コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

筆を擱く

2010-12-22 | Weblog
大使として見聞きすることを通じて、西アフリカの生活や風土をご紹介しようと、呑気に始めたブログでした。まさか、このような困難な事態を叙述するようになろうとは、思ってもいなかったのです。もちろん、このような事態だからこそ、日々の動きを追ってお伝えする必要性があることを十分に感じております。しかしその一方で、ここまで事態が進展すれば、公正に記事を書き続けることがもはや困難になりつつあります。また、大使と . . . 本文を読む

熱々のアロコ

2010-12-21 | Weblog
アロコといえば、バナナから作る家庭料理である。プランテン・バナナといって、果物のバナナとは少し違う青いバナナを、細かく切って油で炒める。ここコートジボワールでは、肉料理などの付け合わせとして、誰もが親しんでいる惣菜だ。 さて、「熱々のアロコ」という歌が人々の間で流行っている、という。よく聞いてみれば、その歌とは、11月の初めに来訪して、「平和と未来のコンサート」で演奏したわが民謡楽団が歌った、「 . . . 本文を読む

敵意の上の平和

2010-12-20 | Weblog
あの激しい衝突の日は、あれは何か夢でも見ていたのだろうか。そう思えるほど、それ以降この週末にかけて、実に静かな日々が続いている。スーパーマーケットなども開店して、客で賑わっている。平和が戻ったのだろうか。まだ、とてもそうは判断できない。バグボ政権側は、国営テレビで自分の側の番組だけを流し、野党系の新聞を発禁処分にし、そして夜間外出禁止令を継続している。街のあちこちに、警官や治安部隊が睨みを利かせて . . . 本文を読む

国連出ていけ

2010-12-19 | Weblog
話は数日さかのぼる。ソロ首相の呼びかけた「行進」が、いよいよ明日に迫ったという水曜日(12月15日)、国軍のマングー参謀総長が声明を出した。 「野党側によって企画されている、16日および17日の、2つの「行進」を、国連(UNOCI)のチョイ代表が支援しているという情報がある。この「行進」が行われるという話を、チョイ代表はある海外メディアの報道関係者に漏らしているのだ。はっきり述べておく。この「行 . . . 本文を読む

「行進」の行方

2010-12-18 | Weblog
昨日(12月16日)に、アビジャンの街中でいったい何が起こったのか。夜の11時になって、バグボ政権のギリエウル内相が声明を読み上げた。いわゆる「警察側発表」である。それでも、全部で20人の死者が出たという。 「(1)アビジャンでの事態 ヨプゴン地区:2人の警官が負傷する。 アボボ地区:1人の警官が殺害される(銃創)。建物放火により、3人の軍兵士、一般人1人が焼死。3人の騒擾参加者が殺害される。 . . . 本文を読む

衝突が始まった

2010-12-17 | Weblog
銃声が聞こえ始めたのは、午前11時20分頃だった。ついに来た。さきほど11時前くらいから、私の公邸の前の道路から、いっさいの車と人の通行が無くなっていたので、なにか始まりそうな気配はしていたのだ。 この道路は、今日にかぎって、とても重要な道路となっている。ゴルフホテルから国営放送局まで、ソロ首相たちが「行進」をするとなると、この道路を通らざるを得ない。しかも、私の公邸は高台にあって、庭からこの道 . . . 本文を読む

ソロ首相の決意

2010-12-16 | Weblog
月曜日(12月13日)の朝に起こった出来事である。ウワタラ大統領と、ソロ首相と、それからその閣僚たちが、立て籠って執務を続けているゴルフホテルの近くで、そのゴルフホテルに至る幹線道路が突然封鎖された。封鎖したのは、バグボ大統領側の国軍に所属する、共和国防衛隊である。そして通行する車への検問を始めた。そこに、今度はゴルフホテルから、「新勢力」軍が出動して、威嚇射撃をしながら近づいてきた。検問を行って . . . 本文を読む

蝙蝠が飛ぶべき日

2010-12-15 | Weblog
二人の大統領、二人の首相、二つの政府という事態で、多くの人々が困惑している。ここの商工会議所は、困惑の余り、宣言を出した(12月9日)。 「大統領選挙を経て新しい日々が始まるとの期待に反し、現在の状況は残念ながら、そういう方向には進んでいない。企業家たちは、夜間外出禁止令の悪影響をはじめ、この政治危機による損害を被っている。企業家にとって、今年は壊滅的な年末となっており、12月15日の納税期限を守 . . . 本文を読む

ゴルフホテル共和国

2010-12-14 | Weblog
「ゴルフホテル共和国」だ、とバグボ大統領側からは軽口をたたかれている。ウワタラ大統領はソロ首相や閣僚たちとともに、大統領宣誓式以来ずっと、アビジャン市内のゴルフホテルに立てこもっている。ウワタラ大統領は、国連の安全保障理事会をはじめ、大方の国際社会から、選挙で当選した大統領として認知されている。フランスと米国の2大国からは、唯一正統な大統領として、実質的な支援を受けている。それでも実態としては、こ . . . 本文を読む