80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

ヒーロークエスト・タカラ/Milton Bradley Ltd./Games Workshop

2006-12-31 17:07:44 | 玩具・雑貨

 これはタカラが1991年に発売した、ファンタジーRPGボードゲーム『ヒーロークエスト』です。新年に相応しく双六ネタを・・というわけではなく、ただ単に片付けをしていたら発見したため、紹介することにしました。自分でも、このようなものを持っていたことをすっかり忘れていました。


 これは、よくあるファンタジーっぽいボードゲームとは、すこし異なっていて英国のゲーム会社Games Workshopが開発を担当したものです。Games Workshopは英国最大級のゲーム製作・販売会社であり、あのイアン・リビングストンとスティーブ・ジャクソンによって設立された由緒ある会社です。そのため内容も本格的で、TRPGを遊びやすいように子供向けにアレンジしたものとなっています。


 箱を開けたところです。ゲーム盤、フィギュア・小道具(プラ製)、ルールブック&シナリオ集、キャラクターシート、トレジャーカード、ダイス×6などが入っています。一般のボードゲームと比べて目に付くのは、プラモデルのように切り取ってつかうフィギュアがやたらと多いところと、サイコロが6つも付いてくるところでしょうか。またゲーム盤やスクリーン、キャラクターパネルなど、板ものが多いです。



 ゲーム盤とフィギュア、キャラクターシートはこんな感じです。ゲーム盤は一般的なボードゲームとは全く異なり、部屋割りと床の模様が書いてあるのみで、ボード上には規制はありません。キャラクターシートは、自分のキャラの数値を書き込むようになっていて、ゲームブックに附属していたものを思い出します。またフィギュアは、日本風のかわいくデフォルメされたものでなく、いかにも海外作品らしい良い雰囲気をもっています。


 これは全くの未使用品で、実は私も遊んだ事はないため、解説書を見ながらの紹介です。家具や調度品などの組み立て方の指示がしてあって、本棚、武器庫、王座、祭壇、拷問台などをプラモデルのように組み立てる必要があり、なかなか凝っています。子供の頃に、これを入手していたとしたら、きっとホビー心がくすぐられてわくわくしていた事でしょう。今でも専門のショップ等行けば、このような(もっと大人向けの)セットは、入手できます。しかし、これは一般の子供向けに大手のタカラが販売したものです。当時の子供達にとって、いかにRPGが興味を惹く遊びであったかを示しているとも言えそうです。


 このような感じで、ダンジョンマスター役にシナリオ集が準備されています。これに部屋の配置やトラップなどが記されていて、シナリオごとに設定を作り直して遊ぶわけですね。ほんとうに子供向けに、遊びやすくした簡易TRPGセットだと言えると思います。TRPGは、本格的にやると基本ルールセット(5千円~)や、メタルフィギュア(一個1,000円~)などお金のかかる大人のホビーです。このようにセットになっていて手軽に遊べるのは、入門用になかなか良い商品だったと言えるでしょう。(ただ箱に張ってある当時の値札は6,800円となっていますから、ボードゲームとしては破格の値段だったようですが)


 これはボードゲームを愛好する人には、結構知られていて意外とレアなもののようです。そのためかネット上にもほとんど情報らしい情報がありません。追記:再度ヒーロークエスについて紹介しなおしました。より詳しい記事は、こちら

ダンジョンマスター(Dungeon Master)・FTL GAMES/ビクター音楽産業

2006-12-30 22:15:24 | RPGゲームReview

 ダンジョンマスター(Dungeon Master)は、1987年に米FTL GAMES社により開発されたリアルタイム3D型のRPGです。日本ではビクター音楽産業によって、国内のPCやSFCに移植されました。続編として『カオスの逆襲』(Chaos Strikes Back/90)、ダンジョンマスター2として『スカルキープ』((The Legend of Skullkeep/93)が発売され、このスカルキープは3部作の予定だったそうですが、1996年にFTL GAMES社が倒産したことにより幻となっています。また外伝としてPC-E版『セロンズクエスト』、SS版『ダンジョンマスターネクサス』が発売されていました。ダンジョンマスターを基にした小説や、漫画なども存在しています。


