80年代Cafe

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とどろけ!一番/のむらしんぼ・英知出版(トラウママンガブックス)/小学館

2014-04-28 21:57:40 | 書籍・漫画

 これは、2002年に英知出版よりトラウママンガブックスとして出版された、とどろけ!一番 上巻 激闘!!模試裏技バトル篇


 とどろけ!一番は、1980年から1983年にかけてコロコロコミックスに連載された漫画。原作は、つるピカハゲ丸ののむらしんぼ氏。ジャンルは、後にも先にも類を見ない空前絶後の受験バトル漫画。物語は、進学塾の名門である大日本進学塾に入学した小学5年生の轟 一番(とどろけ いちばん)が、常仁財閥の御曹司であるライバルの常仁 勝(つねに まさる)や数々の受験戦士たちと、テストの勝敗をかけてバトルを繰り広げるというもの。


 復刻された大人のコロコロコミック、熱血!コロコロ伝説VOL.3では、藤子不二夫A氏の怪物くんや忍者ハットリ君とともに、この時期の看板作品として登場。


 のむらしんぼ氏の作品としては、アニメ化までされたつるピカハゲ丸と比べると知名度こそ劣るものの、作品の持つパワー、熱さでは優っていた。


 元々は、ゲームセンターあらしのヒットを受けて、格闘技ではないジャンルのバトル漫画+必殺技というフォーマット(表現方法)を使って、全く新しいものをということで生み出された作品だったらしい。ゲームセンターあらしは、コロコロ誌で79年より連載が開始され83年まで掲載された。最初は、ゲームセンターでの勝負だったが、だんだんスケールがでかくなり、特設スクリーンを張った野外ステージ、球場や競技場から、果ては宇宙や異次元空間までを使ってゲームのバトルをするという漫画だった。


 あらしの売りは、出っ歯の小学生石野 あらしが、数々の超人的な必殺技を持っていたこと。手をマイコンの処理速度より早く動かすことで自機をワープさせる炎のコマ、逆立ちや宙返りをしながらプレイをするムーンサルト、腕を擦り合わせて電気を起こしマイコンを狂わせるエレクトロニックサンダーなど、原理は一応説明されているものの効果のほどはよくわからない派手な技を駆使して、超人的なゲーム戦士たちをバトルを繰り広げた。


 ゲームに続いて選ばれた題材は、テスト、受験。先行する受験作品としては、受験をギャグにした東大一直線があったが、漫画にしにくい題材をバトル漫画としたことが画期的だった。コロコロコミックは、この後もチョロQやミニ四駆、ファミコンなど、旬のホビー+バトル漫画の路線を確立していった。


 最も基本的な技として、最初に披露した答案二枚返し。左右の目で設問と問題文を同時に読み、左右両方の手でに解答を記入していく。


 手を高速に動かすことで見えないほどのスピードで解答を記入してゆく、ゴッドハンド。左右の手を使うダブルゴッドハンドという応用技もある。ゲームセンターあらしの炎のコマに相当する基本の技。


 ジャンピングダブルゴッドハンド。ムーンサルトに相当する大技。必殺技の特徴として、受験勉強の内容そのものではなく、解答を早くこなすということに特化している。そのため、特訓も体を鍛えるものが多い。学力そのものは、授業中の火を噴くような集中力に拠っている。


 四菱ハイユニマグナムショット。ライバルの不正を見抜いたり、妨害をかわす時などに使用する。一番は、書いても磨り減らない四菱ハイユ二というまぼろしの鉛筆を使っており、その芯は鋼鉄よりも強かった。


 上記の応用。四菱ハイユニ時間差ミサイル。背景が宇宙になっているが、一番はあらしのように実際の宇宙や四次元に行くことはなかったので、実際は教室や試験会場で鉛筆を投げている。


