コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

エピローグ(4)

2012-04-25 | Weblog
「よりによって、なぜあの日本大使が、って、とても心が痛みました。」 コートジボワールの友人たちが、私にそう言う。 「日本大使を、申し訳ない目に遭わせた。国民みんなに代わって謝りたい。」 そう言ってくれる人もいる。 日本は、大統領選挙の実現にむけて、けっこう大きな役割を果たした。投票箱を全国に供給しただけでなく、大統領選挙実施の直前には、さらに追加の資金を提供した。投票所が足りないといえば小屋の建 . . . 本文を読む

エピローグ(3)

2012-04-19 | Weblog
バグボ前大統領は、ほぼ1年前の2011年4月11日、立て隠っていた大統領府の地下壕で、夫人や側近とともに逮捕された。アビジャンでの市街戦が始まって(3月31日)以来10日余り、市民は家から出られず、食料や生活物資の危機に陥っていただけでなく、何より連日の激しい砲撃や銃撃に震え、いつ襲われるか知れない略奪の恐怖に怯えていた。だから、バグボ逮捕の報に、おおいに安堵したのである。 ウワタラ大統領は、大 . . . 本文を読む

エピローグ(2)

2012-04-12 | Weblog
日本大使の公邸に、武装勢力が乱入してきたというニュースは、映像とともにCNNやBBCなどの報道で流れ、多くの人々の耳目を驚かせた。日本の報道にも大きく取り上げられ、たくさんの方々に心配をかけてしまった。私たちの救出に向けて、フランス軍・政府、日本の外務本省、在仏大使館、国連代表部ほかの、全力をあげた努力をいただいた。多くの方々のおかげで、私は生き延びることができた。 一時は殺されることを覚悟した . . . 本文を読む

エピローグ(1)

2012-04-06 | Weblog
あの激動のコートジボワールから1年が経ちました。このブログを通じて応援いただいた、そして何より、私のことをご心配いただいた読者の皆様に、お礼を申し上げたいと思います。最後の記事に、多くの方々からのメッセージをいただきました。その一つ一つが、私にとってとても大きな励ましになりました。私のブログが、これだけ多くの方々に、しっかり受け止められていたことを改めて知り、心が熱くなりました。あの時、情勢を切り . . . 本文を読む