた安保法を既成事実化し、自衛隊と米軍との軍事的一体化を加速する狙い…「日米同盟」の誇示でなく、外交努力を尽くすこと。それが、武力による威嚇や武力の行使を、国際紛争の解決手段としては永久に放棄した日本の役割である

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
    「「戦後70年、日本は国家として他国民を誰一人殺さず、
     また殺されもしなかった。非戦を貫けたのは、戦争の放棄を定めた
     憲法9条があったからにほかならない」。一方、壊憲はどんどんと進み、
     沖縄の高江辺野古では沖縄差別、沖縄イジメ、沖縄破壊が進む。
     番組中でダグラス・ラミスさんは述べています、
     「(沖縄)…米軍基地はアメリカという帝国の単なる手段ではなく 
     米軍基地は植民地です アメリカの占領する縄張りなのです」。
      アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること…
     「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」。アベ様、
     自公議員や翼賛野党議員が好き放題に壊憲させていていいのか?
     そんな議員に投票する人たちは、そんなに「人殺し」に行きたい
     のだろうか?、そんなに「大量殺人」に行きたいのだろうか?」

   『●壊憲派の沈黙、押しつけ憲法論という思考停止:
      「二項も含めて幣原提案とみるのが正しいのではないか」
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    【http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM

    日本国憲法

    第2章 戦争の放棄 

    第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
             国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
             国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


         前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、
             これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
    --------------------------------------------------------------------------



 「平和憲法」は風前の灯火。壊憲の坂道を転がっていく。

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
   『●「外交音痴、政治音痴、もう政治家とは呼べない領域」な
            失言王・萩生田光一氏…成果無しなアベ様外交
   『●歴史学者らの公開質問状に、「侵略の定義は  
       国際的にも定まっていない」というアベ様はどう応えるのか?
   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
    「《★元民進党議員・山内康一は…この発言を「普通の日本語に
     翻訳すると『米国の軍事力行使を日本は支持する』という意味。
     『米国の戦争に巻き込まれる』というレベルではなく
     戦争を積極的に肯定しているレベルです。サラッと報道している
     メディアはどうかしていると思います。重大かつ危険な発言です。
     嘆かわしいことです」》とのこと。
      アベ様らときたら、もう既に大きく一線を越えようとしている。
     《あくまでも非軍事的解決の道を探るべき》はずなのに…」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《▼桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない
     ことを訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している。
     (阿部岳)》
      東京新聞のコラム【筆洗】では、この「関東防空大演習を嗤(わら)ふ
     という論説は「日本の新聞史上、特筆すべき名論説」と言っています」

   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
         アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる


 トンデモない「ラクダの鼻」の御話。やがて、「戦争へ」=《取り返しのつかぬ事態》に。戦争法なんて要らない! 《武力による威嚇や武力の行使を…永久に放棄した日本の役割》を見失っている。
 東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017050202000142.html)より。《▼ある男が一頭のラクダを連れて、砂漠を旅していた。ある夜、疲れたラクダは男にこう頼み込んだ。「鼻だけテントの中に入れてもいいですか」。男は快く応じるが、その日を境にラクダはどんどん大胆になっていく。顔を、首を、脚を…。テントに入れてくる部分がどんどん大きくなる。結局、ラクダはテントの中で眠るようになり、男が出て行けといっても聞かない▼小さく、無害に見えてもそれをいったん認めれば、既成事実となり、やがて取り返しのつかぬ事態につながる。「ラクダの鼻」とはそういうたとえである▼「ラクダの鼻」になる危険は本当にないのか。海上自衛隊の護衛艦「いずも」が米海軍の補給艦防護のために、横須賀基地から出港した。安全保障関連法に基づく新任務が初めて実行に移された》。

 アベ様や与党自公のやっていることは、《地域の軍事的な対立がさらに加速》させる大愚行。それを阻止できない、国会の無力。戦争法に埋め込まれた、恣意的な欠陥。アベ様らのやりたい放題。
 東京新聞の記事【安保法任務を初実施 海自が米艦防護説明ないまま】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017050202000141.html)。《海上自衛隊が安全保障関連法に基づく「平時の米艦防護」を初めて実施した一日、命令を出した稲田朋美防衛相は防衛省に登庁せず公式に説明する場面はなかったアナウンスなき安保法の発動は、北朝鮮情勢の展開によっては、国民が知らないまま自衛隊の米軍支援が進んでいく可能性を示した》、《◆政府「実績作り」狙う…米艦防護では武器を使った反撃が可能で、状況次第では武力衝突に発展する危険性をはらむ。こうした任務が国民への情報公開も国会のチェックもなく実施される安保法の問題点が、鮮明になった》。 