 見えない魔球(鉛筆)を投げて試験を妨害してくるライバルに対し、四菱ハイユニで受けることで対抗した、四菱ハイユニ真芯受け。いや、こんなことが出来るなら手で払うか避けろよ。ライバルはプロレス技を使ったり、カンニングしたり、幻覚を起こさせる香水を使ったりとなんでもあり。


 結局のところ、一番は暗記や受験のノウハウなど学力ではなく、高速に答案を記入したり、鉛筆を高速で投げるという身体的な必殺技で勝敗を決する。冷静に考えれば試験会場で逆立ちをしたり、鉛筆を投げあったりと、そんな落ち着きのない子供は普通は試験会場を追い出されるだろうが、そう読者に考えさせないところが熱い。ということで、今ではネタ漫画扱いされていることも多い作品ですが、漫画としてはその熱さと馬鹿馬鹿しさが実に楽しい作品だったよう思います。ちなみに、連載の後半ではこのままの熱さでボクシング漫画へと突入してしまった。



参考:Wiki とどろけ!一番、のむらしんぼ、ゲームセンターあらしの項

デジコムフットボール・エポック社

2014-04-25 19:21:54 | 電子ゲーム


 これは、デジコムシリーズの一つとして発売されたエポック社のマイコンゲーム・デジコムフットボール


 LEDを使用した電子の野球ゲームとしてデジコム9が1979年頃に発売され、その後78年頃からのブームを受けて、80年に電子ゲーム版のインベーダーとなるデジコムベーダーがヒットを飛ばしました。その後、エポック社の電子ゲームはLEDや蛍光表示管を使用した大き目のデジコムシリーズと、液晶携帯サイズのポケットデジコムという2つのシリーズで展開されてゆきます。これは、そんな頃にラインナップに加わったスポーツを題材としたもの。


 アメリカン・フットボール(アメフト)が、題材ということでアメフトのフィールドを模したスクリーン。日本では、馴染みの薄いスポーツですが映画などではお馴染み。


  1人でCPU戦も可能ですが、スポーツゲームにはお約束の対戦プレイも可能。ダウン&フィールドボタン、スコア&タイム表示ボタン、パスボタン、キックボタン、プレイヤーを動かすランニングボタンなどが配置されています。こちらは、攻撃(オフェンス)側。


 こちらは、守備(ディフェンス)側。電源スイッチ、1人/2人用選択スイッチ、プロ/アマ用選択スイッチ。電子ゲームのプロというのもなんだか嫌ですが、何故かこの頃はレベル選択でこうなっているものが多かった。


 ゲームは、キックされたボールを受ける側が先攻(オフェンス)となり、ボールをキャッチした攻撃側はボールを1ヤードでも前に進めようとし、後攻(ディフェンス)側はそれを阻もうとして攻防を繰り広げます。日本人には、馴染みのないスポーツのため、ルールもなかなか理解しにくい。電子ゲーム化する際に簡略化されたり、記号化されたりもしているので、余計に分かりにくい。遊び方を理解するには、こちらの取り説が必須になります。


 スイッチを入れることでプレーボール。表示されているのは、お互いのスコア00と残りタイムの15.00分。


 キックボタンを押すことでキックオフとなりゲーム開始。


 表示されているのは、キックの飛距離。


 攻撃側、守備側に分かれてフォーメーションを組みます。


 ランニングボタンを押すことで、タックルしてくる敵をかわしながらのランニングプレーができる。キックボタンで、キッキングプレイも可能。ただしキッキングを行うと攻撃権の放棄になり、攻守交替となる。


 パスボタンを押すことで、一気に距離を詰められるパスプレーも可能。そのままタッチダウンとなる可能性もあるが、途中でボールを取られてしまう可能性(インターセプト)もある。


