80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

TECTRON(テクトロン)No.3 コマンドレーダー・バンダイ

2010-06-29 18:44:13 | 電子ゲーム


 これは、電子ゲーム後期(83年頃)にバンダイより発売されたTECTRON(テクトロン)シリーズのNo.3コマンドレーダーです。同シリーズには、No.1『エッチな小人』、No.2『オモラシベイビー』、No.3『コマンドレーダー』の3種が発売されていました。箱には、エレクトロニクス テクトロン LSI GAME&AM RADIO&ELKITと書かれています。電子ゲームブームも後期になると、単なるゲームだけではなく電卓付き、ソーラーパネル付き、液晶画面ダブル(トリプル)パネル、など色々と趣向をこらしたものが登場しました。このTECTRON(テクトロン)シリーズは、その中でも極め付きのもの(企画モノ、イロモノ)だったといえるでしょう。No.1『エッチな小人』は、お姫様の洋服を狙ってくる小人を天使を使って撃退するという内容。No.2『オモラシベイビー』は、ベッドで寝ている赤ちゃんのお漏らしをこぼさないよう拾いゴミ箱に捨てるという内容でした。ブーム後期になると、電子ゲームも値がこなれて入手しやすくなっていたとはいえ、なかなかこの内容に6,000円払うのは勇気がいるように思います。とはいえ2つともその内容からインパクトは絶大で、今でも記憶に残っている方が多いようです。このNo.3『コマンドレーダー』は、あまりにも地味な内容のため、それらのインパクトに隠れて埋もれた珍品とでも言えるでしょうか。


 ゲームの方は、敵機がトラックと基地を狙って爆撃をしかけてきます。トラックは高射砲の弾を運んでおり、爆撃を避けながら基地に入れなければなりません。基地には高射砲が付いており、標準の中央に入ってきた敵機を撃ち落すことができます。トラックを爆撃されてしまうと高射砲の弾が補充されなくなり(基地には4発しかストックされない)、敵機を撃ち逃してしまうと基地が爆撃を受けてしまいます。トラックか基地のどちらかが3回爆撃を受けてしまうと、ゲーム終了になります。ということで、この当時のものとしては(かなりシンプルですが)標準的な内容だと思います。ただ『エッチな小人』と、『オモラシベイビー』のインパクトの前には、あまりにも普通すぎて(ネタとして)友達に受けるために買う、という購入層も期待できなかったのでは。それ以前に、存在すら知られていなかったというところかも知れませんが。


 ただ当時6,000円もしたものだけに作りはしっかりしていて、それなりに高級感もあります。インパネ前方には、これ見よがしに基盤が見えておりLEDライトが装着されています。この透明な部分が外れてプリント基板に電子部品を差し込むようになっており、シリーズ一番の売りである電子キットとして遊べるようになっています。またLSI GAME&AM RADIO&ELKITと謳ってあるように、シリーズ共通の特徴としてラジオも聞けるようになっています(時計とアラームも共通)。電子キットは機種ごとに異なっており、『エッチな小人』は、スピードメーター/ストップウォッチ/タコメーター、『オモラシベイビー』は、リズムボックス/メトロノーム/データー暗号となっており、『コマンドレーダー』では、ランプフラッシュ(基盤に付いているLEDが点滅)/モーターコントロール(玩具用モーターの回転速度を制御)/モールス信号となっていて・・・ってシリーズ最後のためネタが尽きていたのでしょうか。電子キットでも負けてます。(というか、LEDランプ点滅とモーター制御っていったい何に使うんでしょうか)


 ラジオの付属品としてイヤホン付き。それ以外にモーターリード線、アースリード線、ジャンパー線、トランジスタ、ビス&ナット、ストラップが付いています。学研の教材みたいです。

