
7月20日に行われた参議院選挙で、自民党は大敗し、衆議院に続いて参議院でも自公が少数与党となった。石破茂首相の退陣は避けられない。
また、日米関税交渉は対日関税15%で決着した。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりだと、舛添 要一氏。
参院選では、自民党が39(−13)議席、公明党が8(−6)議席と後退し、国民民主党が17(+13)議席、参政党が14(+13)議席と躍進した。
その他の政党は、立憲民主党が22(±0)議席、日本維新の会7(+2)議席、共産党3(−4)議席、れいわ新選組3(+1)議席、日本保守党2(+2)議席、社民党1(±0)議席、NHK党0(−1)議席、再生の道0(±0)議席、みらい1(+1)議席、無所属・他8(+1)議席。
比例区を見てみると、自民党が1281万票で前回より545万票減らしている。公明党は521万票で97万票減である。国民は762万票で446万票増やし、比例区では野党第一党となった。参政は742万票で、前回の176万票から4倍増となった。立憲は、739万票で約60万票増やしたが、得票率では下がっており、野党第三党に転落!
最大の争点は、経済、とりわけ物価高である。昨年夏から米価が高騰してきたのに対し、石破政権は有効な対策を迅速に講じることに失敗した。
農水相が小泉進次郎に交代してから、備蓄している古古古米まで放出することによって少しは改善したが、今でも5キロ当たりで平均3500円台であると、舛添氏。
その他の商品も軒並み値上がりしている。ガソリン価格も高い水準のままであるとも。
一方で、給料などの所得は、一部の大企業を除いて、インフレに追いつくほどは上昇していない。とりわけ、税金や社会保険料の負担によって手取額が大きく減っており、その不満は大きく、減税をうたう野党に票が流れた。
「手取りを増やそう」をスローガンにした国民民主党に若者の票が流れたのは当然だと、舛添氏。
出口調査によれば、自公が掲げた現金給付と野党提案の減税を比べると、前者を好んだのは22%で、後者が72%であった。
民意に鈍感な石破政権が有権者に断罪されたと、舛添氏。
国民の不満は、日本で生活したり、日本に投資したりする外国人にも向かう。それを攻撃して党勢を拡大したのが参政党。
参政党が拡散するプロパガンダは、ナチスが展開した反ユダヤ主義の宣伝と似ていると、舛添氏。
参院選後に石破は、続投を宣言した。
自民党内では、敗北の責任をとらない総理総裁に対して、辞任を求める動きが加速。
7月23日午後には、麻生太郎、菅義偉、岸田文雄の総理大臣経験者と会談した。石破の進退についての話はなかったという表向きの発表と違い、実際にはかなり突っ込んだ議論があったようだと、舛添氏。
石破退陣は時間の問題だと思われるし、すでに自民党内では後継争いが始まっている。
読売新聞が、21~22日に実施した世論調査によると、「誰が次期総理に相応しいか」という問いに対して、高市早苗26%、小泉進次郎22%、石破総理8%、河野太郎7%、小林鷹之3%、岸田文雄2%、上川陽子2%、茂木敏充2%、加藤勝信1%という回答。
政党支持率は、自民19(前回6月調査では23)%,参政12(5)%、国民11(5)%、立憲8(6)%、公明4(3)%、無党派29(43)%。
同調査で、「望ましい政権のあり方」を尋ねると、「野党中心の政権交代」が47%、「自民党中心の政権の継続」が35%であった。政権交代への期待が高まっている。
しかし、野党は、政策的にもバラバラで、今の状態では国民の期待に応えられそうもないと、舛添氏。
内閣不信任案を提出するのか、そして、解散総選挙という事態になったときに、選挙で戦う準備はできているのか。実は、野党もまた重い課題に直面していると。
7月23日に、アメリカとの関税協議が決着した。日本に対しては関税率を15%にするという内容である。8月1日に発動予定だった25%から引き下げられた。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりである。
自動車関税は、これまで2.5%だったものが、12.5%も引き上げられるのであり、それが自動車業界に与える影響は甚大である。その意味で、手放しで喜べるような内容ではない。
アメリカはトランプ関税のおかげで、蘇るのであろうか。たとえば自動車産業であるが、アメリカ車がヨーロッパ諸国や日本で売れないのは、関税だけが理由ではない。また、日本や欧州の車がアメリカで販売が好調なのも、低関税によるものだけではない。ユーザーのニーズに応えるだけの車作りをしているのかどうかであると、舛添氏。
これからの世界はアメリカと中国の覇権競争になる。それにインドも参加することになろう。
AIのDeepSeekの開発に見られるように、中国は技術競争でアメリカを追い抜こうとしている。軍事力、とりわけ海軍力の拡張にも力を注いでいる。そのような中国に対して、関税という手段で勝ち抜くことは不可能であると、舛添氏。
日米関税交渉がまとまった今、石破氏はそれを花道に退陣するというのが筋であろう。ところが、合意内容を実行に移すために、政権にとどまる必要があると主張している。
自民党が再生する道は遠ざかっていると!
