フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

正体見たり枯れ尾花 実践編

2024年04月15日 20時55分57秒 | 日記
以前にも取り上げたことがあるんだが、群馬県沼田市利根町にある薗原ダムにかかる赤い吊り橋、薗原橋は県内有数の心霊スポットになっている。
で、取り上げるたびに言っているが、あそこが心霊スポットな訳はない。自殺者が続出なんていうソースはそもそもないし、心霊現象が多発して語られるほど人が多く行く場所でもない。ただ話に尾ひれをつけてみんな語っているに過ぎないんだけど、ぬたりは原因を「場違いに赤く立派に見える橋だという違和感」にあると分析している。赤いので周囲からは目立って見えるが幅は車一台がやっとで渡った先に特に何もない。周辺は別に観光地化されてもいない。じゃあこの橋はなんのためにあるの? というのは多くの人が疑問に思う。
以前も述べたが、「道の向こうには耕作地があった」「ダム建設前に同じ場所に架かっていた橋を付け替えた」「対岸にキャンプ場開発など開発の予定もあったし、ダムが完成した頃はダム自体に観光要素もあった」と言う理由でここに赤い橋が架けられたと考えれば別におかしな話でもない。こういうことは調べなきゃ分からないから、違和感を短絡的な説明で補うのに得てして心霊話は使われる。心霊話は違和感の説明には一切なっていないんだが、違和感に対して、よりおかしな話をぶつけると、不思議と腑に落ちたような気がしてしまうもんなのさ。
CBC製作の「道との遭遇」で道マニアの鹿取さんも仰っていたが、「道路というのはそれを使う人のために作られ、人々の生活を便利にするためだけに歴史を重ねる。だから心霊だなんだと言って道を貶める行為には苛立ちを覚える」。確かにこの橋は今や使う人も相当に少ないと考えられる(橋の向こうの耕作地も現在は使われていない)が、それでも求められて生を受けた橋な訳で、昭和40年頃にかけられて約60年、人々の生活を支えてきたんである。そのリスペクトを少しは持って欲しいと思う。
で、心霊話はさらに話を盛り始める。ぬたりが指摘した「そもそもここに橋があったから橋があるのが当然」というツッコミにでも対処するつもりか「そもそも昔かかっていた橋が危くて、転落者も多くいた。だからここは昔からのスポットだ」などと言い出すわけだ。今やダム湖に沈んだ元々の橋が悪かったのだ、と言う。ふーん、もとの橋ね。

では、このコンクリート永久橋のどこが危ないのか、ぬたりの目を見て説明してみる気はないか?
写真の撮影日は2024年2月12日。この場所は渇水期にも水面上に出てくることはまずない場所なのだが、ダム施設工事のため、撮影当時恐ろしいくらいに水が引いており水面上に顔を出していたんである。幅の狭い吊り橋の旧橋だからさぞかし見窄らしい橋だったんだろうと短絡的に考えたんだろうが、残念ながら旧橋は県道の橋でもあったので(現在県道はルートが変わっている。写真の奥に現在の県道が写ってますね)、実際には現行の橋よりも遙かに立派な橋だったのだ。心霊話がいかにテキトーに語られているかの物証が、こうしてダムの底から顔を出したわけである。普段旧橋が見えないからって好き勝手語りやがってからに。
別にぬたりは世の中のすべての心霊現象を否定したい、と言うわけではない。世の中には不思議なこともあろうし、お盆には実家帰って線香の一つもあげる。だが、世の中の心霊スポットに関しては、それが語られるようになった背景を分析していた方が、現地行ってバカ騒ぎするよりもよほど面白い。語られるようになった原因や理由も結構多くの事柄が絡んでいることも多い。だからそれらを紐解いていくことは謎解きゲームのようですらある。薗原ダムに関しては、全国有数の反対運動の激しさだった、なんてことも理由の一つとなり得るかもしれないしね。

さて、この橋に関しては心霊スポット話を抜きに語ることはできないので長々と語ったが、道路好きとすると、めったにない低水位で浮上した遺構なんてのは探索ネタとすれば垂涎もの。見かけた2日後には探索を行ったわけだ。(次回はちょっと脱線するよ)
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