説明書にはキット部内部構造の写真が入っており、ゲーム用LSI内にゲーム、キット、時刻、アラーム用それぞれのプログラムが入っており、キー入力により必要な出力を取り出せる旨の解説があります。あの当時は、こんなの(LSIとか、電子回路とか、マイコンとか)がかっこよく感じたんですね。


 ということでメジャー所の電子ゲームサイトでも、扱ってもらえない地味なやつ『コマンドレーダー』君でした。TECTRON(テクトロン)シリーズ自体があまり売れなかっただろうと思いますが、これはその中でも更に輪をかけて売れてない気がします。私が入手したのは未使用品だったのですが、あの頃から時間を止めたまま手に取られるのを待っていたんでしょうか。そのように考えると、古い玩具はどんなものでも感慨深いです。

参考:帰ってきた電子ゲーム『エッチな小人』の項

HeroQuest~2・Milton Bradley Ltd./Games Workshop/タカラ

2010-06-25 23:24:03 | 玩具・雑貨

 ということでヒーロークエスト(HeroQuest)~後編では、一般的なボードゲームに比べてこのゲームの最も特徴的な部分、魅力的な点であるキャラクターとそれぞれのフィギュアについて解説します。それぞれプレイヤー用の4個の勇者コマと、31個のモンスターコマからなっています。また扉やダンジョン内の設備、家具等もイラストの入った紙製の台紙とプラスチック部品を組み合わせて作るようになっており、それらがプラモデルのようにランナーにつながった状態で入っています。ひとつ残念なことは、コスト面で仕方ないと思いますが無彩色という点。時代を考えれば、あの当時このような小さなフィギュアは成型色のままというのは普通でした。食玩にもごく当たり前のように色が付いている現在なら、彩色された華やかなものが作れるかもしれません。


 プレイヤーの分身となる勇者ゴマ、それぞれ順に戦士(Barbarian)、ドワーフ(Dwarf)、魔法使い(Wizard)、エルフ(Elf)となっています。魔法使い(Wizard)とエルフ(Elf)の違いがよくわかりませんが、エルフ(Elf)は魔法戦士といったところでしょうか。それにしても、(日本人の感覚からは)どう考えてみても悪のキャラにしか見えない造型がイカしてます。


 こぶしを握り締めやる気みなぎるスケルトンさんと、今にもダッシュで走り出しそうなマミーさん(左)。彼らとは対照的にいかにもダルそうなゾンビ氏(右)。魔法で操られたダンジョンの警備要員。


 数で勝負のオークさん(左)と、こちらも数がとりえのゴブリン君(中央)。彼らは軍隊的に組織されてモノリザードさん(右)に率いられています。モノリザードさんは、ドラクエに出てきそうな造型。


 伝説の宝を守っていることもある強敵ダークウォーリアー(左)と、中盤のボス的存在のガーゴイル(中央)。ガーゴイルは、羽と頭が別パーツになっています。そしてラスボスである邪神さん(右)。魔王は、この冒険世界を司る神のような位置のため、フィギュアは存在しません。日本でこのようなフィギュアがデザインされる場合、アニメ的でスマートな造型か、デフォルメされたかわいいものになりがちですが、海外製のものの場合デフォルメされていてもどこかリアルで、どこかユーモラスという感じでいい味を出していると思います。

 ダンジョン内の設備、家具など。上段から順に邪神の墓と祭壇(左)、武器棚(中央)、暖炉の内部パーツ(右)。(中段)ダンジョンにお約束の芸コマなねずみ(左)、拷問具(中央)、台紙と組み合わせて使う宝箱、王座のパーツ(右)。(下段)引き出しにお宝が隠されていることもある机(左)、テーブルやろうそくなど各パーツ(右)。これらは、使い方としては武器庫という設定の部屋に武器棚のパーツを置いて、そこにプレイヤーがやってくれば武器が手に入るというような演出に使うわけです。ゲームブック世代には、しびれるものがあるのではないでしょうか。


