80年代Cafe

80年代を中心に、70年代後半~90年代位の懐かしいもの置いてます。
あなたにとって80年代はどんな時代でしたか。

テーマパーク theme PARK・エレクトロニック・アーツ

2016-04-30 01:00:41 | レトロゲームReview

 テーマパーク theme PARKは、1995年にエレクトロニック・アーツより発売された経営型のシミュレーションゲーム。開発は、ピーター・モリニュー氏が在籍していた当時の英国のブルフロッグ社。


 箱庭(ミニスケープ)ゲーム、ゴッドゲームの元祖と言われるポピュラスの開発者ピーター・モリニュー氏の手によるもの。プレイヤーはテーマパークのオーナーとなり、パーク内に道路、標識、樹木、ショップや遊具を設置したり、メカニック、清掃員、ガードマン、マスコット(着ぐるみ)などスタッフを雇って、遊園地の運営をする。遊具には耐久性のパラメーターがあるため、メカニックを雇って定期的にメンテナンスする必要があり、お客が来ると園内にゴミが散らかるため、定期的に清掃をする必要がある。時折来るガラの悪い客には、ガードマンを雇うことで対処する。プレイヤーは、お客からの様々な要望、クレームなどを聞きながら、お客の満足度を上げることによって、人気のテーマパークを作っていくというのが主な流れになる。


 こちらは、1997年に発売された第二弾の新テーマパーク。株式投資や経営戦略など、様々な要素が付加された。


 2000年に発売されたテーマパーク ワールド。これ以降もテーマパーク2001、(株)テーマパーク、テーマパークDSなど、続編が発売された。これらが好評だったのか、テーマシリーズは病院が舞台のテーマホスピタル、水族館が舞台のテーマアクアリウムなどへと発展した。


 箱庭世界にやってくるお客さんは、ひとりひとりが様々なニーズを持っており、それらはふきだしの形で表現される。トイレを設置し忘れると、トイレに行きたいお客が右往左往することになるし、みやげ物が欲しい、食事や飲み物が欲しい、園内が汚いなど、ちょこまかと様々な要望が表現される。経営戦略面としては、ハンバーガーショップのポテトの塩加減や飲み物の氷の量まで設定でき、ポテトの塩加減を強くすると飲み物が売れるという、経営者は普通しないだろうという細かいことまで設定することが出来る。


 アトラクションには実際に乗ることが可能で、ジェットコースターやゴーカートなどは、自分でコースを設計することも可能。自分が作ったテーマーパーク内を実際に歩き回れるということが、このゲームの売りのひとつだった。


 このテーマパークのヒットを受けて、プレイステーション1の時代には、このような箱庭型の経営シミュレーションがとても流行った。こちらは、1994年とテーマパークより一足先に日本で作られたザ・タワー The Tower。高層ビルを経営、運営する。賞を受賞するなど、海外でも好評だった。


 シリーズ化された有名なところでは、コンビニを経営するザ・コンビニ、ファミレスを経営するザ・ファミレス。他にもゲームメーカーを経営して、ゲームを開発するザ・ゲームメーカー 売れ売れ100万本げっとだぜ!、ゲームセンターを経営するできるゲームセンター、ハンバーガーショップをモチーフにして、様々なハンバーガーを開発するバーガーバーガー、学校を運営する学校をつくろう!!、ホテルを経営するハッピーホテル、変り種としては、悪の首領となって秘密基地を運営するAZITOなどがあった。


 こちらも変り種。罠やモンスターを設置してダンジョンに訪れる勇者を撃退するという、ダンジョンの運営をテーマにした経営シミュレーション・ダンジョンキーパー。こちらも開発元は、ピーター・モリニュー氏率いるブルフロッグ社。ダンジョンキーパー2も発売された。


 このゲーム、最初は面白いのですが、やることが同じなためだんだんとマンネリ化してしまうという欠点があります。一応、ゲームの目標はあるのですが、エンディングを目指すより、自分の遊園地を好きなだけちまちまと作り続けるという遊び方の方が楽しい。この時期としてはとても新しい斬新なゲームであり、遊園地を運営するという設定も夢があって楽しかった。2頭身のちょこまかしたキャラが、ミニチュアのような箱庭世界を行き来するというところを眺めているだけでも楽しくて、似たようなタイプの箱庭経営シュミレーションが続々と作られるなど、実に日本人の好みにマッチしたゲームだったように思います。


 プレイステーション1、セガ サターンの時期には、このような新しいタイプのゲームや実験的なゲームが次々と発売されて楽しかった。日本で作られたのゲームが世界シェアの7割を占めていたという日本製ゲームが世界を席巻した時代でもありました。個人的には、8ビットPCやファミコンの時代と同じくらいゲームが楽しかった。フランチャイズや個人のゲームショップが全盛期だったのも、この時代でした。ゲームに関しては、もうこのような時代はやってこないんでしょうね。ということで、箱庭経営シミュレーションの元祖、テーマパーク theme PARKでした。



