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Snapeの英語指南

英語長文対策、英語速読法、英語学習法、高校生、中学生、社会人の英語学習に役立つヒントを紹介。

発音・アクセントを捨てていないか?

2009-11-17 09:37:29 | 英語音声教材の活用法

英語の試験で、発音問題は、リスニング問題と違って、かなり地味である。配点も試験全体の10%あるかないかだろう。発音の実力は問題集ではつかないと思っていい。そこが、文法や長文などと違う。同じ音声系でも、リスニングはCD付きの問題集で対処できるだろう。発音問題(アクセント問題も含む)は、ふだん君がどう読んでいるかが問われているのだ。日ごろから英語に接した際に、それが教科書であれ、問題集であれ、映画であれ、たとえ声に出さなくても、どう発音し、どう聴いているかが問われているのだ。ふだんから、ほとんど発音に注意を払っていない人が、発音問題を解くと、4択の形式でも正答率が25%に達することはない。発音に注意を払っていないということは、実は白紙の状態ではないのだ。すでに救いがたいほど日本語に汚染されている状態であると思っていい。そういうひとが英語の発音問題を解くと、出題者のワナ、ひっかけ問題に可笑しいほどひっかかってしまう。たとえば、以下の問題である。

       [  1.  e a r l y         2.  g i r l          3.  h e a r t          4.  t u r n   ]

下線部の発音が他の3つと異なるものがあれば、その番号(1~4)を書け。

すべて同じであれば、5 を書け。

すべて違っていれば、6 を書け。

2つ同じ発音のものがあれば、7 を書け。

上記の7通りの答えから1つを、20秒の間で選べ。

1つ選んでから、右の解答を見たまえ。→ (konomondainoseikaiwasandearu)

 

発音問題に強くなろうとして、問題集の発音のページを数多くこなしても大して成果は上がらないだろう。そうしたアプローチには、どこか倒錯的なところがある。ちょうど体育の本を繰り返し熟読して体力をつけようとしているようなところがある。

実は、「発音」「音読」という側面は、上記のような発音の出題に限定した事柄ではないのだ。発音すること、音読をすることによる英語学習における非常に大きなメリットを捨てている点が問題なのである。そもそも発音や音読を避けているような”英語”教師は、そのことにも気がついていないことが多い。

英語で9割をコンスタントに取っている生徒は、だいたい発音もうまい。それを、単に発音問題で稼いでいると思うのは大間違いである。9割以上を平均して取っている生徒のほとんどは、英語能力のバランスが取れているのである。

 受験生によく見かけるタイプに、英文法、英文解釈、長文読解に長けていながら、音読させると、とんでもない発音を平気でする者がいる。そういう生徒は、いちおう英語の総点としては8割近くは平均して取っている。 しかし、そういった受験生が英語で9割を取ることはないだろう。最初から発音を捨てている生徒はいくら英語で点が取れるようになっても、8割が限度である。こう言うと、「8割取れればいいじゃないか」と言う声が聞こえてきそうである。しかし、その8割を取るために、他の教科に費やすべき相当の時間を投入しなければならないのだ。

こういう英語能力のバランスの崩れた生徒は、受験制度によって生み出されているのではない。受験制度は、社会の要請をやや遅れながらも反映して、リスニングを導入したりしていて、意外にまともな場合が多い。問題はむしろ学校の英語教師、予備校の講師、塾の先生、塾の学生講師といった人的スタッフの英語のレベルにある。要するに、自分の不得意なことは避けて、比較的教えやすい英文法や語彙を主に教えている先生が多いことが原因である。英語に対する社会的要請、「音声面の重視」に応えることのできる人材が現場では圧倒的に不足しているのである。現場の”先生”は「やっぱり英語は文法が基本だ」とか言っているが、実際は単にそれが自分にとって教えやすいだけである。教える側の能力のアンバランスを正当化するために、アンバランスな教え方が繰り返されているだけである。ここで”アンバランス”と言っているのは婉曲表現であって、実際は単なる”音声面能力の欠如”である。しかし、大学で英文学を専攻した教師でさえ、発音がかなりあやしい教師が多いのである。ましてや、英文学科卒業でもない、英語の教員免許があるわけでもない塾の先生にバランスのとれた語学教育を期待するほうが無理である。 ごく一部の英語塾を除いて、多くの予備校や塾では、そのあたりは最初から割り切って、ボロが出るような「発音」には深入りしないようにしている。そして、「受験英語では発音、アクセント、音読といった悠長なことはやっていられない」といった雰囲気が支配している。

私が、こうした言語能力のアンバランスを問題にするのは、これに気がつき、音読を取り入れて、短時間で成績を飛躍的に上げている生徒を見てきているからである。

具体例をあげよう。

●中学校、高等学校の英語のリーダーの教科書で、音声教材のCDを実際に使っている生徒は英語の成績がいい。

●受験用の単語・熟語の本でも、CD付きの本を使っている生徒のほうが記憶の定着率が高い。

ある高1の生徒は、中3まで英語のCDを毎年持っていたが、あまり活用していなかった。そして英語の成績は、いつも80点台で伸び悩んでいた。しかし、高校に入って教科書準拠のリーダーのCDを活用し始めてから、英語の成績が、コンスタントに90点台を取れるようになった。この生徒は、受験用の単語・熟語の本でもCDを活用し、学校でのその小テストでは毎回ほぼ満点の成績を取るようになった。

実は、音声教材のCDは、使ったほうが英語の勉強の効率がずっとよく、しかも英語に費やす時間も短時間で済むのである。そしてそのことに気づいた生徒は黙って使っているのである。CDを使わない生徒は、教科書を覚えるのに、目で追って黙読するか、書いて覚えるかであるが、いずれにしても、余分に時間を費やしている。いっぽう、CDを使う生徒は、耳で聞き、声に出して覚える。そのほうが楽で、しかも、早い。さらに、同時に発音・アクセントもいっしょにインプットしてしまう。つまり、より短い時間でトータルに学習してしまうのである。ただし、CDを使うと言っても、単に聴くだけではダメである。そのCDをお手本として自分も発声しなければ効果は薄い。

このように、音声教材(最近はCDに限らず、インターネットのダウンロードでMP3を使う場合もある。)の利用のレベル、方法もさまざまであるが、それをフルに活用した場合の効果は目覚ましいものがある。それでも、音楽のMP3はダウンロードしても、学校の英語の音声教材を iPod  で聴くことなど思いもよらない生徒が現実には多いのである。生徒だけではない。教師もその効果の凄さを知らないひとがあまりにも多いのである。だから生徒たちはそれを教師から勧められることもない。

逆に言えば、英語の音声教材を持っている生徒があまりいない学校で、ある生徒がそれを使って勉強すると、目覚ましい結果を得ることになるだろう。1年の半分をもう過ぎてしまったが、今からでも教科書準拠のCDを手に入れることはできる。今からCDを買おうという生徒はほとんどいないであろうから、ライバルはいない。ほとんど独走状態で好成績を収めることができるだろう。今からでもCDを買う価値はあるだろう。君は英語の教科書のCDを持っているか?


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