 表示されているのは、ダウン数、フィールド上のボールの距離、フレッシュダウンまでのヤード数。


 残り時間とお互いの得点表示。と、このような感じでキャラクターとボールの表示、得点やヤード数などの数値が交互に表示されながらゲームが進行していきます。


 数字と記号的なキャラのおかげで何のことか分からなかったかと思いますが、どうにも取っ付きにくい。電子ゲームの購買層である子供なら尚更。70年代頃は、現在と異なり日本でもアメフト人気があったというわけでもなさそうなので、やはりこれは海外向けのものの国内版でしょうか。海外では、アメフトのゲーム化も結構されているようですが、国内だとアーケード、FCともにアイレムの10ヤードファイトしか思いつきません。


 やはりこの時期だと、デジコムといえばこれしか目に入らなかったよう思います。インベーダーを尻目にアメフトを買う子供がいたら、渋すぎて逆にかっこ良過ぎてなんか嫌。


 今だと違うかもしれませんが、この頃だと国内のスポーツ人気は、圧倒的に野球で次にサッカーの順。バスケやバレーをすっ飛ばして、アメフトに行っちゃうクールさがなんとも言えない。これら以外だとアメリカでは何故かアイスホッケーが人気で、電子ゲームやビデオゲームも結構出ていたりします。


 アメリカのスクールカーストでは、ヒエラルキーの頂点に位置するのがジョック(Jock)と呼ばれるスポーツ万能で社交性に富むもの。多くの場合、映画などではアメフト部などとして描かれています。女性の場合は、チアリーダーとして描かれるクイーン・ビー(Queen Bee)。ということで、あちらでは徹底した花形スポーツであり、憧れの対象なんですな。これに相対するのは、ナード (Nerd)と呼ばれるスポーツ以外のことに打ち込むもの。コンピュータなどのおたくギーク(Geek)や、ガリ勉のブレイン(Brain)。甘酸っぱい青春映画などでは、こちらが主役となることも多い。


 ということで、紹介もなかなか大変で説明書を見ながら四苦八苦のエポック社のマイコンゲーム・デジコムフットボールでした。

参考:デジコムフットボール取り扱い説明書/エポック社、Wiki スクールカースト、ジョック、ナードの項


ドラゴンクエストⅡ(DRAGON QUESTⅡ) 悪霊の神々・エニックス

2014-04-22 17:30:00 | RPGゲームReview

 ドラゴンクエストII 悪霊の神々は、1987年にエニックスより発売されたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲーム。


 前作ドラゴンクエスト(86)のヒットを受け製作された、ドラゴンクエストシリーズの2番目の作品。前作の倍の容量を持つ1メガビット(約128キロバイト)のROMを採用し、マップの広さは前作の100×100に対して6倍の256×256の広さを持つなど、大幅にスケールアップした続編として登場しました。システム面でも、3人制のパーティを導入し、乗り物も追加されるなどパワーアップしています。売り上げは、前作の150万本に対し250万本とシリーズ第二弾にして、その後の国民的なブームを予感させるものになっています。


 前作では、64キロバイトという容量の問題もあって、子供たちや初心者にRPGという遊びを知ってもらうため、コンパクトなマップに一人旅と大幅に簡略化がされていました。本作では、前作の100年後の世界となり、戦士(勇者)のローレシアの王子、魔法戦士のサマルトリアの王子、賢者(魔法使い兼僧侶)のムーンブルクの王女とキャラは固定ですが、役割分担が導入されています。個人的には、86年当時に第1作目を遊び数年前に5、6、4と順不同でプレイしていました。ドラクエ最難易度と言われることもあり、どうにも手を付けづらかったのですが、最近遊んでみましたのでネタとして紹介します。


 パッケージを開けたところ。この時点では、まだ復活の呪文でバックアップは導入されていない。内容の複雑さの割には、説明書もかなりシンプル。


 当時の子供のわくわく感が封じ込められた、ある意味タイムカプセル。


 ジャンプなどでバンバン煽ってましたので、有名な作品の続編として話題作には違いがないが、この時点では国民的作品となり、現在まで続くシリーズになろうとは想像できなかった。


