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ザ・ビッグプロレスリング/タッグチームプロレスリング・データーイースト/ナムコ

2011-04-16 22:26:36 | レトロゲームReview

 “ザ・ビッグプロレスリング”(THE BIG PRO-WRESTLING)は、業務用初のプロレスゲームとして1983年12月にアーケードゲームとして登場しました。開発元はテクノスジャパン、発売元はデーターイースト。“タッグチームプロレスリング”(Tag Team PRO-WRESTLING)の方は、“ザ・ビッグプロレスリング”のFCへの移植版としてナムコより1986年に発売されました。


 ザ・ビッグプロレスリングは、「ジェミニブラザーズ」のサニーとテリー(猪木と藤波?)を操作して、猪木コール(風の合成音声)が流れる、いかにも昭和のプロレス会場といったリングで、2VS2のタッグマッチ一本勝負で勝敗を争います。敵は赤いマスクマンと、アンドレ風の巨漢レスラー。レフリーは、全日のジョー樋口風で、場外に落ちると、タイガージェットシン風のレスラーが乱入してきます。フォール時には、猪木風の“ダァーッ”の掛け声も。一応新日&全日公認らしいのですが、実際のレスラーをモデルにしたキャラは登場せず、ステージが変わってもずっと同じレスラー同士で戦うことになります。対するタッグチームプロレスリングの方は、86年発売という時代を反映してか、長州&ストロングマシーン風の「リッキーファイターズ」を操作して、ロードウォーリアーズ風&覆面レスラーの「ストロングバッズ」と戦うことになります。


 このザ・ビッグプロレスリングが、後のゲームに比べ変わっていたのは技の選択方法。敵と組み合う(敵の腕が下がった時に組み合うと技がかかる)と頭上にウインドウが表示され、技名が表示されます。そのまま選択ボタンを押すと表示される技が変わってゆき、決定ボタンで技がかかる仕組みになっていました。ボタンを連打して後になるほど大技が出るようになっており、巨漢のアンドレ(風レスラー)にはボディスラム以上の投げ技がかからなくなっていて、このあたりもゲーム性に一役かっていたと思います。この後の“アッポー”/セガ(84)では、ボタンとレバー方向により技が決まるようになっており、その後の格闘ゲームでもボタン+レバー方向というシステムが定着しましたので、この後この方式が使われることはあまりありませんでした。


 個人的な思い出として、当時ゲームセンターにてザ・ビッグプロレスリングを遊んだ記憶があります。せいぜい1面か2面くらいまでしか行けなかったのですが、後のコマンド式格闘ゲームと比べても(コマンドを覚える必要がないので)技が出しやすく、敷居が低くて遊びやすかった様に思います。この後のアッポー(セガ/84)では、猪木やタイガーマスク、ハンセン風など実在のレスラーを元にしたキャラを選択でき、それぞれが必殺技を持っているなどかなり進歩していたのですが、個人的にはこのゲームのシンプルさと、(ちょっとコミカルな)馬鹿馬鹿しさが好きでした。タッグチームプロレスリングの方は、移植まで少し間がありましたので、懐かしい~という感じで遊んでいました。


 ゾルゲ市蔵氏『謎のゲーム魔境4』(データーイースト&ビッグ東海特集)では、このゲームの開発者(当時テクノスジャパン)米田氏へのインタビューが掲載されています。それによると初のプロレスゲームということで、社内より反対の声が上がったそうです。当時の基盤(Z80)では、現在のようなテンポの良いプロレスゲームが作れないということで、技を選択式にして雰囲気重視で開発をされたそう。この後テクノスジャパンは“カラテ道”(データーイースト/84)、“出世大相撲”(84)、“エキサイティティングアワー”(85)とちょっとコミカルな格闘ものの傑作を生み出していくことになります。米田氏自身のサイトでも当時の開発秘話を見ることができます。


 タッグチームプロレスリングの方は、86年という時代を反映してか、あるいは移植を担当した当時のナムコのカラーからか、少し軽くて洒落た雰囲気になっています。この時期ナムコは、バーガタイムー(ハンバーガー)、カルノフドラゴンニンジャ等のデーターイースト作品を数多く移植していました。またタッグチームプロレスリングには、“タッグチームプロレススペシャル”という、限定版プレミアソフトが存在することでも有名だったりします。



参考:Wiki タッグチームプロレスリングの項、謎のゲーム魔境/ゾルゲ市蔵・マイクロマガジン社、電脳遊戯/コンピュータゲーム(米田氏のサイト)、International Arcade Museum


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