 SFC版のROM取扱説明書。キャラクターが日本向けに少しリアルにアレンジされ、音楽の方も強化されていて、よい移植だったと思います。


 このゲームの一番の特徴としては、それまで静的であった迷宮型のCRPGに、リアルタイムの概念を取り入れた事でしょう。(CRPG史の中でも大きな飛躍、革命だったと思います)。今ではごく当たり前になっていますが、当時はPCの性能上の制約もあって、リアルタイムでモンスターが迫ってくるような表現はほとんどなかったのです。そのため発表された時には、ちょっとした衝撃が走ったほどでした。その衝撃がどれだけ大きかったかは、ウルティマがリアルタイムの3DRPG『アンダーワールド』を、ウィズが『ウィズ6』で大きな変化を見せた事からもわかると思います。


 モンスターが動き始め、迷宮を歩き回ってプレイヤーに迫って来る以外にも、睡眠や空腹の概念が持ち込まれて、キャラクター管理にまでリアルな時間が持ち込まれていました。それだけでなく、扉が作動を始める前にその下を走り抜けるなど、リアルタイムを利用したトラップも盛り込まれ、まさにリアルなダンジョンがPCの中に出現していたのでした。また投げた物は、ちゃんと通路の先に落ちていたり、床の上に置いたアイテムが消える事もなくなっており、当時のPCとしては驚異的に膨大なデーター処理もされていたと思います。また徹底的に世界観を作りこんでありながらも、物語がプレイに関わってくる部分はわずかで、迷宮内での行動にのみ没頭できるため、それがより現実感を生み出していたのでしょう。


 これが、日本のPC誌で話題になった頃には、ぜひ遊んでみたいと思いました。そのためこれを遊ぶためだけに、SFCを買ったようなものでした。(大分安くなってからですが)。SFCは、FCに比べるとレトロな感じに欠けるためか、今日では影が薄くなっています。しかし海外作品がかなり数多く移植されていて、わざわざPCを買わなくともそれらに触れる機会を与えてくれていた、貴重な機種でもあったと思います。SFC版は、新たに音楽が加えられて臨場感が増し、モンスターデザインも微妙に日本向けのアレンジがされていて、なかなか良い出来でした。


 今これを遊ぶ場合には、個人が作った有名なフリーのクローンソフトがあります。『ダンジョンマスターRTC』で検索すれば、直ぐ見つかると思いますが、あくまでもフリーソフトですから、それぞれ個人の判断と責任で遊んでください。またSFC本体も『ダンジョンマスター』の中古ソフトも、底値で売っていますので、そちらを入手することも難しくはないと思います。

参考:Wiki ダンジョンマスターの項

ドラゴンスレイヤー・日本ファルコム/SQUARE

2006-12-25 22:44:36 | RPGゲームReview


 ドラゴンスレイヤーは、日本ファルコムが1984年に発売したARPGで日本のアクションRPGの元祖とも言われています。(ハイドライドと同年だが、こちらの方が若干早かった)。80年代最高のプログラマーの一人にも数えられる木屋善夫氏の作品で、この後ファルコムで氏が携わった作品には、全てドラゴンスレイヤーシリーズの冠が付けられる事になります。(1.ドラゴンスレイヤー、2.ザナドゥ、3.ロマンシア、4.ドラスレファミリー、5.ソーサリアン、6.ドラゴンスレイヤー英雄伝説、7.ロードモナーク、8.風の伝説ザナドゥ)。


 これは通常ARPGに分類されますが、アクションゲームとしての要素があったり、パズル的な要素があったりと、あまりジャンル分けは意味をなさない独特のごった煮的なゲームです。まずプレイヤーは、攻撃のための剣を持っていませんので最初に探す必要があります。その後自分の家を起点にして、宝箱の鍵、体力をあげるコイン、消費する事で魔法が使える魔法のボトル、強さを上げるパワーストーンを拾ってゆきます。ある程度強くなったら、モンスターを倒して経験を積むことで魔法が使用可能になります。その後3首のドラゴンを倒して、4つの王冠を自分の家に持ち帰ることでステージクリアとなります。


 これはMSX版ですが、MSX版はなぜかあのSQUAREより発売されていました。無駄にでかい化粧箱みたいなケースに入っています。他機種版のように、イラストを前面に出したものの方が良かったかな。



