80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

LSI GAME ディグダグ DIG DUG・学研/ナムコ

2013-07-30 22:35:13 | 電子ゲーム


 これは、電子ゲームのブーム終期(83年頃)にGakken(学習研究社)より発売された、LSI GAME ディグダグ DIG DUG


 元ネタは、言わずと知れたナムコのディグダグ(82)で、ナムコ黄金期の超有名作を電子ゲームに移植したものです。オリジナルは名作と呼ばれる作品だけあって、電波新聞社の手によりMZ-1500、X1、FM-7、FM77AV、PC-8001、PC-8001mkIISR、PC-8801、PC-8801mkIISR、PC-6001mkII、ナムコ自身の手によりMSX、ファミリーコンピュータと、当時の多くのPCやコンシューマ機に移植されています。現在でもネット配信やiPhone等で遊べ、古典的ゲームの代表的なひとつといってよいでしょう。そんな移植作品の中でも、この学研版はとびきりの変り種だと思います。


 80年代、昭和のポップを感じさせてくれるイラストがGood。


 ナムコのみならず、80年代を象徴するキャラのひとつと言えるプーカ(POOKA)


 筐体に楽しげなデザインと遊びが散りばめられています。


 こちらが本体。カバーを開くことでスクリーンが起き上がるように作られており、当時のアーケードのアップライト筐体を連想させる。ディグダグらしい、お洒落でポップなイラストがスクリーンを飾っています。


 こちらが操作のためのスイッチ類。スタート/FIAEは共用ボタン、音のON/OFF、ゲームセレクトA、Bと後期のものだけあって、操作部も完成の域に達しています。今では流行らないジョイスティック型の方向キーは、操作感は悪くありません。


 画面構成はこのような感じ。オリジナルが地中を掘り進むゲームのため、電子ゲームで再現するにはかなり無理があったと思われますが、キャラクターの外枠を使って土中を再現。主人公ディグダグ(DIGDUG)プーカ(POOKA)は再現していますが、残念ながらファイガ(FYGAR)は登場しません。その代わりといっては何ですが、プーカ(POOKA)が炎を吹いて攻撃してきます。プーカ(POOKA)の目変化や土中の岩も再現して、なんだかんだいっても後期らしく移植度は高くなっています。


 学研版ディグダグ DIG DUGの最大の特徴といえるのが、銛とポンプの変わりにファイア・ガンを装備しているところ。銛とポンプで膨らませて敵を破裂させるのが、ディグダグの特徴とも言える部分ですが、ファイア・ガンとはいっても足止めも出来るため、使用感覚は銛とポンプと変わらなくなっています。


 行けー!!画面が狭いためそうとう難しい。でも決まるとなかなか爽快。ディグダグだという気がする。


 ディグダグ DIG DUGのゲーム性の最大のポイントである、岩石落しも頑張って再現。これがなかったら、ディグダグとはいえません。ただ画面が5×7マスと非常に狭くスクロールもしないため、岩石の下に敵を誘導することは非常に困難。同じようなゲーム性を持つバンダイのザックマン(THE PITの移植)では、画面をスクロールさせることにより、広い空間を確保していました。


 プレイヤーキャラクターのヘルメットを岩、胴体部分をプーカ(POOKA)として使っている。重ねあわせができない、蛍光表示菅ゲームならではの工夫。プーカ(POOKA)の目の部分だけを表示して、目変化を表現しています。この中に銛とポンプは、入れることができなかったのでしょう。プーカ(POOKA)をもうちょっと可愛く表現して欲しかった。


 箱絵や筐体に貼られたディグダグのイラストやステッカー等に負けず劣らず、筐体そのものの仕掛けもとてもかわいい。ボタンを押すと蓋がポンと開き・・・。


 ぱかっとスクリーンが立ち上がります。


 この辺りは、ゲームであると同時に玩具でもある電子ゲームの魅力を良く表していると思います。


 電子ゲーム後期のものなので、スクリーンはレンズになっており、蛍光表示管の小さな画面を拡大してくれます。初期のゲームセンターや駄菓子屋には、蛍光灯の反射よけにダンボールがおいてありましたが、どことなくあれを連想させてくれる。