Wiki テーマパーク(ゲーム)、ピーター・モリニュー、ブルフロッグ、ザ・タワー、ダンジョンキーパー、経営シミュレーションゲーム、ミニスケープの項

スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク・タカラトミー/タイトー

2016-04-25 18:41:56 | 玩具・雑貨

 これは、タカラトミーより2009年に発売されたスペースインベーダー ゲーム筐体型バンク。1978年にタイトーより発売されて大ブームを巻き起こしたスペースインベーダーのテーブル型筐体を1/6スケールで再現して、そこに貯金箱の機能を付けたトイ貯金箱。


 この貯金箱のコンセプトは、スペースインベーダーのテーブル筐体の外観を、本体正面のコントロールパネルや画面の左右に貼られていたゲームの説明書など、1/6サイズでほぼ忠実に再現し、当時の懐かしいレトロな雰囲気を漂わせるインテリアトイとして楽しめるデザインとしたもの。発売当時の価格は、5,775円。実売価格2,980円~3,980円位で、全国のトイザらスなどの玩具店やインテリア雑貨店、ドンキホーテなどで販売されていた。


 タイトー協力のもと、インパネやインストカードなど、そのままのイメージで再現している。それだけでなく、コインを投入しコントロールパネルの発射ボタン、左右移動レバーを操作して、液晶画面でインベーダーゲームが遊べるようになっている。その上、あのインベーダー独特の電子音まで再現してある。


 ということで、なかなかマニアの心をくすぐる仕様となっており、発売当時はかなりの話題となった。使用可能なコインは、1円硬貨・5円硬貨・10円硬貨・50円硬貨・100円硬貨が投入可能で、メーカ推奨は100円硬貨となっている。メインターゲットは20代~40代の男性で、年間5万個の出荷を目標として発売されていた。


 パッケージを開けたところ。取り扱い説明書と当時のインベーダー筐体に貼られていたオーバーレイを、カラーフィルムで再現したものが入っている。


 こちらが本体。想像するより小さいし、プラスチック部品がほとんどで構成されているので思ったより軽い。


 この貯金箱の一番の売りである筐体の再現性はなかなかのもの。実際に硬貨を入れる貯金箱なので、コイン投入口の周辺などは再現されていないが、イメージを崩さないように上手にデザインに溶け込ませてある。過去には食玩でアーケード筐体を再現したもの①があり、今現在でもハングオンなどのアーケード筐体のプラモデル等はありますが、貯金箱とゲームという2つのギミックが破綻なく組み込まれている点で、他のものよりも優れている。2007年にはコナミがピカデリーサーカス筐体貯金箱、2010年にはバンダイが駄菓子屋ゲーム貯金箱、2011年に電動ライドを貯金箱にしたヒーローバンクを発売しており、それら一連のレトロ筐体型貯金箱の流れにあるものだと思います。


 ただ、テーブルの天板のあたりが艶があり、透明感のあるプラスチックで作られているため、指紋やほこりが付きやすく小傷が入りやすい。ここがガラス製であったならば質感も上がり、玩具臭さも抑えられて、より本物感が出ただろうと思われる。


 電池を入れたりお金を取り出すのは、テーブルの足を外して筐体の下側からなのですが、筐体の足もプラスチック製でポロポロとれて少し興ざめする。ここがアルミであったなら、質感、重量感も出て良かっただろうに。大人向けのインテリアトイと考えた場合の質感はいまひとつ。


 これが発売された時、一番不満が出たのがゲーム部分が、昔のゲームウォッチみたいなセグメント表示の液晶だったこと。カラー液晶モニターではなく、あらかじめプリントされたパターンに沿ってゲームが動くようになっている。これによって、インベーダーがトーチカの上までしか降りてこず、そこを最終ラインとして往復する仕様となっており、ゲーム性まで変わってしまっていた。タイトーの協力を仰いで、ここまでやったなら、一番肝心のゲーム部分の再現に力を注いで欲しかった。貯金箱部分はいらないので、この筐体に液晶モニターを付け、パソコンと接続できるようにしてくれた方が、より広がりが出ただろうと思う。今はこのような自作キットも出ているので、技術のある人ならばそういう改造のベースとしても、使えるのでしょうが。


 貯金箱の機能を付けた5,000円~程度のトイなので、そこまで求めるのは無理という気もするが、2015年に発売されていたこちらのゲーム機では、小さな液晶モニターに108種のゲームを収録して、(UFOキャッチャーの景品にもなっていたので)800円程度の価格でこの機能を実現している。2009年と2015年では、液晶モニターの原価なども違うだろうし、中華製のパチ機ときちんとライセンスを取った国内正規品の違いということもわかるが、ここはもう少し頑張って欲しかった部分だろう。


 とはいうものの、あのインベーダーブームの最中に指をくわえて家庭用インベーダーゲームを夢見ていた世代にとっては、まさに夢の商品。インベーダーが1匹~2匹しか登場しないゲーム機がほとんどだったり、最下段の一列しか表示されないテレビゲームなど、インベーダーゲームをまともに再現したものはなかった。加えて子供は、ゲームセンターやゲーム喫茶などには行けるはずもないので、ゲームセンターあらしを見て想像するよりなかった。