 魔王(DM)のためのクエストブックには、このように配置が記載されてます。Aの部屋に入ったら祭壇があり、オークが待っている、そのとなりは武器庫になっているという感じです。ゲームブックのルールからよりTRPG色を強めた“Fighting Fantasy”や“Advanced Fighting Fantasy”というものがありましたが、あれに近い感じでしょうか。


 実はクエストブックには、簡単な背景と(プレイヤーの行動の)結果が書いてあるのみで、それほど細かな指示はしてありません。ここいらは、通常のTRPGと同じくダンジョンマスター役の演出しだいで変わってくるということなのでしょう。


 ということで遊んでいる様子のイメージ写真です。魔王のスクリーンを立てた中央の子が、魔王(DM)役。通常のボードゲームと比べても自由度が高いですから、子供の頃あのRPGゲームブームのさなかにこれを手に入れていたら、すごく熱中したのかも。欧米のHeroQuestマニアの方々は、英国、欧州、オーストラリア、北米(カナダ)以外に何故日本でこれが発売されていたのか不思議なようでしたが、ゲームブックの“Fighting Fantasy”シリーズが日本で300万部というとてつもないベストセラーを記録していたり、FC(NES)のRPGを買うために徹夜の行列がニュースになったりと、RPG人気がすごく高まっていた時期があったのですね。これも大手玩具メーカーであるTAKARA社が発売していることなど、当時の日本のRPG熱がどれほど高かったを示しているように思います。それにしても、当時の販売価格がFC(NES)やSFC(SNES)ソフトが買えちゃう6,800円という値段ですから、日本ではあまり売れなかったでしょうね。


 ポリゴンで再現された自由に動ける3Dのダンジョンや、ネットを介して多人数のプレイヤーが参加できる空間など、あの頃想像で補っていたものが、今現在では全て実現されているようにも思えます。その一方でRPGというと、どこか食傷気味な感じもしていたり・・・。全く未知な新しい遊びでしたので、新鮮だったのでしょう。ということで、これはあの頃の日本でのRPG熱を伝えてくれる貴重な資料のようにも思えたりします。

参考:ヒーロークエスト(日本語版)ルールブック/クエストブック、Wiki HeroQuest(英語)の項

HeroQuest~1・Milton Bradley Ltd./Games Workshop/タカラ

2010-06-25 22:23:36 | 玩具・雑貨

 これは、1991年にタカラより発売されたボードゲーム・ヒーロークエスト(HeroQuest)です。オリジナルの発売元は、Milton Bradley Ltd. Developed with Games Workshopとなっており、英国、欧州、オーストラリアで89年、北米では90年に発売されていたようです。Games Workshopとは、ゲームブックの第一人者であるイアン・リビングストン氏(Ian Livingstone)、スティーブ・ジャクソン氏(Steve Jackson)によって設立された会社で、開発はここが担当したものになります。ゲームデザイナーは、スティーブンベイカー氏(Stephen Baker)という方。これは日本でもボードゲームに詳しい方には有名な作品で、時折オークションなどでも取引されているようです。海外では更にメジャーな作品のようで、追加で拡張キットが出ていたり、小説なども発売されていたようです。実はこれ、4年ほど前にネタとして紹介しているのですが、ドイツやカナダの方よりコメントをいただきましたので(日本でも発売されていたのが意外だった様子)、再度ネタとして取り上げてみたいと思います。


 ということでセット内容です。ゲーム盤、スクリーン、ルールブック、クエストブック、キャラクターシート(60枚)、プラスチックゴマ(35個)、家具(15点)、ドア(21点)、カード64枚(モンスターカード(8)、トレジャーカード(21)、装備カード(18)、地の魔法(3)、水の魔法(3)、気の魔法(3)、火の魔法(3)、伝説の魔法(5))、キャラクターパネル4枚、サイコロ2個、コンバットダイス4個、(トラップなどの)各種マーカーなど。これ普通のボードゲームというよりは、TRPGを簡易に遊べるようにしたセットとも言えますから、内容物も(通常のボードゲームとは)かなり異なった構成になっています。また通常のTRPGの場合、ルールブック、シナリオセット、モンスター&キャラクターブックみたいな構成になっていて、駒やダイスなどは(多面ダイスや、メタル製フィギュアなどを)別途準備する必要があります。これは、それらが初めからセットになっていますので、TRPGで遊ぶための敷居が(初心者や子供でも)かなり低くなっているように思います。