 蓋の背面にはディグダグステッカー。ファイアガン使ってますので、学研版オリジナルのもの。


 こんなポップで洒落たゲーム機、今でもなかなかないと思います。学研は、同時期にアミダー(コナミ)、フィッター(タイトー)などを電子ゲームに移植していますが、ナムコのマッピー、ボスコニアン、ラリーXなんかを移植してくれていたら、どんなだっただろうと夢が膨らみます。ただ、複雑なディグダグを電子ゲームで再現するのは、そうとう大変だったはずで、早い時期に平安京エイリアンを再現した学研の最後の挑戦だったのかも知れません。


 個人的な思い出としては、ディグダグが電子ゲームに移植されていることすら知りませんでした。ディグダグは電波新聞社が移植していたPC版の印象が強く、もうこの時期にはPCゲームの方に関心が移っていたよう思います。ゼビウスが登場して、マイコンBASICマガジンがその攻略を売りにしたスーパーソフトマガジンを付録に付けるようになり、アニメ化までされて一世を風靡したゲームセンターあらしも静かに終了をする、そんな時期でした。LSIという響きがかっこ良かった時代も終わり、(ファミリーコンピュータを含め)ホビーパソコンが家庭に入ってくる時代を迎えていました。もうこの頃には、液晶ゲームも安くなっており、一本しか遊べないのに9,000円近くする電子ゲームを買おうという気にはならなかったと思います。


 ただ現在では、ポップな筐体とディグダグという有名作品の移植として人気の高いものになっています。わりとオークション等にも出てきますので、興味ある方は入手されてみては。ある意味、80年代という時代をとてもよく表現している玩具の一つだと思います。



参考:Wiki ディグダグの項、帰ってきた電子ゲーム、GAME&WATCH ゲームウォッチカンストへの道

夢冒険

2013-07-27 14:15:05 | 原付趣味&Bianchi

 他の事をやろうと思っていたのですが、肝心のことを忘れていたのでドリーム復活ネタの続き。磨いたは良いけれど、まだエンジンに火を入れてなかった。


 バイクでも車でも同じですが、動かさないで放って置くとエンジンがかからなくなります。いわゆる不動車というやつ。車は早い時期に燃料噴射の電子制御が一般化されましたが、バイクは2008年頃の排ガス規制を機に、モンキーのような小型車まで電子制御化がなされました。


 最近の電子制御されたものならいざ知らず、ドリーム50は97年製造のキャブ車。電子化されていない極シンプルな機構だと故障が少ないことがメリット。一応バッテリー搭載しているのですが、バッテリー上がっていてもタコやウインカーの動きが変になる程度で、普通に走ります。


 ということで外に引き出します。盛夏真っ盛りで暑い。


 2年間実用に使っていたので、動かしてなかったわけではありません。ただ4月以降はまったくエンジンを掛けてなかった。約3ヶ月ほど眠っていたわけですが・・・。


 バッテリーは完全に上がっています。2年ほど前にタイヤ交換をした際に、純正のピレリが付いていました。購入時4,800Kの走行距離ですから、純正品がそのまま付いていたんですね。購入してからバッテリーは全く触っていませんので、おそらく純正品がそのまま付いているはず。ちなみにバイクのバッテリーは、メーカー品だと10,000円~とか15,000円~とかすごく高い。


 バッテリーが上がってるとセルが回らず、エンジンがかからなくなりますが、これはキックスタート。単気筒エンジンのキックスタートは、重くて大変ですが、50㏄なのでまだなんとかなります。


 とはいっても炎天下、きついものがあります。10回ほどキックしてかからず。20回目くらいから火が入るような感触が見られて、25回超ほどでアイドリング→すぐエンストという感じ。これだけ暑いとチョークを引くわけにもいかず、スロットルを捻り過ぎるとカブってしまうので、試行錯誤を繰り返すこと数回・・・。


 ぼうっ、ひゅるるるる~と目覚めてくれました。


 アイドリングも安定してます。


 いくら原付とは言っても、住宅地なので空ぶかしはできません。とりあえず、そのままの状態でアイドリング。


 昔のバイクだとライトのON/OFFスイッチがあったのですが、ドリームが出た辺りから、バイクは昼間もライト・オンということで、スイッチがなくなっています。


 エンジンに火が入るとバイクが生き返ったよう。


 エンジンを掛けずにあまり放置状態が続くと、キャブが詰まったり、ガソリンが腐ったりと碌な事ありません。ということで、そのまましばし放置。待ってる間も暑い。



 原付だし、TAKEGAWAのマフラーも音質は低めで抑えられているのですが、まだ午前中ということもあって、早々に切り上げ。夜にでも少し走りますか。


 とりあえず清掃は済んで、エンジンに火が入ることも確認したので、次はバイク屋。チェーン交換とシート張替え5,000円~を予定してます。タンク塗装は35,000円~ほどかかるので、次回以降に。後はサスの交換、ウインカーの小型化をしたい。木島からバッテリーレスキット3,500円~が出てますので、これも入れたい。マフラーの再メッキ、マフラー交換まで入れるとどのくらいいきますか。