 後の勇者たちと比較しても幼くて可愛い感じ。プレイする対象の子供たちの年齢が反映されているのだと思います。その後の作品では、徐々に大人びた感じに。これもプレイヤーの年齢が徐々に上がっていったことを、映し出しているのでしょう。


 こちらは、記念すべき第1作目。FC発のRPGとして、当時のPCには移植されていなかったが唯一MSXとMSX2だけは、1作目と2作目が発売されていた。その後は、エニックスがPCゲームからFCへと軸足を移してしまった。


 いよいよ冒険の旅に出発!と、広大な冒険の旅へとプレイヤーを誘う。当時の子供がわくわくさせられたのもわかります。


 購入待ちの行列など社会現象にまでなった第3作目。固定されたキャラが存在せず職業の概念や転職が導入され、先行していたPCのRPGのシステムがここでほぼ全て導入された。


 章立てになっていたり、プレイヤーキャラ以外はAIによる戦闘と、ドラクエ独自のシステムが試され始めた第4作目。


 Wiiに先行したとも言える、体感ゲーム剣神ドラゴンクエスト。


 ドラクエ2の特徴として、その高難易度が上げられる。敵が強すぎたり、ヒントが少なくて謎解きが理不尽すぎたり。一作目が初心者向けに誰でも遊べるよう工夫されていたこと、その後の作品でもゲームバランスが調整され親切設計となっていったことからみても突出している。


 ただし、この頃のRPGはヒントなしの理不尽な謎が普通であり、攻略情報も雑誌に頼るしかなかったので、半年とか1年とか解けないこともザラであった。また第1作目に続く続編は、エキスパート向けの高難易度になる傾向もあった。国産初のRPGといわれるザ・ブラックオニキス(84)では、続編のファイアークリスタルは魔法の概念を導入して超絶的な難易度になっていた。


 ヒントなしの理不尽な謎がてんこ盛りのハイドライド(84~86)。元ネタのひとつとなったドルアーガの塔では、ノーヒントで60階にも及ぶフロアの謎を解く必要があるなど、これ以上に理不尽だった。PCのRPGの金字塔とも言われ40万本という驚異的なヒットとなったザナドゥ。続編のザナドゥシナリオ2では、これも超絶的な難易度となった。ドラスレjrことロマンシアのヒントなしの理不尽な謎解きも有名。またウィザードリィでも2作目は、エキスパート用のシナリオだったし、熟練プレイヤーに向けて挑戦状として出されたシナリオ4の理不尽さも有名だった。


 難易度を上げているのは、マップが6倍になったわりには町の数が増えていないため町と町の間が離れていたり、ルーラがまだ自由に移動を指定できなかったり、敵のバランスが全体的に厳しめだったりする点。ヒントも少なく、船を手に入れてからは飛躍的に自由度が増し、どこに行って何をすればよいか分かり難くなっている。また、どこでもセーブのできる現在と異なり、長い復活の呪文を必要としたことも、その難易度に拍車をかけていた。特にロンダルキアへの洞窟などは、あちこちに落とし穴が設けられ、無限ループもあって厳しい。しかし、前述したようにこの当時のRPGとしては普通の難易度であり、1作目で慣れたプレイヤーに向けて第2作目がエキスパート用になることも普通だった。


 プレイをした感想としては、まだ2作目ということもあり、堀井節ともいわれる独特の世界観や演歌的とも言われた感動のシナリオの度合いも少ないため、ひたすら冒険をして謎を解き、アイテムを集めるというスタイルが、この当時のRPGを思い起こさせてくれて、広大な世界を冒険(旅)しているという気分になれて好ましいと感じる。この後のシナリオでは、町に到着するとイベントが起こり、近くの塔やほこらで解決をして、次の町へ向かうという(迷いにくい)一本道のスタイルになったので、自由にあちこちを探索するスタイルが楽しい。まあ、最もロンダルキアへ到着したはいいが、ハーゴンの神殿(ラストダンジョン)にまだ入れていないんだけど。