# 冒頭の画像は、石破首相。

この花の名前は、ダリア
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA
また、日米関税交渉は対日関税15%で決着した。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりだと、舛添 要一氏。
「石破退陣」は不可避の様相、だがポスト石破の筆頭と目されたあの政治家は意外に不人気、誰なら政権運営を託せるか 【舛添直言】関税交渉「15%」で妥結も産業界への影響は大、政治の迷走は許されない | JBpress (ジェイビープレス)
【舛添直言】関税交渉「15%」で妥結も産業界への影響は大、政治の迷走は許されない
舛添 要一 国際政治学者 2025.7.26(土)
7月20日に行われた参議院選挙で、自民党は大敗し、衆議院に続いて参議院でも自公が少数与党となった。石破茂首相の退陣は避けられない。不透明な政局が続く。また、日米関税交渉は対日関税15%で決着した。トランプのアメリカは、世界を大きく作り替えようとしている。
■参院選の総括
参院選では、自民党が39(−13)議席、公明党が8(−6)議席と後退し、国民民主党が17(+13)議席、参政党が14(+13)議席と躍進した。
その他の政党は、立憲民主党が22(±0)議席、日本維新の会7(+2)議席、共産党3(−4)議席、れいわ新選組3(+1)議席、日本保守党2(+2)議席、社民党1(±0)議席、NHK党0(−1)議席、再生の道0(±0)議席、みらい1(+1)議席、無所属・他8(+1)議席である。
比例区を見てみると、自民党が1281万票で前回より545万票減らしている。公明党は521万票で97万票減である。国民は762万票で446万票増やし、比例区では野党第一党となった。参政は742万票で、前回の176万票から4倍増となった。立憲は、739万票で約60万票増やしたが、投票率が上がったため、得票率では下がっており、野党第三党に転落してしまった。
出口調査で年代別の比例区投票先を見ると、自民党がトップになるのは50代以上の年齢層であり、それ以下の世代では、トップは国民民主党や参政党である。自民や立憲は、高齢者が支持する政党である。
投票日の朝日新聞の出口調査によれば、国民/参政/自民/立憲と並列すると、18~19歳で25/23/11/7%、20代で26/22/10/6%、30代で18/22/11/6%、40代で14/18/15/8%、50代で11/15/18/12%、60代で8/11/23/15%、70代で5/6/30/19%、80歳以上で3/4/37/18%となっている。
■国民生活に鈍感な自民党
最大の争点は、経済、とりわけ物価高である。昨年夏から米価が高騰してきたのに対し、石破政権は有効な対策を迅速に講じることに失敗した。農水相が小泉進次郎に交代してから、備蓄している古古古米まで放出することによって少しは改善したが、今でも5キロ当たりで平均3500円台である。
スーパーやデパートに買い物に行けば、その他の商品も軒並み値上がりしている。ガソリン価格も高い水準のままである。
一方で、給料などの所得は、一部の大企業を除いて、インフレに追いつくほどは上昇していない。とりわけ、税金や社会保険料の負担によって手取額が大きく減っており、その不満は大きく、減税をうたう野党に票が流れたのである。とりわけ、「手取りを増やそう」をスローガンにした国民民主党に若者の票が流れたのは当然である。
出口調査によれば、自公が掲げた現金給付と野党提案の減税を比べると、前者を好んだのは22%で、後者が72%であった。
どの国の選挙でも、日々の生活、経済が最大の争点になる。民意に鈍感な石破政権が有権者に断罪されたのである。
国民の不満は、日本で生活したり、日本に投資したりする外国人にも向かう。それを攻撃して党勢を拡大したのが参政党である。「日本人ファースト」を掲げるこの政党は、ドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」やフランスの国民連合(RN)と同じ、排外主義的ポピュリスト政党である。
参政党が拡散するプロパガンダは、ナチスが展開した反ユダヤ主義の宣伝と似ている。
■石破の続投宣言
参院選後に石破は、続投を宣言した。これには、党の内外で批判の声が高まった。とくに、自民党内では、敗北の責任をとらない総理総裁に対して、辞任を求める動きが加速した。昨年の衆院選、今年6月の都議選、今回の参院選と立て続けに敗退した。安倍晋三首相が長期政権を維持できたのは、選挙に勝ち続けたからである。
7月23日午後には、麻生太郎、菅義偉、岸田文雄の総理大臣経験者と会談した。石破の進退についての話はなかったという表向きの発表と違い、実際にはかなり突っ込んだ議論があったようだ。