 だいぶん綺麗になりました。マフラーが白いのは、ネバダル(NEVR-DULL)5回目のため。ということで、ドリーム50の火入れでした。

夢見るように眠りたい

2013-07-26 20:51:08 | 原付趣味&Bianchi

 まだまだドリーム復活ネタの続き。時間の合間を見てちょこちょこ磨いてます。記録的な猛暑とのことで、30分が限度。Tシャツが、すぐにびっしょりになります。


 あの錆と埃と油にまみれていたものが、ここまですっきりしました。ここまで一週間ほどで55-6のレギュラー缶を使い切りました。55-6なんて一度買ったら2~3年はもっていましたので、これまでで最短。


 ネバダル(NEVR-DULL)3回目を終えたところ。引き続き4回目に入っています。


 さすがのネバダル(NEVR-DULL)とはいっても、錆そのものを無くすことはできませんがここまで回復。


 排気管の下部までは綺麗になり、エンジンの排気口周辺だけになってます。


 これが磨く前。錆と煤、埃で真っ黒にコーティングされています。


 これだとどの程度錆びているかすらわからないくらい。


 55-6を何度も吹いて、ネバダル(NEVR-DULL)で一度磨いた状態。ネバダル(NEVR-DULL)だからまだこの程度まで落ちていて、洗剤と雑巾ではここまでもいかない。


 排気管の下部まで、錆びか汚れが続いています。これ普通に拭いた位では、全く落ちない。あまりに落ちないので、錆なのか傷なのか最初は判別できなかった。


 ネバダル(NEVR-DULL)の効果はわかるかと思います。


 続いてミッキーヘッド磨きにも手をつけました。ここは、マフラーと異なりアルミなので、アルミ磨きのMOTHERSを使います。本格的にやるなら、サンドペーパーとコンパウンドを使用して、リューターを使えば鏡面までもっていくことが出来ます。現時点では、そこまではとても無理なので手バフ。MOTHERSだと手バフでもある程度のところまではもっていけます。


 お約束の鏡面チェック。30分×2日ほどなので鏡面には程遠いですが、手バフでもMOTHERSだとこの程度までには映り込みます。


 トップブリッジもこのような感じ。このような小さな部分はリューターでないと磨きづらい。映りこむほどはありません。


 それでも2年間の使用で付いたキーの擦れ傷は、綺麗に消えました。常に目に入る部分なので、ここが綺麗だとかなり印象が変わる。



 ガレージの外へ。この低く構えたような姿勢が、小さくて獰猛な猛禽類を連想させて好き。ゼロハンの魅力は、小さなエンジンを目一杯回して、小さな車体を引っ張るところにあります。


 軽自動車と並べても、こんなに小さい。


 真後ろからだと自転車かと思うほど小さく、タイヤも細い。


 バイクに跨ったた時に見えてる景色。50ccなのでスピードメーターは60キロスケールですが、タコメーターは15000回転まで刻まれています。実用原付だとこの半分くらいで、そちらを見慣れていると、ここが一番違和感を感じるところだと思います。


 鏡面にすると、映り込みが楽しい。


 バイクはメッキ部品が多いので、磨くのが楽しい。本当は、(モンキーやゴリラなど)この類のバイクは、金属部をピカピカに磨いてあってなんぼのバイク。実用で錆びさせているのは、ある意味使い方を間違っている。


 それでもホンダ、実用にも何の支障もなく使えました。ハンドルが低すぎではありますが。


 元々行き付けの車屋で中古のチンク(FIAT500)を見つけて(約50万だった)、そのあまりのかわいさに欲しいと思ったのが最初。趣味車だと(足としての)実用車も必要だし、維持費もかかる。それならと趣味の対象としてべスパ、アプリリアなどの趣味原付を買うことにした。そんな流れで、これにしたのは60年代レーサーのレプリカで15000回転まで回る世界初(市販車で唯一)・最小のDOHCエンジンを積んでいたから。趣味性の高さでは、前出のものに負けないと感じたからでした。


