[※ 沖縄復帰50年 利用され続けた海と大地/西山太吉 「密約」を語る (週刊金曜日、2022年5月13日1376号)↑] (2023年03月01日[水])
《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》。
『●『密約 ~外務省機密漏洩事件~』読了』
《衆議院の秘密理事会においても、肩代わりの密約はないと
シラを切りとおしてきた政府の食言問題、政治的背任に関わっている》
「事件の本質のすりかえ」
『●〝沖縄密約〟東京高裁判決、原告側の逆転敗訴』
『●「「秘密」は秘密」:
「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り』
《「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝(澤地久枝)さん…
沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された
外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の
文書開示請求訴訟にも原告として加わった。「法案が成立すれば
警察国家のようになる。特定秘密の保護措置として警察庁長官は
いろんなことができる。戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』
と思いながら話していた。そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」》
『●『ペンタゴン・ペーパーズ』: 「報道の自由を
守るには報道しかない」、でも、沖縄密約と西山太吉記者…』
『●政権広報「アベ様のNHK」への切っ掛け…アベ様や
中川昭一氏に「勘ぐれ、お前」と忖度を強要されて…』
《綿井健陽さん…「報道やジャーナリズムに携わる者が、
「言論・報道の自由」という言葉を抵抗手段として公に訴える場合は、
それは対国家、対公権力に向けて使うべきだと私は考えている。
たとえばNHKの「ETV番組改編問題」のときの
安倍晋三や故・中川昭一ら国会議員(当時)の対応、古くは毎日新聞
西山太吉記者(当時)の沖縄返還密約記事での逮捕・有罪、
最近では映画『靖国』上映中止問題のときに国会議員らが試写要求と
文化庁に口出しや取材対象者に接触する行為など、これらは
「言論・報道の自由」の問題として、それこそ良い意味での
〝メディア・スクラム〟でもって対応すべき出来事だった》
『●《権力にとって、これほど便利で御しやすい低能メディアも、
国民も珍しい…一刻も早く立て直さなければ、本当に危険》』
「政治判断の一例として思い出されるのは、西山太吉さんの「沖縄密約事件」。森友、加計、決裁文書改竄、イラク・南ザイール自衛隊PKO日報隠蔽問題…問題山積なアベ様。司法は機能するだろうか? 《報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか》? 《報道の自由を守るには報道しかない》」。
最「低」裁を頂点とした司法の機能不全。そして、(日刊ゲンダイ)《機能不全に陥っている日本のジャーナリズムに対する深い憂慮の念に満ちた》、西山太吉さんの《この「遺言」を、現役ジャーナリストがどう受け止めるかが問われている》。
最近も似たようなことが続いているように感じます…(19/09/11 06:00)【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/「差別」を「愛国心」と取り違えたとき人間の本質が変わる】によると、《誰も彼もが口を開けば韓国人への悪罵を吐いている。テレビには女性旅行者への暴行を勧める老“教授”や、同席した韓国人女性を「おまえ」呼ばわりし、「黙っとけ、この野郎」と怒鳴りつける前県知事まで登場。それでも平然と番組を進行させた司会者、批判を黙殺する放送局……》。
(2012年2月10日) 【筆洗】によると、《読売新聞グループ本社の会長・主筆である渡辺恒雄氏が激怒している。反旗を翻した前巨人軍代表との裁判ではない。TBS系ドラマ「運命の人」に、である▼渡辺氏がモデルとおぼしき政治記者は「ゆすりたかりの悪徳記者」に描かれているという。怒りたくなるのは分かるが、主人公のモデルにされた元毎日新聞政治部記者の西山太吉氏に「ワビを入れろ」とは筋違いだろう▼本木雅弘さんが主役を演じるドラマは、視聴率こそ低迷しているものの興味深い。今週は、沖縄返還をめぐる密約疑惑を追及していた本木さんが国家公務員法(守秘義務)違反の共犯容疑で逮捕される場面だった▼マスメディアは当時、こぞって政府を批判し、「知る権利」を守るキャンペーンを張ったが、「情を通じて」という起訴状で、男女スキャンダルにすり替わり、密約の追及はうやむやになる。そんな状況も再現されるようだ》。
『●沖縄密約と日曜劇場『運命の人』』
『●『運命の人』というフィクション・ドラマと沖縄密約事件についての
ノンフィクション』
『●『運命の人』余話 ~あるフィクサー的政〝界〟記者の反論~』
『●続『運命の人』余話 ~ある元政〝界〟記者の筋違いな激怒、はさておき~』
2023年2月24日、西山太吉さんが亡くなられた。「ひそかに情を通じて」をことさらに前面に押し出し、政権は沖縄密約問題を潰し、それに手を貸すマスコミ…、市民も事の重大さを見失い…。決して「西山事件」に非ず。「事件の本質のすりかえ」。《事件の歪曲(わいきょく)にメディアも手を貸した》。