 しばらくすると、インベーダーのパチものが大量に登場し、駄菓子屋やデパートの遊戯コーナーなどでも10円~20円ゲームとして、遊べるようになるのですが、それでもタイトーの純正筐体は憧れだった。特にインベーダーのイラストが書かれ、月面のオーバーレイの入ったモニターにインベーダーが浮かび上がったアップライト筐体はかっこよかった。どうせ作るなら、このアップライト筐体も作って欲しかった。こちらだと、海外にも売れただろうにと思う。


 とはいうもの、インベーダーの筐体をここまで忠実に再現したトイですから、根強い人気はあってオークション、アマゾンなどでも動きは早いです。新品で売られていた当時は、売れ残ってクリアランスされていたり、雑貨店の棚に積まれていたりしましたが、それもいつの間にかなくなってしまった。しばらくは、プレミア価格が付いて売られていたのですが再生産がされたようで、昨年あたりはアマゾンにも再入荷して安くなっていた。今は、再生産分もなくなってじわじわと値を上げているような状況になっています。この形に思い入れのある方は、安く見かけた時には入手しておいても良いのではないでしょうか。



参考:タカラトミー 商品リリース 筐体型貯金箱『スペースインベーダー ゲーム筐体型バンク』3月26日新発売!2009年03月05日、スペースインベーダー35周年記念サイト/タイトー、食玩魂、Impress Watch AKB PC HOTLINE!、ゲームセンターあらし/すがやみつる・小学館、8bit年代記/ゾルゲ市蔵・マイクロマガジン社

遊園地の記憶・アルバトロス株式会社

2016-04-23 17:59:43 | 映画・DVD・CD

 こちらは、2010年にアルバトロス株式会社より発売されたDVD遊園地の記憶。巨大な遊園地からデパートの屋上遊園地まで、2010年の時点で現存する遊園地を収録している。遊園地とはいっても、ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのようなメジャーなところは収録しておらず、昔どこかで訪れたようなノスタルジーを誘うところがメインになっている。


 遊園地の宣伝やガイドではなく、実際に観覧車やメリーゴーランドなどの遊具にカメラが乗り込み、記憶の中の遊園地をバーチャル体験できるというような作り。コストの問題もあるのだろうが、ナレーションや解説は最小限で案内役みたいなものもなし。カメラ目線のまま、ひたすら遊園地内を散策する。そのため、実際に自分がその遊園地を訪れているかのような印象になる。平日に遊具を動かしたのか、ほとんど観客の姿がない遊園地ということが、どこかで見たことのある心象風景の中にある場所を訪れているかのような、そんな不思議な効果を生んでいる。


 収録されているのは、よみうりランド、桐生が岡遊園地、大宮公園児童スポーツランド、おやまゆうえんハーヴェストウォーク、小田原城址公園こども遊園地、あらかわ遊園、丸広百貨店わんぱくランド、蒲田東急プラザ プラザランド、浅草花やしき、上野こども遊園地、富士急ハイランド、るなぱあくなど、関東周辺がメイン。現存するところ以外にも閉園してしまった小山ゆうえんち、谷津遊園の資料も収録されている。蒲田東急プラザ プラザランドと丸広百貨店わんぱくランドは、デパートの屋上遊園地。蒲田東急プラザ プラザランドは、2014年3月に閉店となり閉鎖される予定だったそうだが、屋上の観覧車はランドマークとして残されたみたい。丸広百貨店わんぱくランドは、素晴らしいことに現在でも健在。


 ライナーノーツには、2005年に閉園した今は無き小山ゆうえんちの貴重資料も特典として収録と謳われており、桜金造氏のTVCMも収録されている。ちなみに現在では、おやまゆうえんハーヴェストウォークとしてショッピングモールになっているそう。


 観覧車を模したようなデザイン。


 映像は綺麗なのですが、平日の人のいない時間帯を狙ったのか、休園日に取材したのか、ほとんど人がいない無人の遊園地を撮影しているため、どこかおぼろげで、まるで夢の中、記憶の中の遊園地を見ているかのよう。肖像権などの問題もあるからでしょうが、これが幻想的で郷愁を誘う意外な効果を上げている。


 外観からだけでなく、このように実際に乗り物に乗り込んで、遊具をバーチャル体験させてくれる。


 一日遊んで日が暮れて。ディズニーランドではこれからでしょうが、こういった遊園地では閉園の時間。楽しく遊んだ遊具たちは電気を落とされて、お客さんが来るのを明日まで待っていてくれる。


 題材として華があるためか、ゲームにもよく遊園地は登場します。代表的なものといえば、1995年に発表されたアトラクションを設置して遊園地の経営を行うテーマパークシリーズ。製作は、ポピュラスシリーズのピーター・モリニュー氏。大ヒットとなったときめきメモリアルにも、遊園地でデートするシーンがあったり、ファイナルファンタジー7では実際にミニゲームで遊べる仮想の遊園地をゲーム内に作り込んでしまうほどだった。