 ということで夕刻。日が落ちてきました。


 ちょっとノスタルジックな感じです。

SUMMER DREAM

2013-07-24 12:56:49 | 原付趣味&Bianchi

 とりあえず夕方より仕事のため、ドリーム磨きネタの続き。このバイクには、キタコのモンキー用メーターバイザーを付けている為、通常フロント周りには手が入りません。カウルと比べてもお手軽にイメチェンできるので、気に入っているのですが、掃除はし難い。


 とりあえず外してライト周り、メーター周囲を拭いていきます。ドリームは、この辺りに汚れが溜まりやすい。


 スピードメーターはまだ良いのですが、タコの外観がプラスチック劣化で白けています。オークションには出てこないし、買うと純正も社外品も高いしで、艶消し黒で再塗装か。


 メーターとメーター周りも拭き上げます。購入時には、4,800Kほどでしたが、2年間の足代わりで12,000K。バイクは車と異なり、ほんとに距離を走りませんし、15年経過しても劣化は少なく、特にどうということはありません。長く付き合えるということは、趣味のものとしては良いです。車だと難しいですね。


 外したメーターバイザーも拭き上げます。アクリル樹脂だと思いますが、傷もそれ程入っておらず劣化も少なめ。キタコさん良い製品です。


 錆びていたネジ類も交換。ステンレス製に変えても1本15円程ですから、費用対効果は抜群。バイク用の特殊なものもありますので無理ですが、全てのボルトを装取替えしたい。


 すごくさっぱりしました。


 純正ウインカーのボルトもステンレス製に。1本10円以下。


 一本だけあまりの錆で外れませんでした。これはシート張替えのついでにショップに頼むしかない。


 再びバイザーを取り付け。なんかノーブルな雰囲気。


 ミッキーマウスヘッドはまだ曇ったまま。ここは、時間がかかるので後日に回します。


 マフラーは、55-6を散々吹いてネバダル(NEVR-DULL)3回目。完全ではありませんが、大分くすみが取れてきました。


 久々にガレージより出してやります。ミッキーヘッド磨きが終われば、また大分印象も変わると思います。


 マフラーはこのような感じ。白くくすみが残っているのがわかります。大分綺麗になりましたが、2年前は錆もくすみも目立つものはほとんどないような状態でした。


 高々50㏄の原付とは思えないほどデザインが良いです。マニアな人が夢中になるのもわかります。一度白バイに止められ、ミニバイクネタで話し込んだことがあります。バイクは、これまで8台所有してきましたが、これが一番所有年数が長くなりました。50㏄なので車検はないし、税金は年1,000円程度。自賠責も6年で2万円以下、任意は車のファミリー特約でいけますので、持っていても負担が少ないことが大きいと思います。


 マフラーの錆は、55-6をしつこくかけてこの程度。再メッキって幾らぐらいするのでしょう。


 いっそマフラーの交換も考えますか。サスも変えたいです。


 2年間風雨にさらされて足として活動してくれました。その間、一度も止まったり動かなかったことがなかった。カブに繋がるホンダ原付の完成度の高さを実感します。


 磨いて眺めるだけで趣味になってしまうのですから、趣味原付遊びのコスパの高さは特筆すべきものがあります。ドリームみたいな特殊なバイクでなくとも、エイプ辺りだったら改造パーツも多く、そちらでも楽しめそうです。よく行くショップには、ピカピカに磨かれ社外品で飾られたレース用のエイプが置いてあります。


 モンキー、ゴリラ、べスパ、こういうのをガレージに一台置いておくのも悪くないと思います。


 ということでドリーム50掃除でした。ドリーム復活ネタでもう少し引っ張ります。

The Black Onyx II~Search for the Fire Crystal(後編)・BPS/アスキー

2013-07-23 17:53:09 | RPGゲームReview

 ということで、The Fire Crystalの後編です。長くなりましたので前・後編に分けてあります。

 ブラックオニキスの方は、様々な展開が見られたりG-mode BLACK ONYXとして携帯のアプリで遊べたりもしましたが、難易度が高くゲームバランスにも問題があるといわれていたファイアクリスタルの方は、その知名度の割には長らく遊べる環境がありませんでした。ところが2006年にアスキーより出版された蘇るPC-8801伝説 永久保存版に突如としてブラックオニキス共々収録され、再び現在でも遊べる環境が提供されました。収録予定だったマジカルズーのザ・スクリーマーが流れてしまったこともあって、この2作の収録が目玉だったようです。