 でかい箱の中にROMがちょこんと入っています。しかも真ん中の窪みがROMの大きさにあってなかったり。他のゲームから流用しているんでしょう。説明書も、飾り気がなくごく質素な感じ。


日本のゲーム業界を代表するスクエアも他社の下請けみたいなことをしていた時期があったんですね。


 MIA(アスキー)より出版されたゲームブック版。モンスターや魔法は、続編のザナドゥから持ってきている。リアル志向で3Dの迷宮を探索するなど、原作の面影はない。


 ゲームの概要を簡単に書いてみると、ごく普通のRPGのようにも思えますが、このゲームはそんな単純な定義をすり抜けてしまう、独特で不思議な世界を持っていました。剣やアイテムを拾うのに、ブロックが積み重なってできた壁が邪魔になりますので、アイテム(指輪)を使って、それらを移動させる必要があります。剣などの重要アイテムは、取れそうで取れない位置にある事が多いため、ブロックを移動させてアイテムを取る、倉庫番のようなパズルをやらされるハメになります。キックの魔法が使えるようになると、ブロックを蹴飛ばせるようになり、今度はセガのペンゴのように飛ばしたブロックで敵を倒せるようになります。さらに経験値がたまって強くなると、ブレイクの魔法でブロックを粉砕し、フライの魔法で空を飛べるようになり、マップ内を自由に行き来できるようになります。


 また、当時遊んだ人の印象に一番強く残っているのは、真面目なのか何なのか、よくわからないモンスターのデザインではないでしょうか。フラッピーのエビーラ足だけのピロエース怪物くんのフランケン、それに目玉テレビおまけにタモリ?まで登場してきます。さすがにこれは悪乗りしすぎだったのか、MSX版では亀やヘビ、カニ、マージャンパイといった無難な?敵に変えられてました。(これも手抜きなのか、何なのかよくわかりませんが)。ゲームボーイ版SS版でも、これらの敵は登場してこなかったように記憶しています。※スーパーカセットビジョン版では、登場してたようです。


 このゲームのキャッチコピーは、『前代未聞麻薬的爽快遊戯』というのですが、確かに類似するもののない独特なゲーム性で、中毒的にはまり込む不思議な魅力をもっていました。ステージをクリアするタイプのゲームなので、ドラゴンを倒し王冠を手にするまで半日もあれば終わるのですが、遊んでるうちにブロックを並べかえて新たな地図を作ってみたり、モンスターの出口をブロックで囲って牧場をつくってみたりと、ついゲームとは関係ないことに熱中したりします。


 ドラゴンスレイヤーは、88や98など当時のほとんどのPCに移植されていた他、エポック社のスーパーカセットビジョンゲームボーイでも発売されていましたが、それらは皆入手困難だと思います。入手しやすさからいうとレトロゲームの復刻サービスか、サターンのファルコム・クラッシック版かなと思います。

※追記、MSX版でもタモリらしき人物は登場していました。2006年の記事を写真差し替え

参考:Wiki ドラゴンスレイヤーの項、OLD GAMERS HISTORY ロールプレイングゲーム創世記編・メディアパル

チャレンジアップベースボール(CHALLENGE UP BASE BALL)・バンダイ

2006-12-24 20:15:45 | 電子ゲーム
 これはバンダイが、1988年に発売したLCDゲーム『チャレンジアップ・ベースボール』です。1988年には、セガより16ビット機『メガドライブ』が発売された年ですから、世間一般の目はポストFCに向かっていた頃で、電子ゲームとしては(時期の外れた)かなり後期のものだと言えると思います。

 もともと野球ゲームは電子ゲームの定番で、エポック社が『デジコム9』、バンダイが『LSIベースボール』、学研の『ベースボール』など、LEDゲームの頃から発売されていました。これらの初期のLSI野球ゲームのコンセプトは、当時野球ゲームの定番だった野球盤を自動化(電子ゲーム化)することではなかったのかと思います。その後も音声が出る液晶ゲームが発売されたり、FCの時代になり選手のより細かな挙動が表現できるようになったりと、野球ゲームは進歩を続けましたが、最も大きなものは1984年にナムコより『プロ野球ファミリースタジアム』(ファミスタ)が発売されたことでしょう。