 ゲーム盤。ゲーム盤上には、駒のマスと床のタイル、部屋割りが書かれているのみで、特に指示などは書かれていません。中央のものは、魔王(DM)用のスクリーン。このゲーム、勇者役とゲームを進行する魔王役に分かれておこなうのですが、魔王役のプレイヤー前に立てて手の内を隠すためのもの。


 こちらは、スクリーンや家具、キャラクターパネルなどが一緒になった紙製の台紙。扉や家具などは、イラストの入った紙製の台紙とプラスチック部品を組み合わせて作ります。TRPGを遊ぶ場合には、扉や家具などは特になくても遊べるかと思いますが、雰囲気を演出するためには必要なものと言えるでしょうか。


 こちらは、それぞれ勇者の特徴、攻撃力、防御力、移動力、ボディポイント(HP)、マインドポイント(MP)が書かれたキャラクターパネル。それにしてもドワーフ(Dwarf)、戦士(オリジナルではBarbarian)、魔法使い(Wizard)、エルフ(Elf)とは、種族と職業が混在しているような。ドワーフは罠の解除ができるThiefキャラ(え~?!)。


 クエストブック、ルールブック、キャラクターシート、サイコロ&コンバットダイス、カード類。クエストブックとは、シナリオ集で1~14までのクエストが入っています。クエストの1~3までは初級ルール、4~8までは中級ルール、9~13までと最終章14では上級ルールで行なうようになっています。クエスト(ひとつひとつの冒険)をこなしながら、キャラクターを成長させてゆき、最後のシナリオに挑むというRPGのセオリーどおりの構成になっています。ルールは初級、中級、上級と上がってゆくにつれて複雑になっていき、コンバットダイスを使用しての通常の戦闘のほかに、魔法の使用、罠や宝箱のサーチ、装備やレベルアップが可能になる(中級)、上級魔法、飛び道具の使用、選択ルール(上級)などとなっています。キャラクターシートは、キャラクターの状態を記入するためのもの。Games Workshop製ということもあってか、雰囲気的にはゲームブックに挟んであったものを連想させます。


 ルールブックは、初級~上級にかけての遊び方が記載された、主に魔王(DM)役プレイヤーのためのもの。魔王役とはゲームの進行を司るダンジョンマスター役のことなのですが、一般向けには悪役としか映らない可能性も考えてか、魔王役の楽しみ方という解説が入ってます。もちろんDMとしてオリジナルのシナリオを作ることも可能です。このゲーム、日本では大手メーカーのTAKARA社より発売されたのですが、(オリジナル版を知らないため、あくまでも想像ですが)日本語版を出すにあたって特にローカライズはされていないように思います。


 移動や判定に使う為のサイコロと、戦闘の判定に使うコンバットダイス。本格的なTRPGでは8面や10面などの多面ダイスを使用することもあるようで、それらに比べればシンプルだと思いますが、一般向け、子供向けとして発売されたボードゲームとして考えれば、6個ものサイコロを使用するというのは十分異質だと思います。それにしても、どこか大人のホビー感漂う雰囲気が良いです。


 モンスター、装備、伝説の魔法、トレジャー、気の魔法、火の魔法、地の魔法、水の魔法の各種カード。キャラクターパネルと同じようにモンスターの能力、装備、宝物、魔法等の効力が記されています。特に日本向けにイラストを変更するということもなく、オリジナル版と同じだと思います。このイラストも、どこかゲームブックちっく。


