今更言うのもなんだが、ぬたりのこのブログは過疎にも程がある状態であり、定期に読みに来ていただける方は数名しかおるまい、というのが実情。アクセスID自体は1日200を超えるくらいは毎日あるが、これらのほとんどは検索ロボット。いやもうロボットさんはホント毎日律儀にアクセスしてくれるわ。
故に役に立つ情報や群馬のオススメスポットとかを紹介してもほとんど意味はなく、その手の情報はあまり発信していない。ぬたりとて群馬県内の良いところとか美味しくて安いところ(安さは重要。高くて美味しいところはやはり大都市圏の方が圧倒的に多い)の情報はいくつか持っているが、基本的にはあんまりブログの情報にしない。
だから、取り上げるところは得てして一風変わったところ、ということで、今回のネタは前橋市富士見町にある
「創作めん工房 藤家」である。割とこう、アクの強い店の外観で、前から気になっていたんだが、先日ちょっと立ち寄ってみた。
訪れたのは平日の12時40分頃、と言う少しだけ微妙な時間。このため先客は一組、と言う状況。そしてこの日の昼にはぬたりの後には客がいなかった。何故客がいなかったことを断言できるかと言えば話は単純。
ぬたりは昼の部終了の午後2時まで店にいたからだ。1時間20分の昼食というのも長い。
ぬたりが食べるのが遅いのかと言われる前に言うが、ぬたりもデブの端くれ。食べるのは人より早い。店主一人で切り盛りする店なので料理が出てくるまでに少し時間はかかったが、出てきてしまえばあっという間。1時過ぎには食べきっていた。では何故午後2時まで店にいたか。
店主がおしゃべりで返してくれなかったんだもん。
人に歴史ありとは言うが、そもそも店主は元々はカメラ店の経営者とのこと。十数年前にカメラ店を畳んでラーメン屋に転身を遂げている。複数店舗やっていたと言うから、それなりなやり手だったんだろう。実際店内には所狭しと店主撮影の写真(二科展入賞作品もあり)が飾ってある。
カメラ店を畳んだ理由は、フィルムからデジタル移行やら何やらでカメラ屋の経営に暗雲が垂れ込めたかららしく、確かにまあデジカメ全盛以降、カメラ屋の商売はどこもかなり厳しいんでしょうな。以前はどこの街角にもカメラ店があったもんだが、今やとんと見かけない。デジカメバブルが最後の徒花、いまやデジカメすら売れない時代に突入している。スナップならスマホで十分、というかスナップ撮るならスマホのカメラの方が下手したら使いやすいくらいだ。たとえば前回のディズニーランドのネタで工事中のシンデレラ城の写真を載せたが、夜9時頃の照明無しでiPhoneで撮ったのにあんなにくっきり映る。ほんとスナップ撮るだけならスマホのカメラって超優秀。そらデジカメなんかみんな買わんよ。
車に紅葉マークを貼るような、そんなカメラの歴史を体験してきた店主の語るカメラ屋さんを取り巻くストーリーはそれ自体とても面白いものだし、多少はカメラも好きな身で聞く店主の撮影苦労話も思わず聞き入っちゃう話。そんなこんなでかなり長い時間、話を聞かせていただいたわけよ。
店自体、割と外観がごちゃごちゃしていて(中もまあそれなりに)、お世辞にも入りやすい雰囲気ではないものの、店主が店を開いて幾年月、沿線でも割と古株の店になるほど生き残っている。このあたり、「ちょっと変わった感じ」を貫く姿勢と気さくな店主の人柄によるもんなんだろうね。
最初の方に言ったが、ぬたりのブログで取り上げたって客が増える事はあるまいし、実はぬたりとしても、店の外観とか、気さくと言えば聞こえは良いが、人によっては馴れ馴れしいと思われかねない店主(写真の話ができたとは言え、初対面の客相手に1時間も話するか普通?)から、みんな誰でもオススメしたい、という風には思っていないのね。
ただ、赤城山の裾野の、なんてこと無いラーメン屋の、話好きなオヤジの存在を、ちょっとだけでもネットの海の中に形として残しておきたいかな、と思っただけでね。