 5月2日が命日だった…《「地震の後には戦争がやってくる軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる国民をバカにして戦争にかり立てる自分は安全なところで偉そうにしてるだけ」。昔、有名なロック歌手がそう書いていた▼「日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ」という題名でつづったのは、四年前に亡くなった忌野清志郎さん》。このコラムは、以下の様に続く。

   『●これが民意なの?
    《【コラム】筆洗…▼衆院の代表質問で安倍晋三首相はきのう、
     憲法九六条の改正に強い意欲を示した。反発の強い九条は
     後回しにして、発議の要件を緩める既成事実をつくり、
     外堀から埋める戦術だ▼「五十年以上もの間、戦争の無かった国は
     世界でも珍しいのだ。その点だけでも日本はすばらしい国ではないか」
     とも清志郎さんは書いていた。それを誇りに思えない人たちが、
     残念ながら増えているらしい


 琉球新報の【<社説>米艦防護開始 安保関連法を廃止せよ】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-488747.html)によると、《「米艦防護」が初めて実施された。米国と北朝鮮との軍事的緊張が高まっている中で、日本が他国との戦争に自ら巻き込まれに行くような行為は厳に慎むべきだ》と主張。同感。
 安保関連法案戦争法)を廃止せよ! アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる。《東アジアの軍事的緊張には米軍と自衛隊が共同で対処するというメッセージ》なんて、冗談じゃない。《日本の軍事的役割を強化する安倍政権の狙い》なんて、トンデモナイ。


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017050202000167.html

【社説】
初の米艦防護 本当に必要な任務か
2017年5月2日

 稲田朋美防衛相が自衛隊に「米艦防護」を初めて命令した。米国と北朝鮮との軍事的緊張が高まる中、日米の連携強化を誇示する政治的な意味合いが強く、本当に必要な任務なのか、疑問が残る。

 米艦防護は自衛隊が平時に米国の艦艇などを守る「武器等防護」の活動で、安倍政権が成立を強行し、昨年三月に施行された安全保障関連法に基づく新しい任務だ。

 海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」がきのう、横須賀基地(神奈川県)を出港し、東京湾を出た太平洋上で米海軍の補給艦と合流。四国沖まで一緒に航行して護衛する、という。

 米艦防護活動中に、米軍への攻撃や妨害行為があった場合、阻止するための武器使用が認められているため、自衛隊が紛争の引き金を引きかねない任務でもある。

 とはいえ、今回の米艦防護は、軍事的合理性よりも政治的な思惑が先行している感が否めない。

 一つは、東アジアの軍事的緊張には米軍と自衛隊が共同で対処するというメッセージある。

 弾道ミサイル発射を繰り返し、核開発を進める北朝鮮をけん制するだけでなく、東アジアで軍事的存在感を増している中国やロシアにも向けられているのだろうが、日米連携をことさら強化することは、逆に東アジアの緊張を高めることになりかねない。

 もう一つは日本の軍事的役割を強化する安倍政権の狙いある。

 米補給艦は、米原子力空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃群などが展開する朝鮮半島沖へ向かうとみられるが、「いずも」が護衛するのは四国沖までだ。

 北朝鮮が太平洋側で米艦を攻撃する能力を持っている可能性は低く、他の国やテロ組織による米艦攻撃も想定しづらい。

 そもそも必要性に乏しい米艦防護に踏み切った背景には、憲法学者ら多くの専門家が憲法違反と断じた安保法既成事実化し、自衛隊と米軍との軍事的一体化を加速する狙いがあるのだろう。

 北朝鮮の挑発行動に、米トランプ政権は軍事攻撃を含む「あらゆる選択肢が机上にある」としているが、安倍政権がすべきは米国に同調して軍事的圧力を強めることではなく緊張緩和に向けて関係国に対し、対話や国際協調を粘り強く働き掛けることだ。

 「日米同盟」の誇示でなく外交努力を尽くすこと。それが、武力による威嚇や武力の行使を、国際紛争の解決手段としては永久に放棄した日本の役割である。
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●『琉球新報』は「警察国家」と指摘…「反対運動つぶし」「国策捜査」「狙い撃ち」な山城博治さん「拉致」