 魔王(DM)役のためのクエストブック、いわゆるシナリオ集。①シナリオごとに部屋の配置を記したダンジョンの地図、②冒険の目的とクリア後の報酬となる冒険の書、③クエストごとのルールを示したクエストルール、④それぞれのクエストのエンディング部分エンド・オブ・クエストからなっています。これらの内容は、魔王役だけが見ることができるもので、各プレイヤーの行動に対する結果などの判定を行ないます。ここだけ見ても、TRPGのエッセンス部分を(初心者や子供にも)気軽に味わってもらうために作られた、簡易TRPGセットということがわかります。それにしても子供がボードゲームで遊ぶ場合には、友達の家に集まってとなると思いますが、この場合には持ち主の子が必然的に魔王役になりそうです。というわけで、長くなりますので~後編へと続きます。

Bianchi in Rainy Blue

2010-06-20 13:24:34 | 原付趣味&Bianchi

 ということで久々にBianchi号の近況報告を。今年の1月頃に買って、2月下旬頃より更新がとまっていましたが、その間どうしてたかというと実はそのままだったりします。生活の環境が変わって、関心が他へ移ってしまっていたということと、(このように使おうと思っていた)使い道も変わってしまったことなどが主な原因です。2月から5月にかけては、なぜかしら調子がよく、6月に入ると今度は調子がよかった分が全て帳消しになるような状態になり、自転車どころではないといった感じでした。まあ生活してればいろいろあるということで、少し落ち着きを取り戻してきました。“ビアンキ ミニベロ”や“ミニベロ8 フラットバー”などのキーワードで検索すると、ここは上位に表示されますので、それらのキーワードで来られる方も結構多い(1/3ほどが自転車関係のワード)のですが、現状は自転車生活にはほど遠い生活だったりします。どこか愁いにみちた、そんな雨の中のBianchi君でした。


 この手のスポーツ用自転車では、空気入れに仏式バルブと呼ばれるものを使っています。空気圧を見る必要もありますので空気圧計のついたものがよく、ママチャリ用の一般的な空気入れ(英式バルブのもの)は使えません。空気入れの購入も後回しにしたまま、1月の購入時より空気を補充しない状態で置いていましたので、すでに空気がいくらか抜けてしまってます。ママチャリだと、空気圧を気にする必要もそれほどなかった気がしますが、この手の自転車だとやはり繊細ですね。


 思いっきり汚れが目立つだろうということが、乗る前から予測できるチェレステのサドルも購入時のビニールが付いたまま。スポーツ用自転車のサドルは、交換が当たり前の部分もありますので気にする必要はないのですが。同じようにチェレステのバーグリップも汚れやすく、汚れが目立ちやすいです。このあたりの(デザイン優先で)実用面はあまり考えてないところが、イタリアメーカーらしいのかな(台湾製ですが)。



 ということでドリーム君もRainy Blueの中。やはり乗って動かさないと、どこかしらくすんできます。バイクも自転車も純粋に趣味用のもので、実用面では考えていない1/1スケールの玩具なのですが、こういうもので遊べるゆとりも大事なのですかね。実は、現在は3~4日行って1日休みというスケジュールなので時間的な余裕はあるはずなのですが、ゆとりとは時間だけではないのでしょうか。まあどちらも維持費はかからないので、持ってるだけとはいっても負担にはならないのが救い。


