夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

久しぶりに観た VHS の映像で思うこと

2020-10-03 13:48:42 | Weblog
子供たちが幼かった頃、よくレンタルビデオ屋さんから「星の王子様」シリーズを借りてきて見せたものです。
当時買った中古のレンタル落ちの星の王子様 ① が出てきたので当工房に残る唯一のVHS VTR Sony SVO-1530 の動作テストを兼ねて頭の部分を再生してみました。


昔中野ブロードウェイのフジヤエービックから買った SVO-1530 は正常に動きました。


VHS なんて何年ぶりでしょう。昔はレンタルビデオは VHS でした。テレビがハイビジョンになった今、時代遅れの VHS なんてと思うでしょうがアニメと VHS は相性がいいようで画質は問題ありません。
なんというか、今のテレビの輪郭がクッキリした映像より柔らかくて目にやさしいんです。
ハイビジョンは確かに細部まで鮮明で情報量の多さは圧倒的ですが、「生々し過ぎる」という致命的ね欠点があるように思います。恐らくその点は映像に関わる人たちの共通認識だと思います。
自宅でテレビの取材を受けたとき、私のHL-79E に興味を持ったカメラマンに「画質は今のカメラのようにはいかない」と言ったら「それでいいんじゃないですか」。

私は近頃のテレビドラマは全く見ません。生々し過ぎて ”役者が一生懸命演技してる” 姿が見えちゃいますから。そこは創る側も承知していて逃げの手法で人物の背景は必ずといっていいほどボカシますが逆効果で画面の立体感が無くなります。
背景をボカスなら近景もボカしたらどうだと突っ込みたくなります。今のドラマは背景をボカシたクローズアップの人物が叫んでいるか泣いているか、しかも画面は薄暗いとくれば最悪。
ハイビジョン放送が始まった頃は「ハイビジョンはこんな細かいところまで鮮明に見えます」って宣伝していたような気がしますが。

話は飛びますが、テレビがニュースも含めて16㍉フィルムで撮影した頃、70年代のサスペンスとか木枯紋次郎シリーズ、太陽にほえろetcは映像に独特の味がありました。昔のNHK シルクロードもフィルムでしたね。
あの頃はテレビは面白かったしその後ビデオになってからは、初期の3管カメラの映像はフィルムとは全く異質の柔らかい、輪郭は曖昧ですが質感、立体感のあるものでした。特にプロレス中継はカメラの感度が低いのでしっかり照明が当たっていてレスラーの肌の質感は最高でした。ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田の時代です。初めてカラーテレビで観たときのジャイアント馬場の巨体の立体感は忘れられません。

ハイビジョンになってテレビはつまらなくなりました。
今の時代にシュールなドラマをフィルムで撮ったら面白そうですが誰もそんなことは考えないでしょうね。

恒例のウォーキング前に一枚。曇り空なのに黒姫山と妙高山がクッキリ見えました。
晴れていても山は雲に覆われて見えない日もあります。

コメント
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