さてさて、放送終了カウントダウンに合わせて、新たなる行軍歌も高らかにBD発売の「ラブライブ!」
マイナー思考が骨まで染みこんだ古参ファンとすると、今季アニメの中でも評価が高い、というネットでの評判を鵜呑みにすることは出来ずに、ホントかよ、とまず思ってしまうところが何とも。
データ的には、BD売り上げはオリコンで初日(フラゲ)6位(劇場版リリカルなのは、ガンダムUC2本、ガルパン、ホライゾンに次ぐ)で発売日が4位(ガルパンとホライゾンを上回る)、アマゾンでは5位(前述4位時の作品にエヴァQが加わる)。この手のソフトはフラゲの日の方が順位は高いもんだが、予約した人の割合が多かったのかしらね。
他にも関連CDは軒並み2万枚前後の売り上げをかっ飛ばし、オリコンのシングルデイリーランキング一桁の常連にすらなった。
こういうデータで見れば、まあ確かに評価は高かったのかなあ、という感じにはなってくるな。まあもちろん「アニメファン」という狭いカテゴリの中でだけども。オリコンランクインと言っても、何しろ昨今映像ソフトやCDを律儀に買うのは、A○Bとジャ○ーズとアニメのファンくらいだからね。
多少はその要因を真面目に語れば、アニメファンってのは非常に保守的な層で、基本的にはテレビアニメになってナンボ、という意識があるんだろうと思う。たとえCDのPVにサンライズがアニメ製作しようとも、テレビアニメになっていなければ興味の対象とはならない。
で、多くのヲタの興味の対象とならないままに2年強、CDのドラマパートや総選挙でキャラを地道に育てた結果、テレビアニメ化されたときにはキャラが十分育っていて、スタッフの間でもキャラの性格の共有化や、扱いの熟練が上がっていた。
で、肝心のアニメが展開的には実に王道のストーリーに仕上げた。努力友情障害挫折勝利
萌え。アニメ作品として、奇をてらったことは実はしていない。もちろん、スクールアイドルをパッと作ってパッと歌が仕上がってパッとステージアクトも出来ちゃう、という物語の根本にリアリティはお世辞にもない。だけども味付けは実に王道。だから安心して見られるのかも。
さて、実際ストーリーに関して言えば、これまでのCDのドラマパートはもっとアクが強かった。
この企画を語るのに避けて通れない方が原作者の公野櫻子さん。通称は
ゴッド公野。
ゴッドの二つ名は良い意味でも悪い意味でもある。電撃G’sの企画で言えば、あなたに12人の妹が! という
突っ込んだら負けなコンセプトの「シスター・プリンセス」。あなたに19人の美少女姉妹と母親が! という、もはや
突っ込む言葉すら見当たらない「Baby Princess」。この二つの作品の原作者である、ということを話せば二つ名の意味を分かっていただけるかと思う。
もうどう考えても
「退かぬ! 媚びる! 省みぬ!」と叫んでいるとしか思えず、ぬたりとしてもこれらの作品は正直ついて行けはしない。話を聞いたときには、ヲタの世界はここまでやるか、と愕然としたもんである。
もちろん、企画自体が誰の脳味噌から出てきたのかははっきりしない。こういうコンセプトで書いて下さい、と依頼されたことも十分考えられるからね。文章書いた企画にぶっ飛んだコンセプトが連続したからと言って、公野さんの名前だけであれこれ言うのは片手落ちと言えば片手落ち。ただしまあ無関係ではないわけで、それなりに訓練されたヲタでないとついて行けないお方、というのは当たらずとも遠からずなことではある。
実際、ファーストシングルのドラマパート(自己紹介)は通称
事故紹介と言われて、それはそれは生のタケノコをそのまま囓るくらいの強烈なアクにまみれている。
ただし、ヲタ、という限られた世界において、強いアクというのは個性とも言える。その点に関して言えば、適当に萌え単語並べてるだけの凡百のラノベ作家を遙かに凌ぐ魅力と言えなくもない。実際電撃G'sの企画を代表する原作者として、第一線を張り続けていることがその証拠。ラブライブを代表する名言にまで成長を遂げた「にっこにっこにー」は、公野さんの脳味噌から出てきた言葉と考えて間違いないし。
ま、ともかくBD見ます。あと今日はBS11の放送もあるし、邪魔しないようにね皆の衆。