遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国軍艦「シャンウェイ」のロックオンは、共産党中央の指示だった

2013-04-24 23:43:16 | 東シナ海尖閣諸島
 中国軍のフリゲート艦「シャンウェイ」によるロックオンについては、中国政府は日本の捏造などと言ってしらを切り煙にまいて逃げようとしていました。大方の見方は、党中央がそこまで細かな指示はしないので、総参謀部が全軍に「戦争の準備をせよ」との指示を出した中で、現場の勇み足で発生したものとされていました。
 現場の暴走とすれば、政府の統制力を疑われ、党中央の指示だとすれば、世界世論の非難を浴びることから、苦しい言い逃れでした。
 ところが、党中央の指示によるものだったと産経が報じています。
 党中央が軍事委員会に「日本を威嚇する方法はないか」と検討を指示し、軍事委員会が回答し、それを党中央が承認し現場が実行に移したというものです。
 

海自艦へのレーダー照射 中国共産党が指示 「砲身向け威嚇」も許可 (4/24 産経)

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)北方海域における中国海軍艦艇による海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射が、中国共産党中央の指示によるものだったことが23日、分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。党中央から威嚇手段の検討を指示された中央軍事委員会が、レーダー照射に加え、「火砲指向」も提示。党中央はいずれも実施を許可
していた。海自側は、レーダーに続き火砲も向けられれば中国側の攻撃意図を認定せざるを得ず、一触即発の事態となる恐れもあった。

 関係筋によると、党中央が軍事委に対し、海自への威嚇について検討するよう指示したのは1月14日。
 これに先立つ1月5日、安倍晋三首相が尖閣諸島周辺での領域警備で対抗措置を強化するよう指示。具体的には、領空侵犯機が無線警告に従わない場合、空自戦闘機が曳光(えいこう)弾で警告射撃を行い、海軍艦艇が領海付近に進出してくれば、それまで28キロの距離を置いていた海自艦艇が3キロまで接近することに改めた。
 こうした日本政府の対応に中国側は強く反発。党中央が威嚇の検討を指示した14日には、人民解放軍の機関紙「解放軍報」が、作戦立案を担う
総参謀部が全軍に「戦争の準備をせよ」との指示
を出していたと報じた。
 
党中央による軍事委への指示は、「日本を威嚇する方法はないか」という内容。加えて、「日本の出方を試す必要もある」
との意図も伝えた。 これに対し、軍事委は「海上であれば艦艇が日本の艦艇に射撃管制用レーダーを照射するか、火砲の砲身を向けることが考えられる」と回答した。
 党中央はこれを認め、実施時期と場所、手順については艦艇の「艦長判断」に委ねる方針も示した。
 中国の国防方針は党中央→軍事委→軍四総部-の流れで決まり、関係筋は「照射も通常の指揮系統で決定された」と指摘する。
 海軍艦艇が1回目のレーダー照射とみられる挑発に出たのは、党中央の指示から5日が経過した1月19日。このとき中国フリゲート艦と海自ヘリの距離は数キロ。2度目はフリゲート艦と海自艦艇の距離が約3キロで、フリゲート艦の艦長は接近してきた護衛艦に威嚇で応じたとみられる。


 党中央レベルがそこまで細かく関与するのかと驚くと同時に、核心的利益の尖閣奪取にいかに本気で取り組んでいるかを改めて思い知らされました。「日中関係筋」というソースの信憑性も疑う気持ちもありますが、複数のソースがある様ですので疑うのは失礼でしょう。
 国際常識を大きく逸脱する、蛮行です。中国共産党新体制の稚拙さと危険さを露呈したものですね。
 北朝鮮の蛮行を、若い無知な指導者による暴走とそしる資格は、中国にはないどころか、中国も北と同じレベルだと言えますね。

 話が少しずれますが、2月に「尖閣で漁をする海人の会」の石垣島の漁船「第十一善幸丸」がチェコTVの記者を同乗させていて尖閣領海で「海監」3隻に1時間半もの時間追跡されました。
 今回、「頑張れ日本!全国行動委員会」のメンバーが同乗した漁船を、8隻の「海監」と、2隻の「魚政」で追跡や監視の備えにあたりました。
 日本漁船の尖閣接近とその搭乗者の情報が、中国側に事前に伝わっていると推測されますが、石垣島に中国側の情報収集網が出来ているのでしょうね。
 
 8 + 2 = 10隻もの公船の出動を見せた今回の領海侵犯と漁船の追跡は、中国の尖閣奪取の戦術が、漁船が大挙して押しかけて、どさくさまぎれに上陸を果たす作戦から、尖閣近海の管理の実権を握り実効支配を確立する正攻法に戦術変換されたと考えるべきと、遊爺はつぶやいていました。
 組織変更され機動性を強め、新造艦を大量に増やしている中国は、日本の巡視船を凌駕する数で尖閣近海での管理体制の実権を確立しようという戦術です。本気のしかも強硬な正面突破を狙うものですね。
 中国側のこの戦術転換に、日本の体制も見直しが必要と、産経も書いてくれています。
 

計画の想定超す船団 海保専従部隊、迫られる見直し (4/24 産経)

 「想定外だ」。8隻もの中国公船が一度に領海に入る過去に例のない事態に、第11管区海上保安本部(那覇)の幹部は23日、こう繰り返した。海保は今後、尖閣周辺の警備態勢を増強し、専従部隊を編成する方針だが、この部隊が対応する想定も超えており、見直しを迫られそうだ

 昨年9月の尖閣諸島国有化後、中国側は尖閣への関与を強めようとしており、最近では、10時間を超える長時間の領海侵犯や海洋監視機の領空侵犯など、示威行為を多様化させている。
 これに対し、海保は巡視船を大量投入して対応にあたっている。
 
「5隻程度」の中国公船を念頭に、それぞれに巡視船が1隻ずつ対応にあたるシフトを敷いているが、今回は接続水域の航行も含め、中国公船は計10隻と想定の倍
だ。
 こうした事態に、河野克俊海上幕僚長は23日の記者会見で、引き続き海保の活動を側面支援する考えを示した。
 海保は平成27年度までに、全国の巡視船の運用をやりくりして尖閣対応にあたる現在の手法を見直し、
12隻態勢の中国公船専従対応部隊を編成するが、この部隊も中国公船5隻程度の想定にとどまる。海保幹部は「中国が今後展開を強化すると、専従部隊だけで対応できない」と話した。

 ロックオンと言った危険な行為を、具体的に党中央が支持をする中国。核心的利益と尖閣を指定・公言しているのですから、本気で盗りにきているのです。国内向けのパフォーマンスの域は逸脱しています。
 安倍首相は、23日の予算委員会で、「尖閣諸島と海域を安定的に維持管理するための具体的な方策として、公務員の駐在や船だまりなどの様々な選択肢は常に頭の中にある」と発言し、中国の侵略行為を牽制しました。
 
尖閣に公務員駐在も…首相、対抗措置を示唆 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東京都と石垣市に実効支配策を進めていましたが、野田政権が競うように国有化を焦ったことで、タイミングを逸してしまった実効支配策は、実行に移すハードルが、とてつもなく高くなってしまっています。

 中国の尖閣奪取の本気度と、強行手段のグレードアップが明らかになってきた今、新たな対抗策・抑止力の構築が急務です。

 中国監視船が尖閣で日本の漁船追跡 「追い払いに成功」と勝利宣言 - Infoseek ニュース



 # 冒頭の画像は、領海を出ようとする日本の漁船と併走する中国の「海監66」。その奥はそれを警戒する海上保安庁の巡視船「いしがき」




  この花の名前は、ドームギク

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中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!



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