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忍者プリンセス・セガ/ポニーキャニオン

2011-04-17 18:40:08 | MSXゲームReview

 『忍者プリンセス』は、セガより1984年に発売されたアーケードゲームです。86年にセガよりSG-1000版が、同じ年にポニーキャニオンよりMSX版が発売されました。業務用とSG-1000版は、わりと有名な作品だと思いますが、それに比べるとこのMSX版はあまり知られていないと思われます。


 ストーリーは、忍者でもある『くるみ姫』が、乗っ取られた寒天城を取り返すために忍術を駆使して玉露左衛門に挑むというもの。この時期としても、割とオーソドックスな縦シューティングゲームで、手裏剣を真正面と任意方向に飛ばせる2つのボタンを持っていました。最も特徴的だったのは、忍者の設定を生かす姿を消せる術が使用可能だということ。これには回数制限はありませんが、持続時間は短いものになっています。


 オリジナルの忍者プリンセスを知っている方には、ちょっと違和感の残るMSX版忍プリのボックスアート。オリジナルの業務用版自体が、キャラゲーとしての要素を持っていましたので、オリジナルとはキャラの雰囲気などがかなり異なります。実は、これはSG-1000版のボックスアートに依拠しており、SG-1000版のものの配置を少し変えてより女性的でファンシーなタッチに変更してあるという感じになっています。イラストのタッチを変えたのは、女性や子ども層も狙ってということなのでしょうか。女性イラストレータの手によるものなのか、ファンシーで柔らかい感じがなかなか良いと思います。


 オリジナルである業務用のステージ構成は16で、SG-1000版とMSX版では短縮されて13ステージとなっていました。寒天城下に広がる、のどかで牧歌的な田園風景を抜けて、城下町、城のお堀、城内などを通過して玉露左衛門を目指します。ただし牧歌的なイメージとは裏腹に、難易度はかなり高い作品であったりします。


 忍者を扱った作品としては『』(80/セガ)、『サスケVSコマンダー』(80/SNK)を皮切りに、『忍者くん魔城の冒険』(84/UPL)、その派生作品『じゃじゃ丸くん』シリーズ、『影の伝説』(85/タイトー)へと続いてきます。この辺りくらいから勢いが増し始め、『忍 -SHINOBI-』(セガ/87)、『ニンジャウォーリアーズ』(THE NINJA WARRIORS 87/タイトー)、『忍者龍剣伝』(テクモ/88)、『未来忍者』(88/ナムコ)と続々と製作されるようになります。これは、ちょうどこの頃に米国でNINJYAブームなどが起きていたことも関係しているかと思います。最初期の『サスケVSコマンダー』こそ(時代的なこともあって)固定画面のシューティングゲームでしたが、その後の作品は(忍者の特性を生かした)ジャンプや体術を使える横スクロール型のものがほとんどでした。忍プリは、どちらかというと『戦場の狼』『ガンスモーク』(共にカプコン)の系統に属する、忍者ものとしては珍しい部類だと思います。


 セガのゲームである忍プリが、音楽・映像会社であるポニーキャニオンから発売されていたというのも少し意外な感じですが、当時ポニーキャニオンはPCやFC向けに様々なゲームを発売していました。特にMSXでは、“ヒーロー”“ピットフォール”などの米アクティビジョン社からの海外移植もの、“南極物語”“チェッカーズ IN TANTANたぬき”“バックトゥザフューチャー”などの映画版権もの、“プロジェクトA”“スパルタンX”“プロテクター”“ポリスストーリー”などジャッキー映画もの、そして“ザクソン”“ハングオン”“チャンピオンプロレス”“チャンピオンサッカー”などのセガからの移植ものなどが出ていました。これはMSXがSGシリーズと性能的に似通っていて、移植しやすかったというのも理由のひとつかと思います。そのためかセガマークⅢの頃になると、上位機種であるMSX2の方へ移植することが多くなっていきました。


 個人的な忍プリの思い出としては、当時はアーケード版ではほとんど遊んだことがありませんでした。難易度が高かったということ、わりとオーソドックスな縦スクロールシューティングと、当時としても目新さはなかったということなどが理由でした。MSX版の方は、学校帰りによっていたデパートのPC売り場の試遊機でデモをしていたので、それで遊んでいた記憶があります。こちらも方も難しくてたいして進めなかったように思います。 



参考:Wiki Category:忍者作品、ポニーキャニオン、MSXのゲームタイトル一覧の項、198X総集編“忍者プリンセス”)、International Arcade Museum


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