
今月から、中国の人民元が、IMFの特別引き出し権(SDR)を構成する通貨に加わりました。為替の自由化の条件が満たされているとは言えませんが、欧州諸国のリーダーシップで実現されたことは、諸兄がご承知の通りです。
経済覇権を狙う中国にとって、SDR入りは一つのステップに過ぎず、目指す究極の「夢」は、米ドルに代わって基軸通貨の地位を得ることだとし、現状を読売が書いています。
ドル基軸通貨体制を揺さぶろうとする国家戦略の中国 それを後押しする欧州諸国 - 遊爺雑記帳
SDR入りした人民元の運用開始 - 遊爺雑記帳
世界の資金の決済総額に占めるシェアは、今年8月時点で、米ドルが42.5%、日本円は3.37%で、人民元は1.86%の5位なのですが、SDRではドル、ユーロに次ぎ、円を上回る第3位の格付けで承認されています。
しかし、SDR構成通貨になったことで、決済のシェアは高まり、中国は金融覇権を狙い、基軸通貨のドルのシェアに追いつき追い越そうと狙っているのですね。
陳雨露(チェンユイルー)・中国人民銀行副総裁が出版した「人民元読本」によると、まずは20年頃までに、人民元が中国の周辺国との貿易に使われるようにする。30年頃までには使用範囲をアジアに広め、最終段階の40年頃には、人民元を全世界で使われる最重要の通貨にするといった目標をたてているのだそうです。
かつて日本の宮沢内閣が、円をアジアの基軸通貨にと唱えたことがありましたが、夢に終わりました。習近平は、アジアの基軸通貨どころか、世界の基軸通貨の地位を狙っているのですね。軍事力でも、GDPでも米国に追いつき追い越して世界の覇権を制するという「中華の夢」をかかげる習近平。「一帯一路」構想で経済基盤支配を広げ、「AIIB」をその資金金融機関として据えているのですね。
人民元のシェアの高まりで懸念されることとして記事が挙げていることに、人民元の国際決済ネットワーク「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)」の運用開始があります。米ドルでは、国際銀行間通信協会(SWIFT)など国際的な資金決済ネットワークを通じて資金の流れを追跡できている為、国際的な不正な資金の流れをコントロールが出来ているのが、CIPSの中での流れが掌握不能となり、中国抜きの金融制裁は難しくなるというのです。例として、中国企業による、ウランの濃縮に必要な物資を北朝鮮に密輸した疑い摘発をあげています。
人民元使用の現状について、調べたのだそうです。
中国企業の中には、東南アジアやロシアと取引する際に人民元で決済するというところもあったが、中国以外の企業は、人民元ではなくドルかユーロを使っているということで、中国の「夢」と裏腹に、足元で人民元の人気はあまり高まっていないとのこと。
理由は、通貨が広く流通するには金融市場の自由化が欠かせないが、中国では逆に規制が強化される傾向すらあることだと。
しかし中国は、1997年のアジア通貨危機を教訓として、欧米のヘッジファンドによる通貨空売りを警戒し、中国経済が減速する中、人民元の取引を自由化すれば、人民元が大きく売られて暴落し、資金が大量に流出して中国経済に大打撃を与える恐れを懸念して、自由化どころか規制強化を進めているのが現状なのですね。
つまり、通貨覇権への歩みは、中国共産党自身の事情で遅くなっているのかもしれないと。。
# 冒頭の画像は、中国人民大学の向松祚教授

萩の新芽
↓よろしかったら、お願いします。







経済覇権を狙う中国にとって、SDR入りは一つのステップに過ぎず、目指す究極の「夢」は、米ドルに代わって基軸通貨の地位を得ることだとし、現状を読売が書いています。
ドル基軸通貨体制を揺さぶろうとする国家戦略の中国 それを後押しする欧州諸国 - 遊爺雑記帳
SDR入りした人民元の運用開始 - 遊爺雑記帳
ドルに挑む人民元 中国 基軸通貨へ着々布石 (10/28 読売朝刊)
