80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

アドベンチャーノベルス・JICC出版局(宝島社)

2006-11-30 04:05:10 | ゲームブック

 これは80年代の中頃~後半にかけて、JICC出版局(現宝島社)より発行されていたゲームブックで、アドベンチャーノベルスシリーズです。題材にウルティマ(1~4)やゾーク(1~3)・アステカ・ウィル・夢幻の心臓Ⅱ・ザ・スクリーマーなどのPCゲームもの、エイリアン2・ゴーストハンターズなど映画原作もの、手天童子・バカボンなどの漫画原作ものなどを使ったゲームブックのシリーズです。シリーズオリジナル作品と思わしきものも含めて、30巻ほど出ていたようです。


 ファイティングファンタージーを初めとする海外製のゲームブックは、もともとTRPGのソロシナリオをヒントに開発された為か、RPG色が強い本格的なものでした。国産のゲームブックは、そのようなバックボーンを持たない為か、どちらかと言うとアドベンチャーゲーム色(冒険小説色)の方が強かったような気がします。ゲームブックのブームに便乗して次々と作品が出版されましたから、小説家志望の作家さんが駆りだされるような事が多かったのかもしれませんね。これもRPG的な側面よりも、物語を読ませるという部分が強いシリーズでした。


 ウルティマはともかく、ゾーク・ウィル・アステカ(太陽の神殿)・カーマイン・夢幻の心臓Ⅱ・スクリマー・帝王の涙(アビス2)というラインナップは、一般の方にはピンとこないかもしれません。これらは、当時の8ビットPCなどで発売されてたRPGやAVGをGB化したものなのです。当時の8ビットPCは、今のようにネットがあるわけでも、(たいして)仕事に使えるわけでもありませんので、おのずからホビー用途(ゲームですね)が主でした。それでいて20万~ほどするわけですから、一般の人がそうおいそれと買えるようなものでもなかったんですね。ですからこれらのゲームは、ある意味憧れの遊び(ホビー)でもあったわけで、その世界を間接的にでも体験できるこのシリーズというのは、当時はそれなりに意味があったのです。

 
 当時PC-88を持っている友達のところで遊ばせてもらっていましたから、そこそこ体験はしているのですが、やはり他人の家で長時間かかるRPGを解くわけにもいきません。ログインや山下章氏のチャレアベ等を見て、PCゲームの世界を少しでも体験したいという希望を、これらのもので補ったりしていたのですね。ちょっと今からでは想像もつきませんが、PCゲームというものが、それほど新しい遊びで輝いていた時期もあったのです。


 このアドベンチャーノベルシリーズは、現在でも古本屋で新書(戦記物とかミステリーもの)の中に紛れて結構見つかります。(まずほとんど100円だと思います)。おやじ向きだからと、つい新書のコーナーはスルーしてしまいがちなのですが、注意して見てみると意外な拾い物があるかもしれません。



Beep(ビープ) 復刻版 ・ソフトバンク

2006-11-26 23:11:28 | 書籍・漫画

 Beep(ビープ)は、1984年~89年にソフトバンク社が発行していたゲーム総合誌。


 こちらは2004年にCD付きで復刻された、Beep(ビープ)復刻版。ある種伝説のゲーム誌みたいな扱いもされていたようで、オークションなどでは当時のものが、かなりの高値で取引されるような事もあったようです。


 この雑誌は、時期的にはFC・MSX~PC-E、MD、SFCぐらいの時期にあたります。1984年の創刊当時は、(ライバル誌と同じく)PCを扱う総合誌的な作りだったようです。そのうちFCやMSXなども扱うようになり、セガ・マークⅢの頃くらいからセガを熱心に取り上げ始め、独自色を出すようになりました。(最後はセガ専門誌へと移行した)。当時の他のPC誌(ログインやベーシックマガジン、テクノポリス、コンプティーク)などと比べても、若いライターが多くて、軽めで洒落た雑誌だったような印象があります。まあ8ビット黄金期を彩った、当時を語る上では欠かす事のできない雑誌だったと思います。