7月28日には、両院議員懇談会が開かれるが、これを議員総会に変更するように求める動きが出ている。
石破退陣は時間の問題だと思われるし、すでに自民党内では後継争いが始まっている。
読売新聞が、21~22日に実施した世論調査によると、「誰が次期総理に相応しいか」という問いに対して、高市早苗26%、小泉進次郎22%、石破総理8%、河野太郎7%、小林鷹之3%、岸田文雄2%、上川陽子2%、茂木敏充2%、加藤勝信1%という回答であった。
高市に対しては、右よりすぎて、野党の結束を固めてしまうという不安がある。したがって、同調査の回答を野党支持者に限って見ると、高市36%、小泉16%、石破5%となっている。一方、自民党支持者では、高市14%、小泉32%、石破8%である。無党派層では、高市22%、小泉23%、石破5%となっている。
また、「今後、首相に優先して取り組んでほし年金など社会保障が78%い政策や課題」について問うたところ、物価高対策が88%、外交や安全保障が73%、教育や子育てが73%、政治とカネが68%、外国人政策が54%であった。
なお、政党支持率は、自民19(前回6月調査では23)%,参政12(5)%、国民11(5)%、立憲8(6)%、公明4(3)%、無党派29(43)%であった。無党派層が国民と参政に走ったことが分かる。
いずれにしても、誰なら自民党を再生できるのか?
一方、同調査で、「望ましい政権のあり方」を尋ねると、「野党中心の政権交代」が47%、「自民党中心の政権の継続」が35%であった。政権交代への期待が高まっている。
しかし、野党は、政策的にもバラバラで、今の状態では国民の期待に応えられそうもない。
石破内閣が継続する場合、内閣不信任案を提出するのか、そして、解散総選挙という事態になったときに、選挙で戦う準備はできているのか。実は、野党もまた重い課題に直面しているのである。
■トランプ政権への対応
7月23日に、アメリカとの関税協議が決着した。日本に対しては関税率を15%にするという内容である。8月1日に発動予定だった25%から引き下げられた。
これに対して、日本側は、米国産コメの輸入75%増、トウモロコシや大豆など80億ドル相当の農産物を購入、ボーイング社の航空機100機の購入、防衛装備品を毎年数十億ドル分の追加購入、5500億ドルの対米投資(投資による利益の90%はアメリカに)、米国産車の認証手続き簡素化、アラスカ州のLNG開発で新たな日米協定締結などを受け入れた。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりである。
自動車関税は、これまで2.5%だったものが、12.5%も引き上げられるのであり、それが自動車業界に与える影響は甚大である。その意味で、手放しで喜べるような内容ではない。
日本のあらゆる業界に大きな負担がかかり、企業努力のみでは乗り切れなくなる。倒産する企業や事業者も増えるであろう。その救済をどうするのか。また、景気が悪くなれば、国民の生活もさらに苦しくなる。
一方、アメリカはトランプ関税のおかげで、蘇るのであろうか。たとえば自動車産業であるが、アメリカ車がヨーロッパ諸国や日本で売れないのは、関税だけが理由ではない。また、日本や欧州の車がアメリカで販売が好調なのも、低関税によるものだけではない。ユーザーのニーズに応えるだけの車作りをしているのかどうかである。
これからの世界はアメリカと中国の覇権競争になる。それにインドも参加することになろう。
AIのDeepSeekの開発に見られるように、中国は技術競争でアメリカを追い抜こうとしている。軍事力、とりわけ海軍力の拡張にも力を注いでいる。そのような中国に対して、関税という手段で勝ち抜くことは不可能である。
日米関税交渉がまとまった今、それを花道に退陣するというのが筋であろう。ところが、石破は、合意内容を実行に移すために、政権にとどまる必要があると主張している。詭弁である。自民党が再生する道は遠ざかっている。
【舛添直言】関税交渉「15%」で妥結も産業界への影響は大、政治の迷走は許されない
舛添 要一 国際政治学者 2025.7.26(土)
7月20日に行われた参議院選挙で、自民党は大敗し、衆議院に続いて参議院でも自公が少数与党となった。石破茂首相の退陣は避けられない。不透明な政局が続く。また、日米関税交渉は対日関税15%で決着した。トランプのアメリカは、世界を大きく作り替えようとしている。
■参院選の総括
参院選では、自民党が39(−13)議席、公明党が8(−6)議席と後退し、国民民主党が17(+13)議席、参政党が14(+13)議席と躍進した。