中国政府が、アジアを中心に通貨・人民元の経済圏を作ろうと布石を打っている。世界経済の中で人民元を米ドルに代わる存在に高めようという野望だ。共産党一党独裁の下での通貨戦略は、国際社会に負の影響を及ぼしかねない。 (広州支局長 幸内康)
夢
中国の人民元が今月1日、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を構成する通貨に加わった。米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4通貨と並び、国際通貨として最高度の信用を得たことになる。
貿易や国境を越えた投資にともなう資金決済は現在、圧倒的に米ドルが使われ、決済総額に占めるシェア(占有率)は今年8月時点で42.5%に上る。人民元は1.86%で、日本円の3.37%に次ぐ5位だ。
SDR構成通貨になったことで、決済のシェアは高まるだろう。主要国は外貨準備に人民元を蓄え、人民元建ての金融商品が世界の市場により出回るようになる。つまり、世界で広く人民元が使われるようになると予想される。
経済覇権を狙う中国にとって、SDR入りは一つのステップに過ぎない。目指す究極の「夢」は、米ドルに代わって基軸通貨の地位を得ることだ。
夢の始まりは、2008年のリーマン・ショックにさかのぼる。基軸通貨国・米国発の金融恐慌は瞬く間に世界を何周も巡り、「需要の蒸発」とまで呼ばれたすさまじい経済減速に、世界の産業は地獄の苦しみを味わった。
この時、4兆元(当時の為替レートで約60兆円)の財政支出で世界経済を下支えしたのが中国だった。世界から称賛される高揚感の中、09年4月の主要20か国・地域首脳会議(G20)に出席した胡錦濤国家主席(当時)は「国際通貨システムの多元化と合理化を促す」とぶち上げた。
米ドル一極体制への強烈なパンチを号砲に、通貨覇権への野望が動き出す。
加速
習近平体制下で、その動きは加速する。習国家主席は「中華民族の偉大な復興」を「中国の夢」とするスローガンを掲げ、中華人民共和国建国から100年の49年に、大国の復活となる「社会主義現代化国家」を実現するとしている。
習政権の通貨戦略を探る上で、各国の金融関係者が参考にする1冊の本がある。「人民元読本」。著者は陳雨露(チェンユイルー)・中国人民大学学長で、今は中央銀行である中国人民銀行の副総裁を務める。2010年に出版され、英語、韓国語、ロシア語、日本語などでも出版された。
そこでは、人民元の国際化を10年ずつ3段階で進める構想が描かれている。まずは20年頃までに、人民元が中国の周辺国との貿易に使われるようにする。30年頃までには使用範囲をアジアに広め、最終段階の40年頃には、人民元を全世界で使われる最重要の通貨にするとしている。
そのための具体策が、陸海のシルクロード「一帯一路」構想であり、中国主導で今年1月に開業した「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に象徴される国際金融への進出だ。中国から欧州に至る広大な地域で、道路や鉄道、エネルギー施設などインフラ建設を進める。
資金を支えるのが、AIIBと、中国単独の「シルクロード基金」だ。中国がブラジルなど新興国とともに上海に設立した「新開発銀行」も今後関与を強めるとみられる。
インフラを築く過程も、完成したインフラを行き来する人やモノも、人民元の流通を促す原動力になるというのが、中国の狙いだ。
懸念
深刻な事態も考えられる。
米財務省が9月、中国・丹東の貿易会社と幹部4人を資産凍結などの制裁対象に指定した。核爆弾の原料となるウランの濃縮に必要な物資を北朝鮮に密輸した疑いがあるという。
中国当局も8月に、この貿易会社の幹部らを拘束し、捜査しているという。米国から証拠を突きつけられ、やむなく重い腰を上げたとの見方がもっぱらだ。
