おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

片付ける日々

2022-05-11 13:26:57 | 日記

 今日も朝から家の片付けをやっている。カフェの営業を終了し、カフェから普通の生活の場所へと変更しようとせっせと片付けているが、さすがに10年という月日は、いろんな物が増えていてちっとも片付かないのである。

 そもそもカフェを始める時に、普通の民家を改装してカフェにした。3部屋をひと間にするため、鴨居を取り、襖や障子も撤去し、畳からフローリングへと変えた。部屋の中にあったこまごました物は、かなりの分量を廃棄処分にしたが、捨てきれない物も多く、とりあえず押し入れやあちこちの収納に放り込んでおいた。そのうち片付ければいいやと思っていたのだが、結局10年間、片付ける暇はなく、今になって10年前のごちゃごちゃをいるものといらないものに分けたり、分散して押し込んでいたものを、なるべくひとつにまとめたりと、見た目にはほとんど進まないのだ。

 分類し、ひとまとめにしたものも、なるべく小分けにして取り出しやすくしていないと、10年前と同じになる。で、必要になるのが、それぞれにまとめるためのケースや箱などで、さまざまな大きさの物が必要になる。

 というわけで、一旦片付けを止め、100円ショップを梯子して用途別に収納ケースや収納ボックスを買ってくる。ついでなので、100円ショップの隣の本屋に立ち寄ったりしていたため、これだけで1日のかなりの時間を使ってしまった。

 本屋では何を買うというつもりもなく立ち寄ったのだが、平積みになった本の表紙に惹かれ手に取ると、そのままそれを買って帰ることにした。カティ・マートン著「メルケル 世界一の宰相」という本である。メルケルさんについては詳しく知らなかったのだが、この前NHKの「映像の世紀」でメルケルさんのことをいろいろやっていて感動したので、買ってみることにしたのだ。

 メルケルさんという人は、もともと物理学者を目指して勉強していた科学者の卵だった。「物理を専攻したのはアインシュタインの相対性理論を理解したかったから」と、本人は語っていた。が、そもそも西ドイツに生まれたメルケルさんは、小さい頃、父親が共産主義に憧れたため一家を挙げて東ドイツに移住していた。東ドイツで科学者としてやって行くことに幻滅したメルケルさんは、多くの人と交わりたいという理由で、政治活動を始める。その後、東西ドイツがひとつになり、51歳の時ドイツで最初の女性宰相となるのである。

 メルケルさんのブレないところは、東ドイツでの経験から、民主主義の大切さを誰よりも痛切に感じていたことで、何があろうと民主主義の立場から科学者として倫理的に物事を判断した。欧州に難民が溢れ、ドイツにも百万単位で難民がなだれ込んで来た時にも、メルケルさんは国民の「俺たちの仕事が奪われる」という意見には耳を貸さず、「ドイツはどんな人たちに対しても壁は設けません」と宣言した。

 そうした姿勢を見ていると、日本の政治家のなんと軟弱なことか。民主主義だのジェンダーレスだのIT化だのグローバル化だの、耳触りのいいことは言うが、その実、中身についてはまるで理解していない人たちの集まりにしか見えないのである。ああいう時代に逆行するような粗大ゴミみたいな人たちは、早く自分から片付いてもらいたい。

コメント
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