その他の政党は、立憲民主党が22(±0)議席、日本維新の会7(+2)議席、共産党3(−4)議席、れいわ新選組3(+1)議席、日本保守党2(+2)議席、社民党1(±0)議席、NHK党0(−1)議席、再生の道0(±0)議席、みらい1(+1)議席、無所属・他8(+1)議席である。
比例区を見てみると、自民党が1281万票で前回より545万票減らしている。公明党は521万票で97万票減である。国民は762万票で446万票増やし、比例区では野党第一党となった。参政は742万票で、前回の176万票から4倍増となった。立憲は、739万票で約60万票増やしたが、投票率が上がったため、得票率では下がっており、野党第三党に転落してしまった。
出口調査で年代別の比例区投票先を見ると、自民党がトップになるのは50代以上の年齢層であり、それ以下の世代では、トップは国民民主党や参政党である。自民や立憲は、高齢者が支持する政党である。
投票日の朝日新聞の出口調査によれば、国民/参政/自民/立憲と並列すると、18~19歳で25/23/11/7%、20代で26/22/10/6%、30代で18/22/11/6%、40代で14/18/15/8%、50代で11/15/18/12%、60代で8/11/23/15%、70代で5/6/30/19%、80歳以上で3/4/37/18%となっている。
■国民生活に鈍感な自民党
最大の争点は、経済、とりわけ物価高である。昨年夏から米価が高騰してきたのに対し、石破政権は有効な対策を迅速に講じることに失敗した。農水相が小泉進次郎に交代してから、備蓄している古古古米まで放出することによって少しは改善したが、今でも5キロ当たりで平均3500円台である。
スーパーやデパートに買い物に行けば、その他の商品も軒並み値上がりしている。ガソリン価格も高い水準のままである。
一方で、給料などの所得は、一部の大企業を除いて、インフレに追いつくほどは上昇していない。とりわけ、税金や社会保険料の負担によって手取額が大きく減っており、その不満は大きく、減税をうたう野党に票が流れたのである。とりわけ、「手取りを増やそう」をスローガンにした国民民主党に若者の票が流れたのは当然である。
出口調査によれば、自公が掲げた現金給付と野党提案の減税を比べると、前者を好んだのは22%で、後者が72%であった。
どの国の選挙でも、日々の生活、経済が最大の争点になる。民意に鈍感な石破政権が有権者に断罪されたのである。
国民の不満は、日本で生活したり、日本に投資したりする外国人にも向かう。それを攻撃して党勢を拡大したのが参政党である。「日本人ファースト」を掲げるこの政党は、ドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」やフランスの国民連合(RN)と同じ、排外主義的ポピュリスト政党である。
参政党が拡散するプロパガンダは、ナチスが展開した反ユダヤ主義の宣伝と似ている。
■石破の続投宣言
参院選後に石破は、続投を宣言した。これには、党の内外で批判の声が高まった。とくに、自民党内では、敗北の責任をとらない総理総裁に対して、辞任を求める動きが加速した。昨年の衆院選、今年6月の都議選、今回の参院選と立て続けに敗退した。安倍晋三首相が長期政権を維持できたのは、選挙に勝ち続けたからである。
7月23日午後には、麻生太郎、菅義偉、岸田文雄の総理大臣経験者と会談した。石破の進退についての話はなかったという表向きの発表と違い、実際にはかなり突っ込んだ議論があったようだ。
7月28日には、両院議員懇談会が開かれるが、これを議員総会に変更するように求める動きが出ている。
石破退陣は時間の問題だと思われるし、すでに自民党内では後継争いが始まっている。
読売新聞が、21~22日に実施した世論調査によると、「誰が次期総理に相応しいか」という問いに対して、高市早苗26%、小泉進次郎22%、石破総理8%、河野太郎7%、小林鷹之3%、岸田文雄2%、上川陽子2%、茂木敏充2%、加藤勝信1%という回答であった。
高市に対しては、右よりすぎて、野党の結束を固めてしまうという不安がある。したがって、同調査の回答を野党支持者に限って見ると、高市36%、小泉16%、石破5%となっている。一方、自民党支持者では、高市14%、小泉32%、石破8%である。無党派層では、高市22%、小泉23%、石破5%となっている。
また、「今後、首相に優先して取り組んでほし年金など社会保障が78%い政策や課題」について問うたところ、物価高対策が88%、外交や安全保障が73%、教育や子育てが73%、政治とカネが68%、外国人政策が54%であった。
なお、政党支持率は、自民19(前回6月調査では23)%,参政12(5)%、国民11(5)%、立憲8(6)%、公明4(3)%、無党派29(43)%であった。無党派層が国民と参政に走ったことが分かる。
いずれにしても、誰なら自民党を再生できるのか?