 こちらは、2015年に辰巳出版より発売された、デパートの屋上や遊園地の遊戯コーナーに設置してあった10円ゲームやエレメカを扱った日本懐かし10円ゲーム大全。こういったアナログなゲームも遊園地には欠かせないものでした。


 少子化の影響でこのようなものが置いてある場所も段々と減ってきているそう。デパートの屋上遊園地などは、もう絶滅寸前といっても良いくらい。昔は子供が多かったので、こういう場所は活気があって集客の意味でも確かに存在する理由があった。今だと、大人が懐かしんで訪れる方が多いくらいなのかも知れません。


 前回、ネタとしてやった電動ライド、ムーバー。これも遊園地の風景には欠かせないものだった。


 このような遊具のルーツはどこから来ているのかはわかりませんが、群馬県前橋市のるなぱあくに置いてある電動木馬は1954年製で、2007年に国の登録有形文化財に登録されているそうです。木製の木馬だと紀元前5世紀頃、回転木馬(メリーゴーランド)だと1860年頃まで遡れるようです。遊園地自体は、遊園地に類似する施設がデンマークで1583年、ロンドンで1661年にオープンしているそうです。かなり昔から存在しているのですね。


 日本近代詩の父と呼ばれる偉大な詩人、萩原朔太郎の作品の中に遊園地(るなぱあく)にてという詩があります。一部抜粋します。

遊園地(るなぱあく)にて

遊園地(るなぱあく)の午後なりき
廻転木馬の目まぐるしく
艶めく紅のごむ風船
群集の上を飛び行けり。

今日の日曜を此所に來りて
われら模擬飛行機の座席に乘れど
側へに思惟するものは寂しきなり。
なになれば君が瞳孔(ひとみ)に
やさしき憂愁をたたへ給ふか。

見よこの飛翔する空の向うに
一つの地平は高く揚り また傾き 低く沈み行かんとす。

明るき四月の外光の中
嬉嬉たる群集の中に混りて
ふたり模擬飛行機の座席に乘れど
君の圓舞曲(わるつ)は遠くして
側へに思惟するものは寂しきなり。

 朔太郎は群馬県前橋市の出身なため、前橋市のるなぱあくは、この詩から名前を採っているそうです。この詩の中に歌われているのは、浅草にあった遊園地なのだとか。この詩が収録されている氷島は1934年(昭和9年)詩人が48歳の時に刊行され、遊園地(るなぱあく)にては昭和6年詩人が45歳の時に発表されている。浅草のルナパークは1911年(明治44年)に閉園されており、詩人は昭和4年に家庭破綻により娘二人を連れて一旦前橋の実家に帰っている。すでに存在していない遊園地で、やさしい憂いをたたえた瞳で詩人を見つめていた人は誰だったのでしょう。年代、時代などは関係なく、いつの時代であっても遊園地とは郷愁を誘う場所なのかも知れませんね。


 それにしてもいろんなDVDがあるものだなと思わせてくれる一本。なかなか目の付け所がすごい企画だと思います。ぜひデパートの屋上の記憶だとか、駄菓子屋の記憶だとか、ドライブインの記憶だとかをやって欲しいと思います。

参考:Wiki 遊園地、木馬、回転木馬(メリーゴーランド)、テーマパーク(ゲーム)、ピーター・モリニュー、小山ゆうえんち、丸広百貨店川越店、萩原朔太郎、るなぱあくの項、東急プラザ/屋上かまたえん公式HP、日本懐かし10円ゲーム大全、萩原朔太郎 遊園地(るなぱあく)にて

ヒーローバンク貯金箱・バンダイ

2016-04-23 05:47:27 | 玩具・雑貨

 こちらは、2011年にバンダイより発売されたヒーローバンク。1970年頃にデパートの屋上や遊園地、商店街の店頭などに置かれていた、コインを入れると数分間動く乗り物遊具を貯金箱化したもの。


 このヒーローバンクは、自宅やオフィスの机の上に置いて、コインを入れるとゆらゆら動く卓上のインテリアや実用性のある貯金箱としての使い方を想定していたらしい。対象年齢は、30代から40代の男性。アニバーサリーイヤー(2011年の発売当時)として、45周年のウルトラマン、40周年の仮面ライダー、35作品目となる戦隊ものの秘密戦隊ゴレンジャーの3種が発売された。発売当時の価格は、税込み3,150円だった。


 こちらは、ヒーローバンクの仮面ライダー1号。残念ながら、ウルトラマンは未所有。やはりウルトラマンは、このような遊具を懐かしいと感じる世代に根強い人気があるのか、ものがあってもプレミア的な価格が付けられている。仮面ライダーとゴレンジャーは、アマゾンやオークションで1,000~3,000円程度で売られています。