 それまでの野球ゲームには、基本的に選手ごとの能力の違いはありませんでした。ファミスタは、選手ごとに能力差(個性)を設定し、それまでは野球盤のコマでしかなかった選手たちを、実在の選手や球団をイメージさせるものへと変えていました。またスタミナの要素も盛り込まれ、連投させ続けるとピッチャーの球威やコントロールがだんだん衰えてくるなど、野球のゲームが一挙にリアルな物へと変貌を遂げていました。これ以降から90年代初頭ぐらいまで、友達の家などにいったら必ずといっていいほどファミスタが置いてあって、夜通し遊ぶのも珍しくないといった感じになりましたね。

 そこで、この『チャレンジアップ・ベースボール』なのですが、さすがに目標は野球盤ではなくファミスタに代表されるTVゲームですから、かなり凝ったものとなっています。まず6チーム72人が用意され、(代打やリリーフまで含めて)選手全員に打率やHR、右打ち、左打ちのデーターが準備されています。(さすがに名前はありませんが)。変化球も5種準備され、バッティングもボール・ストライクのコースを見極めて行なうようになっていて、リリーフ、代打などの、選手交代の概念もちゃんとあります。またランナーの盗塁・チェンジアップや、内野手が転がるボールに飛びつく捕球まで再現されていて、長打コースや外野のファインプレーの概念も入っています。おまけに攻撃・守備それぞれに5種類のパワーアップアイテムまで準備され、あまりメーカーも力が入っていないように見える外観とはうらはらに、なかなかの充実振りとなってます。

 ファミスタなどがまだ難しいお子様や、リーマンのちょっとした暇つぶしなどをねらった商品だと思いますが、あの時代に製作者のこの情熱は、果たして報われたんでしょうか。今でも電子ゲームは決して消え去ったわけではなく、キーチェーンや脳力ゲーム、ファンシーなキャラものなどに形をかえて、生き残っています。売り場の片隅に置かれていて、あまり注目される事も少なくなっていますが、このカテゴリー、実は今も結構熱いものがあったりします。

ウィザードリィ(ウィザードリィ コレクション)・ローカス/Sir-Tech

2006-12-24 14:30:57 | RPGゲームReview

 『ウィザードリィ』(Wizardry)は、1981年6月に米Sir-Tech社より発売されたRPGです。TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons)に影響を受けて製作された作品で、ウルティマローグと並んでCRPGの原点とされています。発売後、圧倒的な支持を受けてシリーズ化され、現時点で1~8まで作られています。数年前までは、新作の9も噂されていたのですが、米Sir-Tech社の倒産によりSirTech Canada社へと権利が移ったこともあってか、今ではその話も聞かれなくなってしまいました。写真は、98版1~7+エミュを収めた『ウィザードリィ・コレクション


写真は、Apple版1~5を収めた書籍版『ウィザードリィ・コレクション


 もともとはロバート・ウッドヘッド(Robert Woodhead)と、アンドリュー・グリーンバーグ(Andrew C. Greenberg)という2人の大学生によって生み出された作品で、当時彼らが熱中していたTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』をPC上に再現するというコンセプトでつくられていました。(RPGの煩雑な戦闘の計算や、キャラクターやシナリオ管理などのDM役をPCにやらせて、一人でも簡単にTRPGを遊べるようにするといったようなもの)。これが発売された当時は、迷宮探索に熱中するあまり、学校や会社に行かなくなる人が続出するなどの多大な反響があったようです。また日本では、本格的で重厚なファンタジーRPGと受け止められている部分もありますが、実際は大学生の悪ノリ的なパロディの要素(モンティ・パイソン、セサミストリート、侍、忍者だの、ワードナー事務所の営業時間だの)がたっぷりと含まれている作品でもあります。