沖縄タイムスの【[社説]西山事件と沖縄密約 「国家のうそ」問い続け】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1110731)によると、《沖縄返還を巡る密約問題を追及し続けてきた元毎日新聞記者の西山太吉さんが、心不全のため亡くなった。91歳だった。 政治部の敏腕記者だった西山さんは、返還交渉の舞台裏を取材する過程で、外務省の女性事務官から機密公電のコピーを入手した》。
沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]西山太吉さんの胆力】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1110052)によると、《メディア界を追われて30年近く。再び表舞台に立った西山太吉さんは、エリート記者のプライドや振る舞いを身にまとったままだった。ペンを折り、親族の会社で働いた日々をどう過ごしたか ▼沖縄復帰前年の1971年、西山さんが突き止めたのは政府の裏切り。国民に隠れて米国が負担すべき費用の肩代わりを密約していた ▼西山さんが逮捕、起訴された72年、問題視されたのは取材過程。密約暴露に慌てた権力は、西山さんが外務省の女性事務官と「ひそかに情を通じて」資料を入手したとわざわざ起訴状に記した...》。
琉球新報のコラム【<金口木舌>密約事件は終わっていない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1668911.html)によると、《▼西山さんの訃報に接し、20年前の取材を思い出す。眼光は鋭く、身ぶり手ぶりを交え、まくし立てるように話した。今も政府は密約を認めない。そればかりか、基地負担軽減に名を借りた新たな「見せかけ」で県民を惑わせる。「返還密約事件」は終わっていない》。
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1668911.html】
<金口木舌>密約事件は終わっていない
2023年2月27日 05:00
金口木舌 西山太吉 沖縄返還密約
毎日新聞記者だった西山太吉さんが沖縄を語る時、いつも「見せかけ」という言葉を使った。返還協定は「国民をあざむくための見せかけだ」というように
▼沖縄返還に絡む密約を報じ、罪に問われた。「沖縄返還密約事件」である。それがスキャンダルとして扱われ、当時は「西山事件」などと呼ばれた。事件の歪曲(わいきょく)にメディアも手を貸した。敏腕記者は筆を折った
▼2000年以降、密約を示す米公文書が明らかになり、西山さんは密約文書開示を求めて国を訴えた。闘いを多くの同志が支えた
▼元記者の不遇に思いを寄せる人がここにもいた。05年秋、西山さんを招いた那覇市での集会。県祖国復帰協議会の事務局長だった仲宗根悟さんは声を震わせ「沖縄から力になれなかった」とわびた
▼西山さんの訃報に接し、20年前の取材を思い出す。眼光は鋭く、身ぶり手ぶりを交え、まくし立てるように話した。今も政府は密約を認めない。そればかりか、基地負担軽減に名を借りた新たな「見せかけ」で県民を惑わせる。「返還密約事件」は終わっていない。
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琉球新報の【<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る】(http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-427892.html)。
《名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治 沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている》。
『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」』
『●番犬様=米軍「拉致被害者」を
アベ様達が「逮捕」ってどういうこと? 本当にバチアタリな人たち』
『●アベ様らによる辺野古破壊・沖縄差別、
「対立激化で県民にケガ人が相次ぐ異常事態」』
『●沖縄平和運動センターの山城博治さん…
イジメ・見せしめな「反対運動つぶし」「国策捜査」「狙い撃ち」』
山城博治さんの「拉致」に関連して、『日刊ゲンダイ』は、《反対運動つぶし》《国策捜査》《狙い撃ち》と言います。そして、『琉球新報』は《政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害》《警察国家》と指摘。壊憲・特定秘密保護法・共謀罪、外交音痴・政治音痴、人治主義国家・王国、…アベ様の「政」、酷くなる一方です。
『●『創 (8月号)』読了(2/2)』
《1. 輸入農産物の自由化 (関税障壁の撤廃など)
2. 公共部門の民営化 (鉄道、郵便、医療、水道、教育に民間企業が参入)
3. 労働の柔軟化 (労働法制の基準緩和、非正規雇用の推進)
4. 規制緩和 (資本規制、安全基準、環境規制などの緩和)
5. 警察国家化 (テロ対策、移民管理の強化)》
『●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」
『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき』
「編集部【あなたがテロリストにされる日】、「「国家の安全」優先」
「完全な警察国家になる」「私たちが大切にしてきた「民主主義」
「国際平和」「主権在民」が、消し去られようとしている」。猛毒
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/48272cd76b5adc03ece0c6295eef6308)」
『●「「秘密」は秘密」:
「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいた時代に逆戻り』
《「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝(澤地久枝)さん…
沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された
外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の
文書開示請求訴訟にも原告として加わった。「法案が成立すれば
警察国家のようになる。特定秘密の保護措置として警察庁長官は
いろんなことができる。戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』
と思いながら話していた。そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」》
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【http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-427892.html】
<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る
2017年1月16日 06:02
名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治 沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。
今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている
沖縄の不条理に目を注ぐ海外の有識者、国内の刑法研究者、日本国際法律家協会、76カ国にネットワークを持つ環境NGOが相次いで、山城議長の即時釈放を求める声明を出した。
作家の落合恵子さんや脚本家の小山内美江子さんらが呼び掛けた釈放要求の署名運動は、3週間で国内外から約1万7千筆を集めた。
こうしたうねりは、安倍政権下で、民主主義国家、法治主義国家であるはずの日本が急速に「警察国家化」しているという疑念と危機感が深まっている表れだ。
沖縄の民意に反した基地建設をごり押しされることに異議を唱え、非暴力の抵抗に身を投じた市民を問答無用に抑え込む。さらにリーダーを狙い撃ちにした必要性の乏しい勾留が延々と続いている。
政治弾圧に等しい長期勾留は即刻やめるべきだ。山城議長は一刻も早く釈放されねばならない。
山城議長は(1)ヘリパッド建設への抗議中に有刺鉄線1本(2千円相当)を切った器物損壊(2)沖縄防衛局職員に対する公務執行妨害と傷害(3)辺野古新基地建設に抗議した際、ブロックを積み上げた威力業務妨害-の三罪で起訴された。
第一線の刑法研究者41人以上が名を連ねた異例の緊急声明は、議長の行為は偶発的に発生した可能性が高く、違法性が低いと指摘している。公判維持のための捜査は終わり、証拠隠滅の恐れもない。
「不当に長い拘禁」は抗議行動を反社会的行為と印象操作する安倍政権の意向が反映していよう。
がんを抱え、健康状態の悪化が懸念される山城議長は家族との面会や靴下の差し入れが認められなかった。
裁判所は安倍政権の強権的姿勢を忖度(そんたく)する県警や那覇地検に従い、勾留延長を認めてきた。憲法の番人の役割への自覚はあるのか。
警察法は、警察が治安維持を名目にして政治弾圧を担い、国を戦争へ導く役割を担った戦前、戦中を猛省して制定された。沖縄で見える刑事司法の変質は「警察国家」への回帰と感じられてならない。
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東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016041702000124.html)と、
記事【「川内」運転 住民ら不安 政府、地震域拡大でも静観】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201604/CK2016041702000107.html)。
《余韻、余興、余白。「余」とはもちろん「あまること」「それ以外のもの」の意味。「本来のもの」ではないと見て「余」の字がついた言葉を目にしてもあまり警戒はしない…「余」とはもともと長い針形の呪具である。地面にさし、地下の悪霊を追い払ったという。避難、情報共有、助け合いという現代の「余」に強く期待する》。
「余裕」を持った行動が必要ではないのか? 川内原発に最悪の事態が起こる前に、今直ぐに、取りあえず「余裕」を持って再稼働を止めるべきではないのか? 核発電が無くても、電力に「余裕」があることは3.11東京電力核発電再以降、証明されている。
《規制庁の担当者は「再稼働前の審査で、地震の揺れや外部電源の喪失、火山噴火に対する事業者の備えを確かめた。一連の地震で、その前提が崩れたとは考えていない」との立場》。
原子力「ムラ寄生」委員会は、九電の約束を反故にしてあげても、この期に及んでも設定値等は守るわけだ? 樋口英明裁判長(原島麻由裁判官、三宅由子裁判官の合議)による福井地裁判決を思い出すべき…「《原子力規制委員会の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」と指摘、基準に適合していても再稼働を認めないとの決定》。「原子力「ムラ寄生」委員会の「世界一厳しい」らしい基準に合格したからと言って、「安全」…なわけがない。それはアベ様らが自称しているにすぎず、世界が「世界一」を認めている訳ではない…。《福井地裁は、原子力規制委員会の新規制基準を否定した。それでは国民が守られないと》。3.11東京電力原発人災の惨状を見よ!…「原発さえなければ」」。