 ということで、ドラクエ史上屈指の難易度を誇るといわれる硬派なシナリオ、ドラゴンクエストII 悪霊の神々でした。



参考:Wiki ドラゴンクエスト、ドラゴンクエストⅡ悪霊の神々、ドラゴンクエストⅢそして伝説へ、堀井雄二の項、D-navi.ドラゴンクエスト2完全攻略

ドリーム50・ホンダ純正マフラー

2014-04-18 16:53:47 | 原付趣味&Bianchi

 ここのところ微妙に忙しく間が開いてしまいました。たまたまお昼より時間が取れたので、久々の更新。バイクと雑記の小ネタ。


 寒い時期になると、どうしても放置ぎみになってしまいます。一応屋根つきで露天駐車ではないのだが、しばらく放っておくと雨風や埃などでくすんでしまう。


 太陽光の関係もあって、光の弱い冬場ではあまり綺麗に写らないということもある。とりあえず埃を水拭きで落とします。


 車でもバイクでも同じですがあんまり置いておくと、ガソリンが腐ったり、キャブが詰まったり、タンク内が錆びてしまったりと碌な事はない。そろそろ復活させます。


 とりあえず小ネタが届きましたので、それをやります。


 ドリーム50用のホンダの純正マフラー。中古品で7,800円ほど。送料も込みで10,000円ほどでした。現在では廃版になっているかもしれませんが、新品だと15,000円×2本くらいの価格のもの。


 オークションだと一本だけというのが結構多くて、またこのメッキが以外に錆に弱いのか、綺麗なものが2本出てくるということは少ない。たまに2本で10,000円程で出ると入札が入って13,000円~15,000円程度にまで上がってしまいます。それで、何回か入札をしては見送りました。仮に10,000円で落とせたとしても、それプラス送料ですから、この価格はかなりお買い得なもの。中古パーツショップより入手。


 本体は、ほぼ新品といってよいほど綺麗。


 このマフラー一番のネックである排気口のフランジ部。ここは熱が加わるため、使用状況の悪い中古品だとほぼ錆びています。


 この綺麗さ。中古品としては、充分合格レベル。


 磨かない状態でも、触るとメッキに指紋がついて曇るくらいなので、ネバダルで磨いてやれば綺麗になると思います。


 ただ、この価格の中古品なので完璧とはいきません。両パイプエンド部に傷が入っている。ここは、メッキスプレーか耐熱スプレーで誤魔化すしかない。


 このマフラー純正ですが2本出しで、特に特別仕様の耐熱ブラック塗装されたものは、デザイン的にもかっこいい。メッキは、錆びると補修の仕様がないので、実はやっかいでもある。


 タケガワマフラーも入手済みなので、純正品はストックパーツ用とします。


 ということで、春の息吹を感じつつのバイクパーツネタでした。



頭文字D(Initial D) THE MOVE・ギャガコミュニケーションズ

2014-04-03 07:17:56 | 映画・DVD・CD

 頭文字D THE MOVIEは、2005年に公開された香港製作のカーアクション映画。


 原作は、言わずと知れたヤングマガジン誌に連載されていたしげの秀一氏の漫画。1995年より連載が開始され2013年に全48巻をもって完結した。アニメーションが地上波で2作、CS放送で2作、劇場版1作、OVA5作と、今もって根強い人気を誇る作品。ゲーム化もアーケード、コンシューマーを含め数多くなされている。この原作は、香港、台湾を始めとするアジア圏でも広く人気を得ており、香港、台湾、日本人の若手俳優をそろえて香港映画で実写化された。


 主演の藤原拓海役には、アジア圏で広い人気を誇る台湾人の歌手・周 杰倫(ジェイ・チョウ)。日本からは、茂木なつき役で鈴木杏が出演している。他の役者さんも、中華圏では有名な方が揃っているらしい。