 アレックスキッドのミラクルワールド。セガを代表するキャラとして、マリオに対抗してゲーム紅白をやった年末の特集記事。


 マークⅢのファンタジーゾーン。セガ体感ゲームやセガ・マークⅢ等に特化することで、雑誌としてのカラーを出していた。


 画面写真が出たときには、まさか8ビット機でこのようなデカキャラが動くとは信じられなかったマークⅢ版スペースハリアー。

 いろんなレトロPC関係の復刻誌はありますが、これの一番の特徴は当時の記事を1/4に縮小して、そのまま収録している事でしょうか。読みにくい事は読みにくいのですが、懐かしい当時の記事そのものを読む事が出来ますので、なかなか思い切った試みだと思います。(この形式には、賛否もあったようですが)。BPSからクレームが付いた『ブラックオニキス』のカラー迷路掲載や、ライターがパックマン・ギル・影清に扮した巨大迷路攻略、遠藤雅伸氏の特集・対談など、今となっては貴重な懐かしい記事が復刻されています。(また読めるとは、思ってなかった)。当時、付録のソノシートに収録されてたゲーム音楽も、CDになって付いています。その分、値段は2,500円と(エミュゲーム本なみに)高くはなってしまっていますが。


 アマゾンなどで見ると、一応まだ入手も可能なようです。(2006年11月末現在)。値段が(結構な)値段ですから、特にお勧めはしませんが、当時の空気をそのまま封じ込めたようなつくりになっていますので、(古本屋などで)もし機会があれば入手されてみても良いのではと思います。

トンネルズ&トロールズ・社会思想社

2006-11-26 21:38:53 | ゲームブック

 トンネルズ&トロールズは、1975年に米フライング・バッファロー社により発表され、日本では1987年に社会思想社より発売されたTRPG(テーブルトークRPG)です。ゲームブックと同じような装丁で発売されたので、同じシリーズにも思われがちですが、こちらはD&Dなどと同じく、本格的なテーブルトークRPG用のルールブックです。




 これの一番の特徴としては、キャラ作成や戦闘ルールなどがかなり簡素化されていて、初心者でも遊びやすくなっている点でしょうか。(ゲームブックより、多少複雑な程度)。D&DなどTRPGは、基本セットでも5,000円~位しますので、結構高価な遊びなのですが、これは文庫本という形式で発売されていて、その意味でも入門用に向いていました。そのほかには、一人でも遊べるソロシナリオが多かった事でも同様ですね。また独特な日本語訳がついていて、魔法名の『これでもくらえ』、『まぬけ』、『猫目』など、こういった部分も(日本版)T&Tの特徴だったと言えるでしょう。


 T&TのRPGシナリオベア・ダンジョン


 追加ルールを収めたT&TのRPGシナリオ、モンスター!モンスター! 


 T&TのRPGシナリオ魔術師の島


 ソロ・アドベンチャー傭兵剣士


 ソロ・アドベンチャーカザンの闘技場


 ソロ・アドベンチャーデストラップ


 ソロ・アドベンチャー鏡の国ダンジョン

 当時周りにTRPGをするような人がいなかったため、私は本格的には遊んだ事はなかったのですが、ソロシナリオをゲームブック的な感じで少しだけ遊びました。ゲームブックからの流れで、ブーム末期には上級者がこのようなTRPGに流れたようです。『ハイパートンネルズ&トロールズ』という拡張ルールが、日本で開発されて独自の進化を遂げたり、リプレイ集なども数多く出版されていますから、根強い人気があったのでしょう。


 日本で作られたガイドブックT&Tがよくわかる本。


 こちらも日本で作られたハイパーT&Tのルールブック。

 また90年前後には、古本屋の100円コーナーにごろごろ転がっているような感じでしたので、一般的にも結構売れたのではないかと思います。(ほんとに良く見かけました)。90年前後は(今からは想像もできませんが)デパートのホビーショップでも、D&Dのルールブックやメタルフィギュアを見かけましたので、今と比べてもRPGに対する関心が高かったのだろうと思います。(アオシマ社からも、末弥ウィーザードリィのフィギュア等が出ていましたね)。




 今でもわりとブックオフなどの100円コーナーで見かけますから、現在でも入手はそれほど難しくはないと思います。(シリーズを揃えようなどすると、大変ですが)。ただゲームブック等と同じく懐かしいと感じる人も多いのか、最近はあってもすぐなくなってしまうことも多いようです。




コスモファイター(ゲーム電卓)・カシオ

2006-11-26 18:34:20 | 電子ゲーム

 これはカシオ計算機より、1982年に発売されたLCDゲーム『コスモファイター』です。(正確には、ゲーム電卓のヒットにより発展していったタイプのLCDゲームで、これには電卓としての機能はありません)