「「安全より効率、命より経済」を優先」が「社会通念」である、などということが、許されるはずがない。熊本大分大地震から得られた教訓は、「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。地震国日本では、これこそ社会通念」であるということ。
『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」』
『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を
「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?』
『●前田郁勝・西川知一郎両裁判長や九電のオゾましき
「社会通念」=「「安全より効率、命より経済」を優先」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016041702000124.html】
【コラム】
筆洗
2016年4月17日
余韻、余興、余白。「余」とはもちろん「あまること」「それ以外のもの」の意味。「本来のもの」ではないと見て「余」の字がついた言葉を目にしてもあまり警戒はしない▼その字が付いた「余震」である。熊本などで強い余震が続く。大きな地震の後に続く、比較的弱い揺れを「余震」と呼ぶが、今回は、その強さ、頻度といい、余震という言葉を使うのがためらわれるほどである▼遠く離れた場所でもテレビの地震速報を耳にすれば、「もうやめて」と声を上げたくなる。現地の恐怖と不安、疲労は想像もできない。心配である▼木曜夜の最大震度7の地震は「前震」で土曜日未明の方が「本震」だったことが明らかになっている。揺れが収まってホッとしていたのは前触れにすぎず、不意を突く形で本震が来て、なお強い余震が続く。地震の心理的恐怖度を測る物差しはないが、極めて高いストレスであろう▼地震にせよ、台風にせよ、日本人には自然災害を擬人化する傾向がある。一頭の「怪物」がやって来て、爪痕を残し、時を置かず去って行く。そんな単純な物語で考えるが、今回は様相が異なる。何頭もの「怪物」が今なお居座っていると警戒を続けたい▼「余」とはもともと長い針形の呪具である。地面にさし、地下の悪霊を追い払ったという。避難、情報共有、助け合いという現代の「余」に強く期待する。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201604/CK2016041702000107.html】
「川内」運転 住民ら不安 政府、地震域拡大でも静観
2016年4月17日 朝刊
熊本地震発生後も、新規制基準の審査に適合とされた原発として全国で唯一稼働中の九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)は運転を続けている。政府は「止める必要はない」と静観の構えだが、地震活動が広がり、周辺の住民からは不安の声も上がる。
九電などによると、通常は原発の半径五十キロ以内で震度4以上の揺れが観測された場合、国に状況を報告。原子力規制庁が原発に関する情報発信を強化した十五日以降は、距離にかかわらず震度5弱以上の全ての地震が報告対象となり、川内原発でも運転員が原子炉の状態をその都度確認し、現場パトロールも実施しながら運転を続けている。
規制庁の担当者は「再稼働前の審査で、地震の揺れや外部電源の喪失、火山噴火に対する事業者の備えを確かめた。一連の地震で、その前提が崩れたとは考えていない」との立場だ。
地震が拡大した大分県と豊後水道を挟んで四国電力伊方原発(愛媛県)がある。県と四国電は十六日未明、県庁で記者会見を開き、伊方1~3号機に異常はないと説明。四国電担当者は、再稼働前の最終的な手続きである3号機の使用前検査に「影響は出ないと思う」と強調、七月下旬の再稼働を目指す姿勢を変えていない。
熊本地震でも原発の地元や周辺には動揺が広がる。川内原発のある鹿児島県薩摩川内市で飲食店を営む女性(71)は「運転は続けてほしいが、予測の付かない地震がこれだけ起こると心配がないわけではない」と話す。川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は「川内原発周辺にも活断層があり、いつ南九州で大きな地震があるか分からない。とにかく運転を止めてもらわなければ」と語気を強めた。
松山市の市民団体「伊方原発をとめる会」の和田宰(つかさ)事務局次長(63)は「再稼働の方針を考え直してもらいたい」と訴えた。
◆「異常あってからでは…」即時停止を 文化人6人要請
九州で相次ぐ地震を受け、フォトジャーナリストの広河隆一さんら文化人六人が十六日、川内原発の即時停止を求める要請文を、九電に送ったと明らかにした。要請したのは他に、作家の落合恵子さん、沢地久枝さん、広瀬隆さん、ジャーナリストの鎌田慧さんと、若者のグループSEALDs(シールズ)の山田和花(のどか)さん。要請文では「異常があってからでは遅いということは、東京電力福島第一原発事故の経験から、誰の目にも明らか。人々は、次の大地震が川内原発を襲うのではないかという恐怖にさいなまれている」と記した。
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東京新聞の記事【脱原発の象徴 全国から集い1000日 「ふるさと蹂躙」怒りの詩】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014060702000107.html)。
ずいぶんど日が経っていしまいました。
