遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

いつまでも犠牲者の特権を主張する中国

2016-10-25 23:58:58 | 日本を護ろう
 GDPで世界第二位となった中国は「G2」を主張し、米国と世界の二大大国としての振る舞いを米国に持ち掛けています。更に、いつかは米国を追い抜いて、「中華」=世界の頂点に君臨する野望を掲げています。
 他方では、そのくせ、「屈辱の世紀」という言葉を使って、いかに自国が帝国主義の犠牲者であったかを強調し、現在も犠牲者としての特権があると主張していると指摘し、その身勝手さに、「中国に全面的に反論すべきだ」との論文を発表した米国の研究者がいるのだそうです。
 中国の狡猾さを見抜ける、米国では稀有な存在と言えるかもしれません。
 

いつまでも犠牲者ぶる中国を米国人研究者が論破 何かにつけ「屈辱の世紀」を持ち出す狡猾な心理戦 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.10.24(月) 古森 義久

 中国は他国と論争する際に「屈辱の世紀」という言葉をよく使う
。清朝時代から西欧列強や日本に侵略されてきたという100年ほどの時代を指す言葉である。
 中国はこの言葉を使って、
いかに自国が帝国主義の犠牲者であったかを強調し、「だからこそ現在も犠牲者としての特権がある」と主張
する。最近、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所から南シナ海での領有権主張を否定された際も、この「犠牲者カード」を使って反論した。
 だが外部からみれば、
中国の「犠牲者カード」は過去の歴史を都合よく持ち出して、現在の無法な行動を正当化する狡猾な心理戦にしか映らない


 いまだに外交で犠牲者カードを利用する中国の心理戦に対して、最近、
米国の研究者が「中国に全面的に反論すべきだ」という内容の論文を発表
した。米国は中国を侵略して搾取するどころか、逆に中国の近代化に大きな貢献をしてきたという。対中論争の手引きとして、日本にとっても大いに参考になり得る内容である。

中国の近代化や国際化を最も支援してきたのは米国
 この論文は、米国議会調査局の中国専門官として長年活動してきたシャーリー・カン女史によって執筆され、ワシントンの外交関係者の間で広く読まれる外交政策雑誌「ザ・ディプロマット」10月号に掲載された。論文の題名は「中国の心理戦争に反撃する」である。

 まずカン女史は、中国政府の代表たちが他国との対立や紛争の案件で自国の主張を表明するとき、ごく頻繁にこの犠牲者カードを使うことを指摘する。
 最近の実例が、今年7月に
常設仲裁裁判所が中国の南シナ海での領有権主張を不当だと断じる裁定を下した際の、中国側の反応である。裁定が下されると複数の中国政府高官たちが、「中国は過去100年もの間、外国の侵略により屈辱を体験してきた。今回の裁定も同様に、米国が中国を標的に展開する『アジア再均衡』戦略の犠牲になった結果だ
」と述べていた。

 しかし
カン女史は
次のように指摘して、そうした中国側の主張を退ける。
「米国上院軍事委員長のジョン・マケイン議員が最近強調したように、米国は過去100年以上、進歩的な政府の樹立、自由化、国民の教育向上などの面で
中国を支援し、中国が国際社会の一員となることを助けてきた。米国ほど中国の近代化や国際化を支援してきた国は他にない

 米国が中国に被害を与え犠牲者にしたなどという中国側の主張はとんでもない、というわけだ。

日本にもある「反論」の材料
 そのうえで同論文は、米国が過去に中国を支援した実例を挙げる。
 第1に、米国は1800年代末期の清朝の頃、どの国にも市場を開く「門戸開放」政策の効用を説いて、中国国内での暴力的な衝突などを防いだ。この米国の動きによって関係諸外国は自制することになり、中国領土が分割される展開を阻止した。
 第2に、1900年の義和団事件で清朝が米欧列強や日本に賠償金を支払うと、米国はその資金を、中国から米国へ留学する多数の学生のための奨学金とした。筆者(カン氏)の祖父の兄も、その恩恵にあずかった。
 第3に、清朝が倒された1911年の辛亥革命から中華民国の建国にいたるまで、米国は一貫して新政権を支援した。中国の建国の父とされる国民党の孫文に対しても、ハワイへの留学など米国は手厚く保護した。
 第4に、米国は日中戦争(1937~1945年)で中国側を支援した。特に国民党軍に武器や食糧を空輸で提供した米側の半官半民の「フライングタイガー」航空隊の貢献は大きかった。
 第5には、米国は1970年代の中国への接近、中国との国交樹立、台湾関係法などを通じて、中華人民共和国と中華民国の両方への支援を続けた。特にその後の中国政府への関与政策は、中国が国際社会に参加する際の貴重な出発点となった。
 以上のように、カン氏は自らの先祖の渡米も例に出し、
米国が中国を犠牲者にするどころか、逆にその繁栄や近代化に大きく貢献してきたことを強調
する。