 左から高橋涼介、中里毅、須藤京一役の役者。香港、中国では記録的なヒットを飛ばし、香港と中国に加えマレーシアとシンガポールでも興行収入1位を記録した。原作国の日本での評価は、微妙な感じでアマゾンで★★★くらい、映画評サイトでも60点くらいの評価となっている。日本での評価が微妙なのは、映画のキャラや設定などが微妙に原作とずれている点。香港映画にありがちなコメディ要素も入っており、製作者側との文化の違いに違和感を感じるところだろう。


 ただ設定だけ使って台湾辺りの若者の青春群像を描いたパチ映画などではなく、オール日本ロケで、CGは使わず日本の高橋レーシングの手により峠のシーンは作り上げられている。アジアの有名俳優を使い、制作費は1200万ドル(13億円)と立派な大作映画。中華圏全体が市場なので市場が広い事と、アクション映画では香港映画の方がやはり上。主演の周 杰倫(ジェイ・チョウ)は、プライベートではフェラーリに乗っているそうだが、映画で使った86が欲しかったが譲ってもらえず、オークションに参加して競り落としたそう。しかも競りの相手は父役の黄秋生(アンソニー・ウォン)で、価格は51万元(約700万円)だとか。原作に対するリスペクトはちゃんとなされている。


 元の映画では、広東語が飛び交う様が更に違和感を深めていたらしいが、日本では主に吹き替えで公開された。


 ジャケットの裏が86の運転席になっているという凝り様。


 なんだか良くわからないが、下敷きみたいなものが付いてくる。マウスパッド?


 原作ファンが受け入れられないのは、友人の武内樹役がかなり原作とはかけ離れていること。シルビアを駆る池谷が出ないので、樹と池谷を足して2で割ったようなキャラの設定で、しかも原作では2人がバイトするスタンドのドラ息子になっている。樹役の杜汶澤(チャップマン・トウ)は香港のコメディアンで、ジャッキー・チェンの映画に出てくるようなこてこての香港コメディ映画のノリ。日本人には絶対いないだろうというキャラ。また黄秋生(アンソニー・ウォン)が演じた父親の文太も原作とはキャラが変わっており、ここいらが受け入れがたい点のよう。高橋兄弟も兄の高橋涼介しか出てこない。ただし、CGを使わず実写で再現された峠でのバトルシーンは見事な出来で、原作の溝落としやガードレールぎりぎりを避けて通るドリフトなどが再現されている。また原作前半の山場であるレース用エンジンへの積み替えもちゃんと入っている。


 原作の初期のエピソードを映像化しているが、膨大なエピソードや登場人物を1時間40分に収めるためには設定の変更や省略化も止む得ないし、脚本としても丁重に原作のエピソードを拾っていきながら、かなりよくまとまっている(そもそも日本人が実写化したものでさえ、原作を改変したものは多い)。アンソニー・ウォンの文太キャラも外見的には似ていて、映画のアクセントにはなっていた。以前紹介した、ハリウッド製のワイルドスピード3よりは、全然違和感ない日本が再現されています。


 映画を見て思うのは、この95年頃から2000年代初めに掛けては、スポーツカーも人気があったし、MT車も選べるほどあった。安い中古車も豊富だったので、若者がここに登場する車に乗って峠を走る設定にも無理が無かった。原作やアニメ作品、ゲームなどは依然人気があるけど、現実はエコカーとワゴン車ばかりになって、スポーツカーはあっても高価、MT車はもう事実上選択が不可能なほど限られてしまっているなど、随分と活気がなくなりました。


 ブックオフにて250円で入手したので(アマゾンだと70円から出てる)レビューする気になりましたが、期待してなくて(台湾あたりのパチもの映画だと思ってた)敷居が低かった分、かなり良い作品でした。星★★★★で、お勧め。



参考:Wiki 頭文字D、頭文字Dの登場人物、周 杰倫(ジェイ・チョウ)、黄秋生(アンソニー・ウォン)、杜汶澤(チャップマン・トウ)の項、Blog版香港中国熱烈歓迎唯我独尊