米国の金融制裁が効くのは、国際銀行間通信協会(SWIFT)など国際的な資金決済ネットワークを通じて、米ドル資金の流れを追跡できることが大きい。米ドルの決済シェアが圧倒的であるからこそ、密輸や資金洗浄の際にドルに接触する割合が高く、闇の資金ルートを追う上での起点が生まれやすいのだ。
中国はSDR入りをにらんで昨年10月、人民元の国際決済ネットワーク「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)」の運用を始めた。
仮に北朝鮮がCIPSに逃げ込み、手助けをする企業も人民元だけで決済できるようになれば、核開発はさらにベールの向こうに隠れ、中国抜きの金融制裁は難しくなる。
アジア通貨危機 「他山の石」に 為替自由化 習氏の腰重く
中国広東省広州市で今月15日から開かれている貿易商談会「広東フェア」。国内外の企業に人民元を使っているかどうか尋ねてみた。
中国企業の中には、東南アジアやロシアと取引する際に人民元で決済するというところもあった。だが、中国以外の企業は、人民元ではなくドルかユーロを使っているという。あるテレビメーカーの海外担当者は「会社として積極的に人民元を使っていく方針はない」と断言した。
中国の「夢」と裏腹に、足元で人民元の人気はあまり高まっていない。通貨が広く流通するには金融市場の自由化が欠かせないが、中国では逆に規制が強化される傾向すらある。
金融関係者によると、最近、中国人民銀行から外資銀行に対し、人民元を外貨に替える際、中国国内ではなく、国外に人民元を持ち出した上で交換するよう指導がでているという。
世界から注目されている上海の人民元市場で、元安が進みにくくするためだ。資金の流れや人民元相場を管理下に置きたいという強い意識の表れだ。
中国が「他山の石」としているのが1997年のアジア通貨危機だ。国内の経済基盤が脆弱なまま資本取引を自由化していたタイや韓国などが、欧米のヘッジファンドによる通貨空売りをきっかけに壊滅的なダメージを受けた。
中国経済が減速する中、人民元の取引を自由化すれば、人民元が大きく売られて暴落し、資金が大量に流出して中国経済に大打撃を与える恐れがある。
今月27日閉幕した中国共産党の第18期中央委員会第6回総会は、習国家主席が綱紀粛正の強化を打ち出し、求心力の維持に躍起となった。来年からの政権2期目をにらむ習氏にとり、経済運営での失点は防ぎたい。
中国人民大学の向松祚教授は「中国政府は、資本取引の開放によって不動産や株式市場が激しく動揺することを懸念しており、金融改革に一貫して慎重な方法をとっている」と指摘する。通貨覇権への歩みは、中国共産党自身の事情で遅くなっているのかもしれない。
中国政府が、アジアを中心に通貨・人民元の経済圏を作ろうと布石を打っている。世界経済の中で人民元を米ドルに代わる存在に高めようという野望だ。共産党一党独裁の下での通貨戦略は、国際社会に負の影響を及ぼしかねない。 (広州支局長 幸内康)
夢
中国の人民元が今月1日、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を構成する通貨に加わった。米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4通貨と並び、国際通貨として最高度の信用を得たことになる。
貿易や国境を越えた投資にともなう資金決済は現在、圧倒的に米ドルが使われ、決済総額に占めるシェア(占有率)は今年8月時点で42.5%に上る。人民元は1.86%で、日本円の3.37%に次ぐ5位だ。
SDR構成通貨になったことで、決済のシェアは高まるだろう。主要国は外貨準備に人民元を蓄え、人民元建ての金融商品が世界の市場により出回るようになる。つまり、世界で広く人民元が使われるようになると予想される。
経済覇権を狙う中国にとって、SDR入りは一つのステップに過ぎない。目指す究極の「夢」は、米ドルに代わって基軸通貨の地位を得ることだ。
夢の始まりは、2008年のリーマン・ショックにさかのぼる。基軸通貨国・米国発の金融恐慌は瞬く間に世界を何周も巡り、「需要の蒸発」とまで呼ばれたすさまじい経済減速に、世界の産業は地獄の苦しみを味わった。