 ギミックは単純で、コインを入れると本体から伸びた軸に取り付けられた人形が、数十秒間ゆらゆらと前後に動くというもの。1円と500円玉は使えず、10円でも最大20枚までと、貯金箱としての機能はあくまでもおまけといった感じ。


 デパートの屋上や遊戯施設で、10円入れるとゆらゆらと動いたあの感覚を味わってもらおうという、レトロ感覚な雑貨というほうが近いでしょうか。このようなレトロな貯金箱は、コナミが2007年にピカデリーサーカス筐体を貯金箱にし、2009年にはタカラトミーよりスペースインベーダー筐体の貯金箱が、バンダイ自身も2010年に10円をはじく新幹線ゲームを貯金箱化した駄菓子屋ゲーム貯金箱を発売していた。そのような一連の懐かしいゲーム筐体型貯金箱のひとつとして考えてよいでしょう。


 パッケージを開けたところ。透明なプラケースに梱包されている。ちなみに説明書や解説書の類はなし。まあ箱裏の説明だけで、十分に間に合うほど単純な玩具と言えそう。


 造形は、流石バンダイということで、実際の仮面ライダーではなく、あくまでも遊具の仮面ライダーを再現している。ちなみにこの遊具は電動ライド、ムーバーと言うそうで、ウルトラマンや仮面ライダーなどヒーローブームの起こった、70年代を中心に製造され、大量に出回ったらしい。遊園地やデパートの遊戯施設だけではなく、玩具店や文具店、薬局、電気屋など一般商店の店頭にまで置かれるほどだったとか。やはり一番人気はウルトラマンのようで、とにかく子供が多かった時代ですね。


 ちなみに本物は足を広げたポーズをとっているので、完全再現を狙ったというわけでもないみたい。金型の都合でしょうが、本物は左腕も体から離れていますね。仮面ライダーは1号、2号とあるし放送時期も長かったのでバージョン違いがあるかもしれませんが、雰囲気はよく出ていると思う。


 このような遊具は、放送が終わりブームが去ってからも長らく遊戯施設の片隅に置かれていたので、なんかどっかで見た事あるなあという印象。そういった意味では、直撃世代ではなくとも、懐かしさを感じるかもしれません。


 こちらは、現在までシリーズが続き、アメリカに輸出されてパワーレンジャーというシリーズまで生んでしまったスーパー戦隊シリーズの元祖ゴレンジャー。現在2016年時点では、なんと40戦隊を数える。スーパー戦隊シリーズは東映のオリジナル作品ですが、第1作目の秘密戦隊ゴレンジャーと2作目のジャッカー電撃隊は石ノ森章太郎氏の手によるもの。その後、マーベル・コミック社と東映の業務提携によりスパイダーマン、バトルフィーバーJが製作され、戦隊+巨大ロボという基本のフォーマットが完成した。


 ゴレンジャーのリーダー、アカレンジャーを再現。戦隊もののリーダーはレッドというお約束を生み出した。


 ゴレンジャーのムーバー、電動ライドの画像は見つけられなかったので、実際に作られたかどうか、正確に再現してあるのかどうかはわからない。ムーバーを紹介しているページは限られているし、当時ものの写真や実物が残っているというのもかなり微妙でしょう。ゴレンジャーの当時の人気から考えて、おそらく実際にあったとは思いますが。


 ムーバーが作られたブームが71年~74年くらいということですから、75年~77年放送のゴレンジャーは、ブーム期には少し遅れています。ブーム期の以降もガンダムやドラえもん、セーラームーンなど時代に合わせてこのムーバーは作り続けられています。バンダイナムコゲームスとして、後にバンダイと一緒になったナムコも作っていたんですね。それは置いておいてもヒーローバンク版ゴレンジャーは、かなり出来がいいと思います。


 個人的には、ムーバーに乗った記憶というのはほとんどありません。うちの親は、20円~100円入れて数分間動くだけという乗り物に、お金を出すことはなかった。デパートの遊技場や遊園地の遊戯コーナーに行くのも、お目当てはビデオゲームだったので、このような遊具は片隅に置いてある古い機械でしかなかった。そうであっても、どこの遊園地にもデパートの遊技場にも必ず置いてありましたし、そういった施設には欠かせない風景のひとつではあったので、やはりどこかノスタルジックな気分は感じます。このような遊具に乗れる幼児の頃に乗れなかったので、よけいにそう感じるのかも。もっとも公園にある動物の形をした動かない遊具にまたがって泣いている写真(怖かったらしい)が残っているので、乗る気もなかったのかもしれませんが。



参考:Wikiスーパー戦隊シリーズ、ゴレンジャー、石ノ森章太郎氏、バンダイ ヒーローバンク公式HP、光跡 巨大ヒーロー自販機の跡、kimcafe Kiddie Rides、ミドルエッジ あの頃ナウ、ノスタル爺の懐かし玉手箱、中川翔子公式ブログ、帰ってきた坂井百貨店座間支店