「経済産業省前で原発反対を訴える市民らのテントが・・・・・設置から千日目を迎えた・・・・・・鎌田慧さんは「原発推進の中心になっている経産省の前で原発反対の意思を目に見える形で示したことに意味がある」と評価。作家の落合恵子さんは「原発、集団的自衛権での国の動きをみると、怒りが込み上げる。テントがあり、そこに服従しない仲間がいることが、気持ちの支えになる」」・・・・・・1000日!、本当に頭が下がる思いです。原子力「ムラ寄生」委員会の人事やこれまでの「規制ブリ=寄生ブリ」に代表されるような、とんでもない状況の中、大変な努力をされている姿に感銘を受けます。「九電本店前ひろば」共々、この国の原子力推進原理主義のとても恥ずかしい状況を何とか打ち破れるようにしたいものです。
『●九電本丸に小出裕章さん現る』
『●原発人災放射性物質汚染地図シミュレーション』
『●九州発『暗闇の思想』を: 「原発いらない」市民集会@福岡市』
『●〝とある暴力集団〟、九電前テント村に現る』
『●〝とある暴力集団〟の警察お墨付きの「自由」は許されるのか?』
『●「九電本店前ひろば」:
「原発推進派」の〝とある暴力集団〟による嫌がらせ、それに乗っかる警察』
『●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動』
『●レイシストをしばき隊 』
『●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす』
『●「九電本店前ひろば」が1000日目を越えた!』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014060702000107.html】
脱原発の象徴 全国から集い1000日 「ふるさと蹂躙」怒りの詩
2014年6月7日 朝刊
(2012年5月2日、(左から)ジャーナリストの鎌田慧さん、作家の
瀬戸内寂聴さん、沢地久枝さんらが座り込み)
東京・霞が関の経済産業省前で原発反対を訴える市民らのテントが六日、設置から千日目を迎えた。初日は東京電力福島第一原発事故から半年後の二〇一一年九月十一日。脱原発の象徴となり、再稼働を目指す国からは撤去を求める訴訟が起こされている。梅雨空の下、この日も原発ゼロを望む多くの人が集まった。 (加藤裕治)
強い雨が降りしきる中、三張りあるテントの一つでは、原発事故で福島県から東京都武蔵野市に避難した小島力(ちから)さんが自作の詩を朗読していた。「帰れないかもしれない 放射能という醜悪な武力で占拠され 蹂躙(じゅうりん)されたふるさと」。約二十人が聞き入った。テントには各地の人がいた。内田智(さとる)さんは宮崎県から来た。「千日の節目。いても立ってもいられなかった」と話した。
テントは、人間の鎖で経産省を囲んだ時に立てられた。「その後も座り込みを続けようと考えた」とメンバーの一人、正清(まさきよ)太一さん(76)は振り返る。
当初は二週間ほどで撤収しようと考えていた。ところが福島など全国から次々と人が訪れ、一張りだったテントを三張りに増やし、そのまま張り続けることにした。暑さや寒さにも負けず、メンバーが交代で詰めており、今は約五十人が協力している。
経産省側は一三年三月、広場の明け渡しと損害賠償約千百万円を求める訴えを起こし、現在も東京地裁で係争中。原発の再稼働を求める政治団体の街宣にさらされることもある。
メンバーの淵上太郎さん(71)は「国民の大半は脱原発を望んでいる。政府が再稼働しないと決断すれば、すぐ撤去するのに」と憤る。
ルポライター鎌田慧さんは「原発推進の中心になっている経産省の前で原発反対の意思を目に見える形で示したことに意味がある」と評価。作家の落合恵子さんは「原発、集団的自衛権での国の動きをみると、怒りが込み上げる。テントがあり、そこに服従しない仲間がいることが、気持ちの支えになる」と話している。
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東京新聞の記事【「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝さん】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110402000126.html)と【軍機密、戦後も闇の中 輸送船撃沈 北海道・厚岸海岸】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111890070431.html)。
「秘密」は秘密って、そんな恐ろしい法案ってあるのだろうか。たとえ「秘密」の定義や範囲が明らかになったとしても、安倍首相が選んだ、安倍首相お気に入りのメンツでそれを議論するのであれば、いくらでも安倍首相や自公政権に都合良く恣意的に判断できる。こんな「猛毒」は廃案にする以外に道はないが、有権者が自公にフリーハンドを与えてしまい、かつ、与党もどきの野党ばかりで、真に頼れる野党が少数派の現在、事態は非常に悲観的である。
戦前、「国家の秘密はときに悲劇を生」んでいたそうだ。「終戦前年・・・・・・事件は軍機保護法により軍事機密として伏せられ、うわさした人も同法違反で刑務所に送られ」、さらに、「死んだという事実しか知らされなかった乗船者の遺族は戦後、最愛の肉親の最期の地を求め、三十八年間も道内をさまよった」そうだ。そんな戦前のような時代に、自公の議員やそれを支持する有権者、「維新」や「みんな」のような情けない与党もどきの野党は、引き戻したいらしい。
森達也さんは特定秘密保護法案が可決されなくても、既に「国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要」とのご意見だ。