 解説と途中までのミニ攻略あり。ブラックオニキスの方は、最後のカラー迷路まで掲載されているのですが、ファイクリは途中まで。ファイクリは、現役当時にも山下章氏のチャレアベ(チャレンジ!!パソコンAVG&RPG)に攻略記事が紹介されていたのですが、こちらもカラー迷路まで掲載されていたブラックオニキスに対して、ファイアクリスタルは途中までと、どうしても扱いが中途半端になっていました。



 個人的な思い出としては、ブラックオニキスは当時友達のPC-88版とMSX版で遊びました。ファイアクリスタルの方は遊ぶ機会がなく、当時のPC誌や前述の山下章氏のチャレアベⅡ(チャレンジ!!パソコンAVG&RPGⅡ)に掲載された攻略記事で知るのみでした。これには、敵が比べ物にならないくらい強くなっている点と、戦士の成長が途中で止まってしまう点で、ゲームバランスがかなり厳しくなっている事と、迷路がワープやターンテーブル、見えない壁などでマッピングが困難なほど複雑になっている事などが書かれていました。また最後の壁の色合わせ、魔法の合言葉、ケイマトビの謎にも断片的に触れられており、いったいどんなゲームだったのだろうと、長年の謎でもありました。 


 ということで、MSX版を入手したことをきっかけに、初めて最後まで遊ぶことができました。MSX版は、他機種版と異なりファイアクリスタルのみでも遊ぶことが可能で、ファイクリで作成した勇者は前作のレベル10クラスの能力を持つなど、前作からキャラクターを持ってくるよりこちらで作成した方が良い模様。戦士が成長しない点に関しては、魔力で攻撃力と防御力を強化できる(幾らでも重ねがけできる)事と、~スレイヤーと呼ばれる魔法の武器の存在で何とかなります。複雑なマップも、マップの壁をすり抜けてしまう呪文の存在で、特にマッピングをしなくとも強行突破が可能でした。戦闘中に逃走することで魔法の合言葉のフロアを抜けて、最後の大広間に入り、ケイマトビの柱の間を抜けて、無事ファイアクリスタルに到達できました。


 前作ブラックオニキス共々、ウツロの町や地下迷路にはイベントらしいイベントもない、ただひたすらキャラを強化しながら迷宮内を突破する内容です。現在のすべての空間が3次元データ化され、実在の他のプレイヤーと競い合うゲームからすると、隔世の感があります。ただし当時の状況を知るのに欠かせないアイテムの一つとして、ゲームブックの存在がありました。日本では、まずパソコンに海外の作品の影響を受けてRPGの要素を取り入れた作品が83年頃から出始めており、それらを完成させさものとしてザ・ブラックオニキス、ドラゴンスレイヤー(ともに84)などが発売されます。メジャーなところでは、初めて成長の要素を取り入れたドルアーガの塔(84)、その影響を受けたハイドライド(84)が発売されて、RPG人気が一挙に盛り上がる状況が生まれました。それがドラゴンクエスト(86)へとつながっていくわけです。


 そのような世界的なRPG人気の盛り上がりを受け、RPGの冒険の要素を書籍に盛り込んだゲームブックが刊行されました。迷路探求ものの基本を押さえた火吹き山の魔法使いより始まって、キャッスル・アドベンチャーの要素をもつバルサスの要塞、フィールド・アドベンチャー運命の森、SFのさまよえる宇宙船など次々と発表されていました。写真は、シティ・アドベンチャー型の冒険譚盗賊都市


 こちらは、迷宮探索そのものを競技(ゲーム)として物語に織り込んだ死の罠の地下迷宮。他冒険者の存在やパーティプレイをゲームブックに持ち込んだ実験作でもあります。これらのゲームブックは小説という媒体ですから、幾らでも想像力でイメージを膨らませることが可能でした。ブラックオニキスの何もないウツロの町も、盗賊都市や城砦都市カーレのように冒険者でにぎわう町の喧騒を感じることができていました。昔のゲームは、解像度や容量の問題もあり、表現力が限られていたのですが、これらの助けを借りながらリアルな冒険を楽しむことが可能でした。


 もう現在ではゲームはしませんので、今の状況がどのようなところにあるのかは、よくわかりません。ただRPG黎明期の熱気は、現在のもの以上に楽しくて、次々と未知のものが生まれてくる状態でした。それは、現在の高度化されたゲームと比しても、決して劣ってはいないものだったと思います。



参考:Wiki ザ・ブラックオニキス、ザ・ファイアクリスタル、スーパ-ブラックオニキス(ゲームブック)、BPSの項、ドナドナを聴きながら