日本がこの反論を教訓とするならば、明治時代の日本が国民党の孫文氏らを日本国内で保護し、その他のさまざまな支援を与えた歴史や、戦後も巨額の経済援助をODA(政府開発援助)として中国政府に与え続けた点を強調して、「中国を犠牲者にしたなど、とんでもない」という反論を十二分に行える、ということだろう。

 「犠牲者カード」を振りかざし、自らが今まさに行っている帝国主義的、力による現状変更や覇権拡大を、特権であるかの様に偽装しているのです。
 米国議会調査局の中国専門官として長年活動してきたシャーリー・カン女史は、「中国に全面的に反論すべきだ」と論文で、米国が過去に中国を支援した実例を5つ挙げて、米国が中国を犠牲者にするどころか、逆にその繁栄や近代化に大きく貢献してきたことを強調し、反論されているのです。

 中国のプロパガンダの歴史認識で、日本軍による「犠牲者カード」としては、ユネスコの記憶遺産に登録された「南京事件」があります。
 習近平は、昨年10月の訪英時の公式晩餐会で、英人記者J・ホッグ記者の記事を証拠に引用して、「日本軍の残虐行為」を力説し、「犠牲者」を力説したのだそうですね。ところが、その種の記事もなければ、ホッグは南京に行ってもいない。つまり習の「日本軍残虐演説」は何の根拠もない大嘘と判明したのだそうです。
 それに対し、中国保安隊や学生らによって、日本人230余名が凌辱・虐殺された「通州事件」は正真正銘の事実でありながら、世界は勿論、日本でも知られていません。
 

通州事件━━目撃者の証言 月刊 Hanada 20161年11月号 堤尭の今月この一冊

<前略>
 
昨年十月、訪英した習近平は公式晩餐会で、いわゆる南京虐殺事件を持ち出し、「日本軍の残虐行為」を力説した。その際、証拠に引用したのが英人記者J・ホッグ記者の記事だ。ところが、その種の記事もなければ、ホッグは南京に行ってもいない。つまり習の「日本軍残虐演説」は何の根拠もない大嘘と判明した。産経新聞ロンドン支局長・岡部伸記者のスクープだ(八月三十一日付)。
 習の演説の一年前、中国は「南京虐殺事件資料集」なるものを、国連ユネスコの記憶遺産に登録申請した。日本側がその中身を見せろと主張したが、なぜかユネスコは見せない。中国の手が回っているとしか思えない。
目下、藤岡氏を筆頭に、通州事件をユネスコの記憶遺産に登録する動きが進行している習近平の演説は真っ赤なウソ、こちら通州事件は正真正銘、酸鼻の真実だ

 通州事件は単なる虐殺事件ではなく、盧溝橋事件から数日後に惹起された事件で、これによって日本の国論が「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」一色となり、不拡大方針の日本中枢も引くに引けなくなり、上海の海軍中尉・大山勇雄夫の惨殺事件と挑発がつづき、支那事変に突入した(月刊 Hanada 20161年11月号 蒟蒻問答 より)、歴史のターニングポイントの事件だったのです。

 古森氏は、中国の「犠牲者カード」へのシャーリー・カン女史の反論に相当する材料は日本にもあると、孫文の保護や経済支援を挙げておられます。南京事件の誇大な誤った内容の記憶遺産の是正が必要ですが、逆に通州事件の記憶遺産登録など、中国の一方的な「犠牲者カード」を是正する材料の、世論戦の展開が必要ですね。
 シャーリー・カン女史の反論は、敗戦国日本単独での反論では効果が限定されがちなところへ、世界の人々に中国観を真実に目覚めてもらえる共通課題提起になりますね。



 # 冒頭の画像は、通州事件の犠牲者
  https://www.youtube.com/watch?v=Qtkn0HZjpTo




  この花の名前は、一輪草


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