 そうはいってもBianchi号もドリーム君も、見ているだけでもちょっと癒される部分はあるのかな。とりあえずは、今はそれだけでも良しとしましょう。

FLドラキュラ城(FL DRACULAJOH)・バンダイ

2010-06-14 00:34:01 | 電子ゲーム


FLドラキュラ城(FL DRACULAJOH)は、電子ゲームブームの中期頃(82~83?)にバンダイより発売されたFL(蛍光管)ゲームです。はっきりとした発売年がわかりませんでしたが、FLパックリモンスター、FLアタックモグラ、FLチェンジマン、FLフリスキートムの後、FLザックマンと同時期頃に発売されたものだと思います。電子ゲームには、ドラキュラを題材にとったものが幾つが発売されており、ドラキュラハウス(DRACULA HOUSE)/エポック社、ザ・ドラキュラ(THE DRACULA)/ツクダオリジナル等がありました。また同じバンダイのGDよりドラキュラ城(VAMPIRE)などもあり、これ以外にモンスターパニック/エポック社など、脇役で出ているものも含めると結構な数があると思います。そういうわけで、何故か人気のあったドラキュラという題材をとりつつ、箱絵のデザインも雰囲気たっぷりで筐体のデザインもなかなか良いのに、紹介しているサイトもあまりなくオークションでもあまり値段が付かなかったりと、何故か現在ではスルーされてしまう悲運のゲームがこのFLドラキュラ城だったりします。理由はいろいろあるかと思いますが(そもそも蛍光管ゲーム自体が、それほど人気がなかったり)、一番の理由はこれが某人気ゲームのクローンというところから来ているのではないかと思います。


 ゲームは、ドラキュラ城に捕らえられているお姫様を助けるために、少年をジャンプさせたりツタを登らせたりして、攻撃してくるコウモリを避けドラキュラの待ち受ける最上階を目指すというものです。スクロールこそしませんが、面が3パターンありなかなかがんばってます。1面目は最上階から降りてくるコウモリを避けながらジャンプで飛び越え、ツタを登ってゆきます。2面目になると床がランダムに消え、その穴からコウモリが落ちてきます。穴はジャンプで越えなければなりません。3面最終面では、上下するエレベーターが出現し十字架、ランプ、鍵といったアイテムを全てとると最上階へのツタが現れます。ここでお姫様と対面し、再び1面目のパターンに戻ります。
十字架、ランプ、鍵といったいかにもなアイテムが出現しますが、これはツタを出させる以外の効果はなく、どちらかというと雰囲気のためのアイテムでしょうか。ということで、これは同時期のキングマン/トミーと同じく、ドン○ーコング系のゲームということになります。 


 せっかくドラキュラという題材を使って、レトロゴシック調ホラーのいい雰囲気をかもし出していながら、(ひょっとするとドラキュラハウス(DRACULA HOUSE)/エポック社みたいな名作扱いされる可能性もあったのに)惜しい気がします。ただ、今の時点から見るとそう考えてしまいますが、あの時点ではドン○ーコングというのは、大ヒットしていてそれだけ魅力的だったのですね。G&Wで最も売れたのも、最初にFCの性能(魅力)を知らしめたのも、ドン○ーコングでした。パックマン以降、ゲームも権利関係が厳しくなってきて勝手にアーケードの移植が出せなくなってきた時期でしたので、苦肉の策だったのでしょうか。


 そうはいいつつ画面の周囲には古城のイラストが入っていて(ジオラマチックな)いい雰囲気をかもし出しています。このあたりは、どことなくアップライト型のアーケード筐体を連想させます。個人的には、FLゲーム機の良いところは筐体までアーケードゲームっぽさを持っている(再現してる)部分だと思います。


 個人的には、バンダイの“悪魔城ドラキュラ”といってよいこのFLドラキュラ城ですが、この時期の最も印象深いドラキュラゲームといったら、ゲームセンターあらしに登場した“ドラキュラハンター(Dracula Hunter)”/テクノン工業(80)でしょうか。ゲームセンターあらしで、新作として紹介された後ほとんど出回らなかったため、知名度は高いのに幻のゲームという扱いになってます。当時、あらしを見て絶対遊んでみたいと思ってたのに、結局かなわなかったんですね。ドラキュラという題材にどうも惹かれるのにはそれもあるのかもしれません。

参考:電子ゲームの世界、復刻版ゲームセンターあらし/太田出版、Wikiドラキュラハンターの項