『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』』
「でもアメリカは復元する。ジャーナリズムと国民の知る権利への意識が
あるからだ。日本は復元しない。行ったら行きっぱなしなのだ。
そんな国で秘密保護法がもうすぐ成立する。どんな状態になるのだろう。
機密を理由にやりたい放題。とてもとても楽しみだ」
一方、「密約事件」の被害者西山太吉元毎日新聞記者は「うそをつく人達が作ろうとしている危険な法案」であることを指摘されている。
『●西山太吉さん密約事件が示すもの:
「一人歩きし、拡大解釈され、時の権力によって必ず乱用される」』
「「首相のウソを暴いた西山太吉さん。それが今後できなくなる」
(佐高信さん、10月13日『サンデーモーニング』)。また、「西山事件が
示している通り、必ず一人歩きする。拡大解釈される。その時の権力に
よって必ず乱用される」(岸井成格さん、同番組)」
「「公務員法でも政と官がその気になれば、
ジャーナリストなんぞ簡単に逮捕できるということ」だったが、
それ以上の強力な「猛毒」を安倍首相や自公議員は欲しいらしい。
自公議員への投票者や支持者は、そんな「猛毒」をどう思っている
のでしょう?」
『●西山太吉さんが喝破、「うそをつく人たちが作ろうとしている危険な法案」』
「西山太吉さん曰く、「政府に都合が悪い情報が、永久に秘密にされる恐れが
あることだ。・・特定秘密の指定から30年たっても内閣が承認すれば
無期限に指定を延長できる。国には昔から情報を国民に隠す体質があるが、
法案が成立すれば隠蔽される情報の範囲がさらに広がる。
秘密国家の誕生につながりかねない、恐ろしい法律」。そして、
安倍晋三首相や麻生太郎外相らのような「うそをつく人たちが作ろう
としている危険な法案」と喝破」
『●特定秘密保護法案:
「うそをつく人たちが作」る猛毒を「いい内容に仕上がっている」認識とは!?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110402000126.html】
「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝さん
2013年11月4日 朝刊
機密を漏らした公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案に、強い懸念が広がっている。一九七二年の沖縄返還をめぐる日米密約を、著書で取り上げたノンフィクション作家沢地久枝さん(83)は「この法律が成立したら、密約の当時よりもっとひどいことになる。憲法がどんなことを定めていても全部吹っ飛ぶのではないか」と憂える。
「とんでもない法案だとあきれました。こんなに内容が分からない法案は初めて見た。具体的な部分で『政令で定める』と書いてある箇所がいくつも出てくる。政令は、政府がいくらでも出せるものです」
特定秘密とは、安全保障に著しい支障を与える恐れがあって特に秘匿する必要のある情報で、防衛相ら行政機関トップが指定する。「一般の人には、自分が特定秘密に触れているのか分からない。文章を書く人が取材した後、これは特定秘密だと言われたらアウト。特定秘密の秘密とは何ですかと聞いても『それは秘密です』なんて、こんなばかな話はない」
政府は今国会中の成立を目指しているが「戦争中の法律よりひどいのではないか。当時、軍事機密に触れるようなことは一般の人も予測できた。今度の場合、想像ですが、何が特定秘密かはだいたい米政府との話し合いで決まるのではないか。今急いでいる理由は、日米関係を特に軍事面で円滑にするため、日本はこうしますという約束を米国に見せようとしているんだと思いますね」
沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の文書開示請求訴訟にも原告として加わった。「法案が成立すれば警察国家のようになる。特定秘密の保護措置として警察庁長官はいろんなことができる。戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』と思いながら話していた。そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」
罰則で、公務員らが特定秘密を漏らすと最高十年の懲役に、漏らすよう働き掛けた場合も五年以下の懲役となる。「公務員は恐ろしくて何も言わなくなるし、情報提供を受ける側も取材しにくくなる。おかしいと思うことを調べ、社会のためだと思って発表しても、特定秘密を公にしたと認定されれば罪に問われるかもしれない。記者やライターがさらし者になり、公務員も被告になるのです。われわれがこれも特定秘密かと用心深くなっていけば、この国の言論は窒息します。それが法案の狙いかと思います」
法案は、平和主義や国民主権、基本的人権の尊重という憲法の基本原理に対する反動とも指摘する。「明らかな憲法違反です。米国の戦略の中で戦争に向かう約束をしても、秘密といえば分からない。この法律が通った瞬間に日本は別の国になる。それほど悪い法律で、憲法を変えなくても何でもできる。憲法九条や九六条を変えると言えば反論できるが、特定秘密の内容には反論できない」
安全保障に関する情報を守るのが目的としているが「安全保障自体がはっきりしたものでないから、どれがその情報か分からない。みんな特定秘密にしてしまえば国は答えなくていいし、憲法も無視できる。こんな法律のある国を、次の世代に渡せますか」。
× ×
さわち・ひさえ 三〇年東京生まれ。中央公論社を経て「妻たちの二・二六事件」でデビュー。「火はわが胸中にあり」で日本ノンフィクション賞。ミッドウェー海戦の克明な調査で菊池寛賞。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111890070431.html】