この時、4兆元(当時の為替レートで約60兆円)の財政支出で世界経済を下支えしたのが中国だった。世界から称賛される高揚感の中、09年4月の主要20か国・地域首脳会議(G20)に出席した胡錦濤国家主席(当時)は「国際通貨システムの多元化と合理化を促す」とぶち上げた。
米ドル一極体制への強烈なパンチを号砲に、通貨覇権への野望が動き出す。
加速
習近平体制下で、その動きは加速する。習国家主席は「中華民族の偉大な復興」を「中国の夢」とするスローガンを掲げ、中華人民共和国建国から100年の49年に、大国の復活となる「社会主義現代化国家」を実現するとしている。
習政権の通貨戦略を探る上で、各国の金融関係者が参考にする1冊の本がある。「人民元読本」。著者は陳雨露(チェンユイルー)・中国人民大学学長で、今は中央銀行である中国人民銀行の副総裁を務める。2010年に出版され、英語、韓国語、ロシア語、日本語などでも出版された。
そこでは、人民元の国際化を10年ずつ3段階で進める構想が描かれている。まずは20年頃までに、人民元が中国の周辺国との貿易に使われるようにする。30年頃までには使用範囲をアジアに広め、最終段階の40年頃には、人民元を全世界で使われる最重要の通貨にするとしている。
そのための具体策が、陸海のシルクロード「一帯一路」構想であり、中国主導で今年1月に開業した「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に象徴される国際金融への進出だ。中国から欧州に至る広大な地域で、道路や鉄道、エネルギー施設などインフラ建設を進める。
資金を支えるのが、AIIBと、中国単独の「シルクロード基金」だ。中国がブラジルなど新興国とともに上海に設立した「新開発銀行」も今後関与を強めるとみられる。
インフラを築く過程も、完成したインフラを行き来する人やモノも、人民元の流通を促す原動力になるというのが、中国の狙いだ。
懸念
深刻な事態も考えられる。
米財務省が9月、中国・丹東の貿易会社と幹部4人を資産凍結などの制裁対象に指定した。核爆弾の原料となるウランの濃縮に必要な物資を北朝鮮に密輸した疑いがあるという。
中国当局も8月に、この貿易会社の幹部らを拘束し、捜査しているという。米国から証拠を突きつけられ、やむなく重い腰を上げたとの見方がもっぱらだ。
米国の金融制裁が効くのは、国際銀行間通信協会(SWIFT)など国際的な資金決済ネットワークを通じて、米ドル資金の流れを追跡できることが大きい。米ドルの決済シェアが圧倒的であるからこそ、密輸や資金洗浄の際にドルに接触する割合が高く、闇の資金ルートを追う上での起点が生まれやすいのだ。
中国はSDR入りをにらんで昨年10月、人民元の国際決済ネットワーク「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)」の運用を始めた。
仮に北朝鮮がCIPSに逃げ込み、手助けをする企業も人民元だけで決済できるようになれば、核開発はさらにベールの向こうに隠れ、中国抜きの金融制裁は難しくなる。
アジア通貨危機 「他山の石」に 為替自由化 習氏の腰重く
中国広東省広州市で今月15日から開かれている貿易商談会「広東フェア」。国内外の企業に人民元を使っているかどうか尋ねてみた。
中国企業の中には、東南アジアやロシアと取引する際に人民元で決済するというところもあった。だが、中国以外の企業は、人民元ではなくドルかユーロを使っているという。あるテレビメーカーの海外担当者は「会社として積極的に人民元を使っていく方針はない」と断言した。
中国の「夢」と裏腹に、足元で人民元の人気はあまり高まっていない。通貨が広く流通するには金融市場の自由化が欠かせないが、中国では逆に規制が強化される傾向すらある。
金融関係者によると、最近、中国人民銀行から外資銀行に対し、人民元を外貨に替える際、中国国内ではなく、国外に人民元を持ち出した上で交換するよう指導がでているという。