 その後のシリーズ4作目には、ロー・アダムス氏(Roe.R.Adams III)がシナリオに参加して、シナリオ1のラスボスであった『ワードナー』にプレイヤーが扮する外伝的な作品がつくられます。シナリオ5からはデイヴィット・W・ブラッドリー氏(David.W.Bradley)が参加して、NPCの追加や戦闘システムの見直し、迷宮の複雑化など、大幅に内容が強化されました。シナリオ6以降は、オリジナル製作者の2人が抜け、ファンタジーだけでなくSFの要素も含んだ新シリーズとなりました。(当時人気のあった、ダンジョンマスターの影響も受けている)。これは旧来のファンには賛否あったようで、今でも評価の分かれるところとなっています。(現時点での)最新作の8では、ブラッドリー氏も抜けて米Sir-Tech社の倒産もあって、完成がかなり遅れたようです。(SirTech Canada社へと引き継がれてようやく完成した)。ここでウィズも初フル3Dになり(リアルタイムではない)、新しいシステムへと変貌を遂げていましたが、未だに家庭用ゲーム機に移植されていないため、気軽に遊べないのが現状です。



 日本では長いことAppleⅡなどでしか遊べず、伝説的な作品として待たれていたのですが、1985年にアスキーによって国内のPCへと移植されました。1987年にはアスキー/ゲームスタジオによってFCへと移植されて、これによって一般的にも認知され、広く遊ばれるようになりました。ファミコン版は、遊びやすいように様々な配慮がされた非常に良い移植で、オリジナル版にも影響を与えるほどの完成度を持っていました。(ここでイラストに末弥純氏、音楽に羽田健太郎氏が起用され、以後日本のウィズの基本的な形が完成されました)


 また日本国内では、日本版の移植を担当したアスキーより、本家とはまた違ったウィズ外伝としてオリジナルの作品群が作られ、本国とは別の展開を見せるようになりました。オリジナルの1~5の基本的なシステムを流用した、日本独自の発展型ともいえる内容で、国内だけでなく海外でも非常に高い評価を得ているようです。


 これは、1988年にアスキーより発売されたウイザードリィロールプレイング。TRPGダンジョンズ&ドラゴンズを元に開発されたCRPGのウィザードリィを、もう一度TRPGに仕立て直したという変り種。これも日本オリジナルのもの。




 現在ではアスキーの外伝だけではなく、他社も参入して様々な機種向けにウィズの名を冠したオリジナルの作品群を送り出しています。アメリカ本国以外で、最もウィズを愛しているのは、間違いなく日本人だろうと思います。


 個人的には、80年代に友達の家のPC-88版で初めてウィズに触れ、その後ファミコン版で本格的にやり込んで熱中して、SFCで5、6を、SS版で6を、PS版で7を遊びました。リルガミンサーガが出ればそれで遊んで、GBC版が出たらまた遊んでと、同じゲームをここまで何回も遊んだ事は他にはなかったと思います。(シナリオ8だけデモ版のみ遊んだ)。それぞれのシナリオに魅力があると思うのですが、個人的には『Wizardry7-Crusaders of the Dark Savant』が一番良かったと思います。これのPS版は、PSの初期ということもあってか、製作会社がPSの仕様書を鵜呑みにして製作したため、計算上と現実にズレが生じてしまい、非常に重く遊びにくくなっていました。また原作自体も舞台が宇宙にまで拡がって、光線銃だのレーザー剣だの登場した、B級SFのようなノリになっており、あまりファンの評判は良くなかったようです。しかしプレイヤーだけでなく、他のNPCも最終目的であるアイテムを求めて独自に行動するようになっており、NPC同士で殺し合いやアイテムの奪い合いをするようにもなっています。またプレイヤーが、どの種族と協力関係を結ぶかで展開がかなり異なってきたりと、自由度が高くなっていて、非常に世界観が作り込まれた良く出来た作品だったと思います。


 『ウィザードリィ』は、第1作目があまりにも完成されすぎていたために、後から手を加え難かったのか、RPGの進歩から置いていかれたようになっていました。特にシリーズ後半には、米Sir-Tech社の倒産もあって、同じくRPG古典の『ウルティマ』が、常に最先端のシステムを取り入れ、遂にはオンラインゲームにまで発展したのとは対照的に、続編も危ぶまれるほどになってしまいました。それでも次に新作が出るとすれば、オンライン化されたものになるのでしょうから、再びRPGの新境地を開拓するようなものとして、復活してくることを期待したいと思います。



参考:Wiki ウイザードリィ、ロバート・ウッドヘッド、アンドリュー・グリーンバーグ、ロー・アダムス、Sir-Tech社の項、ウィザードリィ・コレクション(書籍版)/ローカス