散財日記 in 蘇るPC-9801伝説 第2弾

2016-04-21 11:53:14 | 散財日記・雑記

 ということで、半月ぶりの散財日記兼雑記。最近では、オークションはほとんど使わず、アマゾンで書籍やDVDなんかを買っていることが多い。プレミアの付くようなものだと、オークションで探した方が良いのですが、書籍やDVDだと、アマゾンの方が断然安くて綺麗なものが手に入ります。

蘇るPC-9801伝説 永久保存版 第2弾・(古本/アスキー書籍編集部) 2,179円

 前々回に入手した蘇るPC-9801伝説 永久保存版の第二弾。蘇るPC-9801伝説が好評だったのか、2004年の第一弾に続いて2007年にアスキーより発売された。この手の書籍は、安くても大体3,000円~くらいからなのですが、これを買ったときには2,000円前半のものが3冊ほど出ていて、どうしようかと迷っていると直ぐなくなるため、とりあえ入手しておくことにした。


 80年代から90年代初めにかけて、国民機として事実上日本のスタンダードPCだったNECのPC-9801シリーズを取り上げたムック本。当時もののゲームがエミュレータとともにCD-ROMに収録されて付いている、この頃に流行ったレトロパソコンのエミュレータ本。当時、7~8,000円程度はした市販のゲームソフトが7本収録されている。後は、PC-9801にまつわる技術的な話やビジネスの話、インタビュー記事などが収められている。


 収録されているゲームは、ウィザードリィの6作目であるWIZARDRY -BANE OF THE COSMIC FORGE-、一世を風靡した戦略シミュレーション大戦略IV、推理物のAVG琥珀色の遺言、伝説的プログラマー、マーク・フリント氏のZONE、ハイウェイスターなど。収録されている数は少なめですが、割と重量級の作品が収められている。


 ビジネス機であるPC-9801のもう一方の側面、アダルトソフトなども蘇るPC-9801桃色伝説として袋とじになっている。ラッキーなことに、廉価なものであったにもかかわらず、袋とじ、CD-ROMとも未開封だった。前作では、技術寄り、ビジネス寄りな内容でしたが、結構ゲームやホビーよりのネタが多くて、紙面の4割ほどは収録ソフトの紹介や攻略記事となっている。PC-98に関係する人物のインタビューも安田 均氏、黒田 幸弘氏、古谷 徹氏など、渋いところを付いている。個人的には、PC誌コンプティークでクロちゃんのRPG千夜一夜を連載していた黒田 幸弘氏のインタービューを持ってきたところが、ツボだった。


 基本的にPC-9801はビジネス機であり、ホビー用途にはPC-8801あるいはシャープのX68000、富士通のFM TOWNSなどが使われることが多かったので、個人的にはあまり PC-9801には、思い入れや思い出が無い。80年代後半から90年代にかけて、パソコンからも離れていたので、80年代の8ビットPCから仕事で必要に迫られて使ったウインドウズにまで一気に飛んでしまっている。特に技術的な記事には、まったく付いていけなかった。


 この本が出ていた当時、電気店の書籍コーナーで見かけて買おうか、どうしようかと迷った思い出がある。その理由は、やはりWIZARDRY -BANE OF THE COSMIC FORGE-のPC-9801版が収録されていること。これは、スーパーファミコンにもウィザードリィVI 禁断の魔筆として移植されており、セガサターンでもウィザードリィ Wizardry 6&7コンプリートとして出ているのだが、オリジナルのIBM PC版からは、かなりアレンジが施されており、オリジナルに忠実なPC-9801版が欲しかった。スーパーファミコン版だと流麗な末弥 純氏のデザインが施されているのだが、オリジナルではどう考えても日本人受けしそうにない、海外製のゲームブックの挿絵のようなキャラデザインだった。しかし、今見るとこちらも捨てがたい味がある。


 これでアスキーより出ていたエミュレータレトロPC本は、PC-8001、PC-6001本を残すのみとなった。今だと、ダウンロード販売がメインになっていますので、このような書籍が発売されることもありませんが、この手の本は書店やパソコンショップの店頭で見かけた時に、凄くときめくんですよね。アスキーとカドカワも一緒になったことだし、またこのような企画をやって欲しいと思います。ちなみに、誌面ではPC-98伝説 第三弾の予告がされており、収録ゲームの希望などが募集されています。結局、それが実現することはありませんでした。


のんきな父さん(アスペクトコミックス)・(古本/アスキー)
おやじの惑星 愛蔵版・(古本/白夜書房) どちらも1円(それぞれ送料250円)

 どちらも漫画家、イラストレーターの桜玉吉氏の本。のんきな父さんはMSXマガジン、アスキーコミックスなどに80年代から90年代にかけて連載されていた四コマ漫画。おやじの惑星の方は、桜玉吉氏の初期短編集で2000年に再販された愛蔵版。前回のMSXマガジン繋がりということで購入。


 MSXマガジンといえばべーしっ君、のんきな父さんを連想するほど、MSXマガジンを読んでいた読者層には有名な作品。桜玉吉氏の実父をモデルとしたらしい荒井注似のお父さんと、お父さんにおちょくられる息子の話。落ちの無いどちらかというとシュールな漫画で、ログインやMSXマガジンなどこの当時のアスキーが発行していた書籍には、このようなシュールな作風のものが多かった。