2017年01月18日 00時00分14秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-427892.html)。

 《名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治 沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている》。

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
     その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」
   『●番犬様=米軍「拉致被害者」を
     アベ様達が「逮捕」ってどういうこと? 本当にバチアタリな人たち
   『●アベ様らによる辺野古破壊・沖縄差別、
       「対立激化で県民にケガ人が相次ぐ異常事態」
   『●沖縄平和運動センターの山城博治さん…
      イジメ・見せしめな「反対運動つぶし」「国策捜査」「狙い撃ち」

 山城博治さんの「拉致」に関連して、『日刊ゲンダイ』は、反対運動つぶし》《国策捜査》《狙い撃ちと言います。そして、『琉球新報』は《政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害》《警察国家と指摘。壊憲特定秘密保護法共謀罪外交音痴政治音痴人治主義国家・王国、…アベ様の「政」、酷くなる一方です。

   『●『創 (8月号)』読了(2/2)
    《1. 輸入農産物の自由化 (関税障壁の撤廃など)
     2. 公共部門の民営化 (鉄道、郵便、医療、水道、教育に民間企業が参入)
     3. 労働の柔軟化 (労働法制の基準緩和、非正規雇用の推進)
     4. 規制緩和 (資本規制、安全基準、環境規制などの緩和)
     5. 警察国家化 (テロ対策、移民管理の強化)》

   『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
      『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき
    「編集部【あなたがテロリストにされる日】、「「国家の安全」優先」
     「完全な警察国家になる」「私たちが大切にしてきた民主主義
     「国際平和」「主権在民」が、消し去られようとしている」。猛毒
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/48272cd76b5adc03ece0c6295eef6308)」

   『●「「秘密」は秘密」:
      「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り
    《「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝澤地久枝)さん…
      沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された
     外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の
     文書開示請求訴訟にも原告として加わった。「法案が成立すれば
     警察国家のようになる。特定秘密の保護措置として警察庁長官は
     いろんなことができる。戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』
     と思いながら話していた。そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」》

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http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-427892.html

<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る
2017年1月16日 06:02

 名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治 沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。

 今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている

 沖縄の不条理に目を注ぐ海外の有識者、国内の刑法研究者、日本国際法律家協会、76カ国にネットワークを持つ環境NGOが相次いで、山城議長の即時釈放を求める声明を出した。

 作家の落合恵子さんや脚本家の小山内美江子さんらが呼び掛けた釈放要求の署名運動は、3週間で国内外から約1万7千筆を集めた。

 こうしたうねりは、安倍政権下で、民主主義国家法治主義国家であるはずの日本が急速に「警察国家化」しているという疑念と危機感が深まっている表れだ。

 沖縄の民意に反した基地建設をごり押しされることに異議を唱え、非暴力の抵抗に身を投じた市民を問答無用に抑え込む。さらにリーダーを狙い撃ちにした必要性の乏しい勾留が延々と続いている。

 政治弾圧に等しい長期勾留は即刻やめるべきだ山城議長は一刻も早く釈放されねばならない

 山城議長は(1)ヘリパッド建設への抗議中に有刺鉄線1本(2千円相当)を切った器物損壊(2)沖縄防衛局職員に対する公務執行妨害と傷害(3)辺野古新基地建設に抗議した際、ブロックを積み上げた威力業務妨害-の三罪で起訴された。

 第一線の刑法研究者41人以上が名を連ねた異例の緊急声明は、議長の行為は偶発的に発生した可能性が高く、違法性が低いと指摘している。公判維持のための捜査は終わり、証拠隠滅の恐れもない。

 「不当に長い拘禁」は抗議行動を反社会的行為と印象操作する安倍政権の意向が反映していよう。

 がんを抱え、健康状態の悪化が懸念される山城議長は家族との面会や靴下の差し入れが認められなかった

 裁判所は安倍政権の強権的姿勢を忖度(そんたく)する県警や那覇地検に従い勾留延長を認めてきた憲法の番人の役割への自覚はあるのか

 警察法は、警察が治安維持を名目にして政治弾圧を担い、国を戦争へ導く役割を担った戦前、戦中を猛省して制定された。沖縄で見える刑事司法の変質警察国家への回帰と感じられてならない。
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