コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

礼儀知らずの嫌な奴

2010-05-31 | Weblog
「アフリカ開発銀行」のアビジャン年次総会は、5月27日、「ホテル・イボワール」の国際会議場にて、華々しく始まった。例によって、バグボ大統領の登場が1時間半遅れ、満場の代表団たちは、半ばあきれ、半ば諦めながら、延々と会場で待ったのである。当地外交団の大使連中は、もう慣れたもので、予定通り1時間くらい遅れて顔を出す大使もいた。しかしながら、はるばるやって来た各国代表団たちは、1時間半待たされた挙句、バ . . . 本文を読む

一世一代の大会議

2010-05-29 | Weblog
今週に入って、アビジャンの市内が、たいへん賑やかで華やかになってきた。コートジボワール政府にとって、一世一代の大事業、「アフリカ開発銀行」のアビジャン年次総会がいよいよ開催(5月27-28日)されるのである。なぜ一世一代かというと、この会議が成功するか否かに、「アフリカ開発銀行」本部のアビジャンへの復帰がかかっているからである。 もともと、1964年に「アフリカ開発銀行」が設立されて以来、その本 . . . 本文を読む

異議申立ての実情

2010-05-28 | Weblog
大統領選挙を行うために、まず完成させなければならないのが、選挙人名簿である。名簿作りとは、誰に投票権があるのかを確定する作業である。全国で有権者登録の作業を行い、その情報を審査して、「暫定版」選挙人名簿までは出来あがった。これを「確定版」選挙人名簿にしなければならない。そのためには、「暫定版」に掲載された情報について、「異議申立て」の手続きがある。「異議申立て」の手続きが、昨年12月に始まり、今年 . . . 本文を読む

トカゲの頭切り

2010-05-27 | Weblog
カカオ豆の生産・輸出をめぐって、巨額の資金が動く。関連組織の幹部たちが、その資金を横領して蓄財しているというだけでなく、戦争の資金に流用されている、という批判がある。批判を行ったのは、英国のNGO「グローバル・ウィットネス(Global Witness)」であった。 このNGOは、「ホット・チョコレート」と題する報告書を、2007年6月に発表した。その中で、カカオ関連組織からバグボ大統領のもとに . . . 本文を読む

民営化と汚職

2010-05-26 | Weblog
政府が担ってきた仕事がうまくいかなくなったとき、とにかく「分割・民営化」しさえすれば物事はうまく進むだろう、と考えるのは、どこも同じである。そして、この「民営化」の神話は、ここでも大きな間違いを生んだ。「分割・民営化」しても、動かすのが人間であることには変わらないのだ。汚職を許しかねない制度の体質には、「安定化基金」と比べて、何らの改善が見られなかった。むしろ、組織が分割されたことで、統制が利かな . . . 本文を読む

安定化基金の破綻

2010-05-25 | Weblog
コートジボワールのカカオ生産は、国内最大の基幹産業である。だいたい、どの資料を読んでも、次の説明がある。 (1) 世界第一の生産国として、その生産量は世界全体の40%。(ガーナは20%で、この二ヶ国で世界のカカオの6割を占める) (2) コートジボワールの国内総生産の10%を占める。国内で3~4百万人が、カカオ産業に従事している。 こういう記述があれば常に、出来るだけ実際の数字にあたってみるよう . . . 本文を読む

監獄から病院へ

2010-05-24 | Weblog
「友愛朝報」の記事(5月19日付)に、一人の男がベッドに横たわっている写真とともに、見出しが「監獄から病院へ」とある。男は、インタビューに答えている。 「私は、もうかれこれ34年間、高血圧症を患っている。糖尿病でもあるし、先週金曜日に、血糖値が危険な状態になったので、監獄を出されてここに来ることになった。」 タペ・ドーという名前の囚人は、監獄から病院に移されたのだ。監獄とは、ここで「マカ」とよば . . . 本文を読む

公邸でコンサート

2010-05-22 | Weblog
こちらに着任して以来、一度やってみようと思っていたことを、先日実現した。公邸でのピアノコンサートである。やってみてうまくいったら、これから社交に取り入れていこう。まずは、同僚の大使連中を招待する。彼らなら、不始末でもある程度大目に見てくれるだろう。全外交団の大使夫妻に、「ピアノコンサート兼夕食会」と銘打って招待状を出した。公邸の大広間のグランドピアノを前に、公邸中の椅子を運んできた。出欠を取ったら . . . 本文を読む