 おやじの惑星の方は、カラーあり、短編ありの雑多な内容。白夜書房の四コマ漫画誌などに掲載されていたものが集められている。こちらはシュールなんだけど、一般受けもしやすい可愛らしいキャラも登場している。


 のんきな父さんの初出一覧を見ていたら、MSXマガジンの1989年2月号よりとなっています。松下電器産業とソニーが本体・キーボード一体型の低価格機として、30,000円前後のFS-A1とHB-F1というMSX2の普及機を出してMSX規格が黄金期を迎えたのが86年ですから、結構連載開始時期が遅かったことになります。自分が熱心に読んでいた時期は、ザナドゥ、ハイドライドⅡが出た85年~86年頃。のんきな父さんが連載されていた時期には、実際にはもうあまり読んでいなかったのですが、なぜかMSXマガジンというとのんきな父さんを連想してしまうという、不思議なインパクトのあった作品でした。


アーケードゲーマーふぶきORIGINAL(ブロスコミックス)・(古本/エンターブレイン) 1円(送料250円)
アーケードゲーマー ふぶき COLLECTION・(中古/バンダイビジュアル) 1,400円(送料込み)
 
 アーケードゲーマーふぶきは、ケロロ軍曹の吉崎観音氏が1998年~1999年頃に月刊ファミ通Wave、ファミ通ブロス誌上で連載していた漫画。2002年から2003年にかけてアーケードゲーマー ふぶき①~④巻としてOVA化された。アーケードゲーマー ふぶき COLLECTIONは、2006年に発売された①~④巻までの作品を一本にまとめて収録したコレクション版。これ以外にも、バラで発売された①~④巻までをまとめて収納できるBOXと特典DVD1枚をセットにしたアーケードゲーマーふぶき 一撃でクリアー BOXというのが発売されている。


 アーケードゲーマーふぶきのコミックスの方は、アスキーより出版された旧版(Beam comix)を読んでいたのですが、OVA版は今回が初めての視聴。原作では全18話の話を4巻にまとめてあるわけですから、細部が色々と異なっています。原作では、ふぶきと友人の国分寺花子の学校とゲーセンでの日常的な生活を描いた話がメインで、最終話付近で世界ゲーム大会が開かれるという展開になっています。OVA版ではゲーム大会の日本予選にふぶきが参加し、そこから勝ち進んでいく中で原作にも登場したライバルキャラが絡んでいくというようになっています。


 特筆すべきは、セガと日本物産、すがやみつる氏協力の下、実在のゲームがOVA内に登場しているというところ。ベスト・オブ・アーケードゲーマ(世界ゲーム大会)の予選が日本で行われ、最初のバトルは中野サンプラザの壁を使用した特設ステージに日本物産の1980年のアーケードゲーム・クレージークライマーで勝負をするという展開。しかもその筐体はバンダイのLSIゲーム・クレージークライミングを模したものという、どんだけマニアックなんだよという設定になっています。この後も、ファンタジーゾーン(86)、ムーンクレスタ(80)、トランキライザーガン(80)、バーチャファイター(93)など、実在のゲームを使ってのゲームバトルが繰り広げられます。


 声の出演にも、キーとなる人物に古谷徹氏、藤岡弘、氏などの豪華なキャストがあてられている。アーケードゲーマーふぶきは、ゲームセンターあらしのオマージュ漫画として有名ですが、OVA版では原作に登場したキャラやエピソードなどを上手くストーリの中に盛り込みながら、ラストの方ではオリジナルの展開に変更されている。藤岡弘、氏を起用している点、漫画の連載時期が1998年~1999年だったこと、セガが協力していることなどから、これも当時を知る者にとっては、感涙ものの一種のパロデイ的な展開になっている。


 漫画版は、ケロロの吉崎氏の作品ということで有名ですが、OVA版も出色の出来。作られたのが、もうちょっと後だったら発売元のバンダイとナムコが一緒になっていますので、パックマンやラリーXなどのナムコゲームも登場してきたのかなと思うと、そこだけが惜しい点。4巻まとめたアーケードゲーマー ふぶき COLLECTIONの方は1,000円から、2002年に発売されたオリジナル版は1円~より売られていますので、未視聴の方には一巻だけでもお勧め。


OTACOOL WORLDWIDE OTAKU ROOMS・(古本/壽屋) 55円(送料250円)

 OTACOOL WORLDWIDE OTAKU ROOMSは、日本の文化を海外に紹介するクールジャパンを主宰するダニー・チュー氏のサイト内のコンテンツより書籍化されたもの。これには、日本を始めとして世界中のオタク部屋、コレクター部屋が掲載されている。


 コレクターにも色々あると思いますが、主にアニメやフィギュア関係がメイン。若い人が多いので、レトロゲームのコレクターとかファミコンのコレクターとかは登場しない。きちんと整理されレイアウトされた、お洒落な部屋が多い。


