コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

心に命じる声

2008-11-29 | Weblog
いまもなお、私の心に命じる声がある。「復讐しろ」 しかし、平和を願って倒れたやつのため、どうやって復讐するというのだ。 戦いを止めろと言いに行ったやつのため、どうやって戦えというのだ。 答えが出ない。出ないまま、5年が過ぎた。 君とは、27年前の春、一緒に外務省の門をくぐった。同期入省のわれわれ皆、夢と志は人一倍だった。同期生は、人生の節目を分かち合って年齢を重ねる。語学研修への初めての旅立ち、 . . . 本文を読む

平和を望まない人たち

2008-11-28 | Weblog
リコルヌ(licorne)というのは、フランス語で一角獣のこと。白馬の頭に一本の角が生えた想像上の動物である。ところが、コートジボワールでは、駐留フランス軍のこと。もう少し正確に言うと、2002年の南北分裂が起こったとき、フランスがコートジボワールに送り込み、それ以来、平和維持の活動を行っているフランス軍部隊である。その活動は、リコルヌ作戦と名付けられている。 2004年に、国連安全保障理事会の . . . 本文を読む

中国と学校建設

2008-11-27 | Weblog
22日の朝、新聞を広げると、1面に大きな見出し。「中国が学校建設に協力:2000億フラン(約5百億円)の資金を教育に」と出ている。バグボ大統領と中国人の代表団の記念撮影が、表紙を飾っている。さっそく目を通す。 「中国の航空機産業の代表団12名が、コートジボワールを訪れ、合計215校の高等学校・専門学校を建設することを約束した。この中国代表団は、ブルレーネ国民教育相が10月に中国を訪問したことを受 . . . 本文を読む

国防相の感謝

2008-11-26 | Weblog
コートジボワールは、2007年4月のワガドゥグ合意で南北再統合が達成されるまで、5年にわたる南北分裂を経験した。その間、南側の政府軍と、北部の反政府軍との間で、軍事対立を続けてきた。だから、ワガドゥグ合意は、南北再統合の主要な課題として、政治的な側面とともに、軍事的な側面を挙げて、その2つが並行して進むことを求めている。つまり、国民和解政府の形成と大統領選挙の実施とともに、反政府軍を武装解除して政 . . . 本文を読む

大統領の演説を聞く

2008-11-25 | Weblog
バグボ大統領は、並々ならぬ演説の名手だ。決して流麗な名文を持って語りかけるのではない。むしろ、かなり朴訥な調子。しかしながら、その言葉の訴え、論理展開には、いつもながら引き込まれてしまう。常に、なるほどと納得させる何かがある。 11月18日、鉱業とエネルギーの国際シンポジウムの開会式である。バグボ大統領は、真打で登壇し、何千人と座った出席者を前に演説する。もちろん、原稿などは全く見ないで、聴衆を . . . 本文を読む

大統領の配慮

2008-11-24 | Weblog
こちらに来て以来の、最長記録である。待ち時間のことだ。ヤムスクロで、鉱業とエネルギーの国際シンポジウムがあり、開会式にバグボ大統領が演説をするというので、出席した。案内状には10時開始と書いてあるので、15分遅れで到着。国際会議場の大ホールは、中ほどから後ろの方はほぼ埋まっているが、前の方はまばらだ。前の方とは、つまり来賓席であり、政府関係者の席である。その中でも最前列のソファーの席が、外交団と指 . . . 本文を読む

大統領に説教する

2008-11-22 | Weblog
朝、平和のミサが始まる前に、大聖堂を訪れた。大聖堂は、ひとたび中に入ると、それが模したといわれるローマのサンピエトロ寺院とは本質的に異なる構想のもとに造られていることがわかる。ヨーロッパの伝統的な教会建築が、暗く荘厳な雰囲気にあるのに対して、この大聖堂の内部は光と色彩に包まれている。 大聖堂の全ての壁面が、全面のステンドグラスで飾られている。外の日の光が、多彩な色とともに運び込まれる。ステンドグ . . . 本文を読む

神様の値段

2008-11-21 | Weblog
ヨーロッパで買ったガイドブックのどれにも、好意的な書き方はされていない。現代人の感覚からは、やはり壮大な浪費と映る。いったい、いくらのお金が費やされたのか。ヤムスクロの大聖堂の施主であるウフエボワニ大統領は、生前そう質問されたとき、いつもこう答えたという。「神様には値段は付けられない。」コートジボワールの多くの人々は、この大聖堂を誇らしく思っている。莫大な建設費は、貧困撲滅や開発のために使うべきで . . . 本文を読む

学校給食と日本(3)

2008-11-20 | Weblog
いよいよベスト学校給食組合コンクールの授賞式である。会場のホールには、上位にノミネートされた給食組合が来ていて、第20位くらいから順番に呼ばれて、賞状とトロフィーが授与される。賓客席から一人ずつ呼ばれて、トロフィー授与を手伝わされる。私も呼び出され、握手して記念写真。 そして賞品は、種籾と肥料と農機具である。ベスト・テンには、これにオートバイが1台ずつ。これらは、会場の外のテラスに、山と並べられ . . . 本文を読む