軍機密、戦後も闇の中 輸送船撃沈 北海道・厚岸海岸
2013年11月18日 07時06分
国家の秘密はときに悲劇を生む。終戦前年の一九四四年、北海道近海で二千数百人の陸軍兵を乗せた輸送船「日連丸」が米軍に沈められた。事件は軍機保護法により軍事機密として伏せられ、うわさした人も同法違反で刑務所に送られた。死んだという事実しか知らされなかった乗船者の遺族は戦後、最愛の肉親の最期の地を求め、三十八年間も道内をさまよった。 (飯田孝幸)
北海道・釧路港から東に約五十キロ。厚岸(あっけし)町の海岸近くにある正行寺(しょうぎょうじ)に一九八二年七月初旬、釧路市役所から電話が入った。「日連丸の遺族が遺体の漂着した場所を探している。何か知りませんか」。当時住職だった朝日正芳さん(95)の脳裏に、家族にも長年秘してきた出来事が浮かんだ。
四四年三月十八日夜、寺の周囲にはまだ雪が残っていた。突然現れた憲兵が、負傷者を寺に収容することを告げる。すぐに四十人近い負傷者と数体の遺体が納骨堂に運び込まれた。
彼らは日連丸の数少ない生き残りだった。二日前、千島に向けて釧路港を出発したが二時間後に潜水艦に撃沈された。大本営は日本軍の「快進撃」を発表している。日本近海まで米軍が迫っていることを国民に伏せるため、日連丸の沈没は軍事機密となった。
負傷兵は人目に触れないよう正行寺に運ばれた。正芳さんは「憲兵が常駐し、負傷兵とは一切口を利くことができなかった。私たちは外出も許されなかった」と振り返る。
やがて、近くの海岸にも遺体が何体も漂着。磯漁のシーズンだったが、地元の人たちは海岸から閉め出され、口を閉ざした。「せき払い一つできない、がんじがらめの時代だった」と正芳さん。釧路では船舶会社の役員ら二人が、日連丸沈没のうわさ話をしたとして逮捕され、実刑判決を受けた。
日連丸の兵士らの遺族が戦死を知るのは三カ月後。届けられた白木の箱に遺骨はなく、戦死公報に「北方海域にて戦死」とだけ書かれていた。
戦後、遺族たちは夫や父親の最期を知ろうと、わずかな手掛かりを頼りに北海道内を尋ね歩いた。夫を亡くした仙台市の志田すえのさんはある日、探し疲れて「夢でいいから、どこにいるか教えて」とつぶやいた。同じく夫を亡くした佐久間つねさんと長男の博信さんも、仙台市から何度も釧路を訪れた。
八二年七月、博信さんは会社を一週間休んで釧路に。最終日、市役所を訪ねると、担当者は「遺体を収容したことがあるかも」と、市内の全ての寺に電話してくれた。念のため近くの厚岸町にも広げたところ、正行寺にたどり着いた。地元紙などに報道され、一気に情報が集まった。
「厚岸の海と多くの人が、私たちが来るのを四十年間待っている」。母の言葉に押され博信さんは八四年、正行寺で慰霊法要を行う。四年後、遺族らは太平洋を見下ろす愛冠(あいかっぷ)岬に慰霊碑を建立した。
再び、国家が秘密を定める特定秘密保護法案の審議が国会で進められている。志田さんと佐久間さん、博信さんはすでに亡くなったが、日連丸遺族会の事務局を務める志田さんの長男辰継(たつつぐ)さん(69)は「何でも秘密にする時代じゃない。あんな時代にもどるべきじゃない」と静かな口調で話した。
<軍機保護法> 1899(明治32)年に制定された。条文は8条だけ。軍事秘密の探知・収集、職務上あるいは偶然知り得た軍事秘密の漏えい、防衛施設の撮影・模写などを禁止した。1937年に改正され、秘密の種類・範囲を明確化する一方、軍事上秘密にする必要のある地域への立ち入り制限を可能にし、スパイ団の編成を処罰できるようになった。
(東京新聞)
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201205050356.html)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050690070746.html)。
原発が〝消えた〟2012年のこどもの日、各地での集会・デモの様子。原発の無い世界への再出発のための第一歩。FUKUSIMA原発人災を経験した我が国で、再び原発を稼働させてはならない。
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【http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201205050356.html】
2012年5月5日21時6分
「次世代へ、原発ゼロの未来を」各地で集会・デモ
5日は札幌や東京、大阪、名古屋など各地で原発の再稼働に反対を訴える集会やデモがあった。永久の原発ゼロへ――。「こどもの日」に重ね、次世代への脱原発の思いを語る参加者も多かった。
東京都内では、脱原発への政策転換を求める1千万人の署名運動の一環で「さよなら原発5・5集会」が開催され、主催者の集計で約5500人が参加した。
「今日の原発停止は再稼働への準備。社会を転換させないと本当の意味での原発ゼロはやってこない」。呼びかけ人の一人、経済評論家の内橋克人さんが「次の世代のため、今日がスタート地点だ」と呼びかけると、拍手がわき起こった。
作家の落合恵子さんは参加者に「原発ゼロがずっと続くよう一人一人が約束しましょう。これから生まれる子供たちの未来も含め、ここから再び一歩を始めたい」と語りかけた。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050690070746.html】
「原発ゼロ未来へつなぐ」 泊3号機停止 立ち上がるこどもの日
2012年5月6日 07時07分