 画像検索で、コレクター部屋とか検索するとこのような部屋を掲載したサイトは数多く出てきますが、書籍としてまとまって読めるというところが利点でしょうか。


 それにしても、いろんな人がいるものだと思わせてくれる一冊。世界はやはり広いですな。


ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書(SE-MOOK)・(古本/スクウェア・エニックス) 940円(送料250円)

 ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書は、ドラゴンクエスト25周年を記念して2011年にスクウェア・エニックスより発売されたドラクエの公式のファンブック。製作は、チャレアベの山下章氏率いるスタジオベントスタッフという豪華な造りとなっている。同じ時期にドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑、 ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III 超みちくさ冒険ガイドなども発売されていた。


 永久保存版ドラゴンクエスト25年の記憶と銘打ってある通り、1986年のドラクエ1からドラクエ9までの作品紹介が収録されている。ドラゴンクエストの歴史を俯瞰するには、これ以外ないといった決定版的なドラクエ世界の参考書。


 鳥山明氏デザインの各キャライラストはもちろんのこと、キャラクター同士の相関関係やモンスター関連、町の住人にいたるまで、こまかく解説されている。


 裏パッケージにはロゴデザインが並べられ、各作品のロゴの遍歴が分かる。なにか歴史を感じる作り。


 1~9までの作品紹介の合間には、ドラクエが発売された時代の世相が解説され、物語の歴史、ゲームシステムの歴史、モンスターの歴史、道具の歴史、呪文の歴史、特技の歴史、職業の歴史、寄り道の歴史、裏技の歴史などを解説したドラゴンクエストシリーズ研究というコラムが挟み込まれている。移植作品や関連の玩具など、関連作品のライブラリーも収められ、まさにドラクエ百科と呼ぶにふさわしい作りになっている。


 ぱっと見、薄い攻略本に見えるのですが、450ページもあるという分厚い本。収められた情報量が膨大で、写真も字も細かいので一度に読んでしまうことはほぼ不可能で、なかなか読み応えあります。


 昔はドラクエ懸命にやったけど、今の新作はやってないなあというような人が、何か一冊だけドラクエ関連の本を買うとしたら、まさに最適な一冊。一応攻略の手順を記したチャートは載っていますが、攻略本ではないので広く浅くというような感じでしょうか。ゲーム攻略本ではなく、読み物として。


 帯付きの綺麗なものが940円ほどであったので買ってみました。新品でも1,800円程度とそう高くないので、内容を考えるとなかなかお得。ドラクエ関連の書籍は数多く出版されていますが、どれか一冊というのなら手元に置いておきたい一冊だと思います。ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑とそろえて入手しておけば、より完璧といえるでしょう。


DVD 紅の豚・(中古/スタジオジブリ) 830円(送料350円)

 紅の豚はスタジオジブリ製作のアニメーション映画。監督は宮崎駿監督で1992年に発表された。ということで、宮崎駿監督関連のDVDを安く探してきましたが、何とかやすく買えるのはここまでくらいでしょうか。特に人気が高い、天空の城ラピュタ、となりのトトロ、魔女の宅急便、もののけ姫だと、どうしても3,000円~前後になってしまいます。


 元々は、月刊誌モデルグラフィックスに連載されていた宮崎駿の雑想ノートの中の飛行艇時代が原作。子供向けにアニメーションを作ることを自分に課してきた宮崎監督が、自分のために作った趣味的な作品として知られている。


 物語は、1929年頃のイタリアが舞台。かってはイタリア軍のエースとして知られ、今では魔法により豚の姿となってしまったポルコは、空賊を退治する賞金稼ぎとして生計を立てていた。そこで、空賊たちは用心棒としてアメリカ人のカーチスを雇い入れる。愛艇のエンジン整備のためミラノに向かって飛んでいたポルコは、カーチスと遭遇し撃墜されてしまうが・・・。


 当時見たときには、ナウシカやラピュタと比べてストーリー的、盛り上がり的にちょっと物足りないかなという印象でした。少なくとも、ジブリ映画として一番好きな作品ではなかった。宮崎監督は飛行機好きなことで有名で、この映画に出てくるような飛行艇も欲しいとインタビューで答えている。但し、それはこの映画に出てくるような秘密の隠れ家とセットでなければならないとのこと。モデルグラフィックス誌上で、同じ趣味を持った同好の士に向けて好きなことをやっていく中で生まれた作品なので、そういう秘密の隠れ家でこっそりと好きなことをして過ごすとことが、監督のやりたいことで、自分の趣味の映画になってしまったと言われる所以なのかも。舞台となった地中海の秘密の隠れ家は、まさに地上の楽園、天国みたいな場所で、このような秘密の場所で人生の休暇のような時間を過ごすのは、確かに夢の映画なのだと理解できる。年をとってくると良さが分かる作品なのかもしれません。


 ということで、休みの日や休みの前日に見るのにふさわしい映画。また詳しく調べて、ネタとして紹介します。