コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

道路はゴミ箱じゃない(2)

2008-10-31 | Weblog
式典の始めに、お祈りがある。まず、ムスリム教徒の若者が、次にキリスト教徒の若者が出てきて、それぞれ神のご加護を祈る。同じTシャツを着ている。宗教の区別なく運動が行われたことを伺わせる。そして全員起立で国家吹奏。お囃子方の鼓笛隊が、国家を演奏し始めると、皆で大合唱になる。 着席して、演説が始まる。何人かが、お決まりの演説をする。メレッグ大臣の素晴らしい発意と、大統領閣下を始めとする政府の支援、賞賛 . . . 本文を読む

道路はゴミ箱じゃない(1)

2008-10-30 | Weblog
2千人の若者や大人たちが、アビジャンの街角に繰り出した。手に手に、ほうきと塵取りとゴミ袋を携えている。みんな「道路はゴミ箱じゃない」と書いたTシャツを着ている。町のゴミを片端から拾い、ゴミ袋を膨らませて行く。集まったゴミは、後ろからついて来るトラックの上に乗せる。先週、都市衛生省のメレッグ大臣の音頭で始まった、アビジャン大清掃キャンペーンである。 「私は、このキャンペーンを、アビジャンの東の端ゴ . . . 本文を読む

ソニアの掃除

2008-10-29 | Weblog
ある都市や町村に住む人々が、どれだけ健全な市民意識を持っているか。私の考えでは、それはゴミを見れば分かる。どんな小さな貧しい村でも、人々に活力のある村には、ゴミが無い。一方、街路の方々にゴミが散らかっていても平気なところもある。いや、平気ということは無かろう。見た目が悪いだけでなく、悪臭が立つから、不快なこと甚だしい。それでも、何とかしようという気持ちが起こらない町村というのは、結局人々が疲弊して . . . 本文を読む

トーゴへの信任状捧呈(2)

2008-10-28 | Weblog
前日まで快晴であったのに、信任状捧呈の当日は、小雨が降った。出迎えの大統領府儀典官は、とてもいい印だと言う。 「トーゴでは、雨が降れば、神が祝福して下さっているのだといいます。暑い国に、雨は恵みの源だからです。客人にはまず水を差し上げます。洗礼でも、水を注ぐでしょう。今日の雨は、祝福の雨です。」 それは素晴らしい。トーゴと日本の友好が、神様に歓迎されているということですね、と応じる。 式典は、コ . . . 本文を読む

トーゴへの信任状捧呈(1)

2008-10-27 | Weblog
「大銀河に輝く星の一つにはなれずとも、君の光はトーゴを照らせる。」 青年スポーツ省の壁に大きく書かれた標語である。青年の大志を鼓舞するにはずいぶん謙虚だが、たしかにトーゴくらいの規模の国であれば、自分の力でも何かが出来ると思えるだろう。トーゴは、面積6万平方キロというから、北海道より一回り小さい。人口640万人、これも埼玉県ほど。先週22日から、そのトーゴに出張して、信任状捧呈の儀式を行ってきた。 . . . 本文を読む

インドの選挙の知恵

2008-10-22 | Weblog
インドは民主主義の大国である。国政を議院内閣制の民主主義で行っているだけでなくて、25(当時)に分かれた州の一つ一つが、議会を持ち、議員を選出し、首相を選んでいる。州といっても、数千万人から1億を超える人口を抱え、並の欧州諸国よりは大きい。その州それぞれに選挙があり、政党政治がある。ある州では、二党制の政権交代が確立している。またある州では、多党乱立となって、連立政権の政治工作が繰り広げられる。一 . . . 本文を読む

秘密兵器のトランク

2008-10-21 | Weblog
有権者登録に訪れた人は、第一番目の机で、係官に、持参した出生証明書などをもとに、自分の名前や誕生日、出身地などを、専用の書式に記入してもらう。それが済んだら、第二番目の机に移る。コンピューターが一台置いてあり、別の係官が、書式に記されたデータを入力する。コンピューターには、前回2000年の選挙人名簿のデータベースが入っているので、その人がその選挙人名簿にすでに登録されている人かどうかが参照できる。 . . . 本文を読む

選挙権と土地所有

2008-10-20 | Weblog
有権者登録のために、暑い日中を何時間も待つ人々。コートジボワールの人々の、選挙への情熱をそこに感じる。というと、実は少し褒めすぎになる。 コートジボワールには、日本の戸籍制度のようなものが整備されているわけではなく、自分が何者であるかを証明するのは、自分の属する村落共同体などでの村人相互の認証か、そうでなければ出生証明書や、結婚証明書など、役所がその都度発行する公文書だけである。今回の大統領選挙 . . . 本文を読む