北海道電力泊(とまり)原発3号機(北海道泊村)は五日午後十一時三分、定期検査のため運転が止まり、国内に五十基ある原発が一九七〇年以来四十二年ぶりにすべて停止した。原発が運転再開するめどは立っておらず、昨年三月の東京電力福島第一原発事故を経験した日本は、発電量の三割を占める原発の運転ゼロが続く前例のない時期に入った。原発の安全性に不信感を抱く市民グループは「原発ゼロ」を脱原発に向けた一歩と位置付け、全国各地で集会やデモを開いた。
泊3号機は午後五時、核分裂の連鎖反応を抑える制御棒を原子炉に挿入。出力を徐々に下げ、六時間後の午後十一時三分、ついにゼロになった。七日午後には原子炉内の温度が一〇〇度以下の冷温停止状態になる予定。
北海道電は「泊原発は電力の安定供給にとって重要な基幹電源。安全確保を徹底し、一日も早い発電再開を目指す」とのコメントを発表した。
原発から四キロ離れた対岸のフェリー埠頭(ふとう)には脱原発の市民団体のメンバーら百人が集まり、停止の瞬間を待った。停止が確認されると、照明でオレンジ色に輝く原発に向かって一斉に手を振り「さよなら原発」と声を張り上げた。
◇
東京都港区の芝公園では午後一時から「原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会」が開かれ、約四千人(警視庁調べ)が参加した。区内の旧芝離宮恩賜庭園まで約一キロを「原発いらない」などと訴えながらデモ行進した。
ルポライターの鎌田慧さんや作家の沢地久枝(澤地久枝)さん、落合恵子さんらが呼びかけ、市民グループなどが企画。こどもの日にちなんで「さよなら原発」などと書かれた大きなこいのぼりが泳ぎ、「子どもを放射能から守ろう」と記したのぼり旗も掲げられた。
鎌田さんがマイクを手に「原発が全て止まる歴史的な瞬間。子どもに地球、日本を残す責任がある」と訴え。東京・霞が関の経済産業省前で、脱原発を訴え続けている福島市の椎名千恵子さん(65)の音頭で、参加者らが「ノーモア原発」「ノーモア」とシュプレヒコールをし、こいのぼり形の小旗を振った。
泊3号機の地元、北海道では午後一時、四十の市民団体が札幌市の大通公園で集会を開き、雨の中、四百五十人(主催者発表)が集まった。福島第一原発事故で福島市から札幌市に家族で避難した中学二年の渡辺刀麻君(13)は「事故で福島の絆はずたずたに切り裂かれた」と訴えた。札幌市の高校一年の池沢加那さん(15)は「重荷を背負うのは私たち子どもです。原発は本当に必要なのですか」と疑問を投げ掛けた。
東海地方でも、名古屋市中区の繁華街で二百五十人がデモ行進。参加した愛知県小牧市の会社員船橋憲秀(のりひで)さん(64)は「またどこかで大震災が起きる前に原発をなくさないと」と話した。
(東京新聞)
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東京新聞のコラム「筆洗」から(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011120502000030.html)。
東京電力原発人災についてまともな主張をしているマスコミは東京新聞と日刊ゲンダイぐらいではないでしょうか? ネットや、小出裕章さんら良心的学者、神保哲生さん・青木理さん・綿井健陽さん・森達也さん・鎌田慧さん・内橋克人さんといったフリーのジャーナリスト、『創』・『週刊金曜日』・『DAYS JAPAN』といったミニコミのガンバリが無ければ、もっと恐ろしい状況になっていたことでしょう。
人類がかつて遭遇したことのないこの原発人災(by 小出裕章さん)、なんせ核燃料が(人災で)原子炉をおそらく突き破るという恐ろしい人災を引き起こしたのですから、また、周辺住民はおろか世界中の人々に御迷惑をおかけしている訳ですから、これを教訓とせずに一体全体どうしたらいいというのでしょうか? 今すぐにでも全炉を停止・廃炉に向かって進め、長期に渡る停止した炉の管理技術、および、核廃棄物の管理技術の確立へと向かうことで、世界の〝範〟となるべきだと思うのです。二度と原発維持や再稼働、増設や原発輸出といった〝犯〟を犯してはいけません。それしかFUKUSIMAが〝救われる道〟はないと思うのです。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011120502000030.html】
筆洗
2011年12月5日
自分で食べ物を食器に盛ることを手盛りという。好きなだけ載せられるので転じて自らに都合よく取り計らうことが「お手盛り」といわれるようになった。「お」を付けるのは皮肉が込められているらしい▼福島第一原発の事故で、東京電力の社内事故調査委員会が発表した中間報告は、自らの正当性を強調し、自己弁護の表現が目立つまさに「お手盛り」の内容だった▼地震による重要機器の損傷を否定し、すべては想定外の津波のせいと訴えた。賠償を恐れる東電に、お手盛りでない調査を期待することなど無駄だったかもしれない▼旧海軍の少将や大佐級が戦後、四百時間にわたって敗因などを語り合った「海軍反省会」の録音テープがある。これを聞いた作家の半藤一利さんは沢地久枝(引用者注 澤地久枝)さんらとの対談で日本の組織の特徴を指摘している▼「失敗したときには、一つとしてきちんとした記録として残したことがないですね。要するに、残すと責任者が出てしまいますからね」(『日本海軍はなぜ過ったか』)。もう同じ轍(てつ)は踏みたくない▼国会の事故調査委員会のトップに、元日本学術会議会長の黒川清さんが起用された。政府や学者、産業界、メディアの姿勢を厳しく批判し、外国人も交えた独立調査委員会の設立を訴えてきた人である。「敗戦」に等しい事故の教訓を、世界の共通財産にするよう徹底調査を望む。
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