 ゲーム電卓は、1980年にカシオより発売された『デジタルインベーダー』が最初のようです。これは右側より迫ってくる数字をインベーダーに見立て、標準をあわせ(同じ数字にして)撃退するといった内容でした。(かなり話題の商品となり、ゲームセンターあらしにも登場した)。それまでのキャラクターを使用したタイプと違って、数字のみを使ったゲームで、少し大人っぽい(知的な)雰囲気も漂わせていましたね。今でいう、頭脳を刺激する(大人向け)ゲームのはしりとも言えるかも知れません。ゲーム電卓のヒットを受け、第2段『エイトアタック』(ミサイルを撃って、不完全な形のデジタルの8を完成させる)、『トライスリー』(スロットや数字合わせ)、などが発売されました。


カシオ ゲーム電卓第3弾 ボクシングゲームCM 1981年
 その中でも特にヒットした『ボクシング』は、記憶にある方も多いのではないでしょうか。これは上下にパンチ&ディフェンスを使い分け、100人勝ち抜きをするといった内容で、ゲーム的にも良く出来ていて、当時私も熱中した記憶があります。その後も電子ゲームのブームに乗って種類を増やしてゆき、『ベースボール』や『サッカー』、『ピンボール』、『パチンコ』などが発売されました。後期には電卓の機能もとってしまい、純粋な電子ゲームとしても売り出されたようです。これは、そんな中の一台ですね。

 これの発売された1982年は、G&W『ドンキーコング』や『モンスターパニック』が発売されていた年ですから、電子ゲームブームの最盛期にあたります。ゲーム内容としては、飛来してくる宇宙船に標準をあわせ、撃墜するといったものです。映画スターウォーズの影響からか、当時はこういう宇宙船コックピットものも、電子ゲームの題材にとられる事が多かったように思います。帝国の逆襲(1980)とジェダイの復讐(1983)の間ですから、電子ゲームとスターウォーズの関係には、切っても切れないものがありますね。


 もともとG&Wは、電卓で遊んでいたサラリーマンをヒントに開発したそうですし、電子ゲーム用チップも電卓からの流用だったそうですから、商品としては開発しやすかったのでしょう。とても採算の取れそうにないFLゲームなどと違って、ゲーム電卓は復刻も簡単そうですから、是非脳力ゲームブームに乗って復活してほしいものだと思います。

バーニング(BURNING)・トミー

2006-11-17 00:03:54 | 電子ゲーム
 これは、トミーが1983年に2,970円で発売したLCDゲーム・バーニング(BURNING)です。1983年はファミコン登場の年ですから、電子ゲームとしてはブーム末期のものになります。1982年~83年は、TVゲームやホビーPCが大量に発売された第二次TVゲームブーム期にあたりますので、一般の注目も少しずつそちらの方に移ってしまっていました。

 G&Wに始まった携帯液晶ゲームのブームというのは、実質1981~1982年位までの2年足らずの間のことで、実は玩具のブームとしては結構短いものなのだそうです。なにか凄い長い間、ブームを巻き起こしていたように感じてしまうのですけどね。短い期間に大量の商品が、数多くのメーカーより一斉に発売されましたので、そう錯覚してしまうのでしょう。(粗製濫造がブームの寿命を短くしたという説もあります)。1983年の段階では、価格もかなり安くなり注目度も下がっていたように思います。

 これは、そんな時期に発売されていたデジプロ3000というシリーズの中の一本です。かなりマイナーな機種で、有名な電子ゲームサイトで詳しく紹介されている以外には、ネット上にもほとんど情報がありません。(オークションにもあまり出てないようです)。バンダイのゲームデジタルに、バクダンマン(ビルの屋上からバクダンマンが投げる爆弾をキャッチする)というゲームがありましたが、あれに似た内容ですね。ビル火災の現場で、炎(ボスキャラ)が投げる火を、消防士を操って消し止めるゲームです。後期ということもあって画面はカラフルで綺麗なのですが、あまりメーカーのやる気は感じられない内容になっています。(ブーム末期だから仕方がない、といえばないのですが)。

 ただ高価だったFL機は(金額的にもTVゲームとバッティングした為か)、1983年前後で姿を消してしまいましたが、安価で携帯に便利な液晶は、姿を変えながら生き残りました。90年代前半は安価な児童向けのキャラクター商品として、後半はたまごっちに代表される携帯ペットとして、2000年前後からはキーチェンとして、現在まで販売され続けています。しかしあの当時は、まさか液晶ゲームがガシャや景品になるとは想像もつきませんでしたね。ほんとうに、凄い時代になったものです。