一方、同調査で、「望ましい政権のあり方」を尋ねると、「野党中心の政権交代」が47%、「自民党中心の政権の継続」が35%であった。政権交代への期待が高まっている。
しかし、野党は、政策的にもバラバラで、今の状態では国民の期待に応えられそうもない。
石破内閣が継続する場合、内閣不信任案を提出するのか、そして、解散総選挙という事態になったときに、選挙で戦う準備はできているのか。実は、野党もまた重い課題に直面しているのである。
■トランプ政権への対応
7月23日に、アメリカとの関税協議が決着した。日本に対しては関税率を15%にするという内容である。8月1日に発動予定だった25%から引き下げられた。
これに対して、日本側は、米国産コメの輸入75%増、トウモロコシや大豆など80億ドル相当の農産物を購入、ボーイング社の航空機100機の購入、防衛装備品を毎年数十億ドル分の追加購入、5500億ドルの対米投資(投資による利益の90%はアメリカに)、米国産車の認証手続き簡素化、アラスカ州のLNG開発で新たな日米協定締結などを受け入れた。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりである。
自動車関税は、これまで2.5%だったものが、12.5%も引き上げられるのであり、それが自動車業界に与える影響は甚大である。その意味で、手放しで喜べるような内容ではない。
日本のあらゆる業界に大きな負担がかかり、企業努力のみでは乗り切れなくなる。倒産する企業や事業者も増えるであろう。その救済をどうするのか。また、景気が悪くなれば、国民の生活もさらに苦しくなる。
一方、アメリカはトランプ関税のおかげで、蘇るのであろうか。たとえば自動車産業であるが、アメリカ車がヨーロッパ諸国や日本で売れないのは、関税だけが理由ではない。また、日本や欧州の車がアメリカで販売が好調なのも、低関税によるものだけではない。ユーザーのニーズに応えるだけの車作りをしているのかどうかである。
これからの世界はアメリカと中国の覇権競争になる。それにインドも参加することになろう。
AIのDeepSeekの開発に見られるように、中国は技術競争でアメリカを追い抜こうとしている。軍事力、とりわけ海軍力の拡張にも力を注いでいる。そのような中国に対して、関税という手段で勝ち抜くことは不可能である。
日米関税交渉がまとまった今、それを花道に退陣するというのが筋であろう。ところが、石破は、合意内容を実行に移すために、政権にとどまる必要があると主張している。詭弁である。自民党が再生する道は遠ざかっている。
参院選では、自民党が39(−13)議席、公明党が8(−6)議席と後退し、国民民主党が17(+13)議席、参政党が14(+13)議席と躍進した。
その他の政党は、立憲民主党が22(±0)議席、日本維新の会7(+2)議席、共産党3(−4)議席、れいわ新選組3(+1)議席、日本保守党2(+2)議席、社民党1(±0)議席、NHK党0(−1)議席、再生の道0(±0)議席、みらい1(+1)議席、無所属・他8(+1)議席。
比例区を見てみると、自民党が1281万票で前回より545万票減らしている。公明党は521万票で97万票減である。国民は762万票で446万票増やし、比例区では野党第一党となった。参政は742万票で、前回の176万票から4倍増となった。立憲は、739万票で約60万票増やしたが、得票率では下がっており、野党第三党に転落!
