1948年から

文句たらたらどうでも日記

詩でおよぐ

2023-03-30 20:03:14 | 水泳

初恋という名のバラ、旧古河庭園で

  「まだあげ初めし前髪の
   林檎のもとに見えしとき・・・    
島崎藤村の詩『初恋』の初々しさ。

車窓からお濠端の満開の桜と若草色の新緑を見ながら
東京体育館のプールへ。
このプールは明るく、外の緑が見えるので気持ちがいい。
閉館した辰巳プールも運河の水辺など外の景色が見られました。
千葉国際は立派なプールなのに、もっさり暗くて寒く、何も見えない。

萩原朔太郎の詩集『月に吠える』の中にあった詩

「およぐひと」
およぐひとのからだはななめにのびる、
二本の手はながくそろへてひきのばされる、
およぐひとの心臓(こころ)はくらげのようにすきとほる、
およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、
およぐひとのたましひは水のうへの月をみる。

海か川か、プールではないでしょう。
でもこんなふうに、澄んだこころの目で外を見、
つりがねのひびきのように水の音をききながら
泳ぎたいです。

こちらも好きです。
コクトーの詩「耳」堀口大學訳
 「私の耳は貝の殻、海の響きを懐かしむ」

まさか

2023-03-28 13:47:21 | 読書
辻邦生『外国文学の愉しみ』(レグルス文庫)
期待して読み始めましたが、あまりに高尚、難解すぎて
私には理解不能、
途中、文章が難しくて飛ばしたくなる、実際飛ばした、
ページもありました。
かえってここに出てくる外国文学や作家の本は
楽しむどころかこんな偉そうなものは、と避けたくなりました。

そんな中で、あれっ?と思ったのは
モンマルトルにあるスタンダールの墓碑銘のこと。

「生きた、書いた、愛した」

有名な墓碑銘だそうですが、最近これにそっくりな文言を
見た記憶があり、探ってみたらやはりありました。
2021年に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さんの墓碑銘

「愛した 書いた 祈った」

私の勝手な想像ですが、
この作家がスタンダールの墓碑銘を知らないはずはないでしょう。
彼女自身が病床でこの墓碑銘を考えた、
という新聞記事もありますが、
自分の生涯を顧みて、純粋に心から出てきた言葉なのでしょうか、
それとも、まさか、大作家を意識して・・・
本当のことは分かりません。

私はこの作家の行いが大嫌い、特に出家してからの言動が
ものすごく不快で嫌なので、
どうしても嫌な憶測ばかりしてしまいます。

なまけものの読書

2023-03-19 20:49:15 | 読書

ムスカリ、隅田川テラスで

花粉のせいで、家にこもってます。
玄関から一歩も出ない、一声も発しない日々もあって、
必要最小限家事のみのなまけもの生活。
どうにもならない不快なことも、
そのうち解消する日が来るはず、
何事も始まりがあって終わりがある、
必ず来る終わりを待ちます。

そんな気持ちを癒してくれる本を読んでます。
辻邦生の小説に、文章、言葉の美しさ、巧みさに魅せられてます。
日本語っていいなあ、と思いながら読んでます。
『西行花伝』(新潮文庫)、これは二回目、以前読んだときよりも、
時の権力者との関わりの深さから、歌人以上の人の姿が
浮かんできました。

『安土往還記』(新潮文庫)は宣教師とともに日本へやって来た
キリシタンではないジェノバ生まれの船員は、実務にたけ、
いろいろな技術をもっています。
そんな男と信長との接点、彼が述べる信長の人となりが
面白い。

『黄金の時刻(とき)の滴り(したたり)』(講談社文芸文庫)
12人の文豪ひとりひとりの創作の源を探る話。
中でも夏目漱石、モーム、トルストイが面白かった、
やはりよく読んでいる作家だから興味がわきました。
作中の人物が出てきて、作者と対話したり、
不思議な設定の小説でした。

『嵯峨野明月記』(中公文庫)は難しかった。
でも読み終えて、もう一度最初のページに戻ったら
すっきりしました。
本阿弥光悦、俵屋宗達、角倉素庵という安土桃山から
江戸初期を生きた職人商人階級の際立つ才能をもった
芸術家三人の交流から生まれた絢爛豪華な嵯峨本の話。
嵯峨本は木活字で印刷した初めての本です。

平凡な一般人にしてみれば、才能、財力、知力、
何をとっても夢のような話です。
変わるもの、変わらないもの、美しさとは、生きるとは、
死ぬとは、終わりとは、
三人の独白で延々と語られます。
難しかったけれど、読んで良かった、
もう一度読み直します。

テレビ

2023-03-11 20:00:47 | 日記・つぶやき

佃島隅田川テラス、中央大橋付近のサンシュウの木、
遠くから見ると、薄黄色の花、満開です。
遊覧船が次々にやってきます。

最近ネット上に植物学者の牧野富太郎のことがよく出てくるので
なぜだろう、と思ったら、TVドラマでやっているらしい。
もう10年以上前にテレビは捨ててしまい、全く見ないので
こういう話には疎いのです。
テレビに出てくる人たちの話し方、声、態度がうるさくてきらい。
もちろん中にはいい番組もあるでしょうが、
朝からテレビをつけて一方的に流れてくるものを見る、
そんな過ごし方はしたくないのです。
テレビなしの生活をずっとしていて、やっぱり見たいなあ、
と思ったこともありません。

以前、牧野氏の記念植物園に行ったことがあります。
牧野氏だけでなく、ドラマなどで人物像が作り上げられ、
多くの人がそれをそのまま受け取ってしまうのは、
なにか怖い気がします。

花粉

2023-03-06 16:03:19 | 心と体

近所の川(掘割)の土手にアオサギ?
お天気のいい日、いつも同じ場所で日向ぼっこをしている

花粉症がひどくて、ひきこもりがち。
去年は軽かったのに、今年は2月末からひどくて
頭もどんより、もやっとして、変な体調、
春は嫌な季節です。

なんにもしたくない、
家で本を読む、合間に家事、
あちこち終末へむけて身辺片付け中ですが、
きりなしです。

先週、千駄ヶ谷のプールで泳ぎ、帰り支度をしていたら、
お風呂とシャワールームの脱衣所で人が倒れている、と
騒ぎになりました。
見たら、中年の女性、仰向けにばったり、意識もなさそう、
スタッフに連絡、駆け付けて来たけれど、
そのあとどうなったか?
他人事ではありません、
無理は禁物、体調に気を付けよう。