夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

30年前の郷愁の風景を素材にクリエイティブな作業

2020-09-17 19:38:41 | Weblog
1990年9月、旧戸隠村の某地域の畑。
あの頃の私はこのまま大手電機メーカーの地方の工場の機械修理職人で終わる訳にはいかないと、20代で夢中になった8ミリの技術を生かしてビデオを始めていました。
EDC-50 という、最新鋭のカメラで北信濃の風景を撮りまくっていましたが、その中の一本のテープ。
2時間テープの大半は据えっぱなしのカメラが記録した山の畑の風景です。あの日は台風が去って乾いた南風が畑のモロコシの葉を揺らしていました。
久しぶりに再生した映像は自分なりに完璧。
観ているうちに意識はその中に。
先日思い付いて同じ場所を探し出して何度か出直し、あの日カメラを置いた場所を探り出して改めてベーカムで収録。
30年ぶりです。
これは誰でもない、自分自身の備忘録として映像作品に仕上げる必要があります。
完成したら公開しますが、受けようが受けまいが、反響があろうがなかろうがそんな次元の話じゃありません。

テープ後半、一本道の向こうから軽やかな音が聞こえてきて荷台を引いたガーデントラクタがやってきました。
運転していたのは麦わら帽子のお爺さんです。


あのときは「おっと、邪魔が入った!」。
でも今観るとまるで演出したような情景。
私とカメラの脇をお互い軽く会釈してお爺さんのトラクタは坦々と通り過ぎていきました。
あのお爺さんは80代だったと思います。
ということは、あれから丸30年、今は鬼籍に入られているでしょう。

今日は朝から編集にかかりましたが、これはまさに私のライフワークです。


テープの最後に撮ったモロコシの葉が風に揺れる音はなんとも郷愁に満ちています。
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