最大の争点は、経済、とりわけ物価高である。昨年夏から米価が高騰してきたのに対し、石破政権は有効な対策を迅速に講じることに失敗した。
農水相が小泉進次郎に交代してから、備蓄している古古古米まで放出することによって少しは改善したが、今でも5キロ当たりで平均3500円台であると、舛添氏。
その他の商品も軒並み値上がりしている。ガソリン価格も高い水準のままであるとも。
一方で、給料などの所得は、一部の大企業を除いて、インフレに追いつくほどは上昇していない。とりわけ、税金や社会保険料の負担によって手取額が大きく減っており、その不満は大きく、減税をうたう野党に票が流れた。
「手取りを増やそう」をスローガンにした国民民主党に若者の票が流れたのは当然だと、舛添氏。
出口調査によれば、自公が掲げた現金給付と野党提案の減税を比べると、前者を好んだのは22%で、後者が72%であった。
民意に鈍感な石破政権が有権者に断罪されたと、舛添氏。
国民の不満は、日本で生活したり、日本に投資したりする外国人にも向かう。それを攻撃して党勢を拡大したのが参政党。
参政党が拡散するプロパガンダは、ナチスが展開した反ユダヤ主義の宣伝と似ていると、舛添氏。
参院選後に石破は、続投を宣言した。
自民党内では、敗北の責任をとらない総理総裁に対して、辞任を求める動きが加速。
7月23日午後には、麻生太郎、菅義偉、岸田文雄の総理大臣経験者と会談した。石破の進退についての話はなかったという表向きの発表と違い、実際にはかなり突っ込んだ議論があったようだと、舛添氏。
石破退陣は時間の問題だと思われるし、すでに自民党内では後継争いが始まっている。
読売新聞が、21~22日に実施した世論調査によると、「誰が次期総理に相応しいか」という問いに対して、高市早苗26%、小泉進次郎22%、石破総理8%、河野太郎7%、小林鷹之3%、岸田文雄2%、上川陽子2%、茂木敏充2%、加藤勝信1%という回答。
政党支持率は、自民19(前回6月調査では23)%,参政12(5)%、国民11(5)%、立憲8(6)%、公明4(3)%、無党派29(43)%。
同調査で、「望ましい政権のあり方」を尋ねると、「野党中心の政権交代」が47%、「自民党中心の政権の継続」が35%であった。政権交代への期待が高まっている。
しかし、野党は、政策的にもバラバラで、今の状態では国民の期待に応えられそうもないと、舛添氏。
内閣不信任案を提出するのか、そして、解散総選挙という事態になったときに、選挙で戦う準備はできているのか。実は、野党もまた重い課題に直面していると。
7月23日に、アメリカとの関税協議が決着した。日本に対しては関税率を15%にするという内容である。8月1日に発動予定だった25%から引き下げられた。
関税率が25%から15%に引き下げられたことは、大きな勝利のような印象を与えるが、それこそが、トランプ流のディールのからくりである。
自動車関税は、これまで2.5%だったものが、12.5%も引き上げられるのであり、それが自動車業界に与える影響は甚大である。その意味で、手放しで喜べるような内容ではない。
アメリカはトランプ関税のおかげで、蘇るのであろうか。たとえば自動車産業であるが、アメリカ車がヨーロッパ諸国や日本で売れないのは、関税だけが理由ではない。また、日本や欧州の車がアメリカで販売が好調なのも、低関税によるものだけではない。ユーザーのニーズに応えるだけの車作りをしているのかどうかであると、舛添氏。
これからの世界はアメリカと中国の覇権競争になる。それにインドも参加することになろう。
AIのDeepSeekの開発に見られるように、中国は技術競争でアメリカを追い抜こうとしている。軍事力、とりわけ海軍力の拡張にも力を注いでいる。そのような中国に対して、関税という手段で勝ち抜くことは不可能であると、舛添氏。
日米関税交渉がまとまった今、石破氏はそれを花道に退陣するというのが筋であろう。ところが、合意内容を実行に移すために、政権にとどまる必要があると主張している。
自民党が再生する道は遠ざかっていると!
# 冒頭の画像は、石破首相。

この花の名前は、ダリア
↓よろしかったら、お願いします。

遊爺さんの写真素材 - PIXTA