世界から注目されている上海の人民元市場で、元安が進みにくくするためだ。資金の流れや人民元相場を管理下に置きたいという強い意識の表れだ。
中国が「他山の石」としているのが1997年のアジア通貨危機だ。国内の経済基盤が脆弱なまま資本取引を自由化していたタイや韓国などが、欧米のヘッジファンドによる通貨空売りをきっかけに壊滅的なダメージを受けた。
中国経済が減速する中、人民元の取引を自由化すれば、人民元が大きく売られて暴落し、資金が大量に流出して中国経済に大打撃を与える恐れがある。
今月27日閉幕した中国共産党の第18期中央委員会第6回総会は、習国家主席が綱紀粛正の強化を打ち出し、求心力の維持に躍起となった。来年からの政権2期目をにらむ習氏にとり、経済運営での失点は防ぎたい。
中国人民大学の向松祚教授は「中国政府は、資本取引の開放によって不動産や株式市場が激しく動揺することを懸念しており、金融改革に一貫して慎重な方法をとっている」と指摘する。通貨覇権への歩みは、中国共産党自身の事情で遅くなっているのかもしれない。
世界の資金の決済総額に占めるシェアは、今年8月時点で、米ドルが42.5%、日本円は3.37%で、人民元は1.86%の5位なのですが、SDRではドル、ユーロに次ぎ、円を上回る第3位の格付けで承認されています。
しかし、SDR構成通貨になったことで、決済のシェアは高まり、中国は金融覇権を狙い、基軸通貨のドルのシェアに追いつき追い越そうと狙っているのですね。
陳雨露(チェンユイルー)・中国人民銀行副総裁が出版した「人民元読本」によると、まずは20年頃までに、人民元が中国の周辺国との貿易に使われるようにする。30年頃までには使用範囲をアジアに広め、最終段階の40年頃には、人民元を全世界で使われる最重要の通貨にするといった目標をたてているのだそうです。
かつて日本の宮沢内閣が、円をアジアの基軸通貨にと唱えたことがありましたが、夢に終わりました。習近平は、アジアの基軸通貨どころか、世界の基軸通貨の地位を狙っているのですね。軍事力でも、GDPでも米国に追いつき追い越して世界の覇権を制するという「中華の夢」をかかげる習近平。「一帯一路」構想で経済基盤支配を広げ、「AIIB」をその資金金融機関として据えているのですね。
人民元のシェアの高まりで懸念されることとして記事が挙げていることに、人民元の国際決済ネットワーク「クロスボーダー人民元決済システム(CIPS)」の運用開始があります。米ドルでは、国際銀行間通信協会(SWIFT)など国際的な資金決済ネットワークを通じて資金の流れを追跡できている為、国際的な不正な資金の流れをコントロールが出来ているのが、CIPSの中での流れが掌握不能となり、中国抜きの金融制裁は難しくなるというのです。例として、中国企業による、ウランの濃縮に必要な物資を北朝鮮に密輸した疑い摘発をあげています。
人民元使用の現状について、調べたのだそうです。
中国企業の中には、東南アジアやロシアと取引する際に人民元で決済するというところもあったが、中国以外の企業は、人民元ではなくドルかユーロを使っているということで、中国の「夢」と裏腹に、足元で人民元の人気はあまり高まっていないとのこと。
理由は、通貨が広く流通するには金融市場の自由化が欠かせないが、中国では逆に規制が強化される傾向すらあることだと。
しかし中国は、1997年のアジア通貨危機を教訓として、欧米のヘッジファンドによる通貨空売りを警戒し、中国経済が減速する中、人民元の取引を自由化すれば、人民元が大きく売られて暴落し、資金が大量に流出して中国経済に大打撃を与える恐れを懸念して、自由化どころか規制強化を進めているのが現状なのですね。
つまり、通貨覇権への歩みは、中国共産党自身の事情で遅くなっているのかもしれないと。。
# 冒頭の画像は、中国人民大学の向松祚教授

萩の新芽
↓よろしかったら、お願いします。



