フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

マイナーな趣味を持つという事

2024年04月16日 20時15分07秒 | つぶやき
さて、ここの水没遺構を語るにあたり、前提の話をしなけりゃいけないだろう。
「渇水時のダム湖に立ち入るのって違法行為じゃないの?」という疑問だ。
結論から言ってしまえば「(今回に関しては)法律上の問題はない」。
そもそもダム湖の多くは法律で言えば河川法が管轄する「公共水面」にあたり、川の敷地は誰のものでもなく(正確には国の所有)、その場所を行き来したりすることは基本的に自由である。ダム湖の多くでカヤック等が特に許可なく楽しめるのはこういう理由である。もちろんルールはあるが、これは法律がどうこうと言うよりも安全性のため。そして薗原湖もカヤック等のウォータースポーツは特に許可なく楽しめる。
ただダム湖全体が立ち入り禁止となっていることがあるのも事実。これはなぜかと言えば、あくまでも管理上の理由でそこに法律は一切関係ない。理由はいくつかあるが、一番多いのは水位の急激な上下降。発電用ダムだとこれが日常的にあるため、こちらの安全を考えて立ち入り禁止措置をとってくれているわけだ。そして薗原ダムに関してはこの措置が取られていないことからも立ち入りに関しては基本問題はない。もちろん全てのダムには管理用の区域があり、薗原湖もダムに近いあたりはカヤックやボートでも立ち入れないが、今回見た橋の辺りまでは水が溜まっている状態であればカヤックやボート類は問題なく立ち入れる場所。つまり管理上の立ち入り禁止区画でもないのだ。まあ今回の場合、極端に水位が下がっているとは申せゼロではないので、ダム湖の底歩いてダムの管理区域にはそもそも近づけなかったけどね。
ダム湖だった場所はヘドロも溜まっており、地面は管理もされていないから危険はもちろんある。気楽に立ち入って良い場所でないのは確かだが、さりとて危険には一切近づくなと言うのは極論。例えばラグビーをやっている人に「脳しんとうや故障のリスクがあるのにプレイするなんてけしからん」とは言わないだろう。同じ事であるのだが、興味を覚える人が少ないから暴論であっても許されてしまうわけだ。それぞれ趣味でやっているのだから、要はリスクをちゃんと理解した上で慎重に行動しなさいよ、ということである。
こうやって語っていくと「立ち入り禁止区域などに留意し慎重に行動する分には立ち入りは問題ない」と分かってもらえると思うのだが、残念ながらかつて某テレビ局のニュースで「干上がったダム湖に立ち入るなんてとにかく大問題だ」と一方的に暴論をぶちまけられたことがあってね。ダムの管理者にすれば、そら気軽に立ち入って欲しくはなかろうが、程度の大小の問題で、管理者の本音を極端に言えば、ウォータースポーツだって事故があれば管理責任を問われかねないわけだから積極的にやって欲しいわけではないだろう。ダム湖の立ち入りを、どうですか、と言われれば「遠慮して欲しい」という回答にならざるを得ないのは管理者とすれば当たり前なのだ。だからといって立ち入りを全面的に断罪するのは暴論にも程がある。
マスコミは結構物事を調べもせずにテキトーな事を印象だけで報じることがある、なんてのは令和を生きる我々には常識ではあるんだけれども、それでもいまだに影響力は強いままで、つい信じちゃう存在、ってのは昔とあまり変わらない。それだけに「昔ニュースで見たけどそれはいけない事だろ!」と文句をつけられる前に、こうして長々と事情の説明をしなきゃいけない訳なんですわ。まあ、聞く耳を持ってもらえるのであれば「実はこんな感じなんですよ」と事情を説明できるのは良いことではあるんですがね。むしろそういうパターンの方が「そうだったのか」と印象に残りやすいまであるし。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 正体見たり枯れ尾花 実践編 | トップ | 58年ぶりに水面上に現れた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